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【事例解説】キャッシュカードをすり替えた窃盗事件
キャッシュカードをすり替えた窃盗事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、闇バイトに応募して、金融機関の職員を名乗ってVさんの家に行くように指示を受けました。
Aさんは、指示通りにVさんの家に行き、玄関口で、Vさんに対して「お使いの口座が不正利用されるおそれがあります。こちらの封筒にキャッシュカードと暗証番号を書いたメモを入れて厳重に保管してください。」と言って、Vさんのキャッシュカードと暗証番号を書いたメモを封筒に入れさせました。
続けてAさんは「封筒に封緘印を押すために印鑑を持ってきてください」と言って、Vさんに印鑑を取りに行かせた隙に、キャッシュカード入りの封筒とトランプが入った封筒をすり替えて、キャッシュカード入りの封筒を盗みました。
その後、Aさんは窃盗の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
「特殊詐欺」なのに窃盗罪?
事例のように、金融機関や警察の職員の名前を騙って、「お使いの口座が不正に利用される恐れがある」、「口座が犯罪に利用されている」と虚偽の話をして、被害者の方にキャッシュカードと暗証番号のメモを封筒に入れさせて、隙をついて封筒を事前に準備した偽物の封筒をすり替えるといった手口の特殊詐欺事件があります。
この特殊詐欺事件では、犯人側は、偽りの身分を告げたりや嘘の話を行ったりすることで、被害者の方を騙していますが、キャッシュカードと暗証番号のメモが入った封筒は、騙した被害者の方から直接手渡されているわけではなく、一瞬の隙をついて封筒をすり替えるという手口でキャッシュカード入りの封筒が犯人側の手に渡ることになります。
このようにキャッシュカードと暗証番号のメモが入った封筒を騙した被害者の方から交付されて手にするのではなく、被害者の方の意思に反して獲得した場合には、詐欺罪ではなく刑法235条の窃盗罪が成立することになると考えられます。
そのため、事例のAさんにも窃盗罪が成立して、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります。
窃盗罪の疑いで警察に逮捕されたら
ご家族が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されたら弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
事例のように闇バイトに参加したことで窃盗罪の疑いで逮捕されたという場合は、組織的な犯罪が疑われることから、身体の拘束期間が比較的長期化するおそれがありますので、いち早く弁護士によるサポートを受けられることが重要になるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】コインランドリーで下着を盗んだ窃盗事件
コインランドリーで下着を盗んだとして窃盗罪の疑いで逮捕されたケースを弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
事例紹介
会社員のAさんが、洗濯をしようとコインランドリーに行った際に、既に乾燥まで修了していた洗濯機の中に、女性物の下着が入っているのを見つけました。
Aさんは、自身の性欲を満たすために、この下着を盗み、そのままコインランドリーを退店しました。
後日、盗んだ下着の持ち主であるVさんが警察に被害届を提出し、Aさんはコインランドリーにある防犯カメラの映像によって、窃盗罪の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
「色情盗」について
事例のAさんは女性物の下着を盗んでいますが、このようないわゆる「下着泥棒(下着ドロ)」のことを、「色情盗」や「色情ねらい」と表されることがあります。
事例のようにコインランドリーから女性物の下着を盗む場合のほかにも、ベランダに干してある下着を盗んだり、脱衣所にあった下着を盗だりした場合にも色情盗、色情ねらいに当たることになります。
色情盗、色情ねらいは当然、刑法235条の窃盗罪に当たることになると考えられますので、女性物の下着を盗んだとして窃盗罪で起訴されて有罪となってしまうと、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科される可能性があります。
また、下着を盗む際に、被害者の家に立ち入ったり、入浴施設の脱衣所に立ち入ったりした場合には、窃盗罪に加えて刑法130条前段に規定されている住居侵入罪や建造物侵入罪が成立する可能性もあります。
住居侵入罪、建造物侵入罪の法定刑は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金となっています。
ご家族が色情盗で警察に逮捕されたら
ご家族の中に色情盗として窃盗罪の疑いで警察に逮捕された方がいるという場合は、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらい、事件の見通しや今後の対応についてアドバイスを貰われることをお勧めします。
色情盗の窃盗事件の場合、犯行の動機が自身の性的な欲求による場合が非常に多いです。
そのため、色情盗による窃盗事件で犯行を認めるという場合の弁護活動では、被害者の方との示談交渉はもちろん重要ですが、示談交渉の他にも、色情盗の動機となった自身の性的な欲求をコントロールするために、専門の医療機関によるカウンセリング・治療を受けるといった再び色情盗を犯さないための取り組みを始めることも重要になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が色情盗として窃盗罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談下さい。
【事例紹介】コンビニで置き忘れの財布を盗んだとして男が逮捕
コンビニで客が置き忘れた財布を盗んだ疑いで、男が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
去年12月、北海道岩内町のコンビニエンスストアで、客が置き忘れた財布を盗んだとして、札幌の26歳の男が逮捕されました。
窃盗の疑いで逮捕されたのは、札幌市北区に住む26歳の外装工の男です。
男は去年12月24日、北海道岩内町のコンビニエンスストアで、60歳の男性客の財布1つ(時価合計1万円)を盗んだ疑いが持たれています。
警察によりますと、男性は当時、店内に財布を置き忘れて被害に遭い、財布には現金およそ10万円が入っていたということです。
男性の被害に気付いた店の従業員が警察に通報し、警察は事件の発生からおよそ8か月後の22日、男を逮捕しました。
警察によりますと、男は仕事で岩内町を訪れて、コンビニエンスストアに立ち寄っていたということです。
調べに対して、男は「同僚のものだと思って、持って行った」などと話し、容疑を否認しているということです。
警察は、事件の詳しい経緯や余罪について調べを進めています。
(8月23日Yahoo!ニュース掲載のHBC北海道放送の記事を引用しています。)
他人が置き忘れた物を持ち去ったら
今回の事件では、コンビニエンスストアで客が置き忘れていた財布を盗んだとして窃盗の疑いで男が逮捕されています。
窃盗罪は、「他人の財物を窃取した」場合に成立します(刑法235条)。
「窃取」とは他人が占有する財物を占有者の意思に反して自己又は第三者の占有に移転させることをいいます。
そうすると、「窃取」の目的物となる「他人の財物」とは、他人の占有が及んでいる財物である必要があります。
今回の事件では、男は窃盗罪の疑いで逮捕されているため男が財布を持ち去った時点においては、まだ財布に対して客の占有が及んでいたとみられていることがわかります。
では、財布に被害者である客の占有が及んでいなかった場合は何罪が成立するのでしょうか。
この場合には「窃盗罪」ではなく「遺失物横領罪」が成立します。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役刑又は50万円以下の罰金」であるのに対し、遺失物横領罪の法定刑は、「1年以下の懲役刑又は10万円以下の罰金若しくは科料」と軽くなっています。
そのため、最終的に窃盗罪が成立するのか遺失物横領罪が成立するのかで受ける刑罰が大きく変わってきます。
そして、財物に対して占有が及んでいたか否かは一般の方では判断するのが大変難しく、弁護士に相談することが不可欠でしょう。
窃盗罪で警察の捜査を受けられている方は
窃盗罪、遺失物横領罪で警察の捜査を受けられてお困りの方は、弁護士に相談されることをお勧めします。
盗んだ物に占有が及んでいるのかで、成立する犯罪が異なりますので、専門家である弁護士に相談することで、自身の行為がどのような罪に当たる可能性があるのかといったことについてアドバイスを受けることができるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
窃盗罪で警察の捜査を受けられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】ピッキング防止法違反の疑いで検挙
ピッキング防止法違反の疑いで検挙された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、空き巣に入る家を探すためにマイナスドライバー数本をカバンに入れて歩いていたところ、警察官の職務質問を受けました。
この職務質問の際に、Aさんがマイナスドライバー数本をカバンに入れていたことが見つかったため、ピッキング防止法違反の疑いで最寄りの警察署まで連行されることになりました。
警察署で調書を作成した後、Aさんは自宅に帰ることができましたが、今後について不安なので弁護士に相談することを検討し始めました。
(この事例はフィクションです)
ピッキング防止法とは
ピッキング防止法とは、正式には「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」という法律名で、空き巣といった住居・建物への侵入することで行われる窃盗などの犯罪を未然に防止するために制定された法律です。
ピッキング防止法では、同法3条において、業務その他正当な理由による場合を除いて、特殊開錠用具を所持することを禁止され、同法4条では、業務その他正当な理由による場合を除いて、指定侵入工具を隠して携帯することを禁止されています。
「特定開錠用具」とは、「ピッキング用具(錠に用いられるシリンダーをかぎを用いることなく、かつ、破壊することなく回転させるための器具をいう。)その他の専ら特殊開錠(施錠された状態にある錠を本来の方法によらないで開くことをいう。以下同じ。)を行うための器具であって、建物錠を開くことに用いられるものとして政令で定めるもの」のことを言います(ピッキング防止法2条2号)。
また、「指定侵入工具」とは、「ドライバー、バールその他の工具(特殊開錠用具に該当するものを除く。)であって、建物錠を破壊するため又は建物の出入口若しくは窓の戸を破るために用いられるもののうち、建物への侵入の用に供されるおそれが大きいものとして政令で定めるもの」(ピッキング防止法2条3号)のことを言います。
事例のAさんは、正当な理由なくマイナスドライバー数本をカバンに入れていますので、指定侵入工具を隠して携帯したとして、ピッキング防止法4条に違反していると考えられます。
ピッキング防止法3条の規定に反して正当な理由なく特殊開錠用具を所持していたり、ピッキング防止法4条の規定に反して正当な理由なく指定侵入工具を隠して携帯していたりすると、ピッキング防止法16条によって、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります。
ピッキング防止法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は
ピッキング防止法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方や、ピッキング防止法違反の前科を付けたくないとお考えの方は、まずは弁護士に相談して、事件の見通しや今後の流れなどについてアドバイスを貰われることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所はピッキング防止法違反事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ピッキング防止法違反の疑いで警察の捜査を受けられていてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】ひったくりをして窃盗罪の疑いで逮捕
ひったくりをして窃盗罪の疑いで逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、夜遅くに原付バイクでコンビニに買い出しに出かけました。
コンビニから帰る途中、Aさんは、目の前にひとりで路上を歩くVさんを見かけました。
お金に困っていたAさんは、原付でVさんに近付いてVさんが左肩に掛けていたカバンを一瞬の隙に奪い去って自宅に帰りました。
Aさんは、後日、窃盗罪の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
「ひったくり」は何罪になる?
相手の隙をついてカバン等を奪い去る行為を一般に「ひったくり」と言います。
お金に困ってひったくり行為をしたという場合は、被害者の方の持ち物を、被害者の意思によらずに自身の元に奪い去っていますので、刑法235条が規定する窃盗罪に該当する場合が多いです。
そのため、事例のAさんは、窃盗罪が成立する可能性が高いと言えます。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。
また、ひったくり行為の際には、被害者の方が持ち物を奪われまいと抵抗をする場合があります。
このような被害者の抵抗があった際に、被害者の方の反抗を抑圧する程度の暴行を加えたことで、持ち物を奪い去ったという場合には、窃盗罪ではなく刑法236条1項が規定する強盗罪が成立することになります。
例えば、冒頭で記載した事例において、Aさんが原付バイクを走らせて、カバンを奪われまいと持ち手から手を離さないVさんを引きずって転倒させたり、引きずりながら電柱に衝突させたりといった暴行を加えた上でカバンを奪い去ったのであれば、このような暴行は被害者の方の反抗を抑圧する程度の暴行に該当する可能性が高いですので、Aさんには窃盗罪ではなく強盗罪が成立することになると考えられます。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役となっています。
また、強盗罪が成立する場合に、その強盗の際に被害者の方に怪我をさせたという場合には刑法240条の強盗致傷罪が、死亡させた場合には同じく刑法240条の強盗致死罪が成立する可能性もあります。
強盗致傷罪の法定刑は無期又は6年以上の懲役、強盗致死罪の法定刑は死刑又は無期懲役となっており、非常に重い刑が科される可能性があります。
ご家族の中にひったくりをして警察に逮捕された方がいたら
ひったくりをして窃盗罪の疑いで警察に逮捕された方がいるということを知ったら、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
この初回接見では、弁護士が逮捕されたご本人様から直接事件についてお話を伺うことできますので、逮捕されたご本人様がどのような罪に問われるか可能性があるのか、今後どのような流れで手続きが進んでいくのかといったことなどについて知ることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族様が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されてしまって、今後についてご不安に思われている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】置き配された荷物を盗んだ窃盗事件
玄関前に置き配された荷物を盗んだとして窃盗の疑いで逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
配送業をしているAさんは、Vさんがネットで注文した商品をVさんの家の玄関前に「置き配」しました。
Aさんが荷物を置き配する際に、段ボールに貼られた伝票を確認したところ、Vさんが注文した商品はゲームであることが判明しました。
Aさんは、その日の仕事終わりに、Vさんの家の前を通ったところ、Aさんが置き配した荷物がまだ玄関前に置かれた状態のままでした。
お金に困っていたAさんは、Vさんの玄関前に置かれた荷物を自宅に持ち帰って、荷物の中身であるゲームをフリマサイトで転売しました。
後日、Aさんは窃盗罪の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
置き配された荷物を持ち去るとどのような罪に問われる?
Aさんは、窃盗罪の疑いで逮捕されています。
窃盗罪は、刑法235条において「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」といった形で規定されています。
この刑法235条を読むと、窃盗罪が成立するためには「他人の財物を窃取した」ことが必要になるということが分かります。
ここで言う「他人の財物」とは、他人が所有する財物のことです。
「窃取した」という言葉は聞きなじみがないかもしれませんが、これは、他人が占有している財物(他人が事実上支配し、管理している財物)をその占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移転させることを意味しています。
以上をまとめると、「他人の財物を窃取した」とは、他人が所有し、かつ占有している財物を占有者の意思に反して自己または第三者のもとに占有を移転させることを意味していることになります。
このことを先ほどの事例に即して説明すると、Aさんが持ち帰った荷物は、Vさんがネットで購入した商品ですので、Vさんが所有する財物に当たると言えます。
また、Aさんは、Vさんがネットで購入した商品である荷物を、一度、Vさん宅の玄関前に置き配しています。
玄関前というのは、Vさんの支配・管理が及ぶ場所であると考えられますので、このような場所に置き配された荷物は、Vさんの占有が及んでいると言えるでしょう。
そして、Aさんは、Vさんの玄関前に置き配された荷物を、勝手に自宅に持ち帰っていますので、Vさんが所有し、なおかつ占有している財物を、Vさんの意思に反して自分のもとに占有を移転させたと言えますので、窃盗罪の成立のために必要な「他人の財物を窃取した」
という要件を満たしていると考えられます。
これに加えて、刑法235条に規定されていませんが、窃盗罪が成立すためには、Aさんが、窃盗の際に、窃盗罪の故意と不法領得の意思と呼ばれる内心を持っていたことが必要になりますが、今回の事例では、いずれも認められる可能性が高いと考えられます。
以上より、事例のAさんには、窃盗罪が成立する可能性が高いと言えます。
配送業者が運送中の荷物を持ち去るとどのような罪に問われる?
事例のAさんは、置き配を完了した後の荷物を仕事帰りに持ち去っていますが、事例を少し変えて、Vさんの荷物が置き配を完了する前の、まだAさんが運転する車に積んである状態のときに、AさんがVさんの荷物を持ち去ったという場合は、Aさんには窃盗罪ではなく刑法253条の業務上横領罪が成立する可能性が高いです。
というのも、この場合、Vさんの荷物はVさんの所有物であるということについては変わりないのですが、Vさんの荷物がAさんが運転する車にあるということは、荷物を占有しているのはVさんではなく、Aさんであるということになります。
そうすると、Aさんが持ち去った荷物というのは、Aさんが占有しているVさんに所有権がある物ということになります。
このように、業務上、自身が占有している他人の所有する物を横領した場合には、窃盗罪ではなく業務上横領罪が成立することになります。
業務上横領罪の法定刑は、10年以下の懲役となっています。
窃盗罪で警察の捜査を受けられている方は
窃盗罪や業務上横領罪の疑いで警察の捜査を受けられてお困りの方は、真っ先に弁護士に相談されることをお勧めします。
持ち去った物の占有が誰にあるのかといったことによって、成立する犯罪が異なる場合がありますので、専門家である弁護士に相談することで、自身の行為がどのような罪に当たる可能性があるのかといったことについてアドバイスを受けることができるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
窃盗罪で警察の捜査を受けられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】畑から収穫間近の農作物を盗んだ疑いで逮捕
畑から収穫間近の農作物を盗んだとして窃盗の疑いで警察に逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
「Aさんは、Vさんが所有する畑で桃が沢山育てられているのを見つけました。
桃の様子から間もなく収穫間近だと思ったAさんは、深夜にVさんの畑一面にある木になっている桃を勝手にもぎ取って、桃を盗み出しました。
Aさんは、盗んだ桃を軽トラに積んで、都心の路上で販売しました。
桃が盗まれていることに気が付いたVさんは、警察に窃盗の被害届を提出しました。
その後、Aさんは、窃盗の疑いで警察に逮捕されました。」
(この事例はフィクションです)
収穫間近の農作物の窃盗について
ここ最近、野菜や果物といった農作物が収穫間近に盗まれるという窃盗事件が目立つようになってきています。
農作物も刑法235条が定める「財物」に該当しますので、他の人が所有する畑で育てられた農作物を、転売目的のために、勝手に収穫して持ち出してしまうと、窃盗罪が成立する可能性が高いと言えます。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっていますので、仮に起訴されて有罪となってしまうと、この範囲で刑が科されることになります。
ご家族が窃盗罪で逮捕されてしまったら
ご家族の中に、窃盗罪で警察に逮捕された方がいてお困りの方は、弁護士に初回接見に行ってもらうよう依頼することをお勧めします。
この初回接見では、弁護士が直接、逮捕されたご本人様から事件についてお話を伺うことができますので、事件の概要や事件の見通し、今後の手続きの流れといったことについて、アドバイスを貰うことができます。
また、逮捕された方が窃盗の事実について認める場合は、窃盗の被害者との示談の締結が、窃盗事件の早期解決に当たって非常に重要になってきます。
窃盗の被害者の方に謝罪をして示談交渉を行うというのは、弁護士しかできないというものではありません。
しかし、今回のような収穫間近の農作物の窃盗事件の場合、窃盗罪の被害者となってしまった農家の方からしてみれば、長期間にわたって苦労して育て上げた農作物を収穫間近に盗まれていますので、窃盗罪を犯してしまった方に対する処罰感情は非常に高いものである可能性がありますので、示談交渉については窃盗事件での示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には窃盗事件に強い弁護士が在籍している法律事務所です。
窃盗罪で逮捕された方がいてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法事務所まで一度ご相談ください。
(事例紹介)侵入盗事件自宅の防犯カメラがきっかけで現行犯逮捕
自宅のカメラに侵入した男が写っているとして通報、駆けつけた警察官に、男が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
島根県警松江署は、松江市の無職の男(78)を住居侵入と窃盗の疑いで現行犯逮捕した。逮捕容疑は、市内の50代男性宅に侵入し、530円相当の冷凍食品など4点を盗んだ疑い。同署によると、男の侵入時、男性や家族は外出中だったが、防犯カメラの映像を遠隔で確認し、「家に白の帽子を被った男がいる」と同署に通報。駆け付けた署員が家から出てきた男を現行犯逮捕したという。
(6月20日配信の中国新聞デジタルの記事を引用しています。逮捕日時等は、当事務所の判断で伏せています。)
自宅の防犯カメラの映像から警察に通報し現行犯逮捕
今回の事件において、被害者の家族が自宅内に防犯カメラを設置していた目的は分かっていませんが、室内のカメラが犯人の逮捕に繋がっています。
最近では、家主が不在のときに、子どもやペットの様子を見る目的で自宅内に設置するカメラが多く販売されており、これを設置しているご家庭も多くなってきています。
今後、自宅内に設置してあるカメラに被疑者の顔や犯行態様が撮影され、これが証拠となり、逮捕される事例も多くなることが予想されます。
侵入盗の弁護活動
住居侵入窃盗で逮捕されてしまった場合に、被疑者が被疑事実を認めているときは、被害者との示談が早期の身柄解放や不起訴処分を目指す上で、重要になってきます。
住居侵入窃盗の場合は、被害者の方としては自宅を知られているという不安も強いため、加害者や加害者の家族が直接交渉することは難しくなります。
そこで、法律の専門家である弁護士が間に入ることで被害者の方も安心して示談交渉を行うことができ、結果として示談も上手くいくことが多くあります。
また、示談の締結に加えて、被害者に接触しない旨の誓約書や家族による被疑者への監視監督を約束する旨の上申書などを検察官や裁判官に伝えることで早期の身柄解放が実現する可能性も高まります。
【窃盗罪に強い弁護士】
窃盗罪事件でお困りの方、警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。
またご家族、ご友人が警察に逮捕されてしまった方は、初回接見サービスをご利用ください。
(事例紹介)遺体発見の住宅からおよそ600万円を盗んだとして警察官が逮捕②
【事例】
警視庁三鷹警察署の警察官が110番通報でかけつけた住宅から現金およそ600万円を盗んだとして、警視庁に逮捕されました。
窃盗と邸宅侵入の疑いで逮捕されたのは、警視庁三鷹署の地域課に勤務する巡査長で、三鷹市の住宅に侵入し、現金およそ600万円を盗んだ疑いがもたれています。
警視庁によりますと、この住宅には60代の男性が1人で暮らしていましたが、親族が訪問した際に死亡しているのが見つかり、110番通報をして容疑者を含む複数の警察官が現場にかけつけたということです。
その後、親族が元々あったとみられる1000万円以上の現金が少なくなっていることに気づき、事件が発覚しました。
容疑者は容疑を認めているということで、警視庁は「言語道断の行為で今後は捜査を尽くし厳正に対処して参りたい」としています。
(5月27日配信のTBS NEWS DIGの記事を引用しています。なお、氏名等は当事務所の判断で伏せています。)
【「死者の占有」についての判例】
判例では、殺害後に財物を領得する意思を生じて財物を奪った場合において「被害者からその財物の占有を離脱させた自己の行為を利用して財物を奪取した一連の行為はこれを全体的に考察して、他人の財物に対する所持を侵害したものというべきである」として窃盗罪の成立を認めたものがあります(最判昭和41.4.8)
しかし、今回の警察官は直接の犯人ではないため、この判例から考えても窃取した現金おそよ600万円につき、死者の占有を認めることはできないでしょう。
しかし、強盗殺人の犯人が、殺害の4日後に殺害場所とは異なる場所である被害者の自宅から財物を持ち出した事案では、窃盗罪の成立を認めています(東京地判平10.6.5)
ここでの判旨は「殺害の現場とは全く別の被害者の生前と何ら変わらない平穏な管理状態が維持され、施錠されている居室において財物を取る場合には、外形的行為を客観的に考察する限り窃取行為と何ら区別できず、単に殺害の現場やその付近で財物を取得した場合と異なり場所的接着性はそれほど問題にならず、また時間的な接着性についても相当緩やかに解するのが相当」として被害者の占有を認めています。
今回の事件についても、上記の判例に従う限り、平穏な管理状態が維持されていたであろう住宅から現金を窃取しているため、現金について、既に死亡していた家主の占有が認められる可能性があります。
現金に死亡した家主の占有が及んでいたといえる場合は、窃盗罪が成立する可能性が高いでしょう。
【窃盗罪に強い弁護士】
窃盗罪事件でお困りの方、警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。
またご家族、ご友人が警察に逮捕されてしまった方は、初回接見サービスをご利用ください。
(事例紹介)遺体発見の住宅からおよそ600万円を盗んだとして警察官が逮捕①
【事例】
警視庁三鷹警察署の警察官が110番通報でかけつけた住宅から現金およそ600万円を盗んだとして、警視庁に逮捕されました。
窃盗と邸宅侵入の疑いで逮捕されたのは、警視庁三鷹署の地域課に勤務する巡査長で、三鷹市の住宅に侵入し、現金およそ600万円を盗んだ疑いがもたれています。
警視庁によりますと、この住宅には60代の男性が1人で暮らしていましたが、親族が訪問した際に死亡しているのが見つかり、110番通報をして容疑者を含む複数の警察官が現場にかけつけたということです。
その後、親族が元々あったとみられる1000万円以上の現金が少なくなっていることに気づき、事件が発覚しました。
容疑者は容疑を認めているということで、警視庁は「言語道断の行為で今後は捜査を尽くし厳正に対処して参りたい」としています。
(5月27日配信のTBS NEWS DIGの記事を引用しています。なお、氏名等は当事務所の判断で伏せています。)
【解説】
死亡している家主の家から現金を窃盗
警察官の男は、110番通報により、かけつけた先の住宅から現金およそ6600万円を盗んだ疑いが持たれています。
今回の事件では、警察官がかけつけた時点で現金の持ち主である家主が既に死亡している状況であったため窃盗罪との関係では、現金に家主の男性の「占有」が及んでいたか、いわゆる「死者の占有」という論点が問題になります。
【窃盗罪における死者の占有について】
窃盗罪は、他人の財物を窃取した場合に成立します。
「他人の財物」は、「窃取」の対象となる物です。
「窃取」は、他人が占有する財物を占有者の意思に反して自己又は第三者の占有に移転させることをいいます。
そのため「他人の財物」は、他人が占有している物である必要があります。
しかし、占有には占有の事実と占有意思が必要とされており、占有の意思のない死者には占有がないとされています。
占有の及んでいない財物を盗んだ場合は、窃盗罪より法定刑が軽い占有離脱物横領罪が成立することになります。
そのため、今回のように死者の財物を盗んだ場合、窃盗罪ではなく遺失物横領が成立する可能性があります。
次回は、死者の占有についての判例を解説していきます。
【窃盗罪に強い弁護士】
窃盗罪事件でお困りの方、警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。
またご家族、ご友人が警察に逮捕されてしまった方は、初回接見サービスをご利用ください。
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