子どもを利用した窃盗罪で逮捕
子どもを利用した窃盗罪で逮捕
大阪市福島区在住のAさんは、自身の娘であるBさん(3歳)と一緒に、近所のスーパーマーケットに行きました。
そして、Bさんに対し「Bが持ってるかばんにお菓子をいっぱい詰めておいで」と言い、まだ物事の分別がつかないBさんに万引きをさせました。
そのような行為を何度か行っていたところ、ある日店員にAさんが指示していることを見破られ、大阪府福島警察署に通報されました。
「子どもが勝手にやった」という言い訳も通じず、Aさんは窃盗罪の疑いを掛けられたため、弁護士に逮捕の可能性などを聞くことにしました。
(フィクションです。)
【他人を利用して窃盗罪に】
上記事例では、Aさんがまだ分別のつかないBさんに指示し、スーパーマーケットにて商品を万引きさせています。
このように、自身が実際に万引きを行っていない場合であっても、窃盗罪が成立して刑罰を科される可能性があります。
他人が行ったにもかかわらず自身に窃盗罪が成立するパターンは、おおむね以下のようなものが考えられます。
まず、ある者が他人に対して窃盗を行うよう指示し、またはそのような計画を他人と行い、それに従ってその他人が窃盗罪を犯すパターンです。
この場合には、窃盗に何らかのかたちで関与した者全員が窃盗罪の共犯となり、役割の重要性などに応じてそれぞれに刑が科されることになります。
次に、ある者が他人に対して知らず知らずのうちに窃盗をするよう働きかけ、その他人が罪に当たると気づかないまま窃盗罪を犯すパターンです。
この場合には、窃盗に及んだ本人には窃盗罪が成立せず、働きかけを行った背後の者にのみ窃盗罪が成立することになります。
なぜなら、この場合における窃盗罪の責任は、実質的には他人を道具のように利用して犯罪を実現した者に負わせるのが妥当だからです。
上記事例はこの場合に当たり、Aさんには窃盗罪が成立して10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
【窃盗事件における逮捕の可能性】
刑事事件において、逮捕が行われるタイミングというのは様々です。
現行犯逮捕もあれば、ある日突然逮捕状を示されて通常逮捕されることもありますし、取調べに呼ばれて警察署で逮捕されることもあります。
ただ、逮捕の可能性は事件の内容や被疑者の態度などにより、全ての刑事事件において逮捕が行われるというわけではありません。
ある事件で逮捕を行うかどうかは、実質的に捜査機関が逮捕を必要と判断するかどうかに掛かっています。
そのため、たとえ弁護士のような法律の専門家であっても、逮捕される、あるいは逮捕されないと言い切るのは不可能だと言えます。
とはいえ、捜査機関も恣意的に逮捕を行っているわけではなく、ある程度の予測を立てることはできます。
考慮要素としては、①犯罪の軽重、②犯行態様、③生じた被害の程度、④被疑者の属性、⑤被疑者の態度などの事情が考えられます。
たとえば、殺人罪や強盗罪などの重大な事件や、被疑者が浮浪しており出頭を拒むなどの事情は、逮捕の可能性を高める要素となるでしょう。
窃盗事件においては、逮捕の可能性を左右する要素として、①被害総額、②犯行態様の複雑さ、③常習性などが挙げられるかと思います。
そのため、1回限りの万引きは逮捕の可能性が低い一方、そうでなければ事案次第で逮捕の可能性が高まると考えられます。
実際のところ個々の事案により大きく左右されるため、もし逮捕が不安であれば弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の豊富な経験を有する弁護士が、逮捕の可能性を含む事件の見通しについて丁寧にお伝えします。
窃盗罪を犯して逮捕が不安なら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(大阪府福島警察署までの初回接見費用:34,300円)