【誰に対する犯罪?】福岡の窃盗事件で逮捕なら刑事事件専門の弁護士
【誰に対する犯罪?】福岡の窃盗事件で逮捕なら刑事事件専門の弁護士
Aは、福岡県小郡市にある閉店間際のパチンコ店において、ICカードが置き忘れてあることに気付いた。
Aは、そのまま同店のトイレに身をひそめ、閉店後にこのICカードをポケットに入れた。
翌日、防犯カメラの映像などからAの行為が発覚し、福岡県小郡警察署の警察官は、Aを窃盗罪の疑いで逮捕した。
(本件はフィクションです。)
~誰に対する窃盗?~
一般に窃盗事件と考えられるケースでにおいても、実は窃盗罪は成立せず、占有離脱物横領罪(遺失物横領罪)が成立するにとどまるケースも少なくありません。
窃盗罪(刑法235条)とは他人の占有を侵害する罪であり、そのような占有が観念できない場合は、刑法254条の占有離脱物横領罪(遺失物横領罪)が成立することになるからです。
では、逮捕された本件Aの行為には、占有の侵害が認められるのでしょうか。
本件では、ICカードを置き忘れた客は帰ってしまっており、この所有者たる客のICカードの占有は失われているものと考えられます。
しかし、開店中の誰でも出入りできるパチンコ店と異なり、閉店後のパチンコ店は一般人が出入りできない場所となっており、この時点でICカードの占有は同パチンコ店の管理者に移ったものと考えることができます。
そして、その管理者が占有するICカードを自己の占有下に移したAの行為は、この管理者の占有を侵害する点で、窃盗罪を定める刑法235条のいう「窃取」に当たると考えられます。
したがって本件のような場合には、刑法上は、ICカードの所有者でなく、パチンコ店(の管理者)の占有を侵害したことに対する罪=窃盗罪が成立することになると考えられるのです。
なお、Aが閉店後も同店に身をみそめていた行為につき、建造物侵入罪(130条前段)が成立しうることに注意が必要です(不退去罪(同条後段)は退去を求められた場合に成立するにすぎません。)。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件について専門知識を有する刑事事件専門の弁護士が所属する法律事務所です。
刑事事件専門だからこそ、窃盗事件となるのか占有離脱物横領事件となるのかの見通しについてのご相談や、窃盗罪以外の犯罪が成立しうるのかどうかといったご相談を安心してお任せいただけます。
窃盗事件で逮捕された方への弁護士接見等のご依頼は、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)で何時でも受け付けております。