【事例解説】キャッシュカードをすり替えた窃盗事件

2023-10-07

キャッシュカードをすり替えた窃盗事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

Aさんは、闇バイトに応募して、金融機関の職員を名乗ってVさんの家に行くように指示を受けました。
Aさんは、指示通りにVさんの家に行き、玄関口で、Vさんに対して「お使いの口座が不正利用されるおそれがあります。こちらの封筒にキャッシュカードと暗証番号を書いたメモを入れて厳重に保管してください。」と言って、Vさんのキャッシュカード暗証番号を書いたメモ封筒に入れさせました
続けてAさんは「封筒に封緘印を押すために印鑑を持ってきてください」と言って、Vさんに印鑑を取りに行かせた隙に、キャッシュカード入りの封筒とトランプが入った封筒をすり替えて、キャッシュカード入りの封筒を盗みました
その後、Aさんは窃盗の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

「特殊詐欺」なのに窃盗罪?

事例のように、金融機関や警察の職員の名前を騙って、「お使いの口座が不正に利用される恐れがある」、「口座が犯罪に利用されている」と虚偽の話をして、被害者の方にキャッシュカードと暗証番号のメモを封筒に入れさせて、隙をついて封筒を事前に準備した偽物の封筒をすり替えるといった手口の特殊詐欺事件があります。
この特殊詐欺事件では、犯人側は、偽りの身分を告げたりや嘘の話を行ったりすることで、被害者の方を騙していますが、キャッシュカードと暗証番号のメモが入った封筒は、騙した被害者の方から直接手渡されているわけではなく、一瞬の隙をついて封筒をすり替えるという手口でキャッシュカード入りの封筒が犯人側の手に渡ることになります。
このようにキャッシュカードと暗証番号のメモが入った封筒を騙した被害者の方から交付されて手にするのではなく、被害者の方の意思に反して獲得した場合には、詐欺罪ではなく刑法235条の窃盗罪が成立することになると考えられます。
そのため、事例のAさんにも窃盗罪が成立して、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります。

窃盗罪の疑いで警察に逮捕されたら

ご家族が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されたら弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
事例のように闇バイトに参加したことで窃盗罪の疑いで逮捕されたという場合は、組織的な犯罪が疑われることから、身体の拘束期間が比較的長期化するおそれがありますので、いち早く弁護士によるサポートを受けられることが重要になるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が窃盗罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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