(事例紹介)常習累犯窃盗罪で実刑判決となった事例

2022-12-05

(事例紹介)常習累犯窃盗罪で実刑判決となった事例

~事例~

(略)
冒頭陳述によると、被告の男(65)は30歳頃から服役と出所を繰り返してきた。窃盗の前科は12犯。直近では岡山地裁で懲役3年6月の判決を受けた。
今年5月に出所してから神戸市内のホテルやテントで寝泊まりした。所持金がほとんど底をつき、滋賀県の知人に会おうと区役所の近くにとめられていた自転車を盗む。6日後、この自転車で大津市に入り、道の駅で米菓子やカップ酒などを万引した。
出所後わずか2週間での犯行だった。大津北署に逮捕され、常習累犯窃盗などの罪で起訴。
(中略)
検察側の求刑は懲役6年。弁護人は、支援を断られた上に生活保護の「水際作戦」を受けた末の金銭的困窮が犯行の原因と訴えた。
(中略)
9月8日、裁判官が男に言い渡した2度目の判決は懲役3年8月だった。出所後まもない再犯であり、想定していた支援を受けられなかったことが遠因にあるとしても「強い非難に値する」と量刑理由を説明した。
(後略)
(※2022年11月18日11:00YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)

~常習累犯窃盗罪と実刑判決~

前回の記事では、常習累犯窃盗罪について取り上げましたが、今回の記事では、その常習累犯窃盗罪で実刑判決を受けた事例の報道を取り上げます。
今回の事例では、被告人が常習累犯窃盗罪で起訴されるに至っていますが、それまでに窃盗罪での前科が12犯あり、直近では3年6月の実刑判決を受け、その刑を受け終わった後の事件であったという報道内容となっています。

前回の記事でも確認した通り、常習累犯窃盗罪は、窃盗罪を繰り返し犯してしまった場合で、一定の条件を満たした場合に成立する犯罪です。

盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第3条
常習トシテ前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行為前十年内ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三回以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ対シ刑ヲ科スベキトキハ前条ノ例ニ依ル
(注:「前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪」とは、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第2条の「刑法第二百三十五条…第二百三十九条ノ罪」を指し、「前条ノ例」とは、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第2条の「三年以上…ノ有期懲役ニ処ス」を指します。)

まとめると、
①窃盗罪などを常習的にしていること
②過去10年以内に窃盗罪等で3回以上6ヶ月の懲役以上の刑の執行を受けるか、その執行の免除を受けていること
といった条件を満たした場合、窃盗罪ではなく常習累犯窃盗罪が成立することになります。
今回の事例では、被告人が過去10年以内にどれほど窃盗罪などにより刑罰を受けたのかということは報道からは分かりませんが、常習累犯窃盗罪で起訴され有罪判決を受けているということは、10年以内に3回以上、6ヶ月の懲役以上の刑罰を受けていたということでしょう。

この常習累犯窃盗罪は、窃盗罪などを繰り返してしまう人に対して、より重く処罰しようという目的で定められた犯罪です。
定められている刑罰の重さも、「3年以上の有期懲役」と大変重いものとなっており、執行猶予をつけることも簡単ではありません。
今回の事例でも、被告人は3年8月の実刑判決を受けています。

常習累犯窃盗罪となるほど窃盗事件を繰り返し起こしてしまう場合には、被害弁償などの被害者対応だけではなく、そもそも窃盗行為を繰り返さないようにする再犯防止策の構築が必須であるといえます。
たとえ執行猶予を得られたり、検察官の求刑から刑罰を減軽することができたりしたとしても、その後また窃盗行為を繰り返してしまえば、ただ刑務所に入って出てくるということを繰り返すだけになってしまいます。
しかし、再犯防止のために何をするのか、どういった対応が適切なのかということがなかなか思い浮かばないということもあるでしょう。
刑事手続の流れも含めて、一度弁護士に相談されることをおすすめします。

刑事事件を多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、常習累犯窃盗事件を含めた窃盗事件についてもご相談・ご依頼を受け付けています。
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