(福岡県春日市対応の弁護士)置引きは窃盗罪?占有離脱物横領罪?
(福岡県春日市対応の弁護士)置引きは窃盗罪?占有離脱物横領罪?
Vさんは、福岡県春日市にあるバス停でバスを待っていた際、手に持っていたカメラを傍にあったベンチに置いたところ、バスを待っていた列が進み、そのままカメラを置き忘れてしまった。
その直後、バス停を通りかかったAさんは、ベンチにカメラが置いてあることに気付き、カメラを持ち去った。
5分ほど後、先ほどの位置から20mほど進んでいたVさんは、バスに乗る直前に、カメラを置き忘れたことに気付き、すぐ取りに戻ったがカメラは無く、福岡県春日警察署に被害届を提出した。
その後、Aさんは窃盗罪の容疑で逮捕されたが、置いてあったものを拾っただけで窃盗罪に問われることに納得できず、刑事事件に強い弁護士に依頼した。
(最判昭32.11.8を参照したフィクションです)
~窃盗罪と占有離脱物横領罪の違い~
窃盗罪と占有離脱物横領罪との大きな違いは、盗んだ物が所有者の占有下(物を事実上支配しているか)にあったかどうかにあります。
持ち主の占有があった場合は窃盗罪(10年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金)、占有が無ければ占有離脱物横領罪(1年以下の懲役又は10万円以下の罰金)となり、両者には量刑上大きな差があるため、どちらの犯罪に問われるのかは被疑者にとって大きな問題です。
今回のケースでは、ベンチに置いてあったカメラが、Vさんの占有下にあったといえるか否かが問題となります。
この点、今回の事例の元となった判例では、刑法上占有があるといえるためには、物に対する現実の所持又は監視を必要とするものではなく、物が所有者の支配力の及ぶ場所に存在すればよいとされました。
そして、占有者の支配内にあるか否かは、通常人ならば確かにその人の所有物だと納得出来るかどうかによって決まるとされています。
判例では、Vさんはカメラを置き忘れた場所から約20mしか離れておらす、また時間的にも約5分しか経過していないため時間・距離が短く、さらにバスを待つ列があった状況下ではカメラはバス乗客の誰かが一時その場においた所持品であることは、通常誰でも察知出来るため、カメラにはVさんの事実的支配力が及んでいるとし、Aさんの行為は窃盗罪にあたるとされました。
今回のケースのように、置引きといった事件では、窃盗罪に当たるか占有離脱物横領罪に当たるのかの見極めは難しい場合が多く、どちらの罪に当たるのかによって、量刑も逮捕後身柄拘束を受ける可能性も大きく異なりますので、1度刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
窃盗罪、占有離脱物横領罪でお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談下さい。
(福岡県春日警察署の初回接見費用 36,600円)