愛知県の窃盗事件で逮捕 クレプトマニア専門の弁護士

2015-10-21

愛知県の窃盗事件で逮捕 クレプトマニアの弁護に強い弁護士

愛知県安城市在住のAさんは専業主婦です。
安城市内のスーパーマーケットで約3万6000円分の食料品を買い物かごに入れたのち、レジを通らずにサッカー台へと移動して持参のエコバックに商品を入れてしまいました。
そのまま店を出ようとしたところで店員に呼び止められ、愛知県警安城警察署に通報され、逮捕されました。
Aさんはクレプトマニア(窃盗症)との診断を受けており、過去に2度、万引きによる窃盗執行猶予判決を受けていました。
(大阪高裁平成26年7月8日判決を基にしたフィクションです。)

~裁判例の紹介~

今回は大阪高裁平成26年7月8日判決をご紹介します。

量刑 懲役10月(実刑)

大阪高裁は、弁護人の主張を排斥して控訴を棄却し、1審の判決を支持しました。
この裁判で、弁護人
①被告人はクレプトマニアと診断されているのに、そのような精神疾患が本件犯行に及ぼした影響の有無や程度を考慮していない
クレプトマニアの専門治療も受けているのだから、実刑にすることは再犯防止の取り組みを中断させることになる
と主張して、執行猶予判決を求めました。

しかし、大阪高裁はどちらの主張も斥けました。
①については、クレプトマニアによる影響によって本件犯行を行った可能性があることは否定できないとしました。
しかし、被告人が日常生活は特段の支障もなく過ごしていたこと、精算が済んでいるかのようにエコバック等を使っていたことなどを重視しました。
そして、被告人は商品獲得に向けて合理的な手段を採っているため、精神疾患の影響は小さいと結論付けました。
②については、しっかりと再犯防止のためのプログラムを受けていることは一般情状として被告人に有利であるとしました。
しかし、それによって本件の犯情や責任が軽減されるわけではないとしました。
さらに、実刑にすべき理由として、2度も執行猶予判決を受けながら、再び罪を犯してしまったことも挙げられています。

今回の判決は、あくまで今回の窃盗事件に関する判断なので、一般化できるものではありません。
しかし、クレプトマニアであることが量刑にどのような影響を与えるのかを示す例ではあります。
クレプトマニアの重症度や清算済みに見せるような手段をとっていたか、前科があるのか等が1つの指標となるでしょう。

クレプトマニアと診断されて万引きをしてしまった方は、刑事事件に強い弁護人がいるあいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
窃盗事件でもまずは一日でも早く弁護士事務所に相談することが重要です。
初回の相談は無料で行っております。
また、逮捕された方に対しては初回接見サービスも行っております。
(愛知県警安城警察署 初回接見費用:4万320円)

Copyright(c) 2018 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.