住居侵入窃盗事件で累犯加重窃盗罪
累犯加重窃盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
東京都江東区在住のAさん(40代男性)は、住宅街の民家に侵入して空き巣窃盗事件を起こし、他人の現金や通帳を盗み出したとして、近隣住民の通報を受けた警視庁深川警察署の警察官により、現行犯逮捕された。
Aさんには、この住居侵入窃盗事件の以前にも、窃盗事件の前科が多数あった。
Aさんの罪を少しも軽くしたいと考えたAさんの家族は、刑事事件に強い法律事務所に弁護士接見(弁護士面会)を依頼し、警察署に留置されているAさんのもとに派遣した。
弁護士がAさん自身と話をして、事件捜査の現状を把握した上で、今後の弁護対応の指針を、Aさんの家族とともに検討し、早期釈放や刑事処罰の軽減に向けて弁護活動を行うこととなった。
(事実を基にしたフィクションです)
~窃盗前科がある場合の「累犯加重窃盗罪」~
住居侵入による空き巣事件の場合には、他人の財物を窃取したことによる「窃盗罪」や、他人の住居に許可なく立ち入ったことによる「住居侵入罪」が成立し、これらの刑法上の条文をもとに、刑事処罰を受けることが考えられます。
・刑法 235条(窃盗)
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」
・刑法 130条(住居侵入等)
「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」
さらには、窃盗加害者に窃盗の常習性と前科があり、その前科が「過去10年の間に、窃盗罪で6月以上の懲役刑(執行猶予付き判決を含む)を3回以上」受けている場合には、「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」(盗犯等防止法)の累犯加重窃盗罪に当たるとして、刑事処罰の法定刑が「3年以上の有期懲役」となります。
刑法の「窃盗罪」の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされていますから、「累犯加重窃盗罪」は罪が加重されて、より重い法定刑が規定されています。
・盗犯等防止法 3条
「常習トシテ前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行為前十年内ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三回以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ対シ刑ヲ科スベキトキハ前条ノ例ニ依ル」
~裁判で刑事処罰を軽減したい場合には~
住居侵入窃盗事件の裁判において、加害者側に有利な事情を裁判上で主張・立証して、Aさんの刑罰を軽くするためには、まずは刑事事件を専門に扱っている弁護士に、ご相談ください。
まずは、弁護士のサポートのもとで、Aさんがきちんと反省していることや謝罪の意思を、被害者側に伝える必要があります。
そして、弁護士が示談を仲介する形で、適切な方法によって被害者との示談交渉を行えば、被害者側の住居侵入窃盗事件の処罰感情を和らげる効果が期待されます。
また、裁判の中での刑事処罰軽減の主張として、Aさんによる住居侵入窃盗事件の被害額の状況や、手口が悪質でないこと等の事情を、弁護士の側より適切に主張する必要があります。
Aさんが十分に反省している事情や、示談交渉の進展状況等についても、弁護士の側より主張を行い、裁判官の心証に訴えかけなければなりません。
刑事事件専門の弁護士であれば、これらの裁判上の対応にも、長年の経験をもとに、有利な弁護活動を展開することができます。
東京都江東区の住居侵入窃盗事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。