窃盗事件で自首

2020-11-26

窃盗事件での自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
東京都江戸川区の飲食店でアルバイトをしている大学生のAさん(21歳)は、勤務先の控室で、誰かのカバンが置きっぱなしになっていることに気が付きました。
魔が差したAさんは、そのカバンに入っていた財布から現金1万円を抜き取りました。
後日、Aさんが店にやって来たときに、アルバイトのVさんの財布から現金がなくなっていたということを店長から聞かされました。
Vさんは、店長に相談し、警視庁葛西警察署窃盗事件の被害届を出しに行こうかと話しているということです。
Aさんは、自分のしてしまった事を猛省しており、Vさんにも被害弁償をしたいと思っていますが、今すぐ正直に名乗り出るべきか、警察署に自首するべきか、どうしたらいいのか分からず、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

窃盗事件を起こしたら

他人のものを勝手に自分のものにする行為は犯罪です。
これは誰もが分かっていることですね。
しかし、窃盗事件では、「よし!盗んでやるぞ!」と計画的に盗みを犯すケースばかりではなく、Aさんのように、つい魔が差して人の物を盗んでしまうケースも少なくありません。
前々から盗みを企んでいた場合であっても、とっさに盗みを働こうと思い立った場合でも、他人の財物を不法領得の意思に基づいて窃取したのであれば、窃盗罪が成立することになります。

それでは、窃盗事件を起こしてしまったら、一体どうすればよいのでしょう。
Aさんの場合を考えてみましょう。

(1)被害届が提出される前

被害者であるVさんは、今のところは警察に被害届を提出していないようです。
つまり、警察は未だ窃盗事件として捜査を開始していないということです。
警察が捜査に乗り出す前の段階で、窃盗事件を解決するのであれば、被害者との示談を成立させることが重要となります。

この場合、被害者であるVさんが警察に被害届を出す前に、Aさんが正直に自分が犯人であることを打ち明け、Vさんへの謝罪および被害弁償を行います。
Vさんへの謝罪と被害弁償を行い、それを受けて、VさんがAさんに対する処罰を望まず、被害届を提出しないことを約束してもらえれば、窃盗事件は当事者間で解決したことになり、刑事事件として警察などの捜査機関に捜査されることはないでしょう。

しかしながら、被害者との示談交渉を行う場合、当事者間で行うのはリスクが伴います。
当事者間で示談交渉を行う場合、感情的になって交渉が難航する、高額な被害弁償を要求される、謝罪と被害弁償はしたけど書面にはしていない、などといった可能性があります。
ですので、法律の専門家である弁護士を介して、冷静な態度で交渉を行い、当事者両方が納得する金額で、後々問題が発生するおそれがないような合意書を作成する必要があるでしょう。

(2)被害届が提出された後

警察がVさんの被害届を受理すると、窃盗事件の捜査が開始されます。
警察は、捜査から収集した様々な証拠から犯人を割り出すでしょう。
Aさんが特定されるのも時間の問題かもしれません。

Aさんのように罪を認め、反省し、被害者への被害弁償を考えている場合であれば、被害届が出された後の段階においては、「自首」をするのも一つの方法として挙げられます。

自首」というのは、法律上、犯人が捜査機関に対し、自発的に自己の犯罪事実を申告して、訴追を求めることをいいます。
法律上の「自首」が成立するためには、次の要件を充たす必要があります。

①捜査機関への発覚前
自首が成立するためには、捜査機関、つまり、検察官または司法警察職員が、犯罪事実や犯人を認知・特定するまでの段階に行われなければなりません。

②自己の犯罪事実の申告
自分の犯罪事実についての申告でなければならず、申告した犯罪事実の一部に虚偽がある場合、例えば、単独犯であると虚偽申告をして共犯者を隠避した場合や、刑責を軽減するために、軽い罪の犯罪事実として虚偽の申告をした場合は、自首の成立が否定されます。

③自発性
犯罪事実の申告は、自発的でなければなりません。
捜査機関の取り調べに対する自白は、自発的とは言えず、自首にはあたりません。

④自己の訴追を含む処分を求める
自己の犯罪事実の申告には、自己の訴追を含む処分を求める趣旨が明示的・黙示的に含まれている必要があります。
申告内容が、犯罪事実の一部を隠すためのものである場合や、自己の責任を否定するようなものである場合には、自首は成立しません。

自首が成立した場合の効果は、刑の任意的減軽です。
犯行態様、社会的影響、前科の有無、犯行から自首までの経過年数、反省の有無などを考慮して、減軽するか否かが決められます。
また、自首することで、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないと判断され、逮捕・勾留といった身体拘束を伴う強制処分を受けない可能性もあります。

自首をした場合、その後は、被疑者として捜査の対象となり、取り調べを受けることになります。
しかし、刑事事件の流れやどのように取り調べに対応すべきかといったことについての知識を十分に持っていらっしゃる方は、そう多くありませんので、自首する前に、刑事事件に強い弁護士に相談し、自首した場合どのような流れになるのか、取り調べではどのような受け答えをすべきか、どういった点に注意すべきかを事前に知っていると、安心して自首することができるのではないでしょうか。

自首を検討されている場合には、事前に弁護士に相談し、自首に関するアドバイスを受けるのがよいでしょう。

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