万引きと在宅事件

2021-09-01

万引きと在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

無職のAさんはスーパーで万引きしたとして警察に窃盗罪で逮捕されました。しかし、その後、Aさんは、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがないと判断され釈放されました。しかし、まだAさんの刑事処分は決まっておらず、今後のことが気になったAさんは弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

~万引きと窃盗罪~

万引きは刑法の窃盗罪(刑法235条)に当たる犯罪です。

刑法235条
 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

認知、検挙されるとAさんのように逮捕されることももちろんあります。
万引きだからとって軽く考えてはいけません。

ただ、Aさんは勾留前に釈放されています。
では、逮捕後、どのような流れで釈放されるのでしょうか?
逮捕後は概ね以下の流れを辿ります。

「逮捕」→警察の留置施設に収容→警察官の「弁解録取」→留置→検察官送検→検察庁での弁解録取→検察官の勾留請求→裁判官の勾留質問→裁判官の勾留決定

「逮捕」から「裁判官の勾留決定」までは概ね2日間を要します(送致の翌日に勾留が決定した場合は3日間)。
裁判官が勾留決定すれば、勾留状に記載された留置施設に収容されます(通常は逮捕直後に収容された留置施設を指定されます)。
期間は10日間で、その後「やむを得ない事由」がある場合は期間を延長されることもあります。

ただ、「逮捕」から「裁判官の勾留決定」までに釈放されることがあります。
そもそも身柄を拘束される大きな理由は、被疑者に罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれが認められるからです。
そこで、こうしたおそれがないと判断された場合は、法律上「釈放しなければならない」とされているのです。

勾留前の釈放権限を持つのは、弁護士でも裁判官でもなく警察官、検察官です。
ただ、警察官、検察官は罪を追求する側ですから、上記①、②のチャックがどうしても甘くなってしまうことがあります。
違法、不当逮捕事案が発生しているのも事実です。

そこで、警察官や検察官により適切な判断をしていただくため、弁護士が警察官や検察官に働きかけを行う必要性が生じます。
本件は、弁護士が検察官に働きかけを行った結果、釈放が実現されたケースでした。
ただ、それでも釈放が実現できないことがあります。
そうした場合に備えて、弁護士は裁判官にも働きかけを行います。
具体的には、勾留裁判に対する意見書を提出したり、場合によっては直接裁判官と面談するなどします。

~釈放後は在宅事件扱い~

無事に釈放されててもそれで事件が終わりというわけではありません。
釈放後は在宅事件扱いとなり、事件の捜査は継続します。
一方で、国選弁護人は選任されませんから、私選弁護人を選任しなければ、釈放後の弁護活動を受けることはできません。
にもかかわず、捜査の手が緩められることはありません。
釈放された反動から、反対に取調べが厳しくなることも予想されます。
取調べ対応や被害者への被害弁償、示談交渉をお望みの場合は私選の弁護士に弁護活動を依頼しましょう。

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