(事例紹介)バイクの窃盗・転売事件で逮捕・起訴

2022-08-29

(事例紹介)バイクの窃盗・転売事件で逮捕・起訴

~事例~

大阪府や兵庫県で国産バイクを繰り返し盗んだとして、バイク修理業の男が逮捕・起訴されました。
(中略)
警察によりますと、(中略)被告は今年1月、尼崎市や大阪市の駐車場などでスクーター型のバイク計3台を盗んだ罪に問われています。
(中略)被告は125~150ccの国産スクーター型バイクを繰り返し盗んでいたとみられ、他にも19台のバイクを盗んだ疑いで、8月23日に送検されました。
(中略)被告は盗んだバイクをインターネットオークションなどで1台十数万円で販売していて、警察は、盗品と知りながら(中略)被告からバイクを購入し転売していた男性2人も書類送検しています。
(※2022年8月23日19:52MBSNEWS配信記事より引用)

~バイクの窃盗・転売と刑事事件~

今回取り上げた事例では、男性が窃盗罪の容疑で逮捕起訴されているようです。
報道によると、男性はバイクを盗んだことによる窃盗罪に問われているようですが、盗んだバイクはインターネットオークションなどで転売されていたようです。

こうした転売目的の窃盗事件は、目的から悪質性が高いと判断されることが多く、初犯であっても罰金となったり、起訴され刑事裁判になったりすることが多いです。
特に、今回取り上げた事例のように、盗んだ物がバイクという高額なものであったり、余罪として複数の窃盗事件が検挙されていたりといった事情があれば、より重い処分が予想されます。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされていますから(刑法第235条)、被疑者・被告人にとって不利な事情が多ければ、長期の実刑判決となることも十分考えられます。

加えて、今回の事例の報道内容からは定かではありませんが、転売の際に盗品であるものを盗品ではないと偽って売却していたような場合には、詐欺罪(刑法第246条第1項)が成立するケースも考えられます。
詐欺罪は窃盗罪とは異なり、罰金刑の定めがなく、その法定刑は10年以下の懲役となっています。
ですから、窃盗罪に加えて詐欺罪にも問われたという場合には、起訴された場合に必ず刑事裁判となることになりますし、有罪判決を受けた際に下される刑罰もより重くなることが予想されます。

そして、今回の事例では、報道によると、窃盗行為をした男性から盗品であるバイクを購入して転売していた別の男性2人も書類送検されています。
窃盗品の転売事件では、窃盗品を盗んだ本人以外にも、犯罪に問われる可能性があります。
例えば、刑法では以下のような犯罪の規定があります。

刑法第256条
第1項 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。
第2項 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。

これらは、盗品等関与罪とまとめて呼ばれることもある犯罪で、文字通り窃盗の被害品である盗品に関与した際に成立する犯罪です。
盗品を他人が譲り受けたり運搬したりといったことがあれば、その分窃盗罪の被害者が盗品を追跡して取り戻すことが困難になってしまうということから、この犯罪が規定されています。
そのため、盗品と知りながらその物を譲り受けたり運搬したりすれば、この刑法第256条で処罰されることとなります。

今回取り上げた事例では、窃盗行為をした男性から盗品であるバイクを購入して転売したという男性が存在するようです。
盗品と知ってバイクを有償で譲り受けたということであれば、刑法第256条第2項の「前項に規定する物」(第1項「盗品」)を「有償で譲り受け」たということに当たり、盗品等関与罪のうち盗品等有償譲受罪にあたると考えられます。

窃盗事件やそれに関連する転売事件では、単に窃盗罪が成立するだけではない場合も考えられますし、窃盗行為をした本人以外にも犯罪が成立する場合があります。
自分が今何を疑われているのか、今後どういった処分を受ける可能性があるのかといったことを適切に把握するためにも、まずは専門家である弁護士に相談してみることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、窃盗事件窃盗事件に関連する転売事件のご相談・ご依頼も承っています。
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