横浜市の事後強盗罪で不起訴
横浜市の事後強盗罪で不起訴
Aさんは、日頃の生活でストレスを感じ、ストレス解消の一環として万引きをしたいと思うようになりました。
そこで、Aさんは横浜市瀬谷区のスーパーマーケットを訪れ、カップラーメンやポテトチップスなど総額およそ1500円分の商品を万引きしました。
その後、Aさんが足早に店を後にしようとした際、警備員のVさんに「ちょっとすみません」と声を掛けられました。
突然のことで同様したAさんは、逮捕されるわけにはいかないとVさんを突き飛ばして逃走を図りました。
後日、Aさんは事後強盗罪の疑いで神奈川県瀬谷警察署に逮捕されたことから、接見に来た弁護士に不起訴にならないか尋ねました。
(フィクションです。)
【事後強盗罪について】
刑法
第238条
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
「強盗」という言葉を聞かれた多くの方は、コンビニなどで凶器を向けて「金を出せ」と言うような場面を想像するかと思います。
強盗罪というのは、暴行または脅迫により相手方をおよそ抵抗できない状態にし、その相手方から金銭などの財産を奪う罪です。
ですが、これとは別に事後強盗罪という罪が存在するのはご存知でしょうか。
事後強盗罪は、①盗んだ物の返還を防ぐ、②逮捕を免れる、③証拠を隠滅する、といういずれかの目的で、窃盗犯が暴行または脅迫を加えた場合に成立する可能性があります。
暴行・脅迫→窃盗ではなく、窃盗→(一定の目的での)暴行・脅迫となっている点で、通常の強盗罪とは大きな違いがあると言えます。
事後強盗罪も強盗として扱われる理由は、一連の行為に強盗罪と同等の危険性が認められるからだと考えられています。
冒頭に引用した刑法第238条を読むと、事後強盗罪は「強盗として論ずる」と記載されています。
その意味するところは、罪名を事後強盗罪とし、その他の扱いを強盗と同様にするということです。
ですので、事後強盗罪の法定刑も5年以上の有期懲役(上限20年)であり、なおかつ相手方が死傷すれば強盗致死傷罪に当たる余地があります。
【不起訴の実現を目指して】
ある刑事事件を裁判にかけるかどうかは、第一次的には犯罪の訴追を行う検察官の判断に委ねられています。
検察官は、被疑者の便宜、被害者や国民の感情、犯罪立証の難易、裁判所の負担などの様々な事情を考慮し、起訴するか不起訴にするか決定することになります。
不起訴の理由には様々なものがありますが、その中で最もよく見るものとして起訴猶予が挙げられます。
起訴猶予とは、たとえ裁判により有罪の立証が可能であっても、被疑者の便宜をはじめとする諸事情を考慮して起訴を見送ることを指します。
法務省の統計資料によると、平成29年になされた不起訴処分のうち、起訴猶予を理由とするものはおよそ9割に上ります。
先ほど説明したように、事後強盗罪は強盗罪と同等の罪として扱われます。
そのため、強盗罪がそうであるように、一般的に事後強盗罪も凶悪犯の一つであると言えます。
ですが、事後強盗罪であっても、その被害額や犯行態様によっては、被害者と示談を行うなどして不起訴を実現できる可能性は十分あります。
もし不起訴を目指した緻密な弁護活動を希望するのであれば、ぜひ弁護士への依頼をご検討ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、刑事事件のプロとして、不起訴の実現に向けた真摯な弁護活動を行います。
ご家族などが事後強盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料:初回無料
神奈川県瀬谷警察署までの初回接見費用:36,500円