盗んだ下着を元に戻し…?三重県四日市市で窃盗罪で逮捕されたら
盗んだ下着を元に戻し…?三重県四日市市で窃盗罪で逮捕されたら
Aさんは三重県四日市市の住宅にあった下着一枚を盗み、スマートフォンで写真や動画を撮影し、現場に戻した。
しかし、警ら中の三重県四日市北警察署の警官に職務質問を受け、スマートフォン内に上記写真と動画がある事が確認された。
Aさんは自己の窃盗行為を警察官に話し、窃盗罪の容疑で逮捕された。
(10月2日弁護士ドットコムの記事を基にしたフィクションです。)
~元に戻しても窃盗罪?~
窃盗罪は、財物の占有、すなわち物に対する支配を侵害した場合に認められる犯罪です。
ですので、他人の財物を自己の支配領域に置いた時点で窃盗罪は成立します。
簡単な例ですと、万引きは商品をポケットに入れた時点で窃盗罪となり、店外に出たかどうかは窃盗罪の成否に関係はありません。
このように考えれば、たとえ盗んだものを返したとしても、下着を持ち去った時点でAさんには窃盗罪が成立すると考えられます。
しかし、窃盗罪が成立するには「不法領得の意思」が必要です。
「不法領得の意思」とは、簡単に言えば、権利者を排除して、その財物を利用処分する意思の事を言います。
ですので、盗んだ物を後に持ち主に返す意思があった場合、権利者を排除する意思がないため、窃盗罪の成立が否定されることがあります。
現に、過去の判例では、自転車の一時使用で窃盗罪が成立しないと判断されたものがあります。
ただし、返還の意思があれば直ちに権利者を排除する意思がないとみることはできません。
後に返すつもりであっても、財物を自分の物のように使用している場合には、権利者を排除する意思があるとして不法領得の意思が認められる可能性があります。
後に返すつもりで、自動車を4時間にわたって無断で使用した事件では、窃盗罪を成立させています。
上記の事案でも、Aさんは下着を持ち去って自己の性欲を満たすために使用しているため、たとえ返還の意思があったとしても、権利者を排除する意思があるとして窃盗罪が認められると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件を専門に取り扱っている弁護士が多数在籍しております。
上記の事案では、窃盗罪が成立することが考えられますが、盗んだ物を返却したことは情状の1つとして考慮される可能性があります。
弁護士に依頼することで、これに加え、犯行に至った動機や初犯であったか否か等を調べ、示談交渉を行うことによって不起訴処分の獲得や刑の減軽、執行猶予処分の獲得を目指すこと等が可能となります。
三重県の窃盗事件でお悩みの方はぜひ弊所の弁護士にご依頼ください。
(三重県四日市北警察署への初回接見料:3万8,900円)