キャッシュカードすり替え手口で窃盗罪

2020-02-09

キャッシュカードすり替え手口で窃盗罪

特殊詐欺の1つの方法として、キャッシュカードのすり替えを行い、窃盗罪逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
Aさんは、氏名不詳の者と共謀の上、千葉県八千代市に住む高齢者VさんからVさん所有のキャッシュカード3枚を盗り、そのキャッシュカードを使って複数のATMから現金合計300万円を引き出したとして千葉県八千代警察署の警察官に窃盗罪逮捕されました。
その後、Aさんは勾留され、接見禁止決定が出たことから、弁護人以外の者との接見ができなくなりました。
そこで、Aさんは接見に来た弁護人に、家族との接見を可能とするための接見禁止一部解除の申し立てを依頼しました。
(フィクションです。)

~ キャッシュカードすり替え手口 ~

高齢者から直接現金を受け取ったり、振り込みをさせる特殊詐欺は有名ですが、これと似た手口として高齢者に巧みな嘘をついてキャッシュカードを盗る手口も横行しているようです。

手口の詳細は、例えばこうです。

まず、①グループのかけ子が高齢者に「カードが偽造されている可能性があります。」「金融庁の職員を自宅に向かわせます。」と言います。

次に、②受け子が高齢者宅に向かい、金融庁職員を装い、高齢者にもってきた封筒を差し出しながら、「カードの使用を止めるので、封筒暗証番号を書いたメモとキャッシュカードを入れて持ってきてください。」と言います。

そして、③高齢者がメモとキャッシュカードを封筒に入れて持ってくると、受け子が「それを自宅で保管しておいてください。」「ただ、封筒に割り印をする必要があります。」「印鑑をもってきてください。」といい、高齢者から封筒を預かります。

その後、④高齢者が印鑑を取りに行っている間、受け子は高齢者から預かった封筒と別の無関係なカードが入った封筒をすり替え、無関係な封筒に印鑑を押して高齢者に渡し、自宅を後にします。

そして、⑤高齢者から暗証番号が書かれたメモとキャッシュカードを使ってATMから現金を引き出すのです。

最近では、元巡査の男性が、神奈川県横須賀市に住む高齢男性からキャッシュカードを3枚盗んだとして窃盗罪で逮捕されています。
こうした場合、高齢者を被害者とする窃盗罪のほか、男性の預金を管理する銀行を被害者とする窃盗罪が別々に成立します。

刑法235条(窃盗罪)
 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

なお、上記手口は詐欺罪に当たるのでは?と思われる方もおられるかと思います。

刑法246条(詐欺罪)
1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

しかし、詐欺罪は財物(本件ではキャッシュカード、暗証番号がかかれたメモ紙)取得に向けてのだます行為があり、それによって被害者がだまされて財物を渡した、といった関係が認められなければなりません。

ところが、本件のようなキャッシュカードすり替え手口では、被害者がだまされてキャッシュカードを渡したわけではなく、被害者が知らぬ間にキャッシュカードを取られてしまった形ですので、窃盗罪に問われる可能性が高いことになります。

~ 接見禁止解除 ~

逮捕された後の刑事事件の手続きの流れについてはこちらをご覧ください
窃盗事件の流れ

今回は逮捕後の手続に関するものの中で、接見について解説したいと思います。
犯罪
をしたとして逮捕された場合、警察署の留置場で、外部の者と面会(接見)することができます。

外部の者のうち、弁護士との接見は、裁判に向けての打合せなどにとって重要ですので禁止することはできません。
しかし、弁護士以外の者との接見は禁止する決定(接見禁止決定)がされることがあります。

特に本件のように共犯者のいる事件では、接見禁止決定を出されることがよくあります。
なぜなら捜査機関は、刑事裁判に向けて証拠を収集する必要がありますが、逮捕された者と、まだ逮捕されていない共犯者接見させた場合、証拠隠滅の相談をする可能性があると考えられているからです。

ただ、事件と関係のない家族との面会も禁止されている場合、不服申し立て手続きをすることにより接見禁止の一部解除がなされ、家族との面会は可能になるという場合もあります。
弁護士は接見禁止の(一部)解除に向けた手続きも行いますので、ぜひご相談いただければと思います。

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