京都市左京区の窃盗事件 職務質問や所持品検査は弁護士に相談

2018-05-18

京都市左京区の窃盗事件 職務質問や所持品検査は弁護士に相談

京都府川端警察署の警察官は,京都市左京区内を歩いていたAさんに対して職務質問をしたところ,Aさんが持っていた鞄のチャックが開いており,中に女性用の下着が入っているのを目にしました。
警察官はAさんに対して所持品検査を申し出ましたが,Aさんはそれを頑なに拒んだため警察官は無理矢理Aさんの鞄をひったくって中身を確認しました。
鞄の中から女性用の下着が数点入っていたため,警察官はAさんが近頃周辺で頻発していた下着窃盗事件の犯人ではないかと疑い,Aさんに川端警察署まで来てもらうことにしました。
(上記事例はフィクションです)

【職務質問・所持品検査とその適法性】

警察官は,何らかの犯罪に関与していると考えられる人物に対して職務質問を行うことができます(警察官職務執行法2条1項)。
職務質問は,未だ発生していない犯罪の予防・鎮圧を目指す行政警察活動の一環ですが,職務質問により犯罪が発覚する場合もあります。
上記事例のように窃盗のほか,銃刀法違反や薬物所持といった例がよくあります。

警察官が職務質問をする際,それに伴って所持品検査の申出を受けることがあります。
所持品検査は口頭の質問と密接に関連し職務質問の実効性を高める行為であることから,裁判例によりその適法性が認められています。
もっとも,前記のとおり職務質問が行政警察活動である以上,それに付随する所持品検査も行政警察活動として強制力を用いる司法警察活動とは区別されなければなりません。
そのため,捜索のように相手方の同意なしに強制力を用いることは原則として違法となります。

上記事例では,警察官がAさんの拒絶意思を意に介することなく鞄をひったくっています。
このような態様の所持品検査は強制力を用いていると判断され,裁判で違法とされる可能性があります。
違法な所持品検査により得られた物は裁判において証拠とすることができないため,その証拠の価値によっては無罪となる可能性も出てきます。
したがって,違法な所持品検査があったのかどうかは,極めて重要な事実です。

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