【窃盗事件】ATMで他人の口座から現金を引き出し逮捕

2020-03-30

【窃盗事件】ATMで他人の口座から現金を引き出し逮捕

ATMで他人の口座から現金を引き出し逮捕されてしまった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】
Aは、他人名義のキャッシュカードを使用し、千葉市緑区内の銀行に設置されたATMから現金を引き出した。
千葉県千葉南警察署の警察官は、Aを窃盗の疑いで逮捕した。
Aの家族は、窃盗事件に詳しい弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです)

~ATMで現金を引き出す行為~

本件Aは、入手した他人のキャッシュカードを使用してATMから現金を引き出したとして逮捕されています。
このような場合に、なぜ窃盗罪が成立するのでしょうか。
ここでは、主として現金を引き出した行為に焦点をあてて解説してまいります。

まず直観的に考えてみると、本件ではいわば他人になりすまして口座から現金を引き出していることから、詐欺罪が成立するように思われるかもしれません。
しかし、刑法246条1項は、「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」と規定しており、詐欺行為は「人」に対するものでなければならないとされています。
したがって、窓口などで引き出し行為を行った場合とは異なり、ATMという機械から現金を引き出す行為には詐欺罪は成立しないことになります。

次に窃盗罪についてみてみると、刑法は235条において「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」旨を規定しています。
この点、窃盗罪とは、他人の占有している財物の占有をその意思に反して移転させたといえるときに成立します。

本件では、ATM内の現金を占有している銀行側の意思に反して現金を引き出し、その占有を移転させていることから窃盗罪が成立するものと考えられます(被害者は口座名義人ではなく銀行です)。

なお、キャッシュカードを不正に入手した行為に別途、犯罪(口座名義人への詐欺罪など)が成立する可能性があるほか、ATMが設置された銀行に窃盗目的で侵入したことが建造物侵入罪(刑法130条)に問われる可能性があることにも注意が必要です。

~起訴を回避するための弁護活動~

窃盗罪起訴を回避するために、どのような弁護活動を行っていくことになるのでしょうか。

窃盗罪は典型的な財産犯であり、なによりもまず被害弁償により被害を回復させることが重要です。
したがって、被害弁償等を行い被害者との示談の成立を目指した弁護活動が、起訴を回避するために極めて重要になります。

また、元々窃盗罪懲役刑のみが定められていましたが、上述のように現行の窃盗罪の規定は、2006年の刑法改正によって罰金刑も定めるに至りました。
これは軽い罰金刑を設けたことから、一見、窃盗罪の法定刑を軽くすることを意図した改正にもみえます。

ところが、むしろ本改正は、懲役刑にするのは重すぎるという事件で罰金刑にもできずに不起訴となる例があったことから、罰金刑を設けることによって処罰範囲の拡大を図ったものであるとされています。

このため、仮に不起訴が難しいと判断される事件では、公開の法廷での裁判ではなく簡易な手続で罰金刑にする略式手続(刑事訴訟法461条以下参照)を利用し、罰金刑で事件を終了させることも視野に入れた弁護活動を行っていくことも考えられるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件を含む刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
窃盗事件の弁護活動の経験を多数有する刑事事件専門の弁護士が、迅速に事件に対応してまいります。
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