連続ひったくり事件の弁護活動
連続ひったくり事件の弁護活動
今回は、連続ひったくり事件の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは福岡県久留米市で起きている連続ひったくり事件の犯人です。
自転車のカゴに入れられたバッグを、原付で追い抜く際に持ち去る、という手口で、10件ほどひったくり事件を起こしてきました。
ある日、いつものようにひったくり事件を起こしたところを福岡県久留米警察署の警察官に目撃されてしまい、追跡された後、窃盗の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんの手口が、かねてから頻発している連続ひったくり事件と類似しているため、これらの事件との関連についても調べられています。(フィクションです)
~成立する犯罪は?~
まずは窃盗罪が成立する可能性があります。
ただし、バッグの提げ紐を握っている被害者から無理矢理バッグを奪った場合には、窃盗罪ではなく、強盗罪が成立する可能性もあります。
強盗の際に被害者がケガをしていれば、より重い強盗致傷罪が成立する可能性まであります。
窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役となります(最長20年)。
強盗致傷罪の法定刑は無期懲役または6年以上の有期懲役です。
Aさんはひったくりを繰り返していたので、複数の罪で刑事裁判にかけられる(起訴される)ことも考えられます。
その場合は窃盗罪の懲役の上限が15年となったり、強盗(致傷)罪の有期懲役の上限が30年となるなど、より重い刑を言い渡される可能性もあります。
~今後の手続はどうなるのか?~
警察署に連れて行かれて取調べを受けることになります。
当番弁護士をこのタイミングで頼むこともできます。
取調べでは、余罪の有無について尋ねられる可能性が高いと思われます。
今回のケースでは、現に連続ひったくり事件とAさんとの関連について調べられています。
さらに、Aさんの自宅の捜索がなされる可能性があります。
捜索によって差し押さえられた物件によっては(薬物や銃刀法に違反する物件など)、さらなる余罪を追及される場合もあります。
警察は取調べ後、逮捕時から48時間以内にAさんは検察へ引き渡されます(送検)。
検察では、受け取った時から24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかといった判断をします。
勾留請求がなされた場合、勾留するかどうかは裁判官が判断します。
逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして裁判官が勾留決定を出すと、まずは10日間勾留され、身体拘束が続きます。
やむを得ない事由があると認められると、さらに最長10日間勾留が延長されます。
1つの窃盗事件の捜査が終わっても、別の件で再び逮捕・勾留されてしまう可能性も考えられます。
したがって連続ひったくり事件との関連が強く疑われる場合、身体拘束の期間が長引くことが予想されます。
~弁護士による身柄解放活動~
勾留・勾留延長され、さらに、再逮捕される事態になると、数か月間、警察署の留置場などで生活しなくてはならなくなります。
勾留中の生活はAさんにとって当然負担ですし、その間会社や学校に行くことはできませんから、社会復帰後の生活にも悪影響が及びます。
Aさんからの依頼を受けた弁護士は、準抗告や勾留取消請求などの制度を駆使し、Aさんが早く釈放されるよう力を尽くします。
~被害者との示談交渉~
被害者が判明すれば、弁護士がAさんと被害者の間に立ち、示談交渉を試みることができます。
今回のケースの被害者は通常、Aさんの知り合いではないでしょうから、警察や検察経由で被害者の連絡先を教えてもらい、示談交渉を行います。
被害者と示談がまとまれば、判決で有利な事情として考慮されます。
このような示談の方法や、釈放に向けた活動、取調べの受け方など、わからないことが多いでしょうから、ぜひ弁護士にご相談いただき、事件解決を目指していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が連続ひったくり事件を起こしてしまい、お困りの方は、ぜひご相談ください。