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(事例紹介)遺体発見の住宅からおよそ600万円を盗んだとして警察官が逮捕②
【事例】
警視庁三鷹警察署の警察官が110番通報でかけつけた住宅から現金およそ600万円を盗んだとして、警視庁に逮捕されました。
窃盗と邸宅侵入の疑いで逮捕されたのは、警視庁三鷹署の地域課に勤務する巡査長で、三鷹市の住宅に侵入し、現金およそ600万円を盗んだ疑いがもたれています。
警視庁によりますと、この住宅には60代の男性が1人で暮らしていましたが、親族が訪問した際に死亡しているのが見つかり、110番通報をして容疑者を含む複数の警察官が現場にかけつけたということです。
その後、親族が元々あったとみられる1000万円以上の現金が少なくなっていることに気づき、事件が発覚しました。
容疑者は容疑を認めているということで、警視庁は「言語道断の行為で今後は捜査を尽くし厳正に対処して参りたい」としています。
(5月27日配信のTBS NEWS DIGの記事を引用しています。なお、氏名等は当事務所の判断で伏せています。)
【「死者の占有」についての判例】
判例では、殺害後に財物を領得する意思を生じて財物を奪った場合において「被害者からその財物の占有を離脱させた自己の行為を利用して財物を奪取した一連の行為はこれを全体的に考察して、他人の財物に対する所持を侵害したものというべきである」として窃盗罪の成立を認めたものがあります(最判昭和41.4.8)
しかし、今回の警察官は直接の犯人ではないため、この判例から考えても窃取した現金おそよ600万円につき、死者の占有を認めることはできないでしょう。
しかし、強盗殺人の犯人が、殺害の4日後に殺害場所とは異なる場所である被害者の自宅から財物を持ち出した事案では、窃盗罪の成立を認めています(東京地判平10.6.5)
ここでの判旨は「殺害の現場とは全く別の被害者の生前と何ら変わらない平穏な管理状態が維持され、施錠されている居室において財物を取る場合には、外形的行為を客観的に考察する限り窃取行為と何ら区別できず、単に殺害の現場やその付近で財物を取得した場合と異なり場所的接着性はそれほど問題にならず、また時間的な接着性についても相当緩やかに解するのが相当」として被害者の占有を認めています。
今回の事件についても、上記の判例に従う限り、平穏な管理状態が維持されていたであろう住宅から現金を窃取しているため、現金について、既に死亡していた家主の占有が認められる可能性があります。
現金に死亡した家主の占有が及んでいたといえる場合は、窃盗罪が成立する可能性が高いでしょう。
【窃盗罪に強い弁護士】
窃盗罪事件でお困りの方、警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。
またご家族、ご友人が警察に逮捕されてしまった方は、初回接見サービスをご利用ください。
(事例紹介)遺体発見の住宅からおよそ600万円を盗んだとして警察官が逮捕①
【事例】
警視庁三鷹警察署の警察官が110番通報でかけつけた住宅から現金およそ600万円を盗んだとして、警視庁に逮捕されました。
窃盗と邸宅侵入の疑いで逮捕されたのは、警視庁三鷹署の地域課に勤務する巡査長で、三鷹市の住宅に侵入し、現金およそ600万円を盗んだ疑いがもたれています。
警視庁によりますと、この住宅には60代の男性が1人で暮らしていましたが、親族が訪問した際に死亡しているのが見つかり、110番通報をして容疑者を含む複数の警察官が現場にかけつけたということです。
その後、親族が元々あったとみられる1000万円以上の現金が少なくなっていることに気づき、事件が発覚しました。
容疑者は容疑を認めているということで、警視庁は「言語道断の行為で今後は捜査を尽くし厳正に対処して参りたい」としています。
(5月27日配信のTBS NEWS DIGの記事を引用しています。なお、氏名等は当事務所の判断で伏せています。)
【解説】
死亡している家主の家から現金を窃盗
警察官の男は、110番通報により、かけつけた先の住宅から現金およそ6600万円を盗んだ疑いが持たれています。
今回の事件では、警察官がかけつけた時点で現金の持ち主である家主が既に死亡している状況であったため窃盗罪との関係では、現金に家主の男性の「占有」が及んでいたか、いわゆる「死者の占有」という論点が問題になります。
【窃盗罪における死者の占有について】
窃盗罪は、他人の財物を窃取した場合に成立します。
「他人の財物」は、「窃取」の対象となる物です。
「窃取」は、他人が占有する財物を占有者の意思に反して自己又は第三者の占有に移転させることをいいます。
そのため「他人の財物」は、他人が占有している物である必要があります。
しかし、占有には占有の事実と占有意思が必要とされており、占有の意思のない死者には占有がないとされています。
占有の及んでいない財物を盗んだ場合は、窃盗罪より法定刑が軽い占有離脱物横領罪が成立することになります。
そのため、今回のように死者の財物を盗んだ場合、窃盗罪ではなく遺失物横領が成立する可能性があります。
次回は、死者の占有についての判例を解説していきます。
【窃盗罪に強い弁護士】
窃盗罪事件でお困りの方、警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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(事例紹介)「びんずる尊者像」を窃盗の疑いで男を逮捕②
【事例】
5日午前、長野市の善光寺の本堂に置かれ、なでることで御利益があるとされている「びんずる尊者」の木像が盗まれ、およそ2時間半後に60キロほど離れた松本市内の車の中で見つかりました。
この事件では車を運転していた熊本県の男が盗みの疑いで逮捕され、6日、検察庁に送られました。
捜査関係者によりますと、容疑者は容疑を認めた上で、「びんずるに恨みがあった」という趣旨の供述をしているということです。
そして、木像について「どこかに埋めてやろうと思った」と供述していることが捜査関係者への取材でわかりました。
一方で、恨みを抱いた理由について「びんずるがいると地震や事件が起きる」などと一部、意味の通らない話もしているということです。
警察は売却する目的ではなかったとみていて、事件にいたるいきさつを詳しく調べることにしています。
(4月6日配信のNHK NEWS WEBの記事を引用しています。なお、氏名等は当事務所の判断で伏せています。
【「不法領得の意思」について】
前回に引き続き、長野市であった「びんずる尊者」の窃盗事件について解説していきます。
今回は、窃盗罪における「不法領得の意思」について解説していきます。
判例や通説は、故意の他に条文に明記されていない要件として不法領得の意思が必要であるとしています。
不法領得の意思とは、判例によれば「権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従いこれを利用し又は処分する意思」であるとされています。
意思内容としては、権利者排除意思と利用処分意思に分けられます。
今回の男の「びんずるに恨みがあった」や「どこかに埋めてやろうと思った」という供述は、権利者を排除しようとする意思は肯定できるとしても利用処分意思が認められるかは慎重に考える必要がありそうです。
窃盗罪が、器物損壊罪より法定刑が重くなっているのは、財物を利用しようとする動機や目的があるほうがより強い非難に値し、また一般予防の見地からも抑止の必要性が高いからと考えられていることにあります。
男が「びんずる尊者」を盗んで転売しようとしていたような場合や、「びんずる尊者」を独占して拝んだりしようとしていた場合には、利用処分意思は認められる可能性は高いといえます。
しかし男が、びんずる尊者へのうらみから埋めてしまおうとしたことが、単なる毀棄、隠匿目的だった場合には、経済的用法に従い利用処分しようとする意思は否定され不法領得の意思は認められない可能性が高いといえるかもしれません。
【窃盗罪に強い弁護士】
窃盗罪事件でお困りの方、警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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(事例紹介)「びんずる尊者像」を窃盗の疑いで男が逮捕①
事例
5日午前、長野市の善光寺の本堂に置かれ、なでることで御利益があるとされている「びんずる尊者」の木像が盗まれ、およそ2時間半後に60キロほど離れた松本市内の車の中で見つかりました。
この事件では車を運転していた熊本県の男が盗みの疑いで逮捕され、6日、検察庁に送られました。
捜査関係者によりますと、容疑者は容疑を認めた上で、「びんずるに恨みがあった」という趣旨の供述をしているということです。
そして、木像について「どこかに埋めてやろうと思った」と供述していることが捜査関係者への取材でわかりました。
一方で、恨みを抱いた理由について「びんずるがいると地震や事件が起きる」などと一部、意味の通らない話もしているということです。
警察は売却する目的ではなかったとみていて、事件にいたるいきさつを詳しく調べることにしています。
(4月6日配信のNHK NEWS WEBの記事を引用しています。なお、氏名等は当事務所の判断で伏せています。)
「びんずる尊者」の窃盗事件
「びんずる尊者」とは、長野市の善光寺の本堂に置かれている、なでると御利益があるとされている木像です。
ニュースでの情報では、男は善光寺の本堂に置かれてあった「びんずる尊者」を車に乗せて持ち去っていたようで、窃盗の疑いで警察に逮捕されています。
窃盗罪の実行行為は、他人の財物を「窃取」することです。
「窃取」とは、他人の占有する財物を、占有者の意思に反して自己又は第三者の占有に移転させることをいいます。
「びんずる尊者」を車に乗せて運び出すことは「びんずる尊者」の占有者である善光寺の意思に反して占有を自己に移転させる行為といえるため「窃取」したといえるでしょう。
しかし、男は警察の調べに対し、盗みの目的として「どこかに埋めてやろうと思った」などと供述しているようです。
窃盗罪の成立には、犯罪事実の認識・認容である故意の他に「不法領得の意思」も必要となります。
以上のような男の発言は、窃盗罪の成立要件である「不法領得の意思」に関して疑問を生じさせるものであるため、窃盗罪が成立しない可能性もあります。
不法領得の意思については、次回解説していきます。
窃盗罪に強い弁護士
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(事例紹介)置いてあった財布を置引き~窃盗罪と遺失物横領罪②~
事例
大阪府曽根崎警察署は、大阪市内の公園で財布を置き引きしたとして、窃盗罪の疑いで会社員の男を逮捕しました。
男は、会社の昼休みに弁当を食べるため公園に入ったところ、ベンチに財布が忘れてあるのを発見し、これを持ち去っていました。
財布は、母子で公園に遊びに来ていた母親の物で、一時的に公園内のトイレに行こうとしてベンチに財布を置き忘れていました。
母親が、トイレに向かい3分ほどで財布をベンチに忘れたことに気づいて戻った時には財布がなくなっていたため警察に相談したところ、男の犯行であることが防犯カメラの映像などから明らかになり今回の逮捕に至りました。
(フィクションです。)
窃盗罪と遺失物等横領罪を区別する占有について
窃盗罪と遺失物等横領罪を区別するのは、持ち去った物に他人の占有が及んでいるか否かになります。
「占有」とは、財物に対する事実的な支配をいいます。
これは、財物に対する占有の事実と占有意思を総合して、社会通念に従って判断されます。
判断要素としては、財物自体の特性、被害者と財物との時間的場所的近接性、忘れた場所の開放性、置き忘れた場所の見通し状況、被害者の認識等が考慮に入れられます。
実際に、参考事例で考えてみます。
今回の財物は、財布であるため、大きさは小さく、重さも軽量であり、移動も容易な物といえます。
また、置き忘れた場所は、公衆が自由に出入りできる公園のベンチであったことから場所の開放性は高いです。
これらの事情は、財布に対する占有を否定するような事情といえます。
しかし、母親はトイレに向かった後に、ベンチに財布を忘れたことに気づいており、被害品の場所を明確に記憶していたといえます。
しかも、トイレは公園内にある近い距離であったことから、被害者である母親と財物たる財布との場所的近接性は高かったといえるでしょう。
さらに、母親が財布を忘れたことに気づいたのは、トイレに、向かって3分ほどであり、時間的近接性も高いといえるでしょう。
これらの事情は、財布に対する占有を肯定するような事情といえます。
以上を、総合的に考慮すると、母親の財布に対する現実的支配は直ちに容易に回復できる状態にあったといえ、母親の財布に対する占有は肯定される可能性が高いでしょう。
占有についての判例の判断
最高裁平成16年8月25日の判例では、参考事例と同じような事案で、被害者の財物への占有を認め窃盗罪が成立するとしています。
事案としては、被害者がポシェットを横に置いて公園のベンチに座っていましたが、これを忘れて駅の改札口まで歩いたところで忘れたことに気づき公園に戻りましたが、既にポシェットは、なくなっていたという事案でした。
これにつき、最高裁は、被告人が本件ポシェットを領得したのは、被害者がこれを置き忘れてベンチから27mしか離れていない場所までいった時点であることを重要な根拠とし、被害者の本件ポシェットに対する占有はなお失われてはいなかったとして、窃盗罪の成立を認めています。
一方で、東京高平成3年4月1日の判例は、大型スーパーの6階のベンチに財布を置き忘れて、地階1階に移動したところで、忘れ物に気づいて引き返したという事案でした。これにつき、東京高裁は、被害者と財布の所在する階層が異なることを重要な根拠として、Aの占有を否定しています。
このように、占有の有無は、犯行時の実際の現場の状況などによって異なるものであるため、法律の専門家である弁護士のサポートを受けながら自己の主張を明らかにしていく必要があります。
窃盗罪・遺失物等横領罪に強い弁護士
窃盗・遺失物等横領罪事件でお困りの方、置き引きの容疑で警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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(事例紹介)置いてあった財布を置引き~窃盗罪と遺失物横領罪~
事例
大阪府曽根崎警察署は、大阪市内の公園で財布を置き引きしたとして、窃盗罪の疑いで会社員の男を逮捕しました。
男は、会社の昼休みに弁当を食べるため公園に入ったところ、ベンチに財布が忘れてあるのを発見し、これを持ち去っていました。
財布は、母子で公園に遊びに来ていた母親の物で、一時的に公園内のトイレに行こうとしてベンチに財布を置き忘れていました。
母親が、トイレに向かい3分ほどで財布をベンチに忘れたことに気づいて戻った時には財布がなくなっていたため警察に相談したところ、男の犯行であることが防犯カメラの映像などから明らかになり今回の逮捕に至りました。
(フィクションです。)
置き引きには何罪が成立するか
置き引きとは、置いてある他人の荷物を持ち逃げすることをいいます。
参考事例の場合の他に、ATMの上に置き忘れていた財布を持ち去ること、駐車場に止めてある自転車のカゴから他人のバックを持ち去ること等が考えられます。
置き引きをした場合には、窃盗罪又は遺失物等横領罪が成立します。
それぞれの罪について見ていくと
窃盗罪とは
窃盗罪は、刑法235条に定められています。
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」
窃盗罪は、他人の財物を窃取した場合に成立します。
「窃取」とは、他人が占有している財物を占有者の意思に反して自己又は第三者の占有に移転させることをいいます。
そのため、「他人の財物」とは、他人が占有している物である必要あります。
遺失物等横領罪とは
遺失物横領罪は、刑法254条に定められています。
「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。」
遺失物横領罪は、遺失物や漂流物等の占有を離れた他人の物を横領した場合に成立します。
簡単にいうと、遺失物や漂流物などの占有を離れた他人の物を、自分の物として自由に扱った場合に遺失物等横領罪が成立します。
窃盗罪と遺失物横領罪の違い
窃盗罪の客体は、「他人の財物」であり、これは他人が占有している他人の所有物をいいます。
一方で、遺失物横領罪の客体は、「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物」です。これは、他人の所有物であっても他人の占有が及んでいない物のことをいいます。
つまり、窃盗罪と遺失物等横領罪を区別しているのは、持ち去った物に他人の占有が及んでいるか否になります。
占有が及んでいるか否かは、財物に対する事実的支配と占有意志を総合して社会通念にしたがって判断されます。
占有の有無の判断要素や判例の判断については、次回ブログで説明していきます。
そして、置き引きなどをしてしまった方に大きな影響がある違いとしては、法定刑の違いになります。
遺失物等横領罪の法定刑は「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料」なのに対し、窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」とかなり重くなっています。
そのため、どちらの罪が成立するかで、受ける刑罰が大きく変わってくるため、いわれなき嫌疑をかけられないように、法律の専門家である弁護士のサポート受けながら取調べ等にも対応していく必要があります。
窃盗罪・遺失物等横領罪に強い弁護士
窃盗・遺失物等横領罪事件でお困りの方、置き引きの容疑で警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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(事例紹介)タクシー盗み乗り捨て 窃盗事件
事例
静岡県沼津市内でタクシーを盗んだとして、会社員の男が逮捕されました。逮捕の決め手は車内を撮影するカメラでした。
窃盗の疑いで逮捕されたのは静岡県沼津市に会社員の男(48)です。
警察によりますと、男は1月14日の午前6時ごろ、沼津市内で売り上げ金10万円やスマートフォンなどがのったままのタクシー1台(時価合計約250万円相当)を盗んだ疑いが持たれています。
事件当時、盗まれたタクシーは客を迎えに来ていて、運転手が家まで客を呼びに行くために車を離れたところ、通りがかった男がタクシーを盗んだものとみられます。
運転手が「タクシーを盗まれた」と通報したことから事件は発覚、捜査の末、タクシーは発見され、車内の様子を記録する車載カメラの解析などで男が特定され、逮捕に至りました。
(2月20日配信のSBS NEWSの記事を参考にしています。)
タクシーを盗み乗り捨てると
今回の事件では、男は、タクシーの運転手が離れた隙をついてタクシーに乗り込み、運転後にタクシーを乗り捨てているようです。
このような行為をした場合、窃盗罪が成立します。
窃盗罪は、他人の財物を窃取する行為により成立します。
今回の事件においては、タクシーは、運転手の占有している財物といえるでしょうから「他人の財物」に当たります。
また、運転手がタクシーから離れた隙をついて車に乗り込み逃走しているため、「窃取」ともいえるでしょう。
もっとも、窃盗罪においては、「不法領得の意思」を有している必要があります。
「不法領得の意思」とは、権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い利用処分する意思をいうとされています。
今回の事件のように、長時間車を使用し、乗り捨てているような場合は、返還意思もなく、あったとしても占有者の利用可能性を侵害するものであるとして権利者排除意思が認められるため「不法領得の意思」も有していると考えられます。
しかし、一時的な利用に留まり、返還意思もある場合は、使用窃盗として不法領得の意思が認められず不可罰となる可能性もあります。
不可罰となる使用窃盗とは
使用窃盗とは、他人の財物を無断で一時使用することであり、被害者の被る侵害が軽微であるため不可罰とされています。
使用窃盗に留まる場合としては、返還意志があり、なおかつ占有者の利用可能性を侵害することなく、価値の消耗も伴わない場合です。
具体例としては、Aが、駐輪してあった自転車を、少し使用した後に返還する意思で無断で使用し、10分後に元の場所に戻しておいたような場合です。
このような場合は、Aには、返還意志もあり、10分ほどの利用であるため持ち主の利用可能性も害されていなく、価値の消耗もほとんどないため使用窃盗として不可罰になる可能性が髙いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、窃盗事件に関するご相談を受け付けています。
どういった形の弁護活動が可能であるのか、どういった流れで事件が進んでいくことになるのかなど、刑事手続に関する疑問を、弁護士が直接ご相談に乗ります。
まずは遠慮なくフリーダイヤル(0120‐631‐881)までお気軽に、お問い合わせください。
(事例紹介)値引きシールを勝手に貼って窃盗罪 有罪となった事例
(事例紹介)値引きシールを勝手に貼って窃盗罪 有罪となった事例
~事例~
過去に購入した商品の値引きシールを会計する前の商品に貼り付け、セルフレジを通す万引を繰り返したとして、窃盗の罪に問われた島根県出雲市、パート従業員の被告(52)の判決公判が20日、松江地裁であり、畑口泰成裁判官は懲役1年6月、執行猶予4年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
判決理由で、手口が万引の中でも手が込んでいるのに加え、万引で前科があり、今回は2カ月で9回もしたことから常習性が高い点を問題視。一方、被害弁償しており、執行猶予付き判決が相当とした。
(略)
判決によると、6月から8月、出雲市内のスーパーで9回、シールを商品に貼りセルフレジに通し、正当な代金を支払ったかのように装って万引した。
(※2022年12月21日14:03YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)
~値引きシールを勝手に貼って窃盗罪に~
今回取り上げた事例では、被告が値引きシールを勝手に商品に貼りつけ、セルフレジを通して万引きを行ったとして、窃盗罪で有罪判決が言い渡されたという報道内容になっています。
この事例では、本来は値引きされていない商品に対して勝手に値引きシールを貼りつけた状態でセルフレジを通したとされています。
つまり、本来であれば値引きされていない金額が正当な代金であるにもかかわらず、値引きされた金額が正当な代金であり、それが支払われていると見せかける行為をして商品を持ち帰ったということになります。
通常、店側の出している商品については、正規の料金を支払うことで客が商品を持ち帰ることができるようになるという流れになります。
しかし、今回の事例のように、本来支払うべき料金を支払わずに商品を持ち去ったということになれば、それは店側の許可を得ずに商品を持ち去ったということになり、窃盗罪が適用されたのだと考えられます。
なお、今回の事例では、セルフレジを通したということで窃盗罪になっていますが、同じ手口で友人のレジを通していたという場合には、窃盗罪ではなく詐欺罪(刑法第246条)が成立する可能性もあることに注意が必要です。
「値引きシールを勝手に貼った」ということだけで必ずしも窃盗罪が成立するとはいえないため、詳しい事情を弁護士に伝えた上で見解を聞いてみることが望ましいでしょう。
今回取り上げた事例では、被害弁償をされていることが考慮され、執行猶予付き判決となったと報道されています。
窃盗事件などの財産事件では、被害弁償ができているかどうかという事情も非常に重視される事情です。
先ほど触れた「何罪が成立するのか」といったことも含め、弁護士に相談してみることがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、窃盗事件に関するご相談を受け付けています。
どういった形の弁護活動が可能であるのか、どういった流れで事件が進んでいくことになるのかなど、刑事手続に関する疑問を、弁護士が直接ご相談に乗ります。
まずは遠慮なくお問い合わせください。
(事例紹介)窃盗罪の否認事件で無罪判決が出た事例
(事例紹介)窃盗罪の否認事件で無罪判決が出た事例
~事例~
津市内の店舗で記憶媒体を万引きしたとして窃盗罪に問われた同市の男性被告(56)に対し、津地裁(中村海山裁判官)が無罪を言い渡していたことがわかった。判決は16日付。年明けに無罪が確定する見通し。
男性は昨年11月に携帯電話販売店でマイクロSDカード3個(計6万5340円)を盗んだとして、今年2月に三重県警津南署に窃盗容疑で逮捕され、津地検は同3月2日、窃盗罪で男性を起訴した。
男性は逮捕時から一貫して無罪を主張。関係者によると、検察側は防犯カメラ映像などを証拠提出したが、判決では「他の人物による犯行の可能性が排除できず、男性の犯人性は認められない」と判断されたという。
(略)
(※2022年12月29日5:00讀賣新聞オンライン配信記事より引用)
~否認事件と刑事裁判~
今回取り上げた事例では、窃盗罪の容疑をかけられ起訴された男性に対し、津地裁の刑事裁判で無罪判決が言い渡されたと報道されています。
報道によると、男性は逮捕時から無罪を主張し、容疑を否認していたようです。
窃盗事件に限らず、刑事事件において何かの容疑をかけられた場合に、その容疑を否認するケースは存在します。
今回の事例のような「犯人は自分ではない」といった否認をする場合、かけられている容疑は冤罪であるということになりますから、適切に自分の認識や主張を捜査段階の取調べから伝えていく必要があります。
取調べなどで捜査官の誘導に乗ってしまったり、自暴自棄になってしまったりして容疑を認める供述をしてしまえば、刑事裁判となった際に不利な状況に陥ってしまう可能性が高いです。
また、そもそも検察官が起訴・不起訴を決める段階で、冤罪であること=嫌疑がないこと・不十分なことを訴えて、不起訴処分とするよう交渉することも考えられます。
不起訴となれば有罪判決を受けること自体もないため、冤罪によって処罰されるということもなくなります。
こうした否認事件の際の対応は、捜査を受ける初動から慎重に対応し続けなければなりません。
先ほども触れた通り、一度容疑を認めた供述をしてしまうと、刑事裁判の場でそれを覆すことは大変困難となります。
だからこそ、捜査を受けるとなったそのときから、弁護士のサポートを受けることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無罪を主張したいというご相談・ご依頼についても受け付けています。
容疑を否認し続けること、冤罪を主張し続けることは、容疑者となってしまった本人はもちろん、そのご家族にとっても大きな負担の伴うことです。
専門家である弁護士の力を借りることで、その負担を軽減することが期待できます。
まずはお気軽にご相談ください。
(事例紹介)小学校への侵入窃盗事件~建造物侵入罪・窃盗罪
(事例紹介)小学校への侵入窃盗事件~建造物侵入罪・窃盗罪
~事例~
24日朝、大阪・松原市にある小学校の校舎の窓ガラスが割られて何者かが侵入したとみられる跡が見つかり、市の教育委員会は警察に被害届を提出しました。
教育委員会によりますと、教室にあった児童のリコーダー19本がなくなっていたということです。松原市教育委員会によりますと、24日午前7時半すぎ、松原市立恵我小学校の教室の窓ガラスが割られているのを、登校してきた児童がみつけました。
教員が確認したところ、ほかにも、校舎1階の窓ガラスなど、あわせて4枚が割られていて、ガラスが割られた場所からは、何者かが侵入したとみられる跡が見つかりました。
さらに調べたところ、3階と4階の教室にあった児童のリコーダーあわせて19本がなくなっていたということです。
(略)
(※2022年10月24日20:42NHK NEWS WEB配信記事より引用)
~侵入窃盗事件で成立し得る犯罪②~
前回の記事では、取り上げた報道の事例では、器物損壊罪や建造物損壊罪が成立する可能性があり、侵入窃盗事件では態様によってこれらの犯罪が成立し得るということを取り上げました。
今回の記事では、他に侵入窃盗事件で成立し得る犯罪について確認していきます。
前回に引き続き、取り上げた事例の報道を見てみると、この壊された窓ガラスから何者かが小学校へ侵入しているようだとされていますが、この行為は建造物侵入罪(刑法第130条)に当たる行為だといえるでしょう。
刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
刑法第130条では、今回取り上げた報道で侵入された小学校などが対象となる「建造物」への侵入を罰する建造物侵入罪だけでなく、人の住んでいる一軒家やマンション・アパートなどが対象となる「住居」への侵入について罰する住居侵入罪も定められています。
そのため、いわゆる侵入窃盗事件では、侵入された対象の建物がどういった建物だったのかという事情によって、建造物侵入罪か住居侵入罪が成立するということになります。
加えて、侵入窃盗事件では、何かが盗まれているということですから、窃盗罪も成立します。
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
今回取り上げた事例では、小学校からリコーダーが盗まれたと報道されていますから、窃盗罪が成立することが予想されるでしょう。
こうしたケースで注意しなければいけないのは、先に取り上げた器物損壊罪や建造物損壊罪、建造物侵入罪の被害者と、窃盗罪の被害者が異なるということです。
小学校の窓ガラスを破壊したことによる器物損壊罪もしくは建造物損壊罪の被害者は、壊された窓ガラスの管理者=小学校ということになるでしょうし、建造物侵入罪の被害者も、同じく侵入された小学校の管理者となります。
しかし、窃盗罪の被害者は盗まれたリコーダーの持ち主となりますから、1つの侵入窃盗事件であっても被害者が犯罪によって異なる複数人になるということになるのです。
侵入窃盗事件では、複数の犯罪が成立することもあり、事件が複雑な構造となることもあります。
被害弁償や示談交渉を行う場合でも、複数人被害者がいる場合には、当事者だけで活動するには負担が大きくなってしまうことが予想されますから、弁護士を通じて被害者対応を行うことで、その負担の軽減が期待できます。
また、侵入窃盗事件では、その場所に侵入して窃盗行為をするという事件の性質上、犯人が事件現場の場所を知っているということになるため、被害者への接触や事件現場での証拠隠滅行為のおそれを懸念され、逮捕・勾留による身体拘束をした上で捜査が進められることも少なくありません。
早期の釈放を目指したり、身体拘束されている中での取調べ対応を適切に行ったりするためにも、弁護士のサポートを受けることが望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、侵入窃盗事件についてもご相談・ご依頼を受け付けています。
0120-631-881では、ご相談者様のご状況に合わせたサービスをスタッフがご案内いたします。
「どうしていいのか分からない」といった時こそ、まずは遠慮なくお電話ください。