【事例紹介】さい銭泥棒による窃盗罪で逮捕された事例

2022-10-17

【事例紹介】さい銭泥棒による窃盗罪で逮捕された事例

さい銭泥棒による窃盗罪逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

札幌・中央警察署は10日、住所不定・無職の男(41)を窃盗の疑いで逮捕しました。
男は今月7日午前7時ごろから午後10時40分ごろまでの間、札幌市南区定山渓温泉にあるお堂のさい銭箱から現金約3万円を盗んだ疑いが持たれています。
(中略)
調べに対し、男は「間違いありません」と容疑を認めています。
(後略)
(10月11日配信のSTV NEWSの記事より引用)

さい銭泥棒について

さい銭泥棒とは、さい銭箱の中から何らかの方法でさい銭を抜き取り持ち去ることをいいます。
さい銭箱は、現金が入っている可能性が高いにも関わらず、神社やお寺の境内という無防備でひと目につきづらい場所に設置されていることから、窃盗犯人に狙われやすい傾向にあります。
最近では、さい銭泥棒やいたずら対策として、防犯カメラを設置する神社、お寺も増えてきており、その映像から逮捕につながるケースも多いようです。
さい銭泥棒は、さい銭箱を設置している神社等のお金を盗む行為であるため、窃盗罪が成立します。

窃盗罪について

窃盗罪は、刑法235条に定められており、法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と決して軽くはない罪です。

窃盗罪の成立要件としては、
①「他人の財物」を
②「窃取した」こと
③窃盗罪の故意及び不法領得の意思を有すること
です。

①「他人の財物」とは、他人が占有する財物のことをいいます。
占有の有無は、占有の事実と占有の意思の両面から社会通念に従って判断されます。

窃取とは、他人の占有する財物を、占有者の意思に反して、その占有を侵害し自己または第三者の占有に移転させることをいいます。

窃盗罪の故意及び不法領得の意思を有することとは、窃盗罪に当たる行為をする際、それぞれ窃盗の故意と不法領得の意思という2つの認識・意思を持っていることと指します。
窃盗罪が成立するためには、行為者が窃盗の故意を有している必要があります。
故意の内容としては、他人の財物を窃取することの認識・認容が必要です。

もっとも、窃盗罪は、毀棄罪や不可罰の使用窃盗と窃盗罪を区別するため、故意に加えて不法領得の意思も必要であるとされています。
不法領得の意思とは、判例によれば「権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様に、その経済的用法に従いこれを利用し処分する意思」であるとされています。

これを今回の事例に当てはめると、
①さい銭箱に入っているさい銭は、当然神社やお寺の管理下にある神社やお寺の物であり、「他人の財物」です。
②そのさい銭を勝手に持ち去るということは、持ち主である神社やお寺の意思に反してさい銭を自分の物にしてしまうことですから、「窃取」しているといえるでしょう。
③「さい銭を無断で持ち去る」という行為を認識しながら行なったのであれば窃盗の故意がありますし、それは神社やお寺の管理を排除してさい銭を自分のものとして使おうという意思があったのであれば「不法領得の意思」があることにもなります。
という流れになり、窃盗罪の成立が考えられるのです。

窃盗罪に強い弁護士

窃盗事件でお困りの方、窃盗罪で警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強いと評判の、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-88124時間受付中)までお気軽にお電話ください。
またご家族、ご友人が警察に逮捕されてしまった方は、初回接見サービスをご利用ください。

Copyright(c) 2018 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.