万引きで前科が付くの?
万引きで前科が付くの?
東京都板橋区に住む主婦Aさん(36歳)は、近所にある大型ショッピングモールの化粧品売り場で、化粧品3点を万引きしたとして保安員に現行犯逮捕され、その後身柄を警視庁志村警察署の警察官に引き渡されました。
その後、Aさんは万引きの前歴2回を有していたことなどから窃盗罪で略式起訴され、前科1犯がつきました。
(フィクションです)
~ 万引き ~
万引きは窃盗罪(刑法235条)に当たる立派な犯罪です。
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
そして、窃盗罪で起訴され裁判で有罪とされれば、懲役刑、罰金刑を科されます。
では、「前科」はどのような経緯で付くのでしょうか?
~ 前科が付くまでの流れ ~
逮捕されてから「前科」が付くまでの流れは以下のとおりです。
逮捕 → 捜査 → 起訴(正式,略式) → 裁判(正式,略式) → 「有罪」 → 確定 → 前科
つまり、前科は、刑事裁判を受け、その刑事裁判で有罪とされ、被告人側、検察側の双方が不服申し立てができなくなった(つまり「確定」した)後付きます。
不服申し立てができなくなったとは、不服申し立て期間が経過した「自然確定」の場合と、不服申し立ての権利を放棄する「上訴放棄」及びいったんした不服申し立てを取り下げる「上訴取り下げ」があります。
~ 前科について ~
前科は検察庁の犯歴係(検察事務官が担当)が把握しており、決められた人にしか公開されません(一般人は知ることができません)。
前科は検察庁のシステムに記録され、取り消すことはできません。
そのため、いつでも検察事務官が作成する「前科調書」という書類に前科の記録を記載することができます。
ですから、仮に、あなたが今後犯罪を犯した場合は前科調書が発行され、捜査を担当する警察官、検察官はもちろん、裁判を担当する裁判官もその前科調書を見て、あなたが過去に窃盗前科を有していることを把握することができます。
~ 前科を回避するには? ~
上記の経過を右の方からたどりますと、まず裁判で「無罪」判決を獲得することが考えられます。
しかし、有罪率が高い日本の刑事裁判ではこのことを目指すのはあまり現実的ではないかもしれません(もっとも、冤罪事件の場合は無罪判決獲得を目指す必要があります)。
次に、考えられるのは、検察官の起訴を回避することでしょう。
検察官の起訴を回避する、すなわち、不起訴処分を獲得することができればそもそも刑事裁判を受ける必要はなく、裁判で有罪の判決を受けるおそれもないからです。
そして、不起訴処分を獲得するには、まずは被害者に精神誠意謝罪し、被害弁償、示談に向けた話し合いを進めていく必要があります。
被害者に被害弁償するなどして示談を成立させることができればあなたにとって有利な情状として考慮され、不起訴処分を獲得できる可能性が高くなると考えられるからです。
~ 被害弁償、示談は弁護士に依頼を ~
もちろん事件の当事者間でも被害弁償、示談交渉をすることはできます。
しかし、事件当事者というだけあって、感情のもつれなどから被害弁償、示談交渉がなかなかうまく進まない場合もあります。
そんなときは弁護士が力になれます。
示談交渉に関する経験、知識が豊富な弁護士であれば、適切な内容・形式での示談締結を目指して活動を行います。
逮捕の後、勾留された場合、私選の弁護士を選任していない限り国選の弁護士が選任されます。
国選の弁護士も私選同様、示談交渉に当たってくれるでしょう。
しかし、特に、当初から在宅事件の場合、逮捕から勾留までに釈放された場合は注意が必要です。
その場合は国選の弁護人は選任されませんから、ご自身で示談交渉を行っていただく必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、万引きなどの窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
ご家族が窃盗罪などの刑事事件で逮捕され、前科が付くのを回避したいとお考えの方、その他でお困りの方は、0120-631-881までお気軽にお電話ください。
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