(東京都中野区)リレーアタックで車上荒らし

2019-05-15

(東京都中野区)リレーアタックで車上荒らし

~ケース~
東京都中野区在住のAさんは仲間数人と特殊な装置を用いてスマートキータイプの乗用車の鍵を開け,中にある物を盗む車上荒らしを繰り返していた。
ある日,Aさんが車上荒らしをしていたところ,偶然通りかかった警視庁中野警察署のXによってAさんらは窃盗罪の疑いで現行犯逮捕された。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に相談した。
(フィクションです)

~リレーアタック~

Aさんの行った車上荒らしの手法は「リレーアタック」と呼ばれるものです。
リレーアタックは,電波を感知して開錠するスマートキーと呼ばれる機能を悪用した窃盗の手口です。
リレーアタックを用いた窃盗では,自宅などに保管してある鍵から出ている電波を特殊な装置でキャッチし,電波を増幅して車の鍵を開けます。
従来,車上荒らしの多くは窓ガラスを割って鍵を開けるといった物理的な方法で開錠する手口でしたが,スマートキーの場合,電波さえあれば開錠できてしまうため窓ガラスを割る必要などはありません。
それどころか,電波さえあればエンジンをかけて車ごと盗んでしまうことも可能です。
リレーアタックへの対策としては,電波そのものが出ないようにする必要がありますので,微弱電波を切る,自宅ではアルミホイルに包んで保管する等があります。
また,カーショップ等ではリレーアタック対策グッズも販売されていますのでそちらを購入するという対策もあります。

~逮捕後の流れ~

窃盗事件等の刑事事件で被疑者として逮捕されてしまうと,原則,48時間以内に事件が検察官に送致されます。
送致を受けた検察官は送致を受けてから24時間以内に逮捕された被疑者の勾留を請求するかどうかを決定します。
勾留請求が認められてしまうと原則10日間,延長されるとさらに10日間の最長20日間勾留されることになります。
長期間の身柄拘束は被疑者やご家族の方などにとって大きな負担となりますので,弁護士は身柄解放に向けた活動をします。
具体的には,勾留前であれば検察官に勾留の必要がないという意見書を提出し,勾留されてしまった場合には勾留に対する準抗告を申し立てます。
勾留後,起訴されてしまい被告人として引き続き勾留されてしまうような場合には保釈請求をします。
勾留請求がされなかった場合,勾留に対する準抗告や保釈請求が認められた場合には,釈放となり身柄解放されることになります。

~Aさん成立する罪~

車上荒らしにはまず窃盗罪が成立し,法定刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金となります(刑法235条)。
窓ガラスを割って鍵を開けた場合や,工具などで鍵を壊した場合には器物損壊罪(刑法261条)も成立します。
ただし,今回のケースのAさんはリレーアタックを用いており,物理的な破壊はしてないので窃盗罪のみが成立するといえるでしょう。

窃盗事件の場合,初犯であれば事例にもよりますが,罰金刑や執行猶予付きの判決となることも多いです。
また,被害者の方と示談が成立している場合には起訴猶予の不起訴処分となる場合もあります。
しかし,窃盗の件数が多く,被害者の方との示談も成立していないというような場合には実刑判決となってしまう場合もあります。
そのため,車上荒らしに限らず,窃盗事件の場合には弁護士は被害者の方と示談交渉をすることが非常に重要になってきます。
示談が成立した場合に「加害者を許す,処罰を望まない」という宥恕条項を示談書に盛り込むことができれば検察官の起訴猶予とするかどうかの判断や,刑事裁判での裁判官による量刑判断に有利に働きます。
ただ,車上荒らしの場合は被害者の方の怒りが強く,宥恕条項を示談書に盛り込んでもらうことが難しい場合もあります。
そのようなケースでも,少なくとも被害弁償のみでもすることによって有利に働く場合があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所窃盗事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
車上荒らしをして逮捕されてしまいお困りの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
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警視庁中野警察署までの初回接見費用:35,000円)

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