【事例解説】闇バイトによる強盗事件②
今回は、闇バイトに応募し、コンビニ強盗を起こした事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例
Aさんは、普段からお金に困っていたため、闇バイトに応募しました。
闇バイトの内容は、名古屋市内にあるコンビニエンスストアに行き、お金を奪うというもので、Aさんはダメだと思いながらも、お金が必要だったために犯行を犯すことにしました。
Aさんは、深夜のコンビニエンスストアに行き、同店の店員にナイフを出しながら、お金を要求し、現金10万円を脅し取ってその場から立ち去りました。
その後、自分のしてしまった行為について、いつ警察が自宅に来るか不安で耐えきれなくなり、弁護士に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)
Aさんの行為ついて
Aさんは、コンビニの店員に対して、ナイフで脅して現金を要求しています。
強盗行為となるか、窃盗行為となるのかは、これらの行為の際に、暴行または脅迫が伴うかどうかで判断されるでしょう。
また、脅迫の程度により、恐喝罪が適応される場合もあります。
恐喝財とは、人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処すると規定されています。
(刑法249条)
恐喝の暴行・脅迫の程度については、相手方の反抗を抑圧するに至らない程度のもので足りるとされています。
強盗の暴行・脅迫の程度については、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度のものである必要があるとされています。
相手方の反抗を抑圧するに至らないか抑圧するに足りるかについては、脅迫を受けている側がどのような状況であるかで判断されるでしょう。
脅迫を受け、「抵抗することはできるが、刺激するのは止めておこう。」という様な自分の意思で財物を交付した場合に恐喝となり、脅迫を受けて「このままでは殺される。抵抗はできない。」という様な自分の意思とは言えない状況で財物を交付した場合に強盗と判断されるでしょう。
相手方の反抗を抑圧するに足りるのか、抑圧するに至らないかについては、その時の時間や場所、性別、体格等の状況を総合的に判断されることになります。
事件当時の状況により、相手方の反抗を抑圧するに至らなかったと判断されれば、強盗罪より罰則の軽い恐喝罪として捜査され、有罪判決となっても執行猶予が獲得できるかもしれません。