侵入窃盗で後日逮捕

2021-12-08

侵入窃盗と後日逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

普段からお金に困っていたAさんは、あらかじめ目をつけていたVさん方の無施錠の勝手口からVさん方に入り、金目の物を盗んだ後、質屋に売ってお金に換えることを繰り返していました。しかし、さすがに警察にバレるのではないかと思ったAさんは、今後どうすべきか弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

~侵入窃盗~

他人の住居、事務所や店舗などに侵入し、他人の財物を盗むという窃盗を侵入窃盗とか侵入盗といいます。
侵入盗の場合、盗みを働く目的で、他人の住居や建造物に正当な理由なく侵入しているため、窃盗罪に加えて、住居侵入罪あるいは建造物侵入罪に問われることになります。
万引きや置き引きといった窃盗の手口と比べて、侵入盗は悪質であることや、被害者の住居や事務所・店舗を把握しているため、被害者に直接接触することができると判断される傾向にあり、逮捕に引き続いて勾留される可能性は高いと言えるでしょう。
逮捕後に勾留となれば、逮捕から最大で13日、勾留延長が認められれば最大で23日もの間警察署の留置場に拘束されることとなります。長期間の身体拘束は、被疑者・被告人に身体的・精神的な苦痛を強いるだけでなく、その後の社会復帰にも大きな影響を及ぼしかねません。

(住居侵入等)
第百三十条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

~後日逮捕~

後日逮捕とは、通常逮捕、緊急逮捕、現行犯逮捕のうち通常逮捕によって逮捕されることを指すのが一般的です。
通常逮捕には条件は「逮捕の理由」と「逮捕の必要性」です。
逮捕の理由とは、簡単にいうと犯人が罪を犯したと疑われることです。
次に、逮捕の必要性は、刑事訴訟規則143条の3に「逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認める場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らし、被疑者が逃亡する虞がなく、かつ、罪証を隠滅する虞がない等明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、逮捕状の請求を却下しなければならない。と規定されています。
つまり、逮捕の必要性とは罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがあることをいいいます。
そして、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがあることは、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情から判断する、としているのです。

~後日逮捕を避けるには~

後日逮捕を避けるには自首することも一つの方法です。
自首とは、捜査機関に犯罪事実又は犯人が発覚する前に、犯人が自ら進んで自己の犯罪事実を捜査機関に申告し、その処分を委ねる意思表示のことをいうとされています。
「自首」というためには、捜査機関に犯罪事実又は犯人が発覚する前に申告することが必要です。
ただし、「犯罪事実又は犯人」とされていますから、犯罪事実は発覚していても,まだ犯人が誰であるか発覚していない段階でも自首に当たる可能性はあります。
自首の方法としては自ら申告する場合のほか、他人を介して自己の犯罪事実を申告させることもできます。また,書面による申告も有効と解されています。ただし,こうした場合は、犯人がいつでも捜査機関の支配下にいることが条件となると解されています。
なお、自首というためには「捜査機関に処分を委ねること」、つまり、犯罪事実を認めていることが前提です。書面のみを提出して所在不明となった場合,氏名を秘匿している場合などは,処分を委ねる意思がないものとみなされるでしょう。
このように、「自首」を主張するためにはいくつかのハードル(要件)を超えなければならないことが分かります。
自首の要件を満たさないのに捜査機関に申告しても、それは「自首」ではなく単なる「出頭」にしか当たりません。
「自首」の最大の特徴は、必ず減刑されることです。
もう一つの特徴としては、逮捕を免れる可能性があるということです。これは「自首」ではなく「出頭」に当たる場合でも同様です。これは、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがないと判断されやすいからです。ただし、反対に、そのおそれがやはりあるとして逮捕される可能性もあります。
ですから、捜査機関に申告する前に、弁護士とよく相談して様々なアドバイスを受け、対策を取る必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが、24時間体制で、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。

Copyright(c) 2018 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.