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侵入盗で保釈に成功
侵入盗で保釈となるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
ある夜、突然、Aさんは福岡県春日警察署から、「息子さんを住居侵入、窃盗の容疑で逮捕しました。」との連絡を受けました。
突然のことで訳が分からず頭が真っ白になったAさんでしたが、すぐに夫に相談し、刑事事件に強い弁護士に接見に行ってもらうことにしました。
Aさんは、息子がいつ釈放されるのか心配しています。
(フィクションです)
侵入盗の身体拘束
他人の住居、事務所や店舗などに侵入し、他人の財物を盗むという窃盗の一種を「侵入盗」といいます。
侵入盗の場合、盗みを働く目的で、他人の住居や建造物に正当な理由なく侵入しているため、窃盗罪に加えて、住居侵入罪あるいは建造物侵入罪に問われることになります。
万引きや置き引きといった窃盗の手口と比べて、侵入盗は悪質であることや、被害者の住居や事務所・店舗を把握しているため、被害者に直接接触することができると判断される傾向にあり、逮捕に引き続いて勾留される可能性は高いと言えるでしょう。
また、侵入盗は単独ではなく複数人で行われることが多く、共犯者がいる事件では、共犯者間の接触を防ぐためにも犯人の身柄を拘束して捜査を進める必要があると判断されるでしょう。
逮捕後に勾留となれば、逮捕から最大で13日、勾留延長が認められれば最大で23日もの間警察署の留置場に拘束されることとなります。
長期間の身体拘束は、被疑者・被告人に身体的・精神的な苦痛を強いるだけでなく、その後の社会復帰にも大きな影響を及ぼしかねません。
侵入盗の場合、捜査段階での釈放が難しいことが多いですが、起訴された後であれば、保釈という制度を利用して釈放される可能性があります。
保釈で釈放を目指すには
一定額の保釈保証金を納付することを条件に、被告人に対する勾留の執行を停止し、その身体拘束を解く裁判とその執行を「保釈」といいます。
保釈は、被告人に対してのみ認められるものですので、起訴される前の被疑者段階では保釈により釈放されることはありません。
保釈には、「権利保釈」、「裁量保釈」、義務的保釈」の3種類あります。
1.権利保釈
裁判所は、保釈の請求があったときは、原則として保釈を許可しなければなりません。
例外として、権利保釈の除外事由がある場合には、請求を却下することができます。
除外事由は、次の通りです。
①被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
②被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
③被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。
2.裁量保釈
裁判所は、権利保釈の除外事由がある場合でも、適当と認めるときは、職権で保釈を許可することができます。
3.義務的保釈
裁判所は、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求によりまたは職権で、保釈を許可しなければなりません。
裁判所が保釈を許可すると、定められた保釈保証金を納付することで、被告人は釈放されることになります。
侵入盗であっても保釈を利用して釈放される可能性がありますので、ご家族が侵入盗で逮捕・勾留されてお困りの方は、刑事事件に強い弁護士に今すぐご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
窃盗の共犯事件で逮捕
窃盗の共犯事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
京都府向日市にある会社の事務所に忍び込み、現金や電気製品などを盗んだ疑いで、京都府向日町警察署は、Aさんを窃盗の容疑で逮捕しました。
調べに対し、Aさんは、「自分は車の運転と見張りを頼まれただけで、事務所の金は一切手を付けていない。」と容疑を否認しています。
Aさんは、接見にやって来た弁護士に事件について話し、自身がどのような責任を負うことになるのか相談しています。
(フィクションです)
窃盗の共犯事件
窃盗は、単独で犯行におよぶ場合もあれば、複数人で協力して遂行する場合もあります。
複数人が、共同して犯罪を実現する場合を「共犯」といいます。
この「共犯」には、「共同正犯」、「教唆犯」、「幇助犯」とがあります。
1.共同正犯
2人以上の者が、1個の犯罪を共同して実現する意思の連絡のもとに、各人が実行行為の一部を分担して犯罪を実行した場合を「共同正犯」といいます。
「共同正犯」が成立するためには、
①共同実行の意思
②共同実行の事実
がなければなりません。
①共同実行の意思
「共同実行の意思」というのは、2人以上の者が、お互いに他人の行為を利用し、補充し合って、ある犯罪の構成要件に該当する事実を実現しようとして通じ合う意思のことです。
他の実行者と共同して行う意思、つまり、ある犯罪を行うときに各行為者が相互に依存し、協力して犯罪を実現しようとする意思の連絡がなければなりません。
この意思は、数人の間に直接的に生じたものでなければならないわけではなく、共同者のうち特定の者を介して他の者に連絡されたことで、間接的に生じた場合でも構いません。
②共同実行の事実
「共同実行の事実」とは、2人以上の者が共同して実行行為を行うことをいいます。
つまり、各人が実行行為そのものを分担し、互いに他の共同者の行為を利用し合い、協力してある犯罪を実現することです。
この「共同実行の事実」は、その態様により、次の2つの分類されます。
(a)実行共同正犯
構成要件該当事実の実行行為を分担した場合を「実行共同正犯」と呼びます。
(b)共謀共同正犯
2人以上の者が、ある犯罪を行うため、共同意思のもとに一体となって、互いに他人の行為を利用し、各自の意思を実行に移す謀議をなし、これら共謀者のうち特定の者が共同の意思に基づいて実行した場合を「共謀共同正犯」といいます。
この場合、実際に実行行為を行わなかった者も共犯者としての責任を負うことになります。
共同正犯は、共同者全員が正犯者として扱われます。
2.教唆犯
「教唆犯」とは、人を教唆して犯罪を実行させた者をいいます。
教唆犯が成立するためには、
①他人に一定の犯罪を実行する決意を生じさせること。
②被教唆者が、その決意に基づいて犯罪を実行すること。
以上2点が必要となります。
3.幇助犯
「幇助犯」は、正犯を幇助した者のことをいい、
①正犯を幇助する意思をもって、幇助行為を行うこと。
②被幇助者である正犯が、実際に実行行為に及ぶこと。
により成立します。
「幇助」というのは、実行行為以外の行為で正犯を補助し、その実行行為を容易にする行為を意味します。
その方法は、凶器を正犯者に渡すといった物理的方法もあれば、正犯者を励ましたりアドバイスをするなどの精神的方法もあります。
幇助犯は従犯とされ、その刑は正犯の刑を減軽したものとなります。
見張り役は?
さて、窃盗の見張り役について、共同正犯となるのか、それとも従犯となるのかが問題となります。
判例では、被告人が事前に共謀して、見張り行為を分担するような場合には、共同正犯としているものが多くあります。
しかしながら、事案によっては、正犯性が否定される可能性もありますので、共犯関係を争う場合には、刑事事件に強い弁護士に相談するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が窃盗事件で逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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窃盗事件で再度の執行猶予
窃盗事件で再度の執行猶予を目指す場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
兵庫県高砂市のスーパーマーケットで商品をマイバッグに入れたまま精算せずに店内を出たAさんは、警備員に呼び止められました。
Aさんは、マイバッグに入っている商品が未精算であることを認めています。
通報を受けて駆け付けた兵庫県高砂警察署の警察官は、Aさんを窃盗の疑いで逮捕しました。
警察署での取り調べを受けたAさんは、同日夜に釈放となりましたが、Aさんはこれまでも同様の事件を起こしており、直近では1年ほど前に懲役6月執行猶予3年の有罪判決を言い渡されていました。
執行猶予期間中の再犯ということで、AさんもAさんの家族も今度こそ実刑となるのではないかと心配でたまりません。
Aさんには幼い子供がいるため、何とかもう一度執行猶予とならないかと思い、弁護士に相談しに行くことにしました。
(フィクションです)
再度の執行猶予とは
「執行猶予」は、刑を言い渡すにあたって、犯情により一定の期間その執行を猶予し、猶予期間を何事もなく経過したときには、刑罰権の消滅を認める制度のことです。
例えば、あなたが窃盗の罪を犯し、検察官が公判請求したとしましょう。
あなたは、公開の法廷で審理され、裁判官は検察官が主張する起訴事実が提出された証拠によってしっかり証明されたか否かを検討し、あなたに有罪・無罪の判決を言い渡します。
有罪を言い渡す際には、どのような刑を科すかについても言い渡されます。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
裁判官は、この範囲内で、あなたに科す刑を決めます。
懲役は、自由刑で、受刑施設に拘禁して、労務作業を行わせるものです。
罰金は、財産刑で、強制的に金銭を徴取するものですが、罰金を納付することができない場合には、労役場に留置され、日当換算して罰金相当を支払終わるまでの期間、労役場で労務に就くことになります。
裁判官が懲役が選択された場合、あなたに対して、1月以上10年以下の範囲内での懲役刑が科されることになりますが、必ずしも有罪判決が言い渡された直後に刑が執行されるとは限りません。
要件を充たし、裁判官が認める場合には、執行猶予付き判決が言い渡されることがあります。
先に述べたように、執行猶予は、一定期間刑の執行を猶予する制度ですので、執行猶予に付されれば、有罪判決を言い渡されたからといって刑に服することになるとは限らないのです。
ただし、執行猶予は、猶予期間中に罪を犯すことなく経過した場合に限り、刑罰権の消滅を認めるものですので、猶予期間中に罪を犯してしまった場合には、執行猶予の言渡しが取消されることになります。
執行猶予の言渡しが取消されるのですから、刑が執行されることになります。
このように、執行猶予期間中に再び罪を犯す場合には、先に言渡された刑に対する執行が猶予されることはなくなり、新たな罪に対して言渡される刑と合わせて刑に服することになります。
しかし、そのような場合であっても、もう一度刑の執行が猶予されるという可能性はあります。
これを「再度の執行猶予」と呼びます。
再度の執行猶予は、次の要件を充たす場合に、裁判官は、刑の全部の執行を猶予することができます。
①前に禁錮以上の刑に処せられ、その執行の猶予中であること、
②1年以下の懲役または禁錮の言渡しをする場合であること、
③情状が特に酌量すべきものであること、
ただし、刑の執行猶予中保護観察に付され、その保護観察期間内に更に罪を犯した場合には、執行を猶予することは許されません。
これらの要件で重要なのは、「③情状が特に酌量すべきものであること」の要件です。
初犯の場合、執行猶予の要件は「情状により」ですので、これと比べると再度の執行猶予の要件がかなり厳しく設定されていることがわかります。
通常、被害者への被害弁償や示談成立が被告人に有利な事情として大きく考慮されますが、これだけでは「情状が特に酌量すべきものである」とは言えません。
この要件が認められるケースは非常に限定されてはいますが、例えば、窃盗症や摂食障害など何らかの精神疾患を患っていること、そして窃盗(万引き)も精神疾患に起因するものだと認められれば、それに対する専門的な治療を受けていることが、再犯防止に取り組んでいるという被告人に有利な事情となり、「事情が特に酌量すべきものである」と判断されるケースもあります。
もちろん、計画性があり被害額も高額な場合には、悪質な万引きと判断され、言渡される刑が1年以下の懲役・禁錮とならないこともあります。
再度の執行猶予は、その要件も厳しく、獲得するには超えなければならないハードルは決して低くはありません。
ご家族が執行猶予期間中に再び罪を犯してしまい対応にお困りの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
再度の執行猶予について、一度ご相談ください。
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万引きの再犯で逮捕
万引きの再犯のケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪府和泉市に住むBさんは、大阪府和泉警察署から、「ご家族のAさんを万引きの疑いで取り調べしています。夕方には釈放するので、迎えにきてください。」との連絡を受けました。
Aさんは、万引きでつかまった過去があり、1回目は被害品を買い取り、警察で取り調べを受けて終了し、2回目でも被害弁償を行い、検察官の取調べを受けたものの、その後何事もなく終了しています。
Bさんは、Aさんの万引きも今回で3回目となるので、どのような処分となるのか不安でたまりません。
(フィクションです)
法務省が発表した犯罪白書によれば、昨年(令和元年)の捜査機関により検挙された者のうち、刑法犯では窃盗が約半数を占めています。
検挙された窃盗事件のなかでも、手口別にみると、万引きが占める割合は最も大きくなっています。
年齢層別にみると、高齢者では窃盗の割合が高く、なかでも万引きが占める割合は非常に大きくなっています。
また、男女別にみてみると、検挙された女性高齢者の約80パーセントが万引きによるものとなっています。
万引き事件は、窃盗犯のなかでも比較的軽微な犯罪ですが、再犯率も高く、万引きを繰り返してしまった結果、実刑を言い渡されてしまうケースも少なくありません。
今回は、万引きで検挙された場合、特に再犯の場合、どのような処分となり得るのかについて説明していきたいと思います。
初犯の万引き
初犯の万引きであれば、微罪処分となる可能性が高いでしょう。
通常、警察は、犯罪の捜査をしたときは、速やかに書類・証拠物とともに事件を検察官に送致することになっています。
しかし、検察官が指定した事件については、この限りではありません。
犯罪事実が極めて軽微であり、かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されてものについては、送致せずに刑事手続を終了させることができ、この処分を「微罪処分」といいます。
万引き事件であれば、犯行態様が悪質ではなく、被害額も高くなく、被害弁償等により被害が回復されている、示談が成立し被害者の処罰感情がなく、同種の前科前歴がない、常習性がないような場合には、微罪処分となる可能性が高いでしょう。
微罪処分で送致しないとなった事件については、その処理年月日、被疑者の氏名・年齢・職業・住居、罪名、犯罪事実の要旨を報告書に記載し、月ごとに一括して検察官に報告されます。
再犯の万引き
先ほども述べましたが、万引きの再犯率は決して低くはありません。
始めて万引きで検挙された場合には、微罪処分で終わることが多いのですが、再犯となれば、微罪処分とはならず、事件は検察官に送致され、検察官が当該事件についての終局処分を決定します。
検察官は、事件について捜査を終えると、起訴するか否かを決めます。
起訴しないとする処分を「不起訴処分」といいます。
被疑事実が明白な場合において、被疑者の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重、情状、犯罪後の情況を鑑み起訴を必要としないときに検察官が行う不起訴処分を「起訴猶予処分」といい、容疑を認める場合であって、被疑者が真摯に反省しており、被害者への被害弁償が済んでいる、示談が成立している、再犯可能性が低いと考えられるときになされるものです。
万引きの場合、前歴があり初犯ではなくとも、被害の回復がなされており、再犯防止策が講じられているなど再犯のおそれが低いと判断されるときには、不起訴処分となるでしょう。
上の事例では、Aさんは、1回目の万引き事件は微罪処分、2回目の万引き事件は不起訴処分(起訴猶予)で終了したものと思われます。
今回の万引きは3回目となり、これまで以上に厳しい処分が予想されますが、被害弁償や示談を行い、専門的な治療を受けるなどの再犯防止策を講じるなど、もう一度不起訴処分となるよう活動することが重要でしょう。
ただし、すべての再犯が、不起訴処分で事件が終わるわけではありません。
万引きでの検挙が複数回ともなれば、検察官は公訴を提起します。
起訴といっても、万引きであれば、いきなり公判請求ということはあまりなく、略式起訴であることが多いでしょう。
検察官が略式起訴すると、正式な方法ではなく簡略化された手続(略式手続)がとられます。
略式手続がとれると、公判での公開審理は開かれず、書面のみで審理され、簡易裁判所は略式命令により罰金又は科料を科すことになります。
手続が書面のみで行われ簡略化されているため、手続に割く時間は短く済みますが、有罪判決が言い渡されることには変わりありませんので、前科が付くことになります。
一方、検察官は、略式起訴ではなく、正式に起訴する場合(公判請求)には、公開の法廷で審理されることとなります。
万引き事件で公判請求されるケースであれば、執行猶予が付く可能性が高いでしょう。
しかし、執行猶予期間中の再犯の場合には、実刑となる可能性が高く、執行猶予期間経過直後の再犯の場合も、執行猶予期間が経過しているからといって必ずしも再び執行猶予となるとは限りません。
万引きそれ自体は、犯罪のなかでも比較的軽微な部類とされていても、再犯を繰り返すと、実刑が言い渡されることがありますので、初犯で微罪処分や不起訴処分で事件が終了したからといって何ら再犯防止策を講じないでいることは大変危険です。
刑事事件で検挙されると、刑事処分ばかりに目がいってしまいがちですが、再び罪を犯すことがないよう、周囲と協力して、しっかりと対策を講じることは重要です。
万引きでご家族が逮捕された、万引きの再犯で処分について心配なされている方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご相談ください。
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窃盗事件:盗品を返却した場合
窃盗事件で盗品を返却した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
ある日、大阪府大阪市生野区にあるスーパー銭湯の従業員は、休憩スペースに置いてあったある漫画本が全巻なくなっていることに気が付きました。
上司にも報告し、大阪府生野警察署に相談することも検討していたところ、1週間後のある日、他の従業員が、休憩スペースで持参したカバンから漫画本を大量に出している不審な客を見つけました。
従業員がその客に尋ねたところ、「盗んだのではなく、読んだら返そうと思って借りただけ。」と回答し、あくまで借りただけであると主張しています。
店側は、以前から何度も漫画本がなくなることがあったため、この件について警察に相談することにしました。
(フィクションです)
窃盗罪
人の物を勝手に持ち帰る行為は、窃盗罪に当たるように思われますが、まずは、窃盗罪はどのような場合に成立するのかについて考えてみましょう。
窃盗罪については、刑法235条で以下のように規定されています。
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」
1.客観的要件
まず、窃盗罪が成立するための客観的な要件としては、①他人が占有する、②他人所有の財物を、③窃取する、ことがあげられます。
①の「占有」というのは、人が財物を事実上支配し、管理する状態のことをいい、占有は、占有の事実及び占有の意思の2要素で構成されています。
つまり、占有者が財物を事実上支配している状態があり、かつ、占有者が財物を事実上支配する意欲・意思を有している場合に、占有が認められます。
スーパー銭湯の休憩スペースに置いてある漫画本は、店が占有する店所有の財物と言えます。
休憩スペースで客に漫画本が提供され、それを一時的に読むなどして客が占有することがあっても、そのことで、店の漫画本に対する占有が失われることにはなりません。
③の「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいいます。
2.主観的要件
次に、主観的な要件として、他人が占有する他人所有の財物を窃取するという認識(窃盗の故意)の他に、「不法領得の意思」というものが必要であると考えられています。
窃盗罪は故意犯であり、自らが遂行する実行行為を認識・認容していることが必要となります。
窃盗の故意の内容は、財物に対する他人の占有を排除して、自己又は第三者の占有に移すことについての認識・認容です。
「不法領得の意思」については、主観的要件として刑法で特段規定されているわけではありませんが、判例上、故意に加えて、主観的要素として「不法領得の意思」が必要であると考えられています。
「不法領得の意思」とは、権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い、これを利用し処分する意思のことです。
権利者を排除する意思があるか否かは、財物の一時使用の場合に窃盗に該当するか否かを判断する上で重要であり、経済的用法に従い利用処分する意思があるか否かは、窃盗と毀棄隠匿とを区別するために重要です。
盗品を返却した場合
盗んだ物を持ち主に返したことをもって、窃盗罪の成立を妨げることにはなりません。
盗品を返却したとしても、窃盗罪が成立するための要件を充たしているのであれば、窃盗罪は成立することになります。
ただ、盗品を返却したという事実が、被疑者・被告人に有利な事情となり、検察官が起訴・不起訴を判断する際や裁判官が言い渡す刑を考える際に考慮される材料とはなるでしょう。
さて、問題なのは、犯人とされる者が「最初から返すつもりだった」と主張する場合です。
先にも述べたように、窃盗罪が成立するためには、主観的要素である「不法領得の意思」がなければなりません。
権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い、これを利用し処分する意思がなければ、窃盗罪は成立しません。
そのため、他人の物を利用し、利用後は元に戻す意思で物を持ち去って利用するような一時使用行為においては、権利者を排除する意思が認められるかが問題となるのです。
権利者を排除する意思が認められるか否かについては、利用により価値の減少や消耗が生じたり、その危険性が大きい場合には、権利者でなければできない利用である点で権利者を排除する意思が認められます。
また、利用の妨害の程度が大きければ、権利者を排除する意思が認められます。
上の事例について考えてみましょう。
店の利用客は、店に置いてある漫画本全巻を持ち帰っていました。
この客は、「返すつもりで持って帰った」と述べており、自分の行為は一時使用行為であると主張しています。
そして、この客は、実際に持ち去った漫画本を返しています。
漫画本自体は、消耗品ではないため、本に傷や汚れ等がなければ本としての価値は減少しないでしょう。
しかしながら、持ち去ってから返却されるまでの期間は、少なくとも1週間です。
この点を考えると、ある漫画本全巻が1週間持ち去られたことにより、その期間中、他の客が当該漫画本を利用することができないという事態が生じるわけですので、店としても利用の妨害が生じたと考えることもできるでしょう。
そのため、上の事例において、「不法領得の意思」が認められ、窃盗罪が成立する可能性はあるでしょう。
そもそも、施設の休憩スペースに置いてある漫画本は、その場で利用することが想定されていますので、施設外に漫画本を持ち去っておきながら、「返すつもりだった」という弁解を通すのは難しいでしょう。
窃盗事件のような被害者がいる事件では、被害者への対応、具体的には被害弁償や示談を成立させることが最終的な処分に大きく影響します。
窃盗事件で被疑者・被告人となり対応にお困りの方は、窃盗事件を含めた刑事事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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マイバッグで万引き事件
万引き事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
埼玉県加須市にあるスーパーでは、レジ袋の有料化に伴い、マイバッグに未精算の商品を入れて店を出る万引きの増加に頭を悩ませていました。
店ではマイバッグを利用した万引き対策を強化していました。
ある日、店長は、店内で持参したマイバッグに次々と商品を入れている女性を見つけ、注意していると、女性はレジで精算することなく店の出口に向かいました。
慌てて女性の後を追った店長は、女性が出口の自動ドアを出ようとした瞬間に声をかけ、精算の有無の確認をしました。
すると、女性は、「あら、すっかり忘れていたわ。」と言って悪びれる様子もなく、レジに向かいました。
実はこの女性、数日前にも店員に精算確認で出口付近で声をかけられており、店長は女性が万引きの常習犯であると疑っています。
店長は、埼玉県加須警察署に連絡することにしました。
(フィクションです)
今年の7月より、スーパーマーケットやコンビニなどの買い物袋が有料となりました。
買い物袋の有料化に伴い、マイバッグの活用が推奨され、これを機にマイバッグを購入・利用され始めた方も多いのではないでしょうか。
一方、スーパーマーケットなどでは、マイバッグを利用した万引きが増加しており、店側も対策に頭を悩ませているそうです。
皆様ご存じの通り、万引きは、通常、窃盗罪という犯罪に当たります。
窃盗罪とは、刑法235条に規定されている、他人の財物を(不法領得の意思に基づいて)窃取する犯罪です。
◇他人の財物◇
他人の財物というのは、他人が占有する他人所有の財物のことです。
ここでいう「占有」というのは、人が財物を事実上支配し、管理する状態のことを意味します。
スーパーマーケットの商品棚等に陳列されている商品は、店(店長)が管理しており、他人の財物となります。
◇不法領得の意思◇
窃盗罪の主観的要件として、故意(①財物が他人の占有に所属していること、および、②その占有を排除して財物を自己または第三者の占有に移すことを認識すること)に加えて、「不法領得の意思」があります。
不法領得の意思とは、権利者を排除し他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従いこれを利用もしくは処分する意思のことをいいます。
◇窃取◇
窃取とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいいます。
窃盗罪は、財物につき他人の占有を侵害する現実的危険が発生したときに、実行の着手が認められ、占有を取得したときに既遂となる、と理解されています。
窃盗の既遂時期は?
それでは、万引きの場合、いつ窃盗罪が成立するのでしょうか。
窃盗罪は、占有を取得したときに既遂となりますが、占有を取得したか否かの判断においては、財物の性質、形状、財物に対するそれまでの占有状況、窃取行為の態様等を考慮されます。
窃盗罪が既遂になるためには、その相手方の占有を奪取する必要がありますが、窃盗罪には、住居侵入窃盗、置き引き、万引き、すりなどいろいろな形態があり、その形態に応じて既遂時期も異なります。
また、被害品の大きさや形状などにも影響されます。
スーパーマーケットなどで陳列されている商品を万引きする場合、例えば、犯人が身につけることができるような小型の財物については、犯人がそれを自己のポケットやカバンの中に入れたり、自己の着衣の内側に隠した段階で、これを実力支配することになるため、その時点で既遂になると考えられています。
他方、スーパーマーケットなどの店舗内の商品は、小型の財物を除けば、一般的には、店舗外に持ち出した段階に至って初めて既遂になるとされています。
例えば、スーパーマーケットでは、通常、レジを通る際に代金の支払いがなされますので、このレジを通らずに外部に商品を持って出た段階で既遂が認められるでしょう。
上の事例のような場合、店外に商品が陳列されているような店でなければ、レジを通らずに商品をマイバッグに入れたまま店の出口から出ようとした段階で、既遂となるでしょう。
ただ、Aさんは、支払いを忘れていた旨を述べています。
故意、不法領得の意思がないのであれば、窃盗罪は成立しません。
ただし、本人が「支払うつもりだったが、すっかり忘れていた。」と主張したからといって、必ずしもその主張が認められるわけではありません。
店を出るタイミングで、未精算の商品を持ってることの認識があれば、当然、それらの商品の支払をすませなければならないという認識がありますので、そうであれば窃盗の故意、不法領得の意思が認められます。
客観的にそのような認識が認められるには、例えば、マイバッグにどれだけの商品を入れていたかも認識の有無を判断する要素になるでしょう。
けっこうな量が入っていたなら、商品を持っていることの認識がないわけがないですから。
Aさんの場合、数日前にも同じような行為を目撃され店側から注意を受けているわけですから、短期間で同じ行為を繰り返したことから、そもそも支払う意思がなかったと認められる可能性はあるでしょう。
警察が検挙する犯罪のうち窃盗罪が占める割合は大きく、万引きは主な窃盗形態となっています。
バレなければ…、という気持ちから何度も犯行を重ねるうちに発覚し、刑事事件化するケースが多く見られます。
初犯であれば微罪処分で終了することもありますが、前科前歴の有無、犯行態様、被害額などによっては起訴され有罪となる可能性もありますので、軽く見ずしっかりと対応する必要があります。
万引き事件で被疑者・被告人となり対応にお困りの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずは、お気軽にお電話ください。
窃盗事件で示談成立
窃盗事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
神奈川県相模原市に住むAさんは、ある夜、自宅付近をジョギングしていたところ、ふとアパート1階のベランダに下着が干してあることに気が付きました。
干してあった女性の下着を簡単に盗ることができるのではと思い立ち、ベランダに侵入し、干してあった女性の下着を盗みました。
後日、神奈川県相模原警察署の警察官が、朝早くAさん宅を訪れ、住居侵入と窃盗の容疑でAさんを逮捕しました。
Aさんは、容疑を認めており、被害者に謝罪と被害弁償をしたいと考えています。
(フィクションです)
窃盗罪は、「他人の財物を、不法領得の意思をもって、窃取した」場合に成立する財産犯です。
窃盗罪とは、個人の財産を保護法益とする犯罪であり、被害者との示談の成否は、身体拘束からの解放や、終局処分において大きく影響します。
「示談」というのは、加害者が被害者に対して損害賠償金(示談金)を支払う一方、被害者が被害届を提出しない、あるいは、被害届を取り下げるなどし、当事者間で事件は解決したと約束することです。
被疑者段階で被害者との間で示談を成立させることができれば、前科・前歴がある場合であっても、不起訴となる可能性を高めることができます。
また、逮捕・勾留されている場合であっても、早期に示談を成立させることができれば、勾留期間の満期を待たずに釈放するよう働きかける材料にもなります。
このような理由からも、窃盗事件では、容疑を否認している場合を除いては、被害者との示談を成立させることが非常に重要なのです。
窃盗事件において示談が重要であることはお分かりいただいたと思いますが、加害者が直接被害者と示談交渉を行うことはあまりできません。
まず、被害者の連絡先を入手することがそう簡単ではない場合が多いことがその理由です。
被害者とコンタクトをとり、被害届の取り下げを求めるなどして、事件を無理やりなかったことにしようとするのではないかと疑い、捜査機関が加害者に被害者の連絡先を教えないことが多く、仮に捜査機関から被害者に示談の打診があった旨が伝えられても、加害者と直接連絡を取りたがらない被害者も少なくないため、加害者が被害者と連絡をとることすらできない状況が生じてしまいます。
しかし、弁護士を介して交渉を行う場合には、被害者の連絡先は弁護士限りとなりますので、被害者も安心して交渉に応じてくれるケースが多くなっています。
次に、当事者間での交渉は、感情的なものとなり、示談金を非常に高く要求されたりして、交渉がうまく進まないことが多いことも当事者間の交渉をおすすめしない理由です。
被害者に経済的・精神的損失を与えたことに対して、加害者が真摯に謝罪し、相当の示談金を支払うことは、示談の大前提です。
しかし、相当額を超えた法外な金額を要求されることもあり、相場についてお互い知らないままだと、相手の言い値でまかり通ってしまうことも少なくありません。
示談金の金額は、事件によっても異なります。
例えば、被害品が還付されているか、還付されていたとしても実質的に無価値になっているかどうか、といった状況にもよります。
被害品が還付されており、窃盗そのものによる経済的損失がない場合であっても、迷惑料として相当額を示談金として支払うこともあります。
一方、被害品が還付されていなかったり、食料品などは戻ってきても売り物にはなりませんから、そのような場合は実質的に無価値になったといえるため、被害金相当額に加えて迷惑料を相手方に支払うことになるでしょう。
また、下着泥棒や空き巣などの侵入盗事犯では、被害者の財物だけでなく、彼らの私生活を脅かしたということから、通常よりも高額の迷惑料を求められることがあります。
例えば、自宅に侵入されたことがショックで、被害者が引越しを余儀なくされた場合には、この引っ越しにかかった費用も示談金に含めるよう求められるケースがあります。
どの範囲で応じることができるかということも、示談交渉において重要なポイントとなります。
このような点においても、弁護士を介して、冷静に話し合い、事案に適した示談金となるよう交渉していくのがよいでしょう。
最後に、加害者と被害者が直接示談を成立させた場合、口約束だけで終わったり、示談書の内容に不備があり、後々民事で訴えられかねない内容のものとなったりする可能性があることからも、当事者間での示談交渉はお勧めしません。
法律の専門家である弁護士であれば、適切な内容の書面を作成し、後々の紛争を回避することができるでしょう。
示談が成立した場合には、不起訴となる可能性、起訴された場合であっても、執行猶予となる可能性を高めることができます。
示談成立を目指し、早期に弁護士に相談し、示談交渉に着手するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
窃盗事件で被疑者となり対応のお悩みの方、ご家族が窃盗事件で逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
少年のひったくり事件
少年のひったくり事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aくん(16歳)は、東京都町田市の路上で、仲間2名と共謀して、通行中の男性に対してひったくりを行いました。
後日、警視庁町田警察署の警察官がAくん宅を訪れ、ひったくり事件の犯人としてAくんを逮捕しました。
Aくんの両親は、すぐに対応してくれる少年事件に強い弁護士を探しています。
(フィクションです)
少年のひったくり事件
荷物を持った歩行者の背後から近づき、追い抜きざまに荷物を奪い取って逃走する行為が、一般的に「ひったくり」と呼ばれるものです。
犯人は、自転車や原動機付自転車などで被害者に近づき、荷物を奪い取ると瞬時にその場から逃げ去るため、被害者も犯人を捕まえることは容易ではありません。
また、ひったくりは単独で行われるよりも、数人が共謀して行われることが多くなっています。
少年によるひったくり事件についても、仲間と共謀して行い、共犯事件として扱われることが多くなっています。
ひったくり:窃盗か強盗か
通常、ひったくりは刑法上の「窃盗罪」に該当します。
窃盗罪は、他人の財物を、不法領得の意思をもって、窃取した場合に成立します。
窃盗罪に該当するひったくりの典型例は、被害者の隙をついて、荷物だけを取った場合です。
一方、強盗罪は、暴行または脅迫を用いて、他人の財物を強取した場合、あるいは、暴行または脅迫を用いて、財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させた場合に成立する罪です。
あるひったくり行為が窃盗にあたるのか、それとも強盗にあたるのかは、当該ひったくりの状況が、相手の反抗を抑圧するに足りる暴行に至っているか否かによります。
先に述べた窃盗となる例のように、被害者の隙をついて、被害者が持っていた荷物を追い抜きざまに奪う行為は、被害者と一定の接触はありますが、被害者の抵抗を抑圧する程度の暴行を加えたとは言えないため、窃盗にとどまります。
しかし、例えば、被害者が荷物を奪われまいと抵抗したために、犯人が荷物を奪うためにさらに当該に持つを引っ張りつづけるなどの暴行を加えた場合、犯人は荷物を奪うために追加の暴行を加えているため、被害者の反抗を抑圧する程度の暴行を加えたと評価される可能性があり、窃盗ではなく強盗が成立することがあります。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金である一方、強盗罪の法定刑は、5年以上の有期懲役であり、後者のほうが重い罪となります。
成人の刑事事件では、窃盗罪として起訴され有罪となれば、罰金から懲役刑に及ぶ広い範囲の中から刑が選択されることになります。
どのような刑が科されるかは、被害額や犯行態様、常習性などによります。
少年の場合には、少年法に基づく手続きがとられるため、犯罪の軽重がそのまま処分に反映されるわけではありません。
しかし、単なる万引き事件と比べると、共犯の有無や非行の悪質性いかんによって、ひったくり事件についての処分も大きく異なります。
また、共犯がいる事件では、捜査段階から身体拘束を受ける可能性が高く、家庭裁判所に送致された後も、観護措置がとられる傾向にあります。
弁護士の活動
原則、すべての少年事件は家庭裁判所に送られます。
家庭裁判所に事件が送られると、家庭裁判所の調査官による調査を経て、審判に付されることになります。
単純な万引き事件の場合には、家庭裁判所に送致された後、審判を開始しない決定がなされることもありますが、ひったくり事件であれば、通常は、審判が行われ処分が言い渡されることになります。
審判で審理されるのは、非行事実と要保護性の2要素です。
要保護性というのは、簡単に言えば、少年の性格や環境等に照らして、将来再び非行に陥る危険性があり、保護処分によって再犯の防止ができることをいいます。
少年の場合、非行事実だけでなく、この要保護性についても審理され、処分が決められるため、重い犯罪に当たる行為をした場合でも、審判で要保護性が解消されたと判断されれば、保護観察といった処分となることもあります。
逆に言えば、比較的軽い犯罪に当たる行為をした場合であっても、要保護性が高いと判断されると、少年院送致などの処分が決定されることもあるのです。
そのため、非行事実に争いのない場合には、弁護士は要保護性の解消に向けた活動を行います。
要保護性の解消に向けた活動としては、最も重要な環境調整が挙げられます。
少年が再び非行に陥ることなく更生できるような環境を整える活動を「環境調整」といいます。
ひったくり事件においては、被害者への対応や交友関係の改善などがポイントとなるでしょう。
ひったくり事件のように被害者がいるような事件では、被害者への謝罪及び被害弁償をすることが重要です。
少年の場合では、成人の場合のように、被害が回復されたことをもって、最終的な処分結果に直接影響することにはなりませんが、被害者対応を通じて、少年が内省を深めることができれば、要保護性の解消につながるため、被害者対応は少年事件においても重要な活動と言えるでしょう。
ひったくり事件は、少年が仲間と共謀して行うことが多く、少年の交友関係が非行の一因であることが少なくありません。
そのため、弁護士は、少年との話し合いを通じて、交友関係を改善する手助けを行います。
また、交友関係だけでなく、家庭環境や学校・職場の環境が少年に与える影響も大きいため、少年の家族や所属する学校・職場とも協力して、少年を取り巻く環境の改善に努めます。
このような活動は、少年事件に精通した弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
窃盗事件を起こしお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
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窃盗事件で自首
窃盗事件での自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
東京都江戸川区の飲食店でアルバイトをしている大学生のAさん(21歳)は、勤務先の控室で、誰かのカバンが置きっぱなしになっていることに気が付きました。
魔が差したAさんは、そのカバンに入っていた財布から現金1万円を抜き取りました。
後日、Aさんが店にやって来たときに、アルバイトのVさんの財布から現金がなくなっていたということを店長から聞かされました。
Vさんは、店長に相談し、警視庁葛西警察署に窃盗事件の被害届を出しに行こうかと話しているということです。
Aさんは、自分のしてしまった事を猛省しており、Vさんにも被害弁償をしたいと思っていますが、今すぐ正直に名乗り出るべきか、警察署に自首するべきか、どうしたらいいのか分からず、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
窃盗事件を起こしたら
他人のものを勝手に自分のものにする行為は犯罪です。
これは誰もが分かっていることですね。
しかし、窃盗事件では、「よし!盗んでやるぞ!」と計画的に盗みを犯すケースばかりではなく、Aさんのように、つい魔が差して人の物を盗んでしまうケースも少なくありません。
前々から盗みを企んでいた場合であっても、とっさに盗みを働こうと思い立った場合でも、他人の財物を不法領得の意思に基づいて窃取したのであれば、窃盗罪が成立することになります。
それでは、窃盗事件を起こしてしまったら、一体どうすればよいのでしょう。
Aさんの場合を考えてみましょう。
(1)被害届が提出される前
被害者であるVさんは、今のところは警察に被害届を提出していないようです。
つまり、警察は未だ窃盗事件として捜査を開始していないということです。
警察が捜査に乗り出す前の段階で、窃盗事件を解決するのであれば、被害者との示談を成立させることが重要となります。
この場合、被害者であるVさんが警察に被害届を出す前に、Aさんが正直に自分が犯人であることを打ち明け、Vさんへの謝罪および被害弁償を行います。
Vさんへの謝罪と被害弁償を行い、それを受けて、VさんがAさんに対する処罰を望まず、被害届を提出しないことを約束してもらえれば、窃盗事件は当事者間で解決したことになり、刑事事件として警察などの捜査機関に捜査されることはないでしょう。
しかしながら、被害者との示談交渉を行う場合、当事者間で行うのはリスクが伴います。
当事者間で示談交渉を行う場合、感情的になって交渉が難航する、高額な被害弁償を要求される、謝罪と被害弁償はしたけど書面にはしていない、などといった可能性があります。
ですので、法律の専門家である弁護士を介して、冷静な態度で交渉を行い、当事者両方が納得する金額で、後々問題が発生するおそれがないような合意書を作成する必要があるでしょう。
(2)被害届が提出された後
警察がVさんの被害届を受理すると、窃盗事件の捜査が開始されます。
警察は、捜査から収集した様々な証拠から犯人を割り出すでしょう。
Aさんが特定されるのも時間の問題かもしれません。
Aさんのように罪を認め、反省し、被害者への被害弁償を考えている場合であれば、被害届が出された後の段階においては、「自首」をするのも一つの方法として挙げられます。
「自首」というのは、法律上、犯人が捜査機関に対し、自発的に自己の犯罪事実を申告して、訴追を求めることをいいます。
法律上の「自首」が成立するためには、次の要件を充たす必要があります。
①捜査機関への発覚前
自首が成立するためには、捜査機関、つまり、検察官または司法警察職員が、犯罪事実や犯人を認知・特定するまでの段階に行われなければなりません。
②自己の犯罪事実の申告
自分の犯罪事実についての申告でなければならず、申告した犯罪事実の一部に虚偽がある場合、例えば、単独犯であると虚偽申告をして共犯者を隠避した場合や、刑責を軽減するために、軽い罪の犯罪事実として虚偽の申告をした場合は、自首の成立が否定されます。
③自発性
犯罪事実の申告は、自発的でなければなりません。
捜査機関の取り調べに対する自白は、自発的とは言えず、自首にはあたりません。
④自己の訴追を含む処分を求める
自己の犯罪事実の申告には、自己の訴追を含む処分を求める趣旨が明示的・黙示的に含まれている必要があります。
申告内容が、犯罪事実の一部を隠すためのものである場合や、自己の責任を否定するようなものである場合には、自首は成立しません。
自首が成立した場合の効果は、刑の任意的減軽です。
犯行態様、社会的影響、前科の有無、犯行から自首までの経過年数、反省の有無などを考慮して、減軽するか否かが決められます。
また、自首することで、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないと判断され、逮捕・勾留といった身体拘束を伴う強制処分を受けない可能性もあります。
自首をした場合、その後は、被疑者として捜査の対象となり、取り調べを受けることになります。
しかし、刑事事件の流れやどのように取り調べに対応すべきかといったことについての知識を十分に持っていらっしゃる方は、そう多くありませんので、自首する前に、刑事事件に強い弁護士に相談し、自首した場合どのような流れになるのか、取り調べではどのような受け答えをすべきか、どういった点に注意すべきかを事前に知っていると、安心して自首することができるのではないでしょうか。
自首を検討されている場合には、事前に弁護士に相談し、自首に関するアドバイスを受けるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
窃盗事件を含め刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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窃盗事件で間接正犯
間接正犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
小学生のB(10歳)は、実の母親と母親の交際相手であるAと福岡県春日市で一緒に生活していました。
Aは、Bに対して直接暴力を振るうことはありませんでしたが、その粗暴な言動からBはAに対して日頃から恐怖心を抱いていました。
ある日、AとBとで出かけた際に、Bは、Aから、市内のコンビニでギフトカードをポケットに入れて取ってくるよう命じられました。
Bは、Aからの命令に背くことができず、嫌々ながら言われた通りにギフトカードを万引きしました。
後日、福岡県春日警察署の警察官が自宅にやってきて、コンビニでの万引きの件でBに話が聞きたいと言われ、Bは警察署に母親と一緒に行くことになりました。
Bは、「Aに言われたからやった。Aは怖い人だから断れなかった。」と言っており、警察はAについても話を聞くことにしました。
(フィクションです)
間接正犯とは
窃盗罪というのは、他人の財物を窃取するという犯罪です。
窃盗罪の基本的構成要件に該当する行為である「他人の財物を窃取する」という行為を自ら行う者を「正犯」と呼びます。
これに対して、複数人で共同して犯罪を実現する場合を「共犯」といいます。
正犯には、単独正犯と共同正犯とがあり、前者には行為者みずから手を下す直接正犯と他の人間を利用して犯罪を実行する間接正犯とがあります。
ここでは、上の事例で問題となっている「間接正犯」について説明します。
「間接正犯」というのは、他人を道具として利用することによって、犯罪を実現する場合のことをいいます。
一般に、間接正犯が認められるのは、①事情を知らない者を利用する場合、②幼児や重度の精神病者など是非弁識能力のない者を利用する場合、③他人を強制して犯罪を行わせる場合、などです。
14歳未満の刑事未成年者を利用する場合について、判例は、画一的な判断をせず、背後者の強制の有無や程度、刑事未成年者の意思抑圧の有無や程度などを実質的に考慮して判断しています。
(a)間接正犯を成立させた事例
被告人は、12歳の養女に対し、日頃から被告人の言動に逆らう素振りを見せるたび、顔面にたばこの火を押し付けたり、ドライバーで顔をこすったりするなどの暴行を加えており、自己の意のままに従わせていました。
この養女に窃盗を命じてこれを行わせ事案について、最高裁は、被告人が自己の日頃の言動に畏怖し意思を抑圧されている養女を利用して窃盗を行ったと認め、たとえ養女が是非善悪の判断能力を持っているとしても、被告人については窃盗の間接正犯が成立するとの判断を示しました。(最決昭58年9月21日)
窃盗を行った者が12歳であり刑事未成年者のため本人に対しては窃盗罪は成立しません。
刑事未成年者を利用する場合、一律で間接正犯を認めるのではなく、行為者の年齢を考慮し是非弁識能力の有無が検討されますが、当該能力が認められる場合であっても、背後者による強制があり、行為者の意思が抑圧されていると認められるのであれば、間接正犯が成立するものと判断されます。
(b)間接正犯の成立を否定した事例
被告人が生活費欲しさから強盗を計画し、12歳10か月の長男に指示命令して強盗を実行させた事案において、長男には当時是非分別能力があり、被告人の指示命令は長男の意思を抑圧するに足りる程度のものではなく、長男は自らの意思によってその実行を決意した上、臨機応変に対処して強盗を完遂し、長男が奪ってきた金品をすべて被告人が領得したなど判示の事実関係の下では、被告人につき強盗の間接正犯または教唆犯ではなく共同正犯が成立する、との判断を示したものがあります。(最決平13・10・25)
本件では、被利用者には是非弁識能力があること、意思の抑圧の程度が弱い、指示命令されたこと以外の行為も自分自身の意思で決して実行していることから、他人を道具として利用することによって犯罪を実現したものであるとは言えないとするものです。
以上を踏まえると、上の事例においても、例えBがある程度の是非善悪の判断能力を有していたとしても、Aには、A自身の言動に畏怖し意思を抑圧されている10歳の少年Bを利用して自分の犯罪行為をおこなったものとして、窃盗の間接正犯が成立すると認められる可能性があります。
このように、自分自身が直接犯罪行為を行っていない場合であっても、間接正犯として罪責を負う場合があります。
間接正犯は正犯として扱われます。
間接正犯が成立するか否かは、事案にもよりますので、一度刑事事件に強い弁護士にご相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が窃盗事件に関与していると疑われてお困りであれば、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずは、お気軽にお電話ください。