親族間の窃盗は刑を免除?親族相盗例について刑事事件に強い弁護士が解説
親族間の窃盗は刑を免除?親族相盗例について刑事事件に強い弁護士が解説
埼玉県春日部市に住むAは、近所に住む叔父Vの家に遊びに行った際、Vが部屋に飾っていた腕時計を売って金を得ようと考え、Vに黙ってその腕時計を持って帰りました。
Aが持って帰ったことに気付いたVは、埼玉県春日部警察署に被害届を提出し、Aは窃盗罪の被疑者として取調べを受けることになりました。
(フィクションです。)
親族間の犯罪に関する特例
刑法244条は、親族との間で窃盗などの罪を犯した者についての特例を定めています。
この特例のことを「親族相盗例」といいます。
刑法244条1項は、「配偶者、直系血族又は同居の親族」との間で窃盗などの罪又はその未遂罪を犯した者については、刑を免除すると規定しています。
直系血族とは父母、祖父母、子、孫などのことなので、Aの叔父であるVは直系血族ではないといえます。
また、VはAの親族ではありますが、同居していないので同居の親族にもあたりません。
したがって今回のAには親族相盗例の適用はないと考えられます。
もっとも刑法244条2項は、配偶者、直系血族又は同居の親族「以外の親族との間」で窃盗などの罪又はその未遂罪を犯した場合については、「告訴がなければ公訴を提起することができない」と規定しています。
親告罪
「告訴がなければ公訴を提起することができない」とはつまり、検察官がAを起訴するためにはVが告訴をしておく必要があります。
このように、起訴するために告訴が必要な犯罪を親告罪といいます。
親告罪については、告訴がなければ起訴されることがないため、起訴される前に被害者に対して被害弁償や示談をして、告訴されないように又は告訴を取り消してくれるようにすることが非常に重要になってきます。
しかし、仮に告訴があり起訴されてしまった場合、起訴後に示談が成立し告訴が取り消されたとしても、不起訴になることはありません。
したがって、早期に被害者と示談を締結して告訴を取り消してもらう必要があり、スムーズな示談交渉のためには弁護士に協力してもらうことが一番です。
親族相盗例が適用されるか知りたいという方やそのほかの親告罪で示談交渉をしてほしいという方は刑事事件に強い弁護士、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお気軽にお問い合わせください。
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(埼玉県春日部警察署までの初回接見費用 38,200円)