事後強盗と逮捕
事後強盗で逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します
Aさん(69歳)は、コンビニエンスストアで菓子パン1個(時価108円相当)を万引きしました。ところが、Aさんは、店外の駐車場に出たところで店員Vさんに「万引きしたでしょ」と声をかけられましたが、Vさんの右頬を右拳で1発殴ってその場から逃げました。後日、防犯ビデオ映像などからAさんの犯行であることが判明し、Aさんは事後強盗罪で逮捕されました。
~事後強盗罪~
事後強盗罪とは、窃盗犯人が、手に入れた物の取返しや逮捕などを免れるため、追跡してきた人に暴行・脅迫を加えたことで成立する犯罪で強盗罪の一種です。
万引きならば窃盗罪として10年以下の懲役ですが、事後強盗罪は5年以上の有期懲役と窃盗罪よりも格段に刑が重くなります。
事後強盗罪は、強盗罪の一種ですから、暴行・脅迫は追跡者、逮捕者の反抗を抑圧するに足りる程度のものでなければならないとされています。また、判例は暴行・脅迫は「窃盗の現場」、又は少なくとも「窃盗の機会の継続中」になされることを要するとしています(最決昭和33年10月31日等)。ちなみに、Aさんが暴行を加えた場所はコンビニの駐車場ですが、店の一部であることなどから「窃盗の現場」と言えることは明らかでしょう。
~逮捕後の流れ~
警察に逮捕されると、被疑者(Aさん)は警察署内の留置場に収容されます。
この間、ご家族は被疑者と面会はできないと考えた方がよいです。
他方、弁護士は、いつでも逮捕された方と面会(接見)できます。
また、この段階で、警察に対し被疑者を釈放するよう働きかけることができます。
しかし、それでも検察官へ身柄を送致されることがあります。
検察官へ身柄を送致される手続がとられると、被疑者は検察庁へ連れていかれることになります。
そして、検察庁で、検察官の弁解録取をいう手続きを受けます。
検察官が勾留が必要だと判断して勾留請求した場合は、その日、あるいは翌日に、今度は裁判所で裁判官による勾留質問の手続を受けます。
なお、ここでも、弁護士は検察庁においても被疑者と面会(接見)することができますし、検察官に対し、被疑者を釈放するよう働きかけることができます。
検察官に勾留請求された場合、裁判官の勾留質問の手続に移行します。
検察官の弁解録取の手続を受けた日に勾留質問がある場合は、被疑者は検察庁から直接裁判所へ連れていかれることになると思います。
他方、翌日に勾留質問がある場合は、いったん検察庁から留置場に戻り、翌日裁判所へ連れていかれることになります。
弁護人は、この段階でも、裁判官に対して被疑者を釈放するよう働きかけることができます。
~事後強盗罪(強盗罪)と刑事弁護~
強盗罪は財産犯の一部ですから、被害や被害額はどれほどだったのか、それに対して被害弁償、慰謝の措置は取れているのかがまず重要視されるものと思われます。
ですから、刑事弁護としては、まず、逮捕された方からじっくりと話しを聴き、事実を認めるのであれば被害弁償、慰謝の措置に向けた行動をとる必要があります。
また、強盗とはいえ、本質は万引きです。
万引きは再犯のおそれが高い犯罪だと言われていますから、被害弁償、慰謝の措置と同時に、再犯防止に向けた具体策を決め、その結果を検察官や裁判官にアピールしていかなければなりません
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
万引き、強盗などの刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。