【解決事例】職場の物を盗んで業務上横領事件に 不起訴処分獲得

2022-07-25

【解決事例】職場の物を盗んで業務上横領事件に 不起訴処分獲得

~事例~

Aさんは、愛知県名古屋市東区にある病院に勤務する薬剤師です。
Aさんは、うつ病を患っており、ある日Aさんは自身の勤務する病院から向精神薬を盗むと、その向精神薬を利用して自殺を図ってしまいました。
救急搬送されたAさんは一命をとりとめ、入院となったものの、その後、Aさんの勤務先の病院で薬の在庫数が合わないことが問題となり、Aさんは業務上横領事件の被疑者として愛知県東警察署に取調べられることとなりました。
Aさんの家族は、どうにかAさんの処罰を軽く出来ないかと考え、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に相談し、弁護活動を依頼することに決めました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~物を盗んだのに業務上横領罪?~

今回のAさんは、勤務先の病院で薬剤師として働いており、そこで薬を盗んでしまい、業務上横領罪に問われたという状況でした。
ここで、「物を盗んだのに窃盗罪ではないのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに、物を盗むという行為には窃盗罪(刑法第235条)が成立することに間違いはありません。
しかし、その人の置かれた立場・状況によっては、「他人の物を取って自分の物としてしまう」という行為は変わらなくても、窃盗罪ではなく業務上横領罪に問われるというケースがあるのです。

業務上横領罪の条文には、以下のようにして業務上横領罪が成立する条件が定められています。

刑法第253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

簡単にいえば、業務上人から管理を任されている他人の物を自分の物にしてしまうことで業務上横領罪が成立するということになります。
Aさんの場合、薬剤師として病院の薬を管理する立場にあり、かつ、病院からその薬を管理する仕事を任されている立場にあったと考えられたのでしょう。
そのため、病院に勤務する薬剤師として(=「業務上」)自分の管理している(=「自己の占有する」)病院の薬(=「他人の物」)を自分の物にしてしまった(=「横領した」)として、業務上横領罪に問われたものと考えられます。

~弁護活動と結果~

弁護士は、依頼を受けた後、Aさんの勤務先の病院に聴き取りを行いました。
病院側は、Aさんが盗んだ薬を自分で使用するだけにとどまったものであることなどから、Aさんに厳しい処分を求めるつもりはないとおっしゃってくださり、お許しの言葉をいただくこともできました。

また、AさんとAさんの家族は、Aさんのうつ病の治療のために通院する病院を見つけると共に、Aさんが向精神薬に頼りすぎないようにするため、依存症治療のカウンセリングにも通うことを決め、実際に通い始めました。
そして、Aさんは病院を退職後、Aさんの家族の目の届くところで再就職することとし、Aさんの家族も可能な限りAさんのサポートを行い、指導・監督できる体制を整えるようにしました。

弁護士は、病院がAさんに対して寛大な処分を求めてくれていることや、Aさんの家族がAさんの監督をできるよう体制を整えていること、Aさんが積極的・継続的な治療に取り組んでいることなどを挙げ、Aさんの不起訴を求めました。
最終的に、Aさんの処分は不起訴処分となり、薬剤師の資格にも影響を出すことなく事件を終えることができました。

刑事事件では、一般の方のイメージしていた罪名とは異なる罪名が被疑罪名となっていることもあります。
適切な見通し・対応を把握するためにも、また、刑事手続に関する不安を解消し、疑問を持ったまま手続を進めないようにするためにも、早期に弁護士に相談することが望ましいでしょう。

刑事事件を中心に取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、窃盗事件業務上横領事件などの財産犯についてのご相談も受け付けています。
初回無料法律相談も行っていますので、お悩みの際はお気軽にご利用ください。

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