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【事例解説】コンビニのコーヒーマシンでの窃盗事件
コンビニのコーヒーマシンでの窃盗事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、コンビニのコーヒーマシンで120円のレギュラーサイズのカップをレジで購入した後に、コーヒーマシンの前に立って250円のラージサイズのカップ用のボタンを押して、レギュラーサイズのカップにラージサイズのカップ用のコーヒーを注ぎました。
この様子を見ていたコンビニ店長のVさんが、Aさんを呼び止めて警察に通報したことで、Aさんは警察で窃盗罪の疑いで捜査を受けることになりました。
Aさんは警察に対して、故意にラージサイズのボタンを押したことを正直に話したため、逮捕されずに在宅での捜査となりました。
自宅に帰ったAさんは、これからVさんと示談をするために、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)
コンビニのコーヒーマシンでの窃盗事件
事例のように、コンビニのコーヒーマシンで、レジで購入したレギュラーサイズのカップよりも大きいラージサイズのコーヒーのボタンを故意に押して、ラージサイズのコーヒーをレギュラーサイズのカップに入れる行為については、相手を騙してコーヒーを多く騙し取ったとして刑法246条の詐欺罪が成立するのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれません。
確かに、レジでレギュラーサイズのカップを購入する段階からラージサイズのコーヒーのボダンを押してやろうと決意していた場合には、レジで店員の方を騙してラージサイズのコーヒーをだまし取ったとして刑法246条の詐欺罪が成立する可能性が高いと考えられますが、コーヒーマシンでボタンを押すときになって初めてラージサイズのコーヒーのボタンを押そうと思った場合には、レジではあくまでレギュラーサイズのコーヒーボタンを押そうと思ってレギュラーサイズのカップを購入していて人を騙してはいませんので、詐欺罪が成立することは難しいと考えられます。
そのため、コーヒーマシンでボタンを押すときになって初めてラージサイズのコーヒーのボタンを押そうと思った場合には、刑法235条の窃盗罪が成立すると考えられます。
このように、コーヒーマシンで購入したサイズよりも大きいサイズのボタンを押す行為には詐欺罪が成立する場合と窃盗罪が成立する場合が考えられるのですが、実際には、どの時点で大きいサイズのコーヒーボタンを押そうと思ったのかといったことについては明確ではないことから、事例のようなケースでは、詐欺罪ではなく窃盗罪で立件されることが多いようです。
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役のみですが、窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。
窃盗事件の被害者の方との示談をお考えの方は
事例のAさんは、警察に通報されたものの窃盗罪で逮捕されることはありませんでしたが、だからといってこれで事件が終了したという訳ではなく、今後は在宅捜査という形で捜査が進められることになります。
そのため、窃盗罪について素直に認めて被害者の方と示談をしたいとお考えの方は、まずは弁護士に相談して、被害者の方と示談をするための流れやどんな準備をすればよいかといったことについてアドバイスを貰った上で、弁護士に示談交渉を依頼されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
窃盗事件で被害者の方と示談をしたいとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】転売のために薬を万引きして逮捕
転売するために咳止め薬を万引きして逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
会社員のAさんは、ドラッグストアから咳止め薬を万引きして、その咳止め薬を、自分と同じくらいか自分よりも年下の中高生に市販価格の半額以下で転売するということを繰り返していました。
Aさんは、いつものようにドラッグストアで咳止め薬を万引きして、そのまま店舗の外に出ようとしましたが、Aさんのことを警戒していた万引きGメンに呼び止められて、バックヤードに連れていかれました。
Aさんは、そのまま通報により駆け付けた
(この事例はフィクションです)
転売のために咳止め薬を万引きすると?
10代の若者の間で、不安な気持ちを抑えたい、あるいは気分を高めたいといった理由で市販されている咳止め薬や風邪薬を一度に大量に摂取する、いわゆる「オーバードーズ(OD)」が問題になっています。
歌舞伎町の「トー横」と呼ばれるエリアには、オーバードーズを行うのために咳止め薬や風邪薬を大量に欲しがる若者が多いため、こうした人たちに対して万引きした市販薬の咳止め薬や風邪薬を安価で売ってお金を得るということが行われているようです。
当然ながら、ドラッグストアなどから市販されている咳止め薬や風邪薬を万引きする行為は刑法235条の窃盗罪に該当する行為です(窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています)。
また、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(「医薬品医療機器等法」や「薬機法」と略されることが多いです)の第24条1項では、医薬品の販売の許可を得た者でなければ医薬品を業として販売してならないと規定しています。
そのため、Aさんのように無許可で市販されている咳止め薬や風邪薬の転売を繰り返して利益を上げていると、この薬機法第24条1項に違反することになり、同法第84条9号によって3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこの懲役刑と罰金刑が合わせて科される可能性があります。
ご家族が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は
逮捕されてからの刑事事件はとにかくスピードが大事になります。
ご家族が逮捕されてからすぐに弁護士が弁護人として弁護活動を開始することができれば、逮捕後に予定されている勾留を回避して、早期に逮捕されたご本人の身体を解放する可能性を高めることが期待でいます。
そのため、警察からの連絡で、突然、ご家族が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されたことを知ったら、急いで弁護士に初回接見を依頼して、事件の見通しや今後の弁護活動についてアドバイスを貰われることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】アルバイト先のレジから現金を盗んだ窃盗事件
アルバイト先の飲食店のレジから現金を盗んだ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
大学3年生のAさんは飲食店で接客のアルバイトを行い、レジ打ちを行うことがあります。
Aさんは、レジ打ちを行う際に、毎回現金を自身の懐に入れていました。
バイト先の店長であるVさんが、Aさんがレジを打つと必ず、最後のレジ締めの作業で計算が合わなくなることから、Aさんがレジからお金を盗んでいるのではないかと疑い、こっそりレジの真上に防犯カメラを設置しました。
ある日、Aさんがレジ打ち担当した際に防犯カメラの映像を確認すると、Aさんがレジのお金を盗んでいる姿を確認することができました。
営業終了後、VさんはAさんを呼び出して、防犯カメラの映像を見せて、「警察に被害届を出すから、もう来ないで」と言いました。
自分が今後どうなるのか不安になったAさんは、両親と一緒に弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)
バイト先でレジからお金を懐に入れてしまうと
事例のAさんのように、バイト先でレジ打ちを担当する際にレジから現金を自身の懐に入れる行為は、バイト先の経営者が占有(事実上支配している)レジの中のお金を、経営者の意思に反して自身の元に移していると言えますので、刑法235条の窃盗罪に該当する可能性が高い行為です。
窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっています。
アルバイトがバイト先のレジから現金をくすねる行為は、このように窃盗罪になる場合が多いですが、アルバイトがバイト先からレジのお金の管理を完全に任されていたという場合には、レジの中のお金の現金は、自身が占有し(事実上支配する)、バイトの経営者が所有するお金を懐に入れたとして、刑法253条の業務上横領罪が成立する場合もあり得ます。
業務上横領罪の法定刑は、懲役刑について窃盗罪と同じく10年以下の懲役刑となっていますが、罰金刑については窃盗罪と異なり規定されていませんので、仮に業務上横領罪で起訴されてしまうと、必ず公開の法廷で正式な刑事裁判が開かれることになります。
窃盗罪で前科を付けたくないとお考えの方は
窃盗罪を行ったことを認める場合、窃盗罪の被害者の方と示談交渉を行うことが弁護活動として非常に重要になりますので、このような示談交渉については示談の経験が豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。
そのため、窃盗罪で前科を付けたくないとお考えの方は、いち早く弁護士に相談して今後の対応について相談されるのが良いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
窃盗罪について前科を付けたくないという方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】財布から現金を抜き取ったと疑われている窃盗事件
やっていないのに財布から現金を抜き取ったと疑われている窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは介護福祉士として、80代の利用者のVさんの自宅に訪問介護を定期的に行っています。
ある日、上司から呼び出しを受けたAさんが営業所に行くと、上司から、AさんがVさんの財布から現金数万円を盗んでいるのではないかとVさんの家族からクレームの連絡が入ったという話をされました。
Aさんとしては全く身に覚えのない話でしたが、Vさんが「財布から現金をAさんに盗まれた」と家族に話しており、Vさんの家族はVさんの話を信じて、警察に窃盗罪で被害届を提出しました。
Aさんは、窃盗罪の濡れ衣を着せられてしまうのではないかと不安になり、今後の対応について弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)
介護福祉士に窃盗罪の前科が付くとどうなる?
他人の家で保管されている財布から現金を盗み出す行為は刑法235条の窃盗罪に該当すると考えられます。
窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっていますが、国家資格である介護福祉士の資格を持つ者が窃盗罪で前科がついてしまうと、一定期間の間、介護福祉士になることができない場合があります。
具体的には、社会福祉士及び介護福祉士法3条2号において「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して2年を経過しない者」は介護福祉士になることができないという欠格事由が定めていますので、仮に窃盗罪で起訴されて有罪となり懲役刑が科されてしまうと、執行猶予付きの有罪判決であったとしても、執行猶予に期間が満了してから2年を経過するまでは介護福祉士になることは出来ません。
やってもいない窃盗罪の疑いをかけられているという方は
やってもいない窃盗罪の疑いをかけられているという場合、自分は絶対に窃盗をしていないのだから大したことにはならないと安易に判断するのではなく、まずは弁護士に相談されることをお勧めします。
事例のように既に窃盗罪で被害届が提出されているという状況になると、今後、警察が窃盗罪の捜査に乗り出して事情聴取のために警察への呼び出しを受けたり、場合によっては突然、警察が自宅に来て窃盗罪の疑いで逮捕される可能性もあり得ます。
そのため、弁護士に相談して、今後どのような流れで窃盗事件が進んでいくことになるのか、警察が窃盗事件についは話を聞きたいと連絡があった場合はどうすればよいのかといったことについてアドバイスを貰っておくことが大事になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
やってもいない窃盗罪の疑いをかけられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】キャンインベーダーを用いた自動車の窃盗事件
キャンインベーダーを用いた自動車の窃盗(自動車盗)事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、盗んだ自動車を解体して、パーツを売却することでお金を得ていました。
Aさんが、ターゲットにする自動車を探すために近所の住宅街を散策していたところ、ある一軒家の駐車場に停められている高級車に目を付けました。
Aさんは、深夜、キャンインベーダーと呼ばれる手口で高級車を盗み出しました。
朝になって、車を盗まれたことに気が付いたVさんが警察に窃盗罪の被害届を提出したことで、警察が窃盗罪の捜査を開始することになりました。
周囲の防犯カメラを調べたところ、Aさんが車を盗み出している様子が撮影されていたことから、Aさんは窃盗罪の疑いで逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
自動車盗の手口のひとつであるキャンインベーダーとは
事例のAさんはキャンインベーダーと呼ばれる手口でVさんの自動車を盗み出していますが、キャンインベーダーのキャンとは、Controller Area Networkの略称である「CAN」を意味しています。
このCANは、自動車の機能を制御しているネットワークシステムのことで、最近の自動車(特に高級車)ではCANが使用されていることが多いようです。
キャンインベーダーとは、このCANに特殊な器機を用いて侵入することでドアの施錠を解き、エンジンを始動させてそのまま自動車を盗み出す手口のことです。キャンインベーダーによる自動車盗の場合、車を傷つけることなく、犯行からわずか数分で車を盗み出すことができるようで、近年多発している自動車盗の手口になります。
このようにキャンインベーダーと呼ばれる手口で自動車を盗み出した場合、刑法235条に規定する窃盗罪に該当する可能性が高く、仮に窃盗罪で起訴されて有罪となると10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される場合があります。
自動車盗の被害者の方と示談をしたいとお考えの方は
自動車を盗まれた被害者の方からすると、盗まれた車がそもそも高価なものであることに加えて、移動の足を失ったことで日常生活が不便になったなどの事情も相まって、自動車盗の犯人を許さないという気持ちが高い可能性が考えられます。
このように処罰感情が強い自動車盗の被害者の方と示談したいとお考えの方は、示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、窃盗事件での被害者の方との示談交渉を多数経験している弁護士が在籍しています。
自動車盗の被害者の方と示談をしたいとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】盗品であるバイクを購入したことで逮捕
盗まれた物であることを知りながら盗品のバイクを購入した盗品等有償譲り受け事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、Bさんが乗っていたバイクが欲しくなり、Bさんにバイクを売ってくれないかと持ちかけました。
Bさんは、バイクが盗んできたものであることをAさんに伝えましたが、Aさんは「盗品でもいいからバイクを譲ってほしい」と言って、Bさんからバイクを購入しました。
翌日、Bさんがバイクの窃盗の疑いで逮捕されました。
Bさんが「盗んだバイクをAさんに売った」と警察に話したことで、Aさんも盗品等有償譲り受け罪の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
盗品であることを知りながらバイクを購入するとどのような罪に問われる?
事例のAさんは、Bさんが盗んだバイクを盗品であることを知りながら購入しています。
バイクを盗んだBさんは、刑法235条に規定されている窃盗罪に問われることになりますが、盗品であるバイクを購入したAさんも罪に問われる可能性が高いです。
事例のAさんは、Bさんと一緒にバイクを盗んだ訳ではなく、また、Bさんから無理矢理バイクを奪った訳でもないのに、どうして罪に問われるのかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、刑法256条では、
1 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。
と、窃盗の際に盗まれた物(盗品)等に関わった一定の者を処罰の対象にしています。
このうち、事例のAさんのように、盗品であることを知りながら、盗品をお金を払って購入した人は、盗品を有償で譲り受けたとして、刑法256条2項の盗品等有料譲り受け罪に該当することになると考えられます。
盗品等有償譲り受け罪は、事例のように窃盗犯人から直接購入する場合の他にも、窃盗犯人以外の第三者から購入した場合でも成立します。
ご家族が盗品等有償譲り受け罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は
盗品等有償譲り受け罪の法定刑は10年以下の懲役「及び」50万円以下の罰金となっています。
この盗品等有償譲り受け罪の法定刑は、法定刑が10年以下の懲役「又は」50万円以下の罰金となっている窃盗罪よりも重く定められていることになります。
そのため、ご家族が盗品等有償譲り受け罪の疑いで警察に逮捕された場合は、いち早く弁護士に初回接見を依頼して、弁護士によるサポートを受けられることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が盗品等有償譲り受け罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】万引き 自責の念に駆られて自首を検討
コンビニで万引きをした女性が自責の念に駆られて自首を検討している事案を参考に、窃盗事件における自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
Aさんは、仕事のストレスから自宅の近くにあるコンビニでお菓子数点を万引きしてしまいました。
コンビニの店員には気づかれず、現在警察からも連絡を受けていない状況でしたが、万引きをしてしまったことに耐えられなくなり自首をしようと思い弁護士に相談することにしました。
~自首・出頭とは~
自首とは、捜査機関に対し自身の犯罪事実を申告することをいいます。
自首が成立すれば、有罪判決を受ける場合において、刑が減軽されうるというメリットがあります。
また、自発的に犯罪事実を申告したことが評価され、逮捕されずに済む場合もあります
※刑法
(自首等)
第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
2 省略
自首が成立するためには厳格な要件を満たす必要があり、それらを充足しなければ「自首」は成立せず、「出頭」として取り扱われることになります。
~自首の要件~
自首が成立するためには、
①自発的に自己の犯罪事実を申告すること
②自己の訴追を含む処分を求めること
③捜査機関に対する申告であること
④捜査機関に発覚する前の申告であること
が必要です。
これらを満たさない場合は、「出頭」扱いとなります。
この中で重要な要件としては、③捜査機関に発覚する前の申告という要件でしょう。
「捜査機関に発覚する前」とは、犯罪事実が捜査機関に全く認知されていない場合、および犯罪事実は認知されていても犯人の誰であるかが認知されていない場合をいうとされています。
なお、犯人が明らかで、犯人の所在だけが不明であるという場合は「捜査機関に発覚する前」とはいえません。
~事例のAさんには自首が成立する?~
事例のAさんが弁護士に相談した後で、自ら警察に行き自身がコンビニで万引きしてしまったことを警察官に打ち明けた場合は要件の①~③は問題なく満たすと考えられます。
また、④についてもAさんの万引き行為がコンビニの店員に全く気づかれていない状況であれば被害届なども警察に出されていないでしょうから、Aさんの犯罪事実を警察は認知していないと思われます。そのため、④の要件も満たされるでしょう。
以上から、Aさんが自ら警察に自身の行為を打ち明けた行為には自首が成立すると思われます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
窃盗事件で自首を検討中の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】キャッシュカードをすり替えた窃盗事件
キャッシュカードをすり替えた窃盗事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、闇バイトに応募して、金融機関の職員を名乗ってVさんの家に行くように指示を受けました。
Aさんは、指示通りにVさんの家に行き、玄関口で、Vさんに対して「お使いの口座が不正利用されるおそれがあります。こちらの封筒にキャッシュカードと暗証番号を書いたメモを入れて厳重に保管してください。」と言って、Vさんのキャッシュカードと暗証番号を書いたメモを封筒に入れさせました。
続けてAさんは「封筒に封緘印を押すために印鑑を持ってきてください」と言って、Vさんに印鑑を取りに行かせた隙に、キャッシュカード入りの封筒とトランプが入った封筒をすり替えて、キャッシュカード入りの封筒を盗みました。
その後、Aさんは窃盗の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
「特殊詐欺」なのに窃盗罪?
事例のように、金融機関や警察の職員の名前を騙って、「お使いの口座が不正に利用される恐れがある」、「口座が犯罪に利用されている」と虚偽の話をして、被害者の方にキャッシュカードと暗証番号のメモを封筒に入れさせて、隙をついて封筒を事前に準備した偽物の封筒をすり替えるといった手口の特殊詐欺事件があります。
この特殊詐欺事件では、犯人側は、偽りの身分を告げたりや嘘の話を行ったりすることで、被害者の方を騙していますが、キャッシュカードと暗証番号のメモが入った封筒は、騙した被害者の方から直接手渡されているわけではなく、一瞬の隙をついて封筒をすり替えるという手口でキャッシュカード入りの封筒が犯人側の手に渡ることになります。
このようにキャッシュカードと暗証番号のメモが入った封筒を騙した被害者の方から交付されて手にするのではなく、被害者の方の意思に反して獲得した場合には、詐欺罪ではなく刑法235条の窃盗罪が成立することになると考えられます。
そのため、事例のAさんにも窃盗罪が成立して、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります。
窃盗罪の疑いで警察に逮捕されたら
ご家族が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されたら弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
事例のように闇バイトに参加したことで窃盗罪の疑いで逮捕されたという場合は、組織的な犯罪が疑われることから、身体の拘束期間が比較的長期化するおそれがありますので、いち早く弁護士によるサポートを受けられることが重要になるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】コインランドリーで下着を盗んだ窃盗事件
コインランドリーで下着を盗んだとして窃盗罪の疑いで逮捕されたケースを弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
事例紹介
会社員のAさんが、洗濯をしようとコインランドリーに行った際に、既に乾燥まで修了していた洗濯機の中に、女性物の下着が入っているのを見つけました。
Aさんは、自身の性欲を満たすために、この下着を盗み、そのままコインランドリーを退店しました。
後日、盗んだ下着の持ち主であるVさんが警察に被害届を提出し、Aさんはコインランドリーにある防犯カメラの映像によって、窃盗罪の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
「色情盗」について
事例のAさんは女性物の下着を盗んでいますが、このようないわゆる「下着泥棒(下着ドロ)」のことを、「色情盗」や「色情ねらい」と表されることがあります。
事例のようにコインランドリーから女性物の下着を盗む場合のほかにも、ベランダに干してある下着を盗んだり、脱衣所にあった下着を盗だりした場合にも色情盗、色情ねらいに当たることになります。
色情盗、色情ねらいは当然、刑法235条の窃盗罪に当たることになると考えられますので、女性物の下着を盗んだとして窃盗罪で起訴されて有罪となってしまうと、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科される可能性があります。
また、下着を盗む際に、被害者の家に立ち入ったり、入浴施設の脱衣所に立ち入ったりした場合には、窃盗罪に加えて刑法130条前段に規定されている住居侵入罪や建造物侵入罪が成立する可能性もあります。
住居侵入罪、建造物侵入罪の法定刑は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金となっています。
ご家族が色情盗で警察に逮捕されたら
ご家族の中に色情盗として窃盗罪の疑いで警察に逮捕された方がいるという場合は、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらい、事件の見通しや今後の対応についてアドバイスを貰われることをお勧めします。
色情盗の窃盗事件の場合、犯行の動機が自身の性的な欲求による場合が非常に多いです。
そのため、色情盗による窃盗事件で犯行を認めるという場合の弁護活動では、被害者の方との示談交渉はもちろん重要ですが、示談交渉の他にも、色情盗の動機となった自身の性的な欲求をコントロールするために、専門の医療機関によるカウンセリング・治療を受けるといった再び色情盗を犯さないための取り組みを始めることも重要になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が色情盗として窃盗罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談下さい。
【事例紹介】コンビニで置き忘れの財布を盗んだとして男が逮捕
コンビニで客が置き忘れた財布を盗んだ疑いで、男が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
去年12月、北海道岩内町のコンビニエンスストアで、客が置き忘れた財布を盗んだとして、札幌の26歳の男が逮捕されました。
窃盗の疑いで逮捕されたのは、札幌市北区に住む26歳の外装工の男です。
男は去年12月24日、北海道岩内町のコンビニエンスストアで、60歳の男性客の財布1つ(時価合計1万円)を盗んだ疑いが持たれています。
警察によりますと、男性は当時、店内に財布を置き忘れて被害に遭い、財布には現金およそ10万円が入っていたということです。
男性の被害に気付いた店の従業員が警察に通報し、警察は事件の発生からおよそ8か月後の22日、男を逮捕しました。
警察によりますと、男は仕事で岩内町を訪れて、コンビニエンスストアに立ち寄っていたということです。
調べに対して、男は「同僚のものだと思って、持って行った」などと話し、容疑を否認しているということです。
警察は、事件の詳しい経緯や余罪について調べを進めています。
(8月23日Yahoo!ニュース掲載のHBC北海道放送の記事を引用しています。)
他人が置き忘れた物を持ち去ったら
今回の事件では、コンビニエンスストアで客が置き忘れていた財布を盗んだとして窃盗の疑いで男が逮捕されています。
窃盗罪は、「他人の財物を窃取した」場合に成立します(刑法235条)。
「窃取」とは他人が占有する財物を占有者の意思に反して自己又は第三者の占有に移転させることをいいます。
そうすると、「窃取」の目的物となる「他人の財物」とは、他人の占有が及んでいる財物である必要があります。
今回の事件では、男は窃盗罪の疑いで逮捕されているため男が財布を持ち去った時点においては、まだ財布に対して客の占有が及んでいたとみられていることがわかります。
では、財布に被害者である客の占有が及んでいなかった場合は何罪が成立するのでしょうか。
この場合には「窃盗罪」ではなく「遺失物横領罪」が成立します。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役刑又は50万円以下の罰金」であるのに対し、遺失物横領罪の法定刑は、「1年以下の懲役刑又は10万円以下の罰金若しくは科料」と軽くなっています。
そのため、最終的に窃盗罪が成立するのか遺失物横領罪が成立するのかで受ける刑罰が大きく変わってきます。
そして、財物に対して占有が及んでいたか否かは一般の方では判断するのが大変難しく、弁護士に相談することが不可欠でしょう。
窃盗罪で警察の捜査を受けられている方は
窃盗罪、遺失物横領罪で警察の捜査を受けられてお困りの方は、弁護士に相談されることをお勧めします。
盗んだ物に占有が及んでいるのかで、成立する犯罪が異なりますので、専門家である弁護士に相談することで、自身の行為がどのような罪に当たる可能性があるのかといったことについてアドバイスを受けることができるでしょう。