【事例解説】買い取った品物が実は盗品であった事例

2024-05-01

買い取った品物が実は盗品であった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

皿

【事例】

愛知県内で古物商を営むAさんは、長年仕入れ先として取引をしていたBさんから骨董品として年代物の皿を買い付けました。
しかしその皿は、BさんがVさんから盗んできたものでした。後日、Bさんが別件の窃盗で逮捕され、その捜査の過程でBさんのVさんへの窃盗も発覚しました。
警察が捜査を進める中で、Bさんの関係者であるAさんも取調べを受けることになりました。
何か罪に問われるのではないかと不安に思ったAさんは弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

【盗品を買い受けると犯罪になる?】

盗品を買い受ける行為は、盗品等関与罪に問われる可能性があります。
盗品等関与罪とは、盗品等を譲り受けることや運搬・保管・有償処分のあっせんに関与する罪の総称で、刑法256条(出典/e-GOV法令検索)によって定められています。
具体的には、1項で盗品等を無償で譲り受けた場合、2項で盗品等を運搬・保管・有償で譲り受けた・有償の処分のあっせんの場合を規定しており、それぞれ刑罰として「3年以下の懲役」と「10年以下の懲役および50万円以下の罰金」が定められています。

そのため、今回の事例では、Aさんは256条2項の定める盗品等有償譲受罪に問われる可能性があります。
しかし、Aさんが善意であったことを証明できた場合、すなわちBさんから売られた皿が盗品であったことを知らなかったと立証できた場合には、Vさんは盗まれた皿への追求権を喪失し、盗品等有償譲受罪は成立しません。

【罪に問われるか不安な場合には】

今回の事例では、Aさんは特に逮捕等、身柄を拘束されているわけではありませんが、場合によっては逮捕される可能性もあるため、弁護士に依頼して身体拘束を回避するための対策を講じることをおすすめします。
また、買い付けた皿が盗品だったことにつきAさんが善意であったことの証拠等を収集し、もしも起訴され正式裁判になった場合でも、これらの事実を立証し無罪判決の獲得を目指します。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください

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