(事例紹介)値引きシールを勝手に貼って窃盗罪 有罪となった事例

2023-01-30

(事例紹介)値引きシールを勝手に貼って窃盗罪 有罪となった事例

~事例~

過去に購入した商品の値引きシールを会計する前の商品に貼り付け、セルフレジを通す万引を繰り返したとして、窃盗の罪に問われた島根県出雲市、パート従業員の被告(52)の判決公判が20日、松江地裁であり、畑口泰成裁判官は懲役1年6月、執行猶予4年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
判決理由で、手口が万引の中でも手が込んでいるのに加え、万引で前科があり、今回は2カ月で9回もしたことから常習性が高い点を問題視。一方、被害弁償しており、執行猶予付き判決が相当とした。
(略)
判決によると、6月から8月、出雲市内のスーパーで9回、シールを商品に貼りセルフレジに通し、正当な代金を支払ったかのように装って万引した。
(※2022年12月21日14:03YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)

~値引きシールを勝手に貼って窃盗罪に~

今回取り上げた事例では、被告が値引きシールを勝手に商品に貼りつけ、セルフレジを通して万引きを行ったとして、窃盗罪で有罪判決が言い渡されたという報道内容になっています。

この事例では、本来は値引きされていない商品に対して勝手に値引きシールを貼りつけた状態でセルフレジを通したとされています。
つまり、本来であれば値引きされていない金額が正当な代金であるにもかかわらず、値引きされた金額が正当な代金であり、それが支払われていると見せかける行為をして商品を持ち帰ったということになります。
通常、店側の出している商品については、正規の料金を支払うことで客が商品を持ち帰ることができるようになるという流れになります。
しかし、今回の事例のように、本来支払うべき料金を支払わずに商品を持ち去ったということになれば、それは店側の許可を得ずに商品を持ち去ったということになり、窃盗罪が適用されたのだと考えられます。

なお、今回の事例では、セルフレジを通したということで窃盗罪になっていますが、同じ手口で友人のレジを通していたという場合には、窃盗罪ではなく詐欺罪(刑法第246条)が成立する可能性もあることに注意が必要です。
値引きシールを勝手に貼った」ということだけで必ずしも窃盗罪が成立するとはいえないため、詳しい事情を弁護士に伝えた上で見解を聞いてみることが望ましいでしょう。

今回取り上げた事例では、被害弁償をされていることが考慮され、執行猶予付き判決となったと報道されています。
窃盗事件などの財産事件では、被害弁償ができているかどうかという事情も非常に重視される事情です。
先ほど触れた「何罪が成立するのか」といったことも含め、弁護士に相談してみることがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、窃盗事件に関するご相談を受け付けています。
どういった形の弁護活動が可能であるのか、どういった流れで事件が進んでいくことになるのかなど、刑事手続に関する疑問を、弁護士が直接ご相談に乗ります。
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