違法収集証拠とは?違法捜査に悩んだら福岡市博多区の刑事弁護士へ

2018-10-05

違法収集証拠とは?違法捜査に悩んだら福岡市博多区の刑事弁護士へ

福岡市博多区車上狙いの窃盗事件を起こしたAさんは,福岡県博多警察署に逮捕された後,起訴されました。
しかし,裁判所は,違法捜査があったことを認めました。
その結果,違法捜査と直接かつ密接に関連する証拠は排除されることから,違法収集証拠が排除され,Aさんは無罪となりました。
(平成29年3月24日付鹿児島地方裁判所加治木支部判決を基に作成したフィクションです。)

違法収集証拠とは

上記事例で下線が引かれている部分の理論のことを違法収集証拠排除法則といい,同法則によって排除される証拠のことを違法収集証拠といいます。
判例(昭和53年9月7日)は「証拠物の押収等の手続に憲法35条及びこれを受けた刑事訴訟法218条1項等の所期する令状主義の精神を没却するような重大な違法があり,これを証拠として許容することが,将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合においては,その証拠能力は否定される」としています。
つまり,「重大な違法」と「違法捜査の抑制の見地から相当でないこと」を証拠排除の要件としているのです。

事例の基の事件ではどう認定されたか?

事例の基となった事件では,
ア なりすまし捜査(以下,本件捜査)を行うべき必要性がほとんどなく,適法手続からの逸脱の程度は大きいこと
イ 国家が犯罪の発生(車上狙い)を一定程度促進する結果となってしまっていること
ウ 警察官には捜査方法の選択につき重大な過失があったといえること
エ 警察官の証言から,本件捜査の適法性に関する司法審査逸脱の意図がみられること
などを理由に,本件捜査には「重大な違法」があり,さらに,本件捜査により獲得された証拠を許容することは「違法捜査の抑制の見地から相当でない」と認定されました。

なお,事例の基となった事件の裁判では,本件捜査と直接かる密接な関連性を有する被害届,捜索差押調書,実況見分調書,現行犯人逮捕手続書が違法収集証拠として排除されました。

このようにして,違法捜査があった場合,裁判では,その違法捜査に直接かつ密接に関連する証拠が違法収集証拠として排除され,被疑者・被告人が不当に重い刑罰を受けることを防止しています。
しかし,違法捜査があったことを当事者1人のみで主張していくことは,精神的にも技術的にも困難が伴うでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,こうした違法捜査違法収集証拠に関するご相談も承っておりますので,まずはお気軽にご相談ください。

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