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【事例解説】旅館の共用部に忘れてあった財布を盗み逮捕②
旅館の共用部に忘れてあった財布を盗んだ事例について2回に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県在住の会社員Aさんは、宿泊した旅館のロビーに財布が置いてあるのを発見しました。
そうしたところ、周囲に持ち主らしき人がいなかったため、Aさんは自分のものにしようとして、財布を持ち去りました。
その後、財布の持ち主であるBさんが置き忘れに気付き、ロビーに戻ってきたものの、財布が見つからなかったため、盗まれたと思い、警察に被害届を出しました。
後日、捜査を進めた警察によってAさんは逮捕されることとなりました。
(フィクションです)
【今回の事例で問われうる犯罪】
今回の事例では、占有離脱物横領罪か窃盗罪のいずれかに問われうる可能性があります。
占有離脱物横領罪とは、刑法254条(出典/e-GOV法令検索)により「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領」する罪であると定められており、その法定刑として「一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料」が定められています。
他方、窃盗罪とは、刑法235条(出典/e-GOV法令検索)により「他人の財物を窃取」する罪であると定められており、その法定刑として「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」が定められています。
以上のようにこれらの罪についての法定刑は、大きな隔たりがあるため、どちらの罪に問われるかは極めて重要な点となります。
この両罪を分けるのは、物に対する占有があったか否かです。
すなわち今回の事例では、ロビーに置き忘れられた財布にBさんの占有が及ぶと評価できるかどうかです。
Bさんの占有が肯定される場合、Aさんは「他人の財物を窃取」したことになるため窃盗罪に問われることになるでしょう。
他方、Bさんの占有が否定される場合、Aさんは「占有を離れた他人の物を横領」したことになるため占有離脱物横領罪に問われることになります。
この点について、刑法上の占有が認められるためには、客観的な要件としての財物に対する事実上の支配と、主観的な要件としての財物を支配する意思が必要であると考えてられています。
そしてそれらの事由を総合的に考慮して、占有の有無が判断されます。
今回の事例では、Bさんの主観面での財物を支配する意思は認められるため、客観面について、ロビーに置き忘れていた財布をBさんが事実上支配していたか否かが争点となります。
事実上の支配についての認定は、様々な事情を総合的に考慮して判断されるため、必ず認定、ないしは否定されると明言することは難しいといえます。
今回の場合、仮に財布がBさんの占有を離れたと評価される場合でも、なお旅館の支配人の占有があると評価されれば、Aさんは窃盗罪に問われることになるでしょう。
この点について、旅館のトイレに財布が置き忘れられた事例で、財布の所有者の占有は否定しつつも、旅館の主人の占有を肯定した事例があります(大判大正8・4・4)。今回の事例もこれとほぼ同様のケースであるため、Aさんは窃盗罪に問われる可能性が高いといえるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
窃盗罪の疑いで警察に逮捕され、弁護士の無料相談・初回接見をご依頼の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
無料相談・初回接見の申込は、フリーダイヤル(0120-631-881)で受け付けております。
24時間受付中ですので、お気軽にお電話ください。
【事例解説】旅館の共用部に忘れてあった財布を盗み逮捕①
旅館の共用部に忘れてあった財布を盗んだ事例について2回に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県在住の会社員Aさんは、宿泊した旅館のロビーに財布が置いてあるのを発見しました。
そうしたところ、周囲に持ち主らしき人がいなかったため、Aさんは自分のものにしようとして、財布を持ち去りました。
その後、財布の持ち主であるBさんが置き忘れに気付き、ロビーに戻ってきたものの、財布が見つからなかったため、盗まれたと思い、警察に被害届を出しました。
後日、捜査を進めた警察によってAさんは逮捕されることとなりました。
(フィクションです)
【窃盗罪とは】
窃盗罪とは、刑法235条(出典/e-GOV法令検索)により「他人の財物を窃取」する罪であると定められており、その法定刑として「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」が定められています。
法定刑の下限が罰金刑であるため、窃盗罪は比較的軽微な犯罪であると評価できますが、場合によっては懲役刑を科される可能性もあるため、弁護士に相談し、適切な対応を取ることが望ましいでしょう。
【窃盗事件を起こしてしまったら】
もしも窃盗事件を起こしてしまい、前科を回避したいと考えた場合、被害者との間で示談交渉を進めることが最も重要になります。
そのため被害者との間で、被害弁償及び示談交渉を行い、可能であれば宥恕条項付きの示談締結を目指します。早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分を受ける可能性を高めうるといえます。
また、起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、罰金刑や執行猶予判決の獲得を目指します。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
窃盗罪の疑いで警察に逮捕され、弁護士の無料相談・初回接見をご依頼の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
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【事例解説】スーパーでの万引き事件 発覚も微罪処分に
スーパーでの万引きが発覚したものの微罪処分で終わった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
年金暮らしをしていたAさんは、近所のスーパーで毎日買い物をしておりスーパーの店長とも親しい間柄でした。
持病などで想定外の出費があり、Aさんはその日に食べる物も買えない経済状況になってしまいました。
空腹に耐えられなかったAさんは、近所のスーパーで未会計の弁当一点(600円相当)をカバンに入れて店を後にしようとしました。
しかし、丁度Aさんの万引き行為を目撃していた警備員に呼び止められ、Aさんはバックヤードで万引き行為の事実確認をされた後に警察に引き渡されました。
商品の弁当は買い取りになり、スーパーの店長も刑事処分は望んでいなかったことからAさんは最終的に微罪処分として終わりました。
(フィクションです。)
微罪処分とは
微罪処分とは、例外的に検察官への送致を行わずに警察限りで事件を終結させる処分のことを言います。
刑事訴訟法246条(出典/e-GOV法令検索)では、「司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定めのある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。」と定められており、司法警察員が犯罪の捜査をした事件については、原則として検察官に送致することになっています。
しかし、同法246条但し書きでは「但し、検察官が指定した事件については、この限りではない。」と規定されており、検察官が指定した事件については例外が設けられています。
この例外に当たる事件が、微罪処分で事件が終了する事件になります。
微罪処分になると、逮捕・勾留などの身体拘束を受けることがなく、前歴は残るとしても前科がつかないなど被疑者にとってはメリットが多くあります。
しかし、微罪処分で事件が終わるためには、いくつかの条件があり、初犯だからといって微罪処分で終わるわけではありません。
微罪処分になる条件とは
微罪処分になる事件としては「検察官が指定した事件」です。
どのような事件が検察官が指定した事件になっているかは都道府県ごとに異なり、条件は公表されていないため不明です。
しかし、これまでの処分の経緯からある程度、罪名や事情は予測することができます。
微罪処分の対象となる罪名は、主には窃盗、暴行、傷害、詐欺、横領、盗品等関与があげられます。
事情としては、①犯情が軽微であること、②被害が軽微であること、③被害の回復がなされていること、④真摯な謝罪がなされていること、⑤被害者の処罰感情が低いこと、⑥身元引受人などがいることなどが挙げられます。
万引きで警察から取り調べを受けることになったら
万引きが発覚し警察から取り調べを受けることになったら、いち早く弁護士に相談することをお勧めします。
早急に被害者との示談交渉や周囲の環境調整をして微罪処分で事件が終結するように働きかけることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には窃盗事件に強い弁護士が在籍している法律事務所です。
万引きが発覚して、お困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】自転車のかごからカバンを盗んだとして逮捕
自転車のかごからカバンを盗んだとして逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県名古屋市に住む無職のAさんは、自宅の近所のスーパーに停められている自転車のかごの中に置いてあったカバンを、周囲に人がいないことを確認して盗みました。
そうしたところ、スーパーで買い物を終え、自転車に戻ってきたBさんは、カバンが盗まれたことに気付き、警察に被害届を出しました。
後日、防犯カメラの影像から、Aさんが盗んだことが特定され、Aさんは逮捕されました。
【自転車のかごから物を盗む行為は何罪に?】
今回の事例のような、自転車のかごから物を盗む行為は、占有離脱物横領罪か窃盗罪のいずれかに問われうる可能性があります。
占有離脱物横領罪とは、刑法254条(出典/e-GOV法令検索)により「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領」する罪であると定められており、その法定刑として「一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料」が定められています。
他方、窃盗罪とは、刑法235条(出典/e-GOV法令検索)により「他人の財物を窃取」する罪であると定められており、その法定刑として「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」が定められています。
以上のようにこれらの罪についての法定刑は、大きな隔たりがあるため、どちらの罪に問われるかは極めて重要な点となります。
この両罪を分けるのは、物に対する占有があったか否かです。
すなわち今回の事例では、買い物中であったBさんが自転車のかごの中にあるかばんを占有していたと評価できるかどうかです。
Bさんの占有が肯定される場合、Aさんは「他人の財物を窃取」したことになるため窃盗罪に問われることになるでしょう。
他方、Bさんの占有が否定される場合、Aさんは「占有を離れた他人の物を横領」したことになるため占有離脱物横領罪に問われることになります。
この点について、刑法上の占有が認められるためには、客観的な要件としての財物に対する事実上の支配と、主観的な要件としての財物を支配する意思が必要であると考えてられています。
そしてそれらの事由を総合的に考慮して、占有の有無が判断されます。
今回の事例では、Bさんの主観面での財物を支配する意思は認められるため、客観面について、買い物中であったBさんが自転車のかごの中にあるかばんを事実上支配していたか否かが争点となります。
事実上の支配についての認定は、様々な事情を総合的に考慮して判断されるため、必ず認定、ないしは否定されると明言することは難しいといえます。
しかし、いずれの罪に問われるとしても、懲役刑が科せられる可能性があるため、いち早く弁護士にすることをお勧めします。
【窃盗事件を起こしてしまったら】
もしも窃盗事件を起こしてしまい、前科を回避したいと考えた場合、被害者との間で示談交渉を進めることが最も重要になります。
そのため被害者との間で、被害弁償及び示談交渉を行い、可能であれば宥恕条項付きの示談締結を目指します。早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分を受ける可能性を高めうるといえます。
起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、罰金刑や執行猶予判決の獲得を目指します。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
窃盗罪の疑いで警察に逮捕され、弁護士の無料相談・初回接見をご依頼の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
無料相談・初回接見の申込は、フリーダイヤル(0120-631-881)で受け付けております。
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【事例解説】医師が腕時計を盗みトラブルに
医師が腕時計を盗んだ事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内の病院に医師として勤めるAさんは、大学時代からの友人であるVさん宅を訪れた際、Vさんが趣味で集めている腕時計のコレクションを目にしました。
そうしたところ、Aさんはそのコレクションに、以前から欲しいと思っていた腕時計があることに気づきました。
そこで、AさんはVさんの目を盗んでその腕時計を盗みました。
後日、Vさんから問い詰められたAさんは、腕時計を盗んだことをVさんに明かし、腕時計を返却しました。
しかし、Vさんに「警察に相談することも考える」と伝えられたため、不安になったAさんは弁護士に今後の対応を相談することにしました。
(フィクションです)
【窃盗罪とは】
窃盗罪とは、刑法235条(出典/e-GOV法令検索)により「他人の財物を窃取」する罪であると定められており、その法定刑として「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」が定められています。
窃盗罪が成立するには、以下の3点を満たす必要があります。
①「他人の財物」を
②「窃取した」こと
③窃盗罪の故意及び不法領得の意思を有すること
①「他人の財物」とは、他人が占有する財物のことをいいます。
占有の有無は、占有の事実と占有の意思の両面から社会通念に従って判断されます。
②「窃取」とは、他人の占有する財物を、占有者の意思に反して、その占有を侵害し自己または第三者の占有に移転させることをいいます。
③「窃盗罪の故意及び不法領得の意思を有すること」とは、窃盗行為をする際、窃盗の故意と不法領得の意思という2つの認識・意思を持っていることを意味します。
窃盗の故意とは、他人の財物を窃取することを認識・認容を意味します。
不法領得の意思とは、判例によれば「権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様に、その経済的用法に従いこれを利用し処分する意思」であるとされています。
これらを今回の事例に当てはめると、
①腕時計はVさんの所有物ですから、当然に「他人の財物」です。(①を充足)
②その腕時計を勝手に持ち去るということは、持ち主であるVさんの意思に反して腕時計を自分の物にすることであるため、「窃取」と評価できます。(②を充足)
③Aさんは、自らの意思で腕時計を盗んでいるので、当然ながら、窃盗の故意があると判断されますし、加えて、Vさんの支配を排除してその腕時計を自分のものとして使おうという意思もあったといえる可能性が高く「不法領得の意思」があると判断されることになるでしょう。
よって今回の事例では窃盗罪の成立が考えられます。
【医師免許を持つ者に前科が付いてしまうと】
医師免許等について定める医師法の第7条1項3号および第4条3号は、「罰金以上の刑に処せられた者」について、厚生労働大臣が医師免許の取消しをすることができる旨を定めています。
これは「することができる」と定められていることから、罰金以上の前科が付いた場合でも、医師免許の取消しがなされない可能性もあります。
しかし、医師免許を失う可能性も否定できないため、できる限りの予防策を講ずるべきであるといえます。
【窃盗事件を起こしてしまったら】
もしも窃盗事件を起こしてしまい、前科を回避したいと考えた場合、被害者との間で示談交渉を進めることが最も重要になります。
そのため被害者との間で、被害弁償及び示談交渉を行い、可能であれば宥恕条項付きの示談締結を目指します。早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分を受ける可能性を高めうるといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
窃盗罪の疑いで警察に逮捕され、弁護士の無料相談・初回接見をご依頼の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
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【事例解説】現金を盗もうとして閉店後のスーパーに忍び込み逮捕
現金を盗もうとして閉店後のスーパーに忍び込んだ事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内に住むAさんは、現金を盗む目的で深夜、閉店後のスーパーに忍び込みました。
忍び込んだのち、Aさんはレジまでたどり着きましたが、開け方がわからず、レジを破壊するのもためらわれたため、レジから現金を盗むのを断念しました。
その後、バックヤードに金庫等がないかと物色した後、結局何も盗まずにスーパーから出ました。
後日、スーパーが被害届を出し、防犯カメラの映像から、Aさんは逮捕されるに至りました。
そこでAさんの両親は、弁護士に初回接見を依頼しました。
【今回の事例では窃盗にあたる?】
まず今回の事例では、窃盗未遂罪に問われることになるでしょう。
窃盗罪とは、刑法235条(出典/e-GOV法令検索)により「他人の財物を窃取」する罪であると定められており、その法定刑として「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」が定められています。
また刑法243条は、窃盗罪の未遂について定めており、未遂の場合は、刑法43条によって「刑を減軽することができる」とされています。
今回の事例では、Aさんはレジやバックヤードの金庫を物色しているため、窃盗行為の着手があったと評価できますが、Aさんは何も盗まずに店を後にしていることから、他人の財物を窃取したという結果は発生していません。
そのためAさんには窃盗未遂罪が成立すると考えられます。
また今回の事例では、窃盗未遂罪の他に、建造物侵入罪に問われる可能性があります。建造物侵入罪とは刑法130条により定めらており、簡単にいえば、住居や邸宅以外の建造物に所有者の許可や正当な理由なく侵入すると成立する犯罪です。
その刑罰として「三年以下の懲役又は十万円以下の罰金」が定められています。
今回の事例では、Aさんは、本来出入りできない閉店後のスーパーに窃盗の目的で侵入しています。スーパーの管理者としては、閉店後のスーパーに関係者以外が立ち入ることは当然に許可していないでしょうし、またAさんも窃盗の目的で侵入していることから、正当な目的があったとは評価できません。
そのため、Aさんには別途建造物侵入罪が成立し、窃盗未遂罪と牽連犯となると考えられます。
【窃盗事件を起こしてしまったら】
もしも窃盗事件を起こしてしまい、前科を回避したいと考えた場合、まずはいち早く弁護士に盗撮事件について相談して、事件の見通しや今後の対応といったことについてアドバイスを貰われることをお勧めします。
今回の事例において、まずは、早期の身体解放を目指します。具体的には、逮捕後に勾留手続に進まないよう、逮捕後直ちに、弁護士が逮捕された者と面会して直接事件の内容を聴取することで、今後の事件の見通しを示し、取調べへの対応を検討します。
逮捕は、最長72時間の時間制限があり、その後に検察官が行う勾留請求によって裁判所が勾留決定を出せば、10日間から20日間も身体拘束が続くことになるため、もしも拘束された場合には日常生活に大きな支障が出る可能性が高いです。
そこでこれを阻止するために、弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逮捕後の勾留を阻止するための主張を行う、勾留決定に対して準抗告を行うなど、釈放に向けた働きかけを行います。
また今回のような窃盗事件では、被害者との間で示談交渉を進めることが最も重要になります。
そのため被害者との間で、被害弁償及び示談交渉を行い、可能であれば宥恕条項付きの示談締結を目指します。早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分を受ける可能性を高めうるといえます。
起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、罰金刑や執行猶予判決の獲得を目指します。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
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【事例解説】理学療法士の男が万引きで警察から呼び出し
理学療法士の男が万引きで警察から呼び出しを受けた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
理学療法士として働くAさんは、日々の仕事のストレスからいつも利用するスーパーで万引きを繰り返してしまっていました。
度重なる万引き被害に悩まされていたスーパーの店長は監視カメラのチェックを入念にすることにしていました。
そうしたところ、Aさんが食品を店の棚からエコバックに入れて、会計をせずに店を後にする様子が監視カメラに映っていました。
スーパーの店長は防犯カメラの映像とともに被害届を警察に提出しました。
捜査の結果、Aさんが特定され警察から呼び出しを受けるに至りました。
警察から呼び出しを受けたAさんは不安になり、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
万引きについて
万引きは、刑法235条が規定する窃盗罪に該当する可能性がある犯罪です。
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
今回の事例で、Aさんは万引きをしているため、窃盗罪に当たる行為をしています。
今回は任意の呼び出しという形ですが、場合によっては、逮捕、勾留され長期の身柄拘束を受け仕事や学校生活に大きな影響が出てしまう可能性もあります。
また、逮捕はされなかったとしても在宅で捜査は進んでいくため、起訴されて罰金刑や懲役刑を受けることになると前科がついてしまいます。
前科の内容により、資格が取り消されることもあるため、社会生活に多大な影響を及ぼしてしまいます。
理学療法士の免許の取消事由について
理学療法士の資格について定める「理学療法士及び作業療法士法」では、第4条で欠格事由が定められおり、各号のいずれかに該当する場合には免許を与えないことがある旨規定されています。
第4条1号では「罰金以上の刑に処せられた者」と定められています。
そのためこれから理学療法士の免許を得ようとするものが、万引きにより罰金以上の刑を受けている場合には免許が与えられない可能性があります。
また、免許の取消し等として7条1項において、4条各号のいずれにか該当するに至ったときは、免許を取り消し、又は期間を定めて理学療法士の名称の使用を停止を命ずることができる旨が規定されています。
もし、理学療法士として働いている間に万引きによる窃盗事件で罰金以上の刑を受けてしまった場合、免許の取り消しを受ける可能性があるため、仕事の影響は計り知れないものになります。
直ぐに弁護士に相談を
万引き事件においては、被害者との示談が不起訴や処分の軽減を図る上で重要になってきます。
今回のようなスーパーからの万引きでは、スーパーの店長や責任者の方との交渉になります。
万引き被害に悩まされているスーパーで働く方達は、被疑者に対する処罰感情が強いことも多いので、第三者である弁護士を利用しての示談交渉はメリットが多くあります。
また、示談の成立を踏まえた検察官との処分交渉などを行うことができるので、前科が付くことにより資格を失う可能性がある方はいち早く弁護士に依頼することをオススメします。
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【事例解説】太陽光発電施設から電気ケーブルを盗み逮捕
ソーラーパネルの銅線を盗んだとして男が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
Aさんは転売目的で、太陽光発電施設から太陽光発電用の電気ケーブル約50本を盗みました。
被害に気付いた太陽光発電施設が警察に被害届をだし、防犯カメラの映像などからAさんが特定され、Aさんは逮捕されてしまいました。
警察からAさんを逮捕したと連絡を受けたAさんのご両親は、事件の詳細を知るために弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことにしました。
(実際の事件を基にしたフィクションです。)
全国的に多発している送電用ケーブルの窃盗事件
現在、全国的に送電用ケーブルの窃盗事件が急増しているようです。
要因としては、ソーラーパネルは目につきやすく、太陽光発電施設は無人で防犯対策が薄いことが多いため、盗品を売却する窃盗団に狙われているようです。
ある施設では、再設置するたびに盗難に遭い、半年間で6回被害にあったとのことです。
窃盗団の手口としては、複数人で車で近くに乗りつけ、刃物で銅線を切り、荷台に乗せて逃げていくケースが多いようです。
(讀賣新聞オンラインで、5月6日に配信されたニュース記事を参照しています。)
送電用ケーブルの窃盗事件で逮捕されると
窃盗事件で逮捕されると、警察官から被疑事実につき取調べを受けることになります。
そして、さらに留置の必要があると判断されると身体を拘束された時から48時間以内に検察官に事件が送致されることになります。
そこで、検察官からも取調べを受けて、そこでもさらに引き続き留置の必要性があると判断されると被疑者を受け取った時から24時間以内に裁判所に勾留請求がされます。
最終的に、裁判官が勾留を認めると10日間の勾留が決定され、留置場での身体拘束が続くことになります。
警察官や検察官での取調べで、精神的な負担や辛さから、盗んでもいない物や量を盗んだと言わされてしまうと供述調書という形になり、後々の裁判で不利な証拠となってしまうこともあります。
このようなことは絶対に避けなければ行けませんので、逮捕されたできるだけ早いタイミングで、弁護士に接見に来てもらい取調べの対応についてアドバイスを受けることが重要です。
また、不起訴や処分の軽減を目指す上で重要になる被害者との示談や身体拘束からの解放に向けた活動も同時並行で行っていくことで、社会生活上の負担を最小限にすることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
ご家族・友人が窃盗罪の疑いで警察に逮捕され、弁護士の初回接見をご依頼の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
初回接見の申込は、フリーダイヤル(0120-631-881)で受け付けております。
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【事例解説】買い取った品物が実は盗品であった事例
買い取った品物が実は盗品であった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内で古物商を営むAさんは、長年仕入れ先として取引をしていたBさんから骨董品として年代物の皿を買い付けました。
しかしその皿は、BさんがVさんから盗んできたものでした。後日、Bさんが別件の窃盗で逮捕され、その捜査の過程でBさんのVさんへの窃盗も発覚しました。
警察が捜査を進める中で、Bさんの関係者であるAさんも取調べを受けることになりました。
何か罪に問われるのではないかと不安に思ったAさんは弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
【盗品を買い受けると犯罪になる?】
盗品を買い受ける行為は、盗品等関与罪に問われる可能性があります。
盗品等関与罪とは、盗品等を譲り受けることや運搬・保管・有償処分のあっせんに関与する罪の総称で、刑法256条(出典/e-GOV法令検索)によって定められています。
具体的には、1項で盗品等を無償で譲り受けた場合、2項で盗品等を運搬・保管・有償で譲り受けた・有償の処分のあっせんの場合を規定しており、それぞれ刑罰として「3年以下の懲役」と「10年以下の懲役および50万円以下の罰金」が定められています。
そのため、今回の事例では、Aさんは256条2項の定める盗品等有償譲受罪に問われる可能性があります。
しかし、Aさんが善意であったことを証明できた場合、すなわちBさんから売られた皿が盗品であったことを知らなかったと立証できた場合には、Vさんは盗まれた皿への追求権を喪失し、盗品等有償譲受罪は成立しません。
【罪に問われるか不安な場合には】
今回の事例では、Aさんは特に逮捕等、身柄を拘束されているわけではありませんが、場合によっては逮捕される可能性もあるため、弁護士に依頼して身体拘束を回避するための対策を講じることをおすすめします。
また、買い付けた皿が盗品だったことにつきAさんが善意であったことの証拠等を収集し、もしも起訴され正式裁判になった場合でも、これらの事実を立証し無罪判決の獲得を目指します。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
無料法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。
またご家族、ご友人が警察に逮捕されてしまった方は、初回接見サービスをご利用ください。
【事例解説】バス内に置き忘れられていた財布を持ち去って逮捕
バス内に置き忘れられていた財布を持ち去って逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内の高校に教師として勤めるAさんは、退勤途中のバスの車内で置き忘れられた財布を見つけました。周囲に持ち主らしき人がいなかったため、Aさんはこれを持ち帰りました。
他方、財布の持ち主であるBさんはバスから降りて、自宅についてから財布をバス内に置き忘れたことに気づきました。そこで、Bさんはバス会社に問い合わせましたが財布が見つからなかったため、警察に被害届を出しました。その結果としてAさんは警察に逮捕されることとなりました。なお、実際にAさんが財布を盗んだのは、Bさんがバスから降車して30分後でした。
これを受けて、Aさんの家族は弁護士に初回接見を依頼しました。
(この事例はフィクションです)
【今回の事例で問われうる犯罪】
今回の事例では、占有離脱物横領罪か窃盗罪のいずれかに問われうる可能性があります。
占有離脱物横領罪とは、刑法254条(出典/e-GOV法令検索)により「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領」する罪であると定められており、その法定刑として「一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料」が定められています。
他方、窃盗罪とは、刑法235条(出典/e-GOV法令検索)により「他人の財物を窃取」する罪であると定められており、その法定刑として「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」が定められています。
以上のようにこれらの罪についての法定刑は、大きな隔たりがあるため、どちらの罪に問われるかは極めて重要な点となります。
この両罪を分けるのは、物に対する占有があったか否かです。
すなわち今回の事例では、Bさんがバスを降りた後も財布を占有していたと評価できるかどうかです。
Bさんの占有が肯定される場合、Aさんは「他人の財物を窃取」したことになるため窃盗罪に問われることになるでしょう。
他方、Bさんの占有が否定される場合、Aさんは「占有を離れた他人の物を横領」したことになるため占有離脱物横領罪に問われることになります。
刑法上の占有が認められるためには、客観的な要件としての財物に対する事実上の支配と、主観的な要件としての財物を支配する意思が必要であると考えてられています。
そしてそれらの事由を総合的に考慮して、占有の有無が判断されます。
今回の事例では、Bさんの主観面での財物を支配する意思は認められるため、客観面について、バスから降りて30分後の時点でBさんが財布を事実上支配していたか否かが争点となります。
事実上の支配についての認定は、様々な事情を総合的に考慮して判断されるため、必ず認定、ないしは否定されると明言することは難しいといえます。
この点について、5分程度の短時間かつ10数メートル程度の短い距離で、その物から離れた場合に占有を肯定した事例がありますが(参考事例:https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51567)、Bさんはバスから降車して30分と時間が経っており、かつ財布とBさんは物理的にもかなり離れていることから、占有離脱物横領罪に問われる可能性が高いといえるでしょう。