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【事例解説】留守中の家に侵入して窃盗を行ったとして男が逮捕
留守中の家に侵入して窃盗したとして男が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
Aさんは、留守中のVさんの家に侵入して金品を盗み出しました。。
近隣で侵入窃盗事件が頻発していたため、警察が見回りを強化していたところ、ベランダに侵入しようとしているAさんを発見し侵入窃盗の疑いで逮捕しました。
警察からAさんを逮捕したという連絡を受けた、Aさんの両親は事件の詳細を知るために弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことにしました。
(フィクションです。)
闇バイトによる侵入窃盗の増加
最近、闇バイトによる強盗事件がよくニュースになっていますが、侵入窃盗事件についても増加しているようです。
侵入窃盗は、家人などが不在の住宅に侵入し金品を盗み出す「空き巣」、夜間家人などの就寝時に住宅に侵入し金品を盗み出す「忍び込み」、家人などが昼寝や食事をしているすきに住宅に侵入し金品を盗み出す「居空き」に分けられます。
簡単にいうと、住宅に侵入し、住宅内の金品を盗み出すことをいいます。
侵入盗について
AさんはVさんの家に侵入して金品を盗み出していますが、他人の住居に侵入した行為については刑法130条前段の住居侵入罪が成立し、金目の物を盗み出した行為については刑法235条の窃盗罪が成立することになります。
この住居侵入罪と窃盗罪は、窃盗を行うために他人の家に侵入したという関係が認められますので、窃盗罪を実行するという目的のために住居侵入罪という手段を用いたとして、住居侵入罪と窃盗罪の関係は、刑法54条1項後段に規定されている牽連犯の関係になると考えられます。
住居侵入罪と窃盗罪が牽連犯の関係になると、住居侵入罪と窃盗罪のうち「その最も重い刑により処断」されることになります。
住居侵入罪と窃盗罪の法定刑を比較すると、住居侵入罪の法定刑は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金となっていて、窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっていますので、窃盗罪の方が法定刑が重いことが分かるかと思います。
そのため、事例のような侵入盗をしたとして住居侵入罪と窃盗罪の疑いで逮捕された場合は、窃盗罪の法定刑が適用されることになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
やってもいない窃盗罪の疑いをかけられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
法律相談のご予約は、0120-631-881で24時間お電話受付中です。
【事例解説】セルフレジでの万引きで現行犯逮捕
セルフレジでの窃盗で現行犯逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
主婦のAさんは、頻繁に買い物をするスーパーのセルフレジで一部の商品をスキャンせずに会計したように見せかけて持ち去る行為を繰り返していました。
当初は罪悪感がありましたが回を重ねるごとに罪の意識も薄れて、持ち去る商品の点数も増えていました。
ある日、セルフレジでいつものように一部商品をスキャンせずに持ち去ろうと店を出たところで、スーパーの店長に声をかけられバックヤードに連れていかれました。
Aさんは万引き犯としてスーパーから目を付けられていた状態だったようです。
最終的に通報により駆け付けた警察官に現行犯逮捕されることになってしまいました。
(フィクションです。)
セルフレジでの万引き事件
通常のレジとは違い、セルフレジは商品の読み込みから支払いまでを客が自ら行うことになります。
セルフレジの周辺には、店員が配置されていることに加えて、監視カメラも設置されているなど万引き対策がされていることが多いのですが、常に店員が見ているわけではないため万引きをする心理的な障壁が低いといえます
セルフレジで万引きをすると
スーパーで未精算の商品を持ったまま店の外に出るという万引き行為は、刑法235条に規定されている窃盗罪に該当します(出典「e-GOV法令検索」)
事例のAさんのように、はじめからレジに一部の商品を通さずに持ち去る意思がある場合であれば窃盗罪の成立は避けられないかもしれません。
もっとも、レジで精算する意思はあったものの、何らかのミスでレジを通していなかった又は、忘れていたというような場合であれば、窃盗罪の「故意」が認められず、窃盗罪の成立が否定される場合があります。
実際には、精算する意思があったにも関わらず、警察からはじめから持ち去る意思があったと疑われている場合は、弁護士に相談して適切に対応していく必要があるでしょう。
万引きによる窃盗事件での弁護活動
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっています。
もっとも、窃盗が発覚したからといって、必ずしも10年以下の懲役又は50万円以下の罰金という刑罰を受けることになるわけではありません。
起訴されるか不起訴になるかは、被害金額、行為態様、示談が成立しているかなど、その他様々な事情を考慮して判断されます。
窃盗を犯してしまったからといって前科がついてしまうと諦めるのでなく、弁護士に相談して被害者との示談交渉や出来ることをすぐにしていくことが大切です。
不起訴処分を獲得することができれば前科はつきませんので、社会的な影響を最小限に食い止めることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族・ご友人が警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】看護師が財布から現金を抜き取ったと疑われている窃盗事件
財布から現金を抜き取ったと疑われている窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは看護師として病院で勤務してました。
ある日入院していた80代のVさんから、私の財布からお金を抜いたでしょと疑われました。
ある日、看護師長から呼び出しを受けたAさんは、AさんがVさんの財布から現金数万円を盗んでいるのではないかとVさんの家族からクレームの連絡が入ったという話をされました。
Aさんとしては全く身に覚えのない話でしたが、Vさんが「財布から現金をAさんに盗まれた」と家族に話しており、Vさんの家族はVさんの話を信じて、警察に窃盗罪で被害届を提出しました。
Aさんは、窃盗罪の濡れ衣を着せられてしまうのではないかと不安になり、今後の対応について弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)
看護師に窃盗罪の前科が付くとどうなる?
他人の家で保管されている財布から現金を盗み出す行為は刑法235条(出典/e-gov法令検索)の窃盗罪に該当すると考えられます。
窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっていますが、国家資格である看護師の資格を持つ者が窃盗罪で前科がついてしまうと、相対的欠格事由となり、処分を受ける可能性があります。
看護師免許等について定める保健師看護師助産師法の第9条1号は、「罰金以上の刑に処せられた者」について、免許を与えないことがあることを定めており、また、同法第14条1項3号では、「罰金以上の刑に処せられた者」について、厚生労働大臣が看護師免許の取消しをすることができる旨を定めています。
これは「することができる」と定められていることから、罰金以上の前科が付いた場合でも、看護師免許の取消しがなされない可能性もあります。
しかし、看護師免許を失う可能性も否定できないため、できる限りの予防策を講ずるべきであるといえます。
やってもいない窃盗罪の疑いをかけられているという方は
やってもいない窃盗罪の疑いをかけられているという場合、自分は絶対に窃盗をしていないのだから大したことにはならないと安易に判断するのではなく、まずは弁護士に相談されることをお勧めします。
事例のように既に窃盗罪で被害届が提出されているという状況になると、今後、警察が窃盗罪の捜査に乗り出して事情聴取のために警察への呼び出しを受けたり、場合によっては突然、警察が自宅に来て窃盗罪の疑いで逮捕される可能性もあり得ます。
そのため、弁護士に相談して、今後どのような流れで窃盗事件が進んでいくことになるのか、警察が窃盗事件についは話を聞きたいと連絡があった場合はどうすればよいのかといったことについてアドバイスを貰っておくことが大事になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
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【事例解説】窃盗目的で侵入した店舗で警備員と争いに(後編)
窃盗目的で侵入した店舗内において、警備員が死んでしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内に住むAさんは、窃盗目的で、深夜、閉店後の商業施設に侵入しました。
店内を物色していたところ、夜間の見回りにあたっていた警備員Bさんに発見され、取り押さえられそうになったため、AさんはBさんに対して暴行を行い、拘束したうえで、店内の物品を自家用車に積むために運び出しました。
そうしたところ、運び出そうとした物品の一部が棚から落ち、Bさんはそれによって頭部を強く打ち付けられ、その結果、数時間後に死亡しました。
(フィクションです)
【今回の事例で成立する可能性のある犯罪】
④強盗致死罪
次に、Aさんの強盗の際に、Bさんが死亡していることから、Aさんには強盗致死罪が成立する可能性があります。
強盗致死罪とは、刑法240条(出典/e-GOV法令検索)により、「強盗が、人を…死亡させた」罪であると定められており、その法定刑として「死刑又は無期懲役」が定められています。
しかし、Bさんの死亡という結果は、Aさんによる犯行抑圧手段たる暴行から発生したものではありません。それでは、今回の事例では、強盗致死罪が成立するでしょうか。
この点について、そもそも強盗致死罪は、犯罪学的観点より、強盗の機会に人の死傷という重大な結果を伴うことが多いことに鑑み、生命・身体の安全を保護する観点から規定されています。
それゆえに、死傷結果は強盗の機会に行われた行為によって生じれば足りるといえます。
もっとも、強盗の機会の行われた死傷結果につき、すべて強盗致死罪が成立するとすると処罰範囲が不当に拡大することになり、適切とはいえません。
以上を踏まえて、強盗行為と密接な関連を有する行為から生じた死傷結果については、強盗致死罪が成立すると考えられます。
これを今回の事例で見るに、物品を運び出す行為は強盗行為の目的を達成するための行為であり、強盗行為と密接な関連を有する行為といえます。そして、物品を運び出すことによって、Bの死亡という結果が発生しています。
よって、今回の事例では、Aさんには強盗致死罪が成立するといえます。
【窃盗事件を起こしてしまったら】
もしも窃盗事件を起こしてしまい、前科を回避したいと考えた場合、被害者方との間で示談交渉を進めることが最も重要になります。
そのため被害者方との間で、被害弁償及び示談交渉を行い、可能であれば宥恕条項付きの示談締結を目指します。早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分を受ける可能性を高めうるといえます。
また、起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、減刑を目指します。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には窃盗事件に強い弁護士が在籍している法律事務所です。
窃盗罪で捜査を受けている方、窃盗罪で逮捕された方がいてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法事務所まで一度ご相談ください。
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【事例解説】窃盗目的で侵入した店舗で警備員と争いに(前編)
窃盗目的で侵入した店舗内において、警備員が死んでしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内に住むAさんは、窃盗目的で、深夜、閉店後の商業施設に侵入しました。
店内を物色していたところ、夜間の見回りにあたっていた警備員Bさんに発見され、取り押さえられそうになったため、AさんはBさんに対して暴行を行い、拘束したうえで、店内の物品を自家用車に積むために運び出しました。
そうしたところ、運び出そうとした物品の一部が棚から落ち、Bさんはそれによって頭部を強く打ち付けられ、その結果、数時間後に死亡しました。
(フィクションです)
【今回の事例で成立する可能性のある犯罪】
今回の事例では、Aさんにはどのような犯罪が成立するでしょうか。
①建造物侵入罪
まず、Aさんが商業施設に侵入した行為には建造物侵入罪が成立すると考えられます。
建造物侵入罪とは刑法130条前段(出典/e-GOV法令検索)に規定されている、正当な理由なく他人の住居に侵入した際に成立する犯罪で、その刑罰として「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」が定められています。
ここでの「侵入」とは建造物を管理する者の意思に反する立ち入り行為と考えられています。
今回の事例では、商業施設の管理権者は、営業時間外における窃盗目的での侵入を許すはずがありませんから、当然ながらAさんが窃盗目的で商業施設に侵入した行為は刑法130条の定める「侵入」に該当することになります。
②窃盗未遂罪
次に、Aさんが店内の物品を物色した行為につき、窃盗未遂罪が成立すると考えられます。
窃盗罪とは、刑法235条(出典/e-GOV法令検索)により「他人の財物を窃取」する罪であると定められており、その法定刑として「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」が定められています。
また刑法243条は、窃盗罪の未遂について定めており、未遂の場合は、刑法43条によって「刑を減軽することができる」とされています。
今回の事例では、Aさんは店内の物品を物色しているため、窃盗行為の着手があったと評価できますが、その後、AさんはBさんに発見されたため、Bさんに対して暴行を行っています。それゆえに、Aさんの物色した行為については、他人の財物を窃取したという結果は発生していません。
そのためAさんには窃盗未遂罪が成立すると考えられます。
③強盗罪
次に、AさんがBさんに対して暴行・拘束を行ったうえで、物品を店外に運び出した行為につき、強盗罪が成立すると考えられます。
強盗罪とは、刑法236条(出典/e-GOV法令検索)により「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取」する罪であると定められており、その法定刑として「五年以上の有期懲役」が定められています。
強盗罪が成立するためには以下の3点を満たす必要があります。
①「暴行」(=他人の反抗を抑圧する程度の暴行)があったこと
②「暴行」が財物奪取に向けられたもの
③「強取」したこと
今回の事例では、AさんはBさんに対して暴行と拘束を行っていますが、これは「Bさんの犯行を抑圧する程度の暴行」であると評価できます。(①充足)
また、その暴行後に、物品の運び出しを行っているため、上記暴行は財物奪取に向けられたものと評価できます。(②充足)
それゆえに、Aさんの物品を運び出した行為は、暴行をもって、Bさんの反抗を抑圧し、その結果として財物を自己の占有に移す行為であるため、「強取」にあたるといえます。(③充足)
以上よりAさんには強盗罪が成立することになります。
次回は、Aさんに成立し得る犯罪の続きを解説します…
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窃盗罪で捜査を受けている方、窃盗罪で逮捕された方がいてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法事務所まで一度ご相談ください。
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【事例解説】デパートの化粧品の窃盗が発覚も微罪処分に
デパートでの化粧品の万引きが発覚し警察署で取り調べを受けたものの微罪処分で終わった事例を参考に、微罪処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
主婦のAさんは、日頃のストレスから、デパートで化粧品1点を(約3000円分)を万引きしてしまいました。
Aさんの不審な動きに目をつけた警備員がAさんに声をかけたことがきっかけとなり万引きが発覚しました。
店舗の責任者に警察を呼ばれ、Aさんは警察署で取り調べを受けました。
取り調べでは、Aさんが犯行を認め真摯な反省を示していたこと、被害店舗への被害弁償なども済ませていたことから被害店舗の責任者の処罰感情も軽微であったこと、Aさんの夫が身元引受人になってくれたという事情から「微罪処分」として処理されました。
微罪処分とは
微罪処分とは、例外的に検察官への送致を行わずに警察限りで事件を終結させる処分のことを言います。
刑事訴訟法246条(出典/e-GOV法令検索)では、「司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定めのある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。」と定められており、司法警察員が犯罪の捜査をした事件については、原則として検察官に送致することになっています。
しかし、同法246条但し書きでは「但し、検察官が指定した事件については、この限りではない。」と規定されており、検察官が指定した事件については例外が設けられています。
この例外に当たる事件が、微罪処分で事件が終了する事件になります。
微罪処分になると、逮捕・勾留などの身体拘束を受けることがなく、前歴は残るとしても前科がつかないなど被疑者にとってはメリットが多くあります。
しかし、微罪処分で事件が終わるためには、いくつかの判断要素があり、初犯だからといって微罪処分で終わるわけではありません。
微罪処分になる条件とは
微罪処分になる事件としては「検察官が指定した事件」です。
どのような事件が検察官が指定した事件になっているかは都道府県ごとに異なり、条件は公表されていないため不明です。
しかし、これまでの処分の経緯からある程度、罪名や事情は予測することができます。
微罪処分の対象となる罪名は、主には窃盗、暴行、傷害、詐欺、横領、盗品等関与があげられます。
事情としては、①犯情が軽微であること、②被害が軽微であること、③被害の回復がなされていること、④真摯な謝罪がなされていること、⑤被害者の処罰感情が低いこと、⑥身元引受人などがいることなどが挙げられます。
万引きで警察から取り調べを受けることになったら
万引きが発覚し警察から取り調べを受けることになったら、いち早く弁護士に相談することをお勧めします。
早急に被害者との示談交渉や周囲の環境調整をして微罪処分で事件が終結するように働きかけることができます。
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【事例解説】盆栽の窃盗事件で男が逮捕
盆栽の窃盗で男が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
Aさんは海外で盆栽の需要が高まっていることに目を付けて、自宅近くで盆栽の販売業を営んでいる会社の敷地内に保管されている盆栽を盗んで海外向けに販売しようと思いつきました。
Aさんは、深夜に盆栽の販売会社の敷地内に侵入し、保管されてある盆栽数点を盗み出しました。
防犯カメラの映像にAさんの犯行が映っていたことから、Aさんは逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
各地で相次ぐ盆栽の窃盗被害
海外で盆栽人気が高まっているようで、海外への売却目的での盆栽の盗難が各地で相次いでいるようです。
盆栽の生育には、日照と風通しが重要であるため、屋外での管理になるため、窃盗犯に狙われやすい状況にあることが原因の一つということだそうです。
盆栽は1鉢数百万を超えるものもあるようで、被害総額も非常に大きい事件になるようです。
もし、盆栽の窃盗事件で逮捕されてしまうと被害金額の大きさから重い刑事処分を受ける可能性も高いと考えられます。
(10月4日配信の読売新聞オンラインの記事を参照しています。)
盆栽の窃盗事件で逮捕されると
窃盗事件で逮捕されると、警察官から被疑事実につき取調べを受けることになります。
そして、さらに留置の必要があると判断されると身体を拘束された時から48時間以内に検察官に事件が送致されることになります。
そこで、検察官からも取調べを受けて、そこでもさらに引き続き留置の必要性があると判断されると裁判所に勾留請求がされます。
最終的に、裁判官が勾留を認めると10日間の勾留が決定され、留置場での身体拘束が続くことになります。
警察官や検察官での取調べで、精神的な負担や辛さから、盗んでもいない物や量を盗んだと言わされてしまうと供述調書という形になり、後々の裁判で不利な証拠となってしまうこともあります。
このようなことは絶対に避けなければ行けませんので、逮捕されたできるだけ早いタイミングで、弁護士に接見に来てもらい取調べの対応についてアドバイスを受けることが重要です。
また、不起訴や処分の軽減を目指す上で重要になる被害者との示談や身体拘束からの解放に向けた活動も同時並行で行っていくことで、社会生活上の負担を最小限にすることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
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【事例解説】窃盗に入った犯人を見逃した事例③
窃盗に入った犯人を見逃した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内に住むAさんは、雑居ビルの夜間警備のアルバイトをしていました。
そうしたところ、夜間の見回り中に、知り合いのBさんがビル内のテナントから金品を盗みだしているところを発見しましたが、知り合いということもあり、その場では見逃すことにしました。
しかし、後日Aさんは気が変わり、「盗んだ金品の一部をよこさなければ、犯行を警察に言うぞ」とBさんを脅し、Bさんが盗んだ金品総額100万のうちの30万円程度に相当する金品を受け取りました。
後日、Bさんは警察により逮捕され、Aさんは事件関係者として警察に呼ばれるに至りました。
そこでAさんは弁護士に今後の対応を相談することにしました。
(フィクションです)
【今回の事例で成立しうる犯罪】
Aさんに成立する可能性のある犯罪の続きを解説していきます。
また、Bさんを脅し、30万円程度の金品を交付させた行為について恐喝罪が成立することが考えられます。
恐喝罪とは、「人を恐喝して財物を交付させ」る犯罪で、刑法249条(出典/e-GOV法令検索)により刑罰として「十年以下の懲役」が定められています。
今回の事例で問題となるのは、以下の3点です。
①Bさんに交付させた金品は盗品の一部であるため「財物」にあたるか
②Bさんが交付した金品は盗品の一部であるため、Bさんに「財産上の損害」がないのではないか
③「Bさんの犯行を警察に言う」と言って脅した行為が「恐喝」にあたるか
Bさんに交付させた金品は盗品の一部であるため「財物」にあたるのでしょうか
この点について、恐喝罪の保護法益は、占有(他社の支配を排除し物を事実上支配すること)にあり、これは、窃盗犯人の盗品に対する占有をも含むと解されます。そのため、BさんがAさんに交付した30万円相当の金品は「財物」にあたります。
Bさんが交付した金品は盗品の一部であるため、Bさんに「財産上の損害」がないのではないでしょうか
この点につき、恐喝罪が認められるためには、「財産上の損害」が必要と解されています。しかし、Bさんに交付した金品は盗品であるため、Bさんにとって不法原因給付物(民法708条本文)にあたり、財産上の損害がないとも思われます。しかし、恐喝がなければ、Aさんに金品を交付することはなかったといえますから、Bさんには財産上の損害があったと認められます。
「犯行を警察に言う」と言ってBさんを脅した行為が「恐喝」にあたるのでしょうか
すなわち、Aさんの上記発言自体は適法行為の告知であるため「恐喝」にあたらないのではないかということです。
この点につき、「恐喝」とは財物の交付に向けて行われる脅迫または暴行のことをいいます。さらにここにおける「脅迫」とは、人を畏怖させる程度の害悪の告知をいい、適法行為の告知であっても人を畏怖させることは可能であるため、Aさんの上記発言は、「脅迫」にあたります。そしてこの「脅迫」はBさんの財物の交付に向けて行われていますから「恐喝」にあたります。
以上より、恐喝罪が成立することになります。
また、Aさんには盗品等無償譲受罪が成立することが考えられます。
盗品等無償譲受罪は刑法256条1項に定められており、「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受け」る犯罪であり、法定刑として「三年以下の懲役」が定められています。
この点について、「譲り受け」が恐喝による取得の場合でも成立するかが問題となりますが、Bさんについて、瑕疵はあるものの自己の意思に従い財物をAさんに交付していますから、「譲り受け」に該当することとなります。
以上より、Aさんには、窃盗罪の幇助犯、恐喝罪、盗品等無償譲受罪が成立すると考えられます。
【窃盗事件を起こしてしまったら】
今回の事例では、まだAさんに関しては事件化していませんが、事件化するリスクが高いため、いち早く弁護士に相談して、対策を講じることをおすすめします。
具体的には、自首やBさんとの示談等を検討することになるでしょう。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
窃盗罪の疑いで警察に逮捕され、弁護士の無料相談・初回接見をご依頼の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
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【事例解説】窃盗に入った犯人を見逃した事例②
窃盗に入った犯人を見逃した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内に住むAさんは、雑居ビルの夜間警備のアルバイトをしていました。
そうしたところ、夜間の見回り中に、知り合いのBさんがビル内のテナントから金品を盗みだしているところを発見しましたが、知り合いということもあり、その場では見逃すことにしました。
しかし、後日Aさんは気が変わり、「盗んだ金品の一部をよこさなければ、犯行を警察に言うぞ」とBさんを脅し、Bさんが盗んだ金品総額100万のうちの30万円程度に相当する金品を受け取りました。
後日、Bさんは警察により逮捕され、Aさんは事件関係者として警察に呼ばれるに至りました。
そこでAさんは弁護士に今後の対応を相談することにしました。
(フィクションです)
【今回の事例で成立しうる犯罪】
Aさんに成立する犯罪
まず、Aさんには窃盗罪の幇助犯が成立することが考えられます。
「幇助」とは、実行行為(具体的な犯罪行為)以外の行為で正犯(今回の事例でいうBさん)の犯行を容易にする行為のことを言います。この「幇助」については、刑法62条1項、同2項、63条(出典/e-GOV法令検索)によって、従犯とし、正犯の刑を減軽した刑を科すという旨が定められています。
今回の事例で問題となるのは、以下の2点です。
①Aさんの見逃すという不作為が「幇助」にあたるか
②Aさんの手助けをBさんが知らない場合でも「幇助」にあたるか
Aさんは「Bさんを見逃す」という不作為によってBさんの犯行を手助けしていますが、この場合も、Aさんの「Bさんを見逃す」という不作為は「幇助」にあたるのでしょうか。
この点につき、先程の「幇助」の定義に基づけば、不作為によって正犯の犯行を容易にすることも可能であるといえます。そのため、不作為も「幇助」に該当するといえます。
しかし、全ての不作為が「幇助」に該当すると解しては、著しい不合理を招く場合もあるため、犯罪を防止すべき法的作為義務に反していることや、作為の可能性・容易性を考慮して、「幇助」に該当するかを判断します。
この点につき、Aさんはビルの夜間警備員としてアルバイトをしているため、Bさんの犯罪行為を防止する法的作為義務が存在していたといえます。また、警備員としての装備も持っていたでしょうから、Bさんを止めることは可能であり、かつ容易であったと評価できます。
以上より、Aさんの不作為は「幇助」に該当する可能性が高いといえます。
また、Aさんの手助けを知らずにBさんは犯行を行いましたが、この場合にもAさんの行った手助けは「幇助」となるのでしょうか。
この点については、先程の「幇助」の定義に基づけば、Bさんが幇助の事実を知らない場合であっても、Bさんの犯行を容易にすることは可能ですから、そのような場合には「幇助」にあたると評価できます。
Aさんの見逃した行為はBさんの犯行を容易にしたと評価できるため「幇助」にあたるといえます。
以上より、Aさんの見逃した行為は「幇助」にあたり、窃盗罪の幇助犯が成立することになります。
次回はBさんに成立し得る犯罪の続きを解説していきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
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【事例解説】窃盗に入った犯人を見逃した事例①
窃盗に入った犯人を見逃した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内に住むAさんは、雑居ビルの夜間警備のアルバイトをしていました。
そうしたところ、夜間の見回り中に、知り合いのBさんがビル内のテナントから金品を盗みだしているところを発見しましたが、知り合いということもあり、その場では見逃すことにしました。
しかし、後日Aさんは気が変わり、「盗んだ金品の一部をよこさなければ、犯行を警察に言うぞ」とBさんを脅し、Bさんが盗んだ金品総額100万のうちの30万円程度に相当する金品を受け取りました。
後日、Bさんは警察により逮捕され、Aさんは事件関係者として警察に呼ばれるに至りました。
そこでAさんは弁護士に今後の対応を相談することにしました。
(フィクションです)
【今回の事例で成立しうる犯罪】
今回の事例で、AさんとBさんにはそれぞれどのような犯罪が成立するでしょうか。
①Bさんに成立する犯罪
Bさんには窃盗罪が成立すると考えられます。
窃盗罪とは、刑法235条(出典/e-GOV法令検索)により「他人の財物を窃取」する罪であると定められており、その法定刑として「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」が定められています。
窃盗罪が成立するには、以下の3点を満たす必要があります。
ⅰ「他人の財物」を
ⅱ「窃取した」こと
ⅲ 窃盗罪の故意及び不法領得の意思を有すること
ⅰ「他人の財物」とは、他人が占有する財物のことをいいます。
占有の有無は、占有の事実と占有の意思の両面から社会通念に従って判断されます。
ⅱ「窃取」とは、他人の占有する財物を、占有者の意思に反して、その占有を侵害し自己または第三者の占有に移転させることをいいます。
ⅲ「窃盗罪の故意及び不法領得の意思を有すること」とは、窃盗行為をする際、窃盗の故意と不法領得の意思という2つの認識・意思を持っていることを意味します。
窃盗の故意とは、他人の財物を窃取することの認識・認容を意味します。
不法領得の意思とは、判例によれば「権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様に、その経済的用法に従いこれを利用し処分する意思」であるとされています。
これらを今回の事例に当てはめると、
ⅰ金品は他人の所有物ですから、当然に「他人の財物」です。(ⅰを充足)
ⅱその金品を勝手に持ち去るということは、所有者の意思に反して金品を自分の物にすることであるため、「窃取」と評価できます。(ⅱを充足)
ⅲBさんは、自らの意思で金品を盗んでいるので、当然ながら、窃盗の故意があると判断されますし、加えて、元の所有者の支配を排除してその金品を自分のものとして使おうという意思もあったといえる可能性が高く「不法領得の意思」があると判断されることになるでしょう。(ⅲを充足)
よって今回の事例では窃盗罪の成立が考えられます。