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【事例解説】万引きが発覚も微罪処分に 

2024-01-20

スーパーでの万引きが発覚し警察署で取り調べを受けたものの微罪処分で終わった事例を参考に、微罪処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

万引き

事例

主婦のAさんは、金銭的な困窮や日頃のストレスから、普段利用しているスーパーで食料品約3000円分)を万引きしてしまいました。 
Aさんの不審な動きに目をつけたスーパーの警備員がAさんに声をかけたことがきっかけとなり万引きが発覚しました。
スーパーの店長に警察を呼ばれ、Aさんは警察署で取り調べを受けました。 
取り調べでは、Aさんが犯行を認め真摯な反省を示し被害店舗への被害弁償なども済ませていたことから被害店舗の店長の処罰感情も軽微であり、Aさんの夫が身元引受人になってくれたという事情から「微罪処分」として処理されました。 

微罪処分とは 

微罪処分とは、例外的に検察官への送致を行わずに警察限りで事件を終結させる処分のことを言います。 
刑事訴訟法246条では、「司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定めのある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。」と定められており、司法警察員が犯罪の捜査をした事件については、原則として検察官に送致することになっています。 
しかし、同法246条但し書きでは「但し、検察官が指定した事件については、この限りではない。」と規定されており、検察官が指定した事件については例外が設けられています。 
この例外に当たる事件が、微罪処分で事件が終了する事件になります。
微罪処分になると、逮捕・勾留などの身体拘束を受けることがなく、前歴は残るとしても前科がつかないなど被疑者にとってはメリットが多くあります。 
しかし、微罪処分で事件が終わるためには、いくつかの条件があり、初犯だからといって微罪処分で終わるわけではありません。 

微罪処分になる条件とは 

微罪処分になる事件としては「検察官が指定した事件」です。 
どのような事件が検察官が指定した事件になっているかは都道府県ごとに異なり、条件は公表されていないため不明です。 
しかし、これまでの処分の経緯からある程度、罪名や事情は予測することができます。 
微罪処分の対象となる罪名は、主には窃盗、暴行、傷害、詐欺、横領、盗品等関与があげられます。
事情としては、①犯情が軽微であること②被害が軽微であること③被害の回復がなされていること④真摯な謝罪がなされていること⑤被害者の処罰感情が低いこと⑥身元引受人などがいることなどが挙げられます。 

万引きで警察から取り調べを受けることになったら

万引きが発覚し警察から取り調べを受けることになったら、いち早く弁護士相談することをお勧めします。 
早急に被害者との示談交渉周囲の環境調整をして微罪処分で事件が終結するように働きかけることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には窃盗事件に強い弁護士が在籍している法律事務所です。
万引きが発覚して、お困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】収穫間近のみかんを盗んだ疑いで逮捕 

2024-01-11

収穫間近のみかんを盗んだ疑いで現行犯逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

みかん窃盗

事例紹介

Aさんは、農家のVさんが所有する畑に「みかん」が育てられているのを見つけました。
Aさんは、「みかん」を盗んで市街地の路上で売ろうと考え、畑にある「みかん」を取って自らの軽トラックに積み込んでいました。
近所の人から怪しい男がいると聞いた農家のVさんは、畑の見回りに出たところ、上記の行動をしていたAさんを発見し、声をかけ逃げるAさんを取り押さえました。
Vさんの通報により駆け付けた警察官に、Aさんは窃盗の疑いで逮捕されました。
警察からAさんが逮捕された事実を伝えられたAさんの妻は、現在の状況を知るために弁護士に依頼して接見に行ってもらうことにしました。

農作物の窃盗事件 

昨今、野菜や果物などの農作物の窃盗事件が多発しており、ニュースなどでも農作物の窃盗事件が取り上げられているところを見た方も少なくはないのではないでしょうか。
農林水産省でも、農作物の窃盗事件について注意喚起が行われています(参考ページ)。
農林水産省が、公表している上記の参考ページのパンフレットによると、農作物の窃盗事件の被害金額は全体のうち6割が不明とされています。
そして、把握できたもののうち、9割近くが50万円未満のものであったとのことですが、中には100万円以上の被害にあったケースもあるようです。
農作物も刑法235条が定める「財物」に該当しますので、他の人が所有する畑で育てられた農作物を、転売目的のために、勝手に収穫して持ち出してしまうと、窃盗罪が成立する可能性が高いと言えます。
窃盗罪法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっていますので、仮に起訴されて有罪となってしまうと、この範囲で刑が科されることになります。

ご家族が窃盗罪で逮捕されてしまったら

ご家族の中に、窃盗罪で警察に逮捕された方がいてお困りの方は、弁護士に初回接見に行ってもらうよう依頼することをお勧めします。
この初回接見では、弁護士が直接、逮捕されたご本人様から事件についてお話を伺うことができますので、事件の概要事件の見通し今後の手続きの流れといったことについて、アドバイスを貰うことができます。

また、逮捕された方が窃盗の事実について認める場合は、窃盗の被害者との示談の締結が、窃盗事件の早期解決に当たって非常に重要になってきます。
窃盗の被害者の方に謝罪をして示談交渉を行うというのは、弁護士しかできないというものではありません。
しかし、今回のような収穫間近の農作物の窃盗事件の場合、窃盗罪の被害者となってしまった農家の方からしてみれば、長期間にわたって苦労して育て上げた農作物を収穫間近に盗まれていますので、窃盗罪を犯してしまった方に対する処罰感情は非常に高いものである可能性がありますので、示談交渉については窃盗事件での示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には窃盗事件に強い弁護士が在籍している法律事務所です。
窃盗罪で逮捕された方がいてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】年末年始で留守中の家に侵入して窃盗

2024-01-04

年末年始で留守中の家に侵入して窃盗をした疑いで警察に逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

逮捕

事例紹介

事例のAさんは、年末年始に帰省や旅行のために留守にしている家侵入して金目の物を盗もうと思い、住宅街を歩いて回っていました。
Aさんは、帰省のために留守にしているVさんの家にピッキングで鍵を開けて侵入して、Vさんの家のタンスから現金を盗み出しました。
後日、帰省から戻ってきたVさんがタンスの中現金がないことに気が付いたことで、警察に被害届を出したところ、周囲の防犯カメラの映像からAさんに容疑がかかり、Aさんは住居侵入罪窃盗罪(侵入盗)の疑いで警察に逮捕されてしまいました。
(この事例はフィクションです)

侵入盗について

AさんはVさんの家に侵入して現金盗み出していますが、このように他人の住居に侵入して金目の物を盗み出す犯罪のことを「侵入盗」と表現することがあります。
侵入盗の場合、他人の住居に侵入した行為については刑法130条前段住居侵入罪が成立し、金目の物を盗み出した行為については刑法235条窃盗罪が成立することになります。
この住居侵入罪と窃盗罪は、窃盗を行うために他人の家に侵入したという関係が認められますので、窃盗罪を実行するという目的のために住居侵入罪という手段を用いたとして、住居侵入罪と窃盗罪の関係は、刑法54条1項後段に規定されている牽連犯の関係になると考えられます。
住居侵入罪と窃盗罪が牽連犯の関係になると、住居侵入罪と窃盗罪のうち「その最も重い刑により処断」されることになります。
住居侵入罪と窃盗罪の法定刑を比較すると、住居侵入罪の法定刑は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金となっていて、窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっていますので、窃盗罪の方が法定刑が重いことが分かるかと思います。
そのため、事例のような侵入盗をしたとして住居侵入罪と窃盗罪の疑いで逮捕された場合は、窃盗罪の法定刑が適用されることになります。

ご家族が侵入盗の疑いで逮捕されたら

ご家族が侵入盗の疑いで警察に逮捕されたことを知ったら、いち早く弁護士に初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
初回接見をきっかけに正式に弁護士に弁護活動を依頼することで、逮捕された方の早期の身体の解放や、窃盗事件の早期解決といった可能性を高めることが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が侵入盗の疑いで警察に逮捕されてしまい、弁護士を依頼したいとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

【事例解説】コンビニのコーヒーマシンでの窃盗事件

2023-12-21

コンビニのコーヒーマシンでの窃盗事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

コンビニ店内

事例紹介

Aさんは、コンビニのコーヒーマシンで120円のレギュラーサイズのカップをレジで購入した後に、コーヒーマシンの前に立って250円のラージサイズのカップ用のボタンを押して、レギュラーサイズのカップにラージサイズのカップ用のコーヒーを注ぎました。
この様子を見ていたコンビニ店長のVさんが、Aさんを呼び止めて警察に通報したことで、Aさんは警察で窃盗罪の疑いで捜査を受けることになりました。
Aさんは警察に対して、故意にラージサイズのボタンを押したことを正直に話したため、逮捕されずに在宅での捜査となりました。
自宅に帰ったAさんは、これからVさんと示談をするために、刑事事件に強い弁護士相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

コンビニのコーヒーマシンでの窃盗事件

事例のように、コンビニのコーヒーマシンで、レジで購入したレギュラーサイズのカップよりも大きいラージサイズのコーヒーのボタンを故意に押して、ラージサイズのコーヒーをレギュラーサイズのカップに入れる行為については、相手を騙してコーヒーを多く騙し取ったとして刑法246条詐欺罪が成立するのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれません。
確かに、レジでレギュラーサイズのカップを購入する段階からラージサイズのコーヒーのボダンを押してやろうと決意していた場合には、レジで店員の方を騙してラージサイズのコーヒーをだまし取ったとして刑法246条の詐欺罪が成立する可能性が高いと考えられますが、コーヒーマシンでボタンを押すときになって初めてラージサイズのコーヒーのボタンを押そうと思った場合には、レジではあくまでレギュラーサイズのコーヒーボタンを押そうと思ってレギュラーサイズのカップを購入していて人を騙してはいませんので、詐欺罪が成立することは難しいと考えられます。
そのため、コーヒーマシンでボタンを押すときになって初めてラージサイズのコーヒーのボタンを押そうと思った場合には、刑法235条の窃盗罪が成立すると考えられます。

このように、コーヒーマシンで購入したサイズよりも大きいサイズのボタンを押す行為には詐欺罪が成立する場合と窃盗罪が成立する場合が考えられるのですが、実際には、どの時点で大きいサイズのコーヒーボタンを押そうと思ったのかといったことについては明確ではないことから、事例のようなケースでは、詐欺罪ではなく窃盗罪で立件されることが多いようです。
詐欺罪法定刑10年以下の懲役のみですが、窃盗罪法定刑10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。

窃盗事件の被害者の方との示談をお考えの方は

事例のAさんは、警察に通報されたものの窃盗罪で逮捕されることはありませんでしたが、だからといってこれで事件が終了したという訳ではなく、今後は在宅捜査という形で捜査が進められることになります。
そのため、窃盗罪について素直に認めて被害者の方と示談をしたいとお考えの方は、まずは弁護士に相談して、被害者の方と示談をするための流れやどんな準備をすればよいかといったことについてアドバイスを貰った上で、弁護士に示談交渉を依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
窃盗事件で被害者の方と示談をしたいとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】転売のために薬を万引きして逮捕

2023-12-09

転売するために咳止め薬を万引きして逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

薬

事例紹介

会社員のAさんは、ドラッグストアから咳止め薬を万引きして、その咳止め薬を、自分と同じくらいか自分よりも年下の中高生に市販価格の半額以下で転売するということを繰り返していました。
Aさんは、いつものようにドラッグストアで咳止め薬を万引きして、そのまま店舗の外に出ようとしましたが、Aさんのことを警戒していた万引きGメンに呼び止められて、バックヤードに連れていかれました。
Aさんは、そのまま通報により駆け付けた

(この事例はフィクションです)

転売のために咳止め薬を万引きすると?

10代の若者の間で、不安な気持ちを抑えたい、あるいは気分を高めたいといった理由で市販されている咳止め薬や風邪薬を一度に大量に摂取する、いわゆる「オーバードーズ(OD)」が問題になっています。
歌舞伎町の「トー横」と呼ばれるエリアには、オーバードーズを行うのために咳止め薬風邪薬を大量に欲しがる若者が多いため、こうした人たちに対して万引きした市販薬の咳止め薬や風邪薬を安価で売ってお金を得るということが行われているようです。

当然ながら、ドラッグストアなどから市販されている咳止め薬や風邪薬を万引きする行為刑法235条窃盗罪に該当する行為です(窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています)。
また、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(「医薬品医療機器等法」や「薬機法」と略されることが多いです)の第24条1項では、医薬品の販売の許可を得た者でなければ医薬品を業として販売してならないと規定しています。
そのため、Aさんのように無許可で市販されている咳止め薬や風邪薬の転売を繰り返して利益を上げていると、この薬機法第24条1項に違反することになり、同法第84条9号によって3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこの懲役刑と罰金刑が合わせて科される可能性があります。

ご家族が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は

逮捕されてからの刑事事件はとにかくスピードが大事になります。
ご家族が逮捕されてからすぐに弁護士が弁護人として弁護活動を開始することができれば、逮捕後に予定されている勾留を回避して、早期に逮捕されたご本人の身体を解放する可能性を高めることが期待でいます。
そのため、警察からの連絡で、突然、ご家族が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されたことを知ったら、急いで弁護士に初回接見を依頼して、事件の見通しや今後の弁護活動についてアドバイスを貰われることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】アルバイト先のレジから現金を盗んだ窃盗事件

2023-11-30

アルバイト先の飲食店のレジから現金を盗んだ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

レジ

事例紹介

大学3年生のAさんは飲食店で接客のアルバイトを行い、レジ打ちを行うことがあります。
Aさんは、レジ打ちを行う際に、毎回現金を自身の懐に入れていました。
バイト先の店長であるVさんが、Aさんがレジを打つと必ず、最後のレジ締めの作業で計算が合わなくなることから、Aさんがレジからお金を盗んでいるのではないかと疑い、こっそりレジの真上に防犯カメラを設置しました。
ある日、Aさんがレジ打ち担当した際に防犯カメラの映像を確認すると、Aさんがレジのお金を盗んでいる姿を確認することができました。
営業終了後、VさんはAさんを呼び出して、防犯カメラの映像を見せて、「警察に被害届を出すから、もう来ないで」と言いました。

自分が今後どうなるのか不安になったAさんは、両親と一緒に弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

バイト先でレジからお金を懐に入れてしまうと

事例のAさんのように、バイト先でレジ打ちを担当する際にレジから現金自身の懐に入れる行為は、バイト先の経営者が占有(事実上支配している)レジの中のお金を、経営者の意思に反して自身の元に移していると言えますので、刑法235条窃盗罪に該当する可能性が高い行為です。
窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっています。

アルバイトがバイト先のレジから現金をくすねる行為は、このように窃盗罪になる場合が多いですが、アルバイトがバイト先からレジのお金の管理完全に任されていたという場合には、レジの中のお金の現金は、自身が占有し(事実上支配する)、バイトの経営者が所有するお金を懐に入れたとして、刑法253条業務上横領罪が成立する場合もあり得ます。
業務上横領罪の法定刑は、懲役刑について窃盗罪と同じく10年以下の懲役刑となっていますが、罰金刑については窃盗罪と異なり規定されていませんので、仮に業務上横領罪で起訴されてしまうと、必ず公開の法廷で正式な刑事裁判が開かれることになります。

窃盗罪で前科を付けたくないとお考えの方は

窃盗罪を行ったことを認める場合、窃盗罪の被害者の方と示談交渉を行うことが弁護活動として非常に重要になりますので、このような示談交渉については示談の経験が豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。
そのため、窃盗罪で前科を付けたくないとお考えの方は、いち早く弁護士に相談して今後の対応について相談されるのが良いでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
窃盗罪について前科を付けたくないという方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

【事例解説】財布から現金を抜き取ったと疑われている窃盗事件

2023-11-21

やっていないのに財布から現金を抜き取ったと疑われている窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

冤罪

事例紹介

Aさんは介護福祉士として、80代の利用者のVさんの自宅に訪問介護を定期的に行っています。
ある日、上司から呼び出しを受けたAさんが営業所に行くと、上司から、AさんがVさんの財布から現金数万円を盗んでいるのではないかとVさんの家族からクレームの連絡が入ったという話をされました。
Aさんとしては全く身に覚えのない話でしたが、Vさんが「財布から現金をAさんに盗まれた」と家族に話しており、Vさんの家族はVさんの話を信じて、警察に窃盗罪で被害届を提出しました。
Aさんは、窃盗罪の濡れ衣を着せられてしまうのではないかと不安になり、今後の対応について弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

介護福祉士に窃盗罪の前科が付くとどうなる?

他人の家で保管されている財布から現金を盗み出す行為刑法235条の窃盗罪に該当すると考えられます。
窃盗罪の法定刑10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっていますが、国家資格である介護福祉士の資格を持つ者が窃盗罪で前科がついてしまうと、一定期間の間、介護福祉士になることができない場合があります。
具体的には、社会福祉士及び介護福祉士法3条2号において「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して2年を経過しない者」は介護福祉士になることができないという欠格事由が定めていますので、仮に窃盗罪で起訴されて有罪となり懲役刑が科されてしまうと、執行猶予付きの有罪判決であったとしても、執行猶予に期間が満了してから2年を経過するまで介護福祉士になることは出来ません

やってもいない窃盗罪の疑いをかけられているという方は

やってもいない窃盗罪の疑いをかけられているという場合、自分は絶対に窃盗をしていないのだから大したことにはならないと安易に判断するのではなく、まずは弁護士に相談されることをお勧めします。
事例のように既に窃盗罪で被害届が提出されているという状況になると、今後、警察が窃盗罪の捜査に乗り出して事情聴取のために警察への呼び出しを受けたり、場合によっては突然、警察が自宅に来て窃盗罪の疑いで逮捕される可能性もあり得ます。
そのため、弁護士に相談して、今後どのような流れで窃盗事件が進んでいくことになるのか、警察が窃盗事件についは話を聞きたいと連絡があった場合はどうすればよいのかといったことについてアドバイスを貰っておくことが大事になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
やってもいない窃盗罪の疑いをかけられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】キャンインベーダーを用いた自動車の窃盗事件

2023-11-13

キャンインベーダーを用いた自動車の窃盗(自動車盗)事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

 

自動車窃盗犯

 

 

 

事例紹介

Aさんは、盗んだ自動車を解体して、パーツを売却することでお金を得ていました。
Aさんが、ターゲットにする自動車を探すために近所の住宅街を散策していたところ、ある一軒家の駐車場に停められている高級車に目を付けました。
Aさんは、深夜、キャンインベーダーと呼ばれる手口で高級車を盗み出しました。
朝になって、車を盗まれたことに気が付いたVさんが警察に窃盗罪の被害届を提出したことで、警察が窃盗罪の捜査を開始することになりました。
周囲の防犯カメラを調べたところ、Aさんが車を盗み出している様子が撮影されていたことから、Aさんは窃盗罪の疑いで逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

自動車盗の手口のひとつであるキャンインベーダーとは

事例のAさんはキャンインベーダーと呼ばれる手口でVさんの自動車を盗み出していますが、キャンインベーダーのキャンとは、Controller Area Networkの略称である「CAN」を意味しています。
このCANは、自動車の機能を制御しているネットワークシステムのことで、最近の自動車(特に高級車)ではCANが使用されていることが多いようです。
キャンインベーダーとは、このCANに特殊な器機を用いて侵入することでドアの施錠を解き、エンジンを始動させてそのまま自動車を盗み出す手口のことです。キャンインベーダーによる自動車盗の場合、車を傷つけることなく、犯行からわずか数分で車を盗み出すことができるようで、近年多発している自動車盗の手口になります。

このようにキャンインベーダーと呼ばれる手口で自動車を盗み出した場合、刑法235条に規定する窃盗罪に該当する可能性が高く、仮に窃盗罪で起訴されて有罪となると10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される場合があります。

自動車盗の被害者の方と示談をしたいとお考えの方は

自動車を盗まれた被害者の方からすると、盗まれた車がそもそも高価なものであることに加えて、移動の足を失ったことで日常生活が不便になったなどの事情も相まって、自動車盗の犯人を許さないという気持ちが高い可能性が考えられます。
このように処罰感情が強い自動車盗の被害者の方と示談したいとお考えの方は、示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、窃盗事件での被害者の方との示談交渉を多数経験している弁護士が在籍しています。
自動車盗の被害者の方と示談をしたいとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】盗品であるバイクを購入したことで逮捕

2023-10-30

盗まれた物であることを知りながら盗品のバイクを購入した盗品等有償譲り受け事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

Aさんは、Bさんが乗っていたバイクが欲しくなり、Bさんにバイクを売ってくれないかと持ちかけました。
Bさんは、バイクが盗んできたものであることをAさんに伝えましたが、Aさんは「盗品でもいいからバイクを譲ってほしい」と言って、Bさんからバイクを購入しました。
翌日、Bさんバイクの窃盗の疑いで逮捕されました。
Bさんが「盗んだバイクをAさんに売った」と警察に話したことで、Aさんも盗品等有償譲り受け罪の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

盗品であることを知りながらバイクを購入するとどのような罪に問われる?

事例のAさんは、Bさんが盗んだバイクを盗品であることを知りながら購入しています。
バイクを盗んだBさんは、刑法235条に規定されている窃盗罪に問われることになりますが、盗品であるバイクを購入したAさんも罪に問われる可能性が高いです。

事例のAさんは、Bさんと一緒にバイクを盗んだ訳ではなく、また、Bさんから無理矢理バイクを奪った訳でもないのに、どうして罪に問われるのかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、刑法256条では、
1 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。
と、窃盗の際に盗まれた物(盗品)等に関わった一定の者を処罰の対象にしています。

このうち、事例のAさんのように、盗品であることを知りながら、盗品をお金を払って購入した人は、盗品を有償で譲り受けたとして、刑法256条2項の盗品等有料譲り受け罪に該当することになると考えられます。
盗品等有償譲り受け罪は、事例のように窃盗犯人から直接購入する場合の他にも、窃盗犯人以外の第三者から購入した場合でも成立します。

ご家族が盗品等有償譲り受け罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は

盗品等有償譲り受け罪の法定刑は10年以下の懲役「及び」50万円以下の罰金となっています。
この盗品等有償譲り受け罪の法定刑は、法定刑が10年以下の懲役「又は」50万円以下の罰金となっている窃盗罪よりも重く定められていることになります。
そのため、ご家族が盗品等有償譲り受け罪の疑いで警察に逮捕された場合は、いち早く弁護士初回接見を依頼して、弁護士によるサポートを受けられることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が盗品等有償譲り受け罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】万引き 自責の念に駆られて自首を検討

2023-10-21

コンビニで万引きをした女性が自責の念に駆られて自首を検討している事案を参考に、窃盗事件における自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは、仕事のストレスから自宅の近くにあるコンビニでお菓子数点を万引きしてしまいました。
コンビニの店員には気づかれず、現在警察からも連絡を受けていない状況でしたが、万引きをしてしまったことに耐えられなくなり自首をしようと思い弁護士に相談することにしました。

~自首・出頭とは~

自首とは、捜査機関に対し自身の犯罪事実を申告することをいいます
自首が成立すれば、有罪判決を受ける場合において、刑が減軽されうるというメリットがあります。
また、自発的に犯罪事実を申告したことが評価され、逮捕されずに済む場合もあります

※刑法
(自首等)
第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
2 省略

自首が成立するためには厳格な要件を満たす必要があり、それらを充足しなければ「自首」は成立せず、「出頭」として取り扱われることになります。

~自首の要件~

自首が成立するためには、
①自発的に自己の犯罪事実を申告すること
②自己の訴追を含む処分を求めること
③捜査機関に対する申告であること
④捜査機関に発覚する前の申告であること
が必要です。
これらを満たさない場合は、「出頭」扱いとなります。

この中で重要な要件としては、③捜査機関に発覚する前の申告という要件でしょう。
「捜査機関に発覚する前」とは、犯罪事実が捜査機関に全く認知されていない場合、および犯罪事実は認知されていても犯人の誰であるかが認知されていない場合をいうとされています。
なお、犯人が明らかで、犯人の所在だけが不明であるという場合は「捜査機関に発覚する前」とはいえません。

~事例のAさんには自首が成立する?~

事例のAさんが弁護士に相談した後で、自ら警察に行き自身がコンビニで万引きしてしまったことを警察官に打ち明けた場合は要件の①~③は問題なく満たすと考えられます。
また、についてもAさんの万引き行為がコンビニの店員に全く気づかれていない状況であれば被害届なども警察に出されていないでしょうから、Aさんの犯罪事実を警察は認知していないと思われます。そのため、④の要件も満たされるでしょう。
以上から、Aさんが自ら警察に自身の行為を打ち明けた行為には自首が成立すると思われます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
窃盗事件で自首を検討中の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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