神戸市長田区の窃盗事件で逮捕 刑事裁判で違法収集証拠の弁護士

2016-03-23

神戸市長田区の窃盗事件で逮捕 刑事裁判で違法収集証拠の弁護士

神戸市長田区のV宅に侵入し、貴金属類を盗んだAは、警ら中の警察官に呼び止められ、職務質問を受けた。
その際、Aの怪しい言動に不信感を抱いた警察官は、V宅から盗んだ貴金属が入れられているAのカバンに対して、
・外から触れて内容物を確かめる
・ファスナを開けて内容物を一瞥する
・鍵のかかった内ポケットの鍵を損壊し、内容物を取り出す
という一連の行為をAの許可なく行った。
Aは、上記の所持品検査の後、窃盗の容疑で神戸県警長田警察署逮捕されてしまった。
(フィクションです。)

そもそも職務質問の際に被疑者の持ち物を調べること(所持品検査)は、職務質問に付随するものとして必要かつ相当な範囲内ならば許されます(警察官職務執行法2条1項、同条3項参照)。
ただし、あくまでも任意処分の一環として許されるにすぎませんから、強制処分である捜索にあたる行為を行うことはできません。
今回は、上記の事案を例にとり、警察官が行った行為の適法性を見ていきましょう。
ただし、あくまで一般論であり、具体的に事情次第では異なる判断になり得ることにご留意ください。

①外から触れて内容物を確かめる行為
まず、外から触れて内容物を確認するのは、任意捜査の範囲内といえ、V宅の窃盗の捜査の必要性からすれば相当性にかけるとも言えないでしょう。

②ファスナーを開けて内容物を一瞥する行為
次に、ファスナを開けて内容物を一瞥する行為は、プライバシーを侵害する行為であはあります。
しかし、侵害の程度は未だ軽微で強制とまでは言い難いでしょう。
また、Aの窃盗を捜査すべき警察官が行う行為として、相当性はぎりぎり認められ得るでしょう。

③鍵のかかったポケットのカギを損壊し、内容物を取り出す行為
最後に、鍵を壊し内容物を取り出す行為は、完全に強制処分である捜索に当たります。
この行為は、捜索差押えに令状が必要とされている刑事訴訟法の趣旨を没却するものです。
将来の違法捜査の防止という観点からも証拠とすべきではありません。

このような違法収集証拠は刑事裁判から排除されるという判例があります(最判昭和53年9月7日、同平成15年2月14日参照)。
違法捜査を受けて、有罪にされてしまいかねない方は、お早めに刑事事件に強いあいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
(兵庫県警長田警察署への初回接見費用:3万8300円)

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