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窃盗事件で保釈

2020-08-20

窃盗事件で保釈が認められる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

大阪府岸和田市の工事現場から、電気ケーブルや金属資材などを盗んだとして、大阪府岸和田警察署は、窃盗などの容疑で県外に住むAさんとBさんを逮捕しました。
Aさん及びBさんは容疑を認めていますが、勾留ののち勾留延長となり、Aさんは精神的に参っています。
Aさんの妻は、どうにか釈放される方法はないものかと刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

逮捕された後の身柄解放

あなたが、窃盗事件を起こして逮捕されたとしましょう。
逮捕されると、あなたの身柄は警察署に移され、警察署において取調官から取調べを受けます。
逮捕から48時間以内に、警察はあなたを釈放し不拘束のまま捜査を続けるか、検察庁にあなたの身柄とともに証拠や関係書類を送致します。
警察から検察庁に身柄が送致されると、今度は検察官から取り調べを受けることになります。
そして、検察官があなたの身柄を受けてから24時間以内に、あなたを釈放するか、それとも、裁判官に対して勾留を請求するかを決めます。
検察官が勾留請求をした場合、あなたの身柄は裁判所に移され、裁判官との面談を行います。
裁判官は、あなたを勾留すべきか否かを判断します。
裁判官が勾留を決定した場合、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、勾留延長が認められれば最大で20日間の身体拘束を強いられることになります。
逮捕から勾留までの期間は、最大で3日と短く、逮捕後すぐに弁護士に依頼し、勾留を回避するための身柄解放活動に着手してもらう必要があります。
また、勾留が決定した後であっても、勾留決定に対する準抗告が認められれば、先の勾留決定が取り消され、釈放となります。

少額の万引きの窃盗事件であれば、逮捕から勾留までの間に釈放となる可能性はあるでしょう。
しかし、共犯者がいたり、被害額が大きく、余罪が疑われている場合には、勾留に付される可能性は高いでしょう。

勾留を回避することが難しい事件であっても、起訴後に保釈制度を利用して釈放となる可能性があります。

保釈制度について

保釈」とは、一定額の保釈保証金の納付を条件として、被告人に対する勾留の執行を停止して、その身柄拘束を解く裁判とその執行のことをいいます。
保釈制度は、起訴され、被告人となった時から利用することができます。

保釈には、次の3つの種類があります。

(1)権利保釈
裁判所は、保釈の請求があったときには、原則として保釈を許さなければなりません。
しかし、例外として、権利保釈の除外事由がある場合には、請求を却下することができます。
除外事由は、以下の6つです。
①被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
②被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
③被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。

(2)裁量保釈
裁判所は、権利保釈の除外事由がある場合であっても、適当と認めるときには、職権で保釈を許すことができます。

(3)義務的保釈
裁判所は、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求により又は職権で、保釈を許さなければなりません。

このように、権利保釈の除外事由がある場合でも、職権で保釈を認めてもらえることがありますので、起訴後は保釈制度を利用して釈放されるよう動きます。

Aさんの場合、窃盗で起訴されているとすれば、窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と定められていますので、権利保釈の除外事由①に該当するため権利保釈は認められないでしょう。
もっとも、そのような場合でも、家族などの身元引受人がおり、弁護士を介しての被害弁償や示談が進んでいることや、被告人の身体拘束が長期化することで被る不利益の大きさなどを考慮してもらい、職権での保釈が認められる可能性はあります。

刑事事件における身柄解放活動は、刑事事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件をはじめとした刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
身柄解放でお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

会計前の商品食べて窃盗罪?

2020-08-13

会計前商品を食べて窃盗罪に問われる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、大阪府大阪市阿倍野区にあるスーパーマーケットで、会計前の商品を店内で食べ、レジでは空の容器をレジに出して、「先に食べてしまったのですが、代金は払います。」と言って会計を済ませました。
Aさんは、一連の様子を撮影しており、動画をインターネットの動画配信サイトに投稿しました。
スーパーマーケットの店長は、従業員から動画について報告を受け、大阪府阿倍野警察署に相談することにしました。
後日、阿倍野警察署は、Aさんを窃盗の容疑で逮捕しました。
Aさんは、「後でちゃんと代金は払っている。」と容疑を否認しているようです。
(実際の事件を基にしたフィクションです。)

会計前の商品を食べたら?

先月、YouTuberが会計前の刺身を食べる動画をYouTubeに投稿した結果、窃盗の容疑で逮捕されたという事件がありました。
このYouTuberは、刺身を食べた後に会計を済ませていたのですが、「窃盗」の疑いで逮捕されています。
このように、後で商品の代金を支払っていても、犯罪にはなり得るのです。

まずは、窃盗罪が成立する場合についてみていきましょう。

窃盗罪とは

刑法第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

◇客体◇

窃盗罪の対象は、「他人の財物」です。
「他人の財物」とは、他人が占有する他人所有の財物のことです。
ここでいう「占有」というのは、物に対する事実上の支配をいいます。
自己の所有物でも、他人の支配下に入っているものや公務所の命によって他人が看守しているものは、他人の財物とみなされます。

◇行為◇

窃盗罪の実行行為は、「窃取」する。
「窃取」とは、他人の占有する物を、不法に領得する意思で、その他人の意思に反して占有を排除し、自己又は第三者の占有に移すことをいいます。
店の中にある商品は、通常店主の占有下にあります。

◇不法領得の意思◇

窃盗罪が成立するためには、財物の窃取が不法領得の意思をもって行われなければなりません。
これは、罪とならない使用窃盗と区別するため、及び毀棄・隠匿と区別するためです。
「不法領得の意思」というのは、権利者を排除して他人の物を自分の所有物を同様にその経済的用法に従って利用又は処分する意思のことをいいます。

以上、窃盗罪は、「他人の財物」を「不法領得の意思をもって」「窃取」することで成立します。

さて、本題に戻りますが、会計前に店の商品を食べた場合、たとえその後に会計を済ませたとしても、犯罪(窃盗罪)が成立するのでしょうか。

Aさんは、スーパーマーケットの商品を会計前に食べました。
通常、会計を済ませることで、商品の占有は客に移転し、客の占有する財物となります。
この商品については、会計前の商品ですので、スーパーマーケットの店主の占有する財物となります。
その他人の財物を、店主の許可を得ず勝手に店内で処分(=商品を開封し食べた)したことにより、窃盗罪が成立するものと考えられます。

後で会計をしたとしても、商品を開封した時点で実行行為に着手したと言え、遅くとも商品を食べた時点で犯罪は成立しています。

今回の事件における弁護活動は、主に、①被害者との示談交渉、及び②身柄解放活動となります。

①示談交渉

被害者がいる事件では、被害者との示談が最終的な処分に大きく影響します。
通常、被害者との示談交渉は、弁護士を介して行います。
当事者間での交渉は、感情的になりやすく交渉が難航する傾向にあります。
そのため、弁護士は、相手方と冷静に交渉し、お互いが納得できる内容での示談を成立させることが期待されます。

②身柄解放活動

逮捕後、勾留されると、逮捕から約13日間身柄が拘束されることとなります。
勾留が延長されると最大で23日間です。
長期間の身体拘束により、解雇や退学といった可能性が高まり、身柄拘束された方にとって大きな不利益が生じることとなります。
そのような事態を回避するために、逮捕後すぐに身柄解放活動に着手し、早期釈放を目指す必要があります。
弁護士は、検察官や裁判官・裁判所に対して勾留阻止に向けた活動を行います。

このような活動は、刑事事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とした法律事務所です。
ご家族が窃盗事件で逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

少年の万引き事件

2020-08-06

少年万引き事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

千葉県八千代市のドラッグストアで化粧品など4点を万引きしたとして、市内に住む高校1年のAさんは店の警備員に身柄を確保されました。
店からの連絡を受けて駆け付けた千葉県八千代警察署の警察官は、Aさんを警察署へ連れて行き、取調べを行いました。
その日の夜に、警察から連絡を受けて警察署に出向いたAさんの母親は、警察官からAさんは他の店でも万引きをしており、被害店からは被害届も出ていることを聞かされました。
Aさんは釈放されましたが、今後も警察での取調べは続くと言われ、Aさんも母親も、今後どのような処分が言い渡されるのか、学校にも連絡が行くのか心配しています。
(フィクションです)

少年の万引き事件

警察庁によれば、警察に検挙された非行少年で刑法犯のうち、窃盗犯の占める割合が半数を超えています。
また、非行の動機や手口が比較的単純で、初期的段階の非行といわれる万引き、オートバイ盗、自転車盗、そして占有離脱物横領のうち、万引きが半数を占めています。
「ちょっと盗るだけだし、バレないだろう。」、「万引きは大したことない。」などと、少年万引き行為自体を軽く捉えている傾向がありますが、もちろん万引きは犯罪ですので、発覚すれば店員や警備員に身柄を確保されますし、その後は被疑者として捜査機関による取調べを受けることになります。

事後強盗に当たるような万引き事件ではない場合、逮捕後に警察署での取調べを受けた後に釈放となることが多く、逮捕に引き続き勾留される可能性はそう高くはありません。
釈放されたことで、事件が終了したかのように誤解されることもありますが、身体拘束を伴わずに捜査が進められるのであって、以前として被疑者としての身分であることは言うまでもありません。
捜査機関での取調べが終了すると、事件は家庭裁判所に送られます。
捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合であっても、家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
少年事件では、成人の刑事事件における起訴猶予や微罪処分のように捜査機関限りで事件を終了させるようなことは認められていません。
これを「全件送致主義」と呼びます。
ただし、一定の極めて軽微な少年の被疑事件については、通常の手続よりも簡易な手続によって家庭裁判所に送致する方法がとられています。
この簡易な手続のことを「簡易送致」と呼びますが、対象となる事件は、各家庭裁判所とそれぞれに対応する地方検察庁、警察本部との協議によって基準が決められています。
ごく少額の万引きや自転車の優先離脱物横領などは、典型的な簡易送致の対象事件です。
初犯であり、かつ、万引き額が少額であれば、簡易送致で処理される可能性がありますが、何件も窃盗事件として挙がっている場合には、通常の送致がとられるでしょう。

家庭裁判所に送致されると、調査官による調査が行われ、審判を開始するか否かが判断され、審判開始決定がなされた場合には審判に付されることになります。
調査官は、少年に関する社会調査を行い、審判の審理対象である要保護性の判断の基礎となる資料を収集し、少年の処遇についても意見を述べることができます。
調査官による調査には、少年少年の保護者を家庭裁判所に呼び面接を行ったり、心理テストを行うなどの方法により行われます。
また、関係機関に照会することもあり、少年が在籍している学校に対して行う場合もあります。
学校が事件について把握していない場合、調査官による学校照会で事件が発覚してしまうおそれがあり、事件が学校に知られると退学のおそれがあるなど少年の更生に不利に働く可能性があると考えられる際には、調査官と協議の上、学校照会を回避する必要があるでしょう。

先にも述べたように、審判での審理対象は、非行事実および要保護性です。
非行事実は、刑事裁判における公訴事実に当たるものです。
非行事実を認める場合には、要保護性が解消されていると判断されることを目指します。
要保護性とは、多義的に用いられることがありますが、一般的には、少年が将来再び非行に至る可能性のことをいいます。
少年事件では、非行事実が軽微であっても、要保護性が高い場合には、少年院送致などの重い処分となる可能性があります。
そのため、この要保護性の解消に向けた活動が非常に重要な弁護活動となるのです。
万引き事件における要保護性の解消に向けた活動の一つとして、被害者への対応があげられます。
万引き行為によって被害店は損害を被っているのですから、謝罪の上、被害弁償を行う必要があります。
弁護士は、少年の代理人として、被害者への被害弁償を円滑に行えるようサポートします。
また、要保護性解消には、少年自身への働きかけも重要です。
具体的には、少年が事件についての内省を深め、被害者に対する謝罪の気持ちを持てるようにしたり、事件の背景にある様々な問題に向き合い、それにどのように対応するのかを見つけ出せるよう支援します。
少年自身が、自身の行った行為を反省し、その原因および対処法を見いだせていることは、少年の再非行のおそれを低下させ、ひいては要保護性の解消に繋がるでしょう。

このような活動は、少年事件に精通した弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が万引き事件を起こし対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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万引きで現行犯逮捕

2020-07-30

万引き現行犯逮捕となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

埼玉県草加市にあるコンビニで商品3点を持っていたカバンの中に入れ、会計を済ませずに店を出ようとしたAさんでしたが、店を出たところでコンビニの店長に声を掛けられました。
「カバン中の商品のお支払いはまだですよね?」と言われたAさんは、逃げることなく万引きの事実を認めました。
コンビニの通報を受けて駆け付けた埼玉県草加警察署の警察官は、Aさんと店長に事情を聴いた上で、Aさんを埼玉県草加警察署に連行しました。
その後、草加警察署は、Aさんの家族に連絡を入れ、Aさんが万引きをし窃盗で逮捕されたこと、そして身元引受人として警察署に来てほしいと言われました。
(フィクションです)

万引きで逮捕される場合

「逮捕」というのは、被疑者に対して最初に行われる強制的な身柄拘束処分です。
法に定められた短期間の留置を伴います。
この逮捕の種類としては、①通常逮捕、②現行犯逮捕(準現行犯逮捕を含む。)、③緊急逮捕の3つがあります。
万引き事件については、②現行犯逮捕となるケースが多いです。

現行犯逮捕とは

現行犯逮捕」とは、現行犯人に対してなされる無令状の逮捕をいいます。
誰でも、逮捕状なく現行犯人を逮捕することができます。

ここでいう「現行犯人」というのは、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者」のことです。
「現に罪を行い」とは、逮捕者の面前で犯罪の実行行為を行いつつある場合をいいます。
「現に罪を行い終った」とは、犯罪の実行行為を終了した直後をいいます。
これには、未遂に終わった場合も含まれます。
時間的接着性だけではなく、場所的接着性も考慮して、犯罪が行われた直後であるという状況が現存しているかどうかで判断されます。

加えて、以下にあたる者が、罪を行い終ってから間がないと明らかに認められるときは、「現行犯人」とみなされます。
(a)犯人として追呼されているとき。
(b)贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。
(c)身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。
(d)誰何されて逃走しようとするとき。
この現行犯人とみなされる者を「準現行犯人」といいます。
準現行犯人は、現行犯人そのものではないけれども、罪を行い終って間がない犯人であることの明白性が価値的に現行犯と同視できるために現行犯とみなされるのです。

捜査機関以外の私人も、現行犯人(準現行犯人を含む。)を逮捕することができます。
ただし、身柄拘束はその必要性がある場合に認められるべきであり、通常逮捕の場合と同じように逮捕の必要性も考えられるべきとされます。

万引き事件では、店員や警備員が店内を巡回している際に、万引き犯が万引き行為を実行している様子を確認していることが多く、万引き犯が現行犯人に該当するケースが多々あります。
そのような場合には、店員や警備員が万引き犯の身柄を確保する、若しくは通報を受けて駆け付けた警察官が身柄を確保することになります。

一方、現行犯逮捕ではなく後日通常逮捕となることもあります。
万引き行為を実行した時には、店員や警備員に気づかれなかったものの、防犯カメラに犯行の様子が映っている場合には、身元を特定され捜査機関に逮捕される可能性も十分あります。

逮捕されたら

万引き事件で逮捕された後の流れは、他の刑事事件と同じです。
逮捕後には、捜査機関の取調べが行われ、被疑者には弁解の機会が与えられ、弁解録取が作成されます。
弁解の聴取や捜査の結果、身柄拘束を継続して行う必要がないと思われる場合には、被疑者はただちに釈放されます。
しかし、身柄拘束を継続する必要があると判断する場合には、被疑者が現実に身体を拘束された時点から48時間以内に、書類や証拠物と共に被疑者の身柄を検察官に送致します。
被疑者の身柄を受けた検察官は、事件の送致を受けてから24時間以内に、被疑者に弁解の機会を与えた上で、公訴を提起するか、裁判官に勾留請求をしなければなりません。
そのような必要がないと判断する場合には、被疑者を釈放します。
検察官の勾留請求を受けた裁判官は、被疑者と面談を行い、当該被疑者を勾留すべきか否かを判断します。
勾留請求が却下されると、被疑者は直ちに釈放されますが、勾留が決定されると、検察官が勾留請求した日から原則10日間、延長が認められれば最大で20日間の身柄拘束となります。

そのような長期間の身柄拘束となれば、被疑者は学校や会社に行くことができませんので、退学や解雇といった処分を受ける可能性が高まるでしょう。
最悪の事態を回避するためにも、ご家族が逮捕されたら早急に弁護士に相談し、身柄解放活動に着手することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件を含めた刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
ご家族が逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

窃盗と不法領得の意思

2020-07-23

窃盗不法領得の意思について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

神奈川県秦野市に住む知人男性の自宅に侵入し、スマートフォンなど5点を盗んだとして、神奈川県秦野警察署は、市内に住むAさんを逮捕しました。
Aさんは、盗品をインターネット上に出品しており、これを見た被害男性が盗まれた物かもしれないと思い警察に通報したことにより事件が発覚しました。
Aさんは、「嫌がらせ目的で盗んだ。その後、1か月ほど家に置いておいたが、処分に困ってネットで売ろうとした。」と供述しています。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)

窃盗が成立する場合とは

刑法は、その235条で窃盗罪について、次のように規定しています。

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

窃盗罪の構成要件(犯罪が成立するための原則的要件)は、
①他人の財物を
②不法領得の意思をもって
③窃取したこと
です。

◇客体:他人の財物◇

他人の占有する他人の財物が、窃盗罪の客体となります。
「財物」には、有体物や、有体物でなくとも、電気といった物理的に管理可能なものも含まれます。
「占有」とは、人が財産を事実上支配し、管理する状態をいいます。

◇行為:窃取◇

窃盗罪の行為は、「窃取」です。
「窃取」は、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことを意味します。(大判大4・3・18)
この点、他人の飼養する鳥をかごから逃がす行為は、鳥に対する他人の占有を侵害してはいるものの、自己又は第三者の占有に移転していないことから、器物損害には該当するものの窃盗には該当ないことになります。

◇結果◇

財物の他人の占有を排除して、自己又は第三者の占有に移したことで、占有取得し、窃盗は既遂(犯罪が完成した)となります。

◇主観的要件:故意と不法領得の意思◇

窃盗罪の故意は、①財物が他人の占有に属していること、および、②その占有を排除して財物を自己または第三者の占有に移すことを認識・認容していることです。
故意は、次の「不法領得の意思」とは別の要件です。
目的物を遺失物と誤認していた場合には、窃盗の故意を書き、遺失物横領の限度でしか認められません。(東京高判昭35・7・15)
また、目的物を自己の所有物と誤認していたが、他人が占有していることを認識・認容していれば、窃盗の故意は認められます。

不法領得の意思」は、条文にはありませんが、判例上認められる要件です。
不法領得の意思とは、「権利者を排除し、他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い、これを利用し又は処分する意思」です。(最判昭26・7・13)
この不法領得の意思は、窃盗と一時使用行為や毀棄隠匿とを区別する上で重要です。
他人の所有する物を勝手に持ち去る行為は、窃盗の「窃取」に該当する他、持ち去って物を使用できなくさせている点で、事実上、その効用を害していることから、器物損壊の「損壊」にも該当することになります。
そこで、他人の所有する物を勝手に持ち去った場合に、窃盗と器物損壊のいずれが成立するかが問題となります。
この点、窃盗と器物損壊とを区別する要素となるのが、不法領得の意思です。
不法領得の意思は、「権利者を排除し、他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い、これを利用し又は処分する意思」ですので、持ち去った物を経済的用法に従って利用、処分する意思があるか否かが、窃盗と器物損壊いずれが成立するのかを検討する上で重要となります。
経済的用法に従って利用・処分する意思は、経済的に利益を受ける意思や、その物の用途にかなった使用をする意思、財物から生じる何らかの効用を受ける意思を含みます。

Aさんのように「嫌がらせ目的」で他人の財物を持ち去った場合、行為時には当該財物を経済的用法に従って利用、処分する意思を欠いているため、不法領得の意思が認められないように思われます。
しかしながら、Aさんは、一定期間持ち去った他人の物を自宅に保管していましたが、その後、ネットで販売しています。
つまり、犯行時には、不法領得の意思がなかったものの、その後にその意思が生じ処分行為に及んだ場合には、窃盗が成立するのか、という問題が生じます。
理論上、犯行時には「嫌がらせ目的」であったのであれば、不法領得の意思が認められず、窃盗罪は成立しない、ということになります。
ただし、持ち去った物の本来の効用を害することにはなりますので、器物損壊罪は成立することになります。
また、持ち去った他人の財物を処分しているため、占有の離れた他人の物を横領したと言え、遺失物等横領罪も成立すると考えられます。

しかしながら、上の事例について、理論上は行為時に不法領得の意思が認められず、窃盗罪が成立しないことになりますが、単に「嫌がらせのつもりでとりました。」と言うだけでは、認めてもらえないこともあります。
捜査機関は、取調べにおいて、「どうゆうつもりでとったの?」と繰り返し聞いてくるでしょう。

窃盗罪の成立を争いたいとお考えであれば、早期に刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。

ご家族が侵入盗で逮捕されてお困りの方は、今すぐ刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件・少年事件専門の弁護士が、留置先に赴き、逮捕された方との接見を行います。
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盗んだ物が盗品であった場合

2020-07-16

盗んだ物盗品であった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

東京都町田市の路上に駐車してあったバイクが目に留まったAさんは、かねてより欲しかったこともあり、バイクに近寄ってまじまじと見ていたところ、キーが付いたままであったことから、そのまま乗って自宅まで帰りました。
ある日、警視庁青梅警察署がAさん宅を訪れ、バイクの件で任意出頭してほしいと言われました。
問題のバイクは、東京都青梅市で盗難の被害にあったそうですが、Aさんが発見したのは町田市でした。
どうやら、Aさんが盗んだバイクは盗品だったようです。
Aさんは、盗んだ物盗品の場合にも窃盗罪が成立するのか、刑事事件に強い弁護士に相談しています。
(フィクションです)

盗んだ物が盗品であった場合は何罪が成立する?

まずは、窃盗罪がどのような場合に成立する罪であるのかについて見ていきましょう。

窃盗罪とは

窃盗罪は、①他人の財物を、②不法領得の意思をもって、③窃取した、場合に成立します。

①他人の財物
窃盗罪の客体は、他人の占有する他人の財物です。
自分の物であっても、他人の占有に属していたり、公務所の命令によって他人が看守しているものは、他人の財物とみなされます。
他人の「占有」するとは、人が財物を事実上支配し、管理する状態を意味します。
「占有」は、占有の事実および占有の意思から成り、占有者が財物を事実上支配している状態であり、かつ、財物を事実上支配する意欲や意思がある場合に、認められます。

②不法領得の意思
条文には記載されていませんが、判例は「不法領得の意思」を窃盗罪の構成要件要素としています。
窃盗罪の主観的要件として、①財物が他人の占有に属していること、および、②その占有を排除して財物を自己または第三者の占有に移すことを認識していること(=故意)に加えて、不法領得の意思も必要とされます。
不法領得の意思とは、権利者を排除し、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従いこれを利用もしくは処分する意思をいいます。
不法領得の意思は、一時使用や毀棄・隠匿目的の場合とを区別する上で重要な要素となります。

③窃取
「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいいます。

それでは、盗んだ物盗品であった場合、どのような罪が成立するのでしょうか。
以下、被害者が盗品を取り戻す場合と、第三者が盗品を盗む場合とに分けて説明します。

1.被害者が盗品を取り戻す場合

窃盗の被害者が、盗まれた物をすぐに取り戻す場合には、未だ問題の財物の占有が被害者にあり、犯人側に移っているとは言えないため、取り戻した財物は犯人の財物とはならず、窃盗罪は成立しません。
先述したように、占有は、占有の事実と占有の意思で構成されているため、占有の有無については、占有の事実および占有の意思を総合して判断されます。
判断の際に考慮される要素は、①財物自体の特性、②占有者の支配の意思の強弱、③距離などにより客観的、物理的な支配関係の強弱などです。

一方、財物の占有が完全に移転してしまい、犯人がその占有を平穏に獲得した後は、例え適法に取得した物でなくても、犯人の財物として扱われることになります。
過去の裁判は、物に対する事実上の支配関係が認められる限りその支配が適用と否とに拘らず窃盗罪の保護法益となるものと理解されるため、窃盗犯人から更に賍物を窃取した場合においても窃盗罪が成立するとの立場をとっています。(東京高裁判決昭和29年5月24日)

2.第三者が盗品を盗む場合

上でみたように、盗品であっても、他人(窃盗犯人)が占有する財物となるため、窃盗犯人でも被害者でもない第三者が盗品を盗む場合は、他人の占有にある財物を不法領得の意思をもって窃取したのであれば、窃盗罪が成立することになります。

このように、盗んだ物盗品であっても窃盗罪が成立する可能性があります。

窃盗事件で被疑者・被告人となってしまったのであれば、早期に刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件を含めた刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が窃盗事件を起こし逮捕された方、窃盗事件で取調べを受けている方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

情報窃盗で刑事事件

2020-07-09

情報窃盗について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

東京都港区にあるV社の顧客の個人情報のデータベースをUSBに不正にコピーして、ライバル会社のX社に売却したとして、V社元社員のAさんがV社の社長に呼び出されました。
V社は、警視庁愛宕警察署窃盗の被害届を出すと言っています。
Aさんは、自身の行為が窃盗に当たるのか不安になり、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

情報窃盗は窃盗か?

パソコンなどの電子機器から、その機器の所有者の許可を得ず、中に記録されている電子データを抜き取って持ち出す行為は、一般的に「情報窃盗」と呼ばれています。
情報を所有者の許可なく勝手に持ち出す行為は、窃盗罪に当たる可能性があります。

窃盗罪とは

刑法第235条 
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

窃盗罪の構成要件は、
(1)他人の財物を
(2)不法領得の意思をもって
(3)窃取した
ことです。

(1)他人の財物

窃盗罪の客体は、「他人の占有する他人の財物」です。

①財物の概念

「財物」とは、財産的価値のあるものであり、有体物であると解されてきました。
しかし、有体物でなくとも、物理的に管理することが可能なものも「財物」に該当すると解されるようになり、電気も「財物」に含まれます。
情報窃盗において問題となるのが、「情報」が「財物」に当たるか否かという点です。
この点について、「情報」それ自体は有体物ではないため「財物」には該当しません。
ですが、情報が他の媒体(例えば、紙やUSBなど)に化体されている場合は、情報と媒体を一体とみて、「財物」に該当するものとされます。
窃盗罪を認めた判決では、機密資料のファイルを内通者を介して入手し、これを会社に持ち帰って複写したあと、返却した事案において、情報の化体された媒体の財物性は、情報の切り離された媒体の素材についてだけでなく、情報と媒体が合体したものの全体をもって判断すべきであり、その財物としての価値は、主として媒体に化体された情報の価値によるとしています。(東京地判昭59・6・28)

②占有の概念

「占有」とは、人が財物を事実上支配し、管理する状態をいいます。
「占有」は、占有の事実と占有の意思で構成されます。
占有の事実というのは、占有者が財物を事実上支配している状態のことを指します。
物を客観的に支配している場合はもちろんのこと、物の支配を取り戻そうと思えばいつでも取り戻せる状態も含みます。
そして、占有の意思とは、財物を事実上支配する意欲または意思のことです。
この意思は、包括的・抽象的な意思で足り、財物に対する事実的支配が明確であれば、睡眠中であっても占有の意思が認められます。

(2)不法領得の意思

「不法領得の意思」は、条文にはありませんが、判例上認められた要件です。
「不法領得の意思」とは、権利者を排除し、他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い、これを利用しまたは処分する意思をいいます。

(3)窃取

窃盗罪の実行行為は、「窃取」であり、「窃取」とは、財物の占有者の意思に反して、その占有を侵害し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいいます。
窃取の意義は、占有者の意思に反して財物の占有を移転させる点にあるので、他人の飼養する鳥をかごから逃がす行為は、取りに対する他人の占有を侵害してはいるものの、自己または第三者に占有を移転してはいないので、窃盗には該当せず、器物損壊となります。
財物の他人の占有を排除して、自己または第三者の占有に移したことをもって、窃盗は既遂となります。

上の事例では、Aさんが許可なくV社の顧客の個人情報のデータベースをUSBにコピーし、ライバル会社にデータベースを売りました。
顧客の個人情報データベース(=情報)をUSBという媒体に移しているため、情報と媒体であるUSBは一体として「財物」に該当します。
Aさんは、他人(V社)の占有する顧客の個人情報データベースの情報が入ったUSB(=財物)を、ライバル会社X社に売るために(=不法領得の意思)、勝手に持ち出し(=占有の移転)、X社に渡している(=占有の移転)ため、窃盗が成立するものと考えられます。

窃盗罪は財産犯であり、被害者に損害が生じているため、窃盗事件を起こしてしまった場合には、その損害を回復することが最終的な処分結果にも大きく影響することとなります。
加害者が直接被害者に被害弁償をすることは可能ですが、逮捕・勾留されている場合や、被害者が加害者との直接のやりとりを望まない場合も多いため、一般的には弁護士を介して行われます。
また、謝罪や被害弁償を行った上で、示談に応じてもらえるよう粘り強くかつ冷静に交渉していくことも求められます。

窃盗事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

会社の金を着服:窃盗と横領

2020-07-02

会社の金着服した場合、窃盗横領のどちらが成立するかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

福岡県飯塚市にある会社で働くAさんは、会社のお金着服したとして、会社から着服した分を返還するよう求められています。
会社からは、「返還に応じない場合は、福岡県飯塚警察署に被害届を提出する。」と言われています。
Aさんは、会社から返還するよう求められている金額が着服した金額より多いことが気がかりですが、警察沙汰になることは避けたいと考えています。
Aさんは、自分の行った行為がどのような犯罪に当たるのか、今後どのような流れになるのか分からず不安になったため、刑事事件専門の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

会社の金を着服した場合~窃盗or横領~

会社のお金を勝手に自分のものにした場合、どのような罪に問われるのでしょうか。

1.業務上横領罪

業務上横領罪は、刑法253条に次のように規定されています。

業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

つまり、業務上横領罪は、
①業務上
②自己の占有する他人の物を
横領したこと
で成立する罪です。

①業務上

本罪の主体は、業務上他人の物を占有する者となります。
ここでいう「業務」というのは、委託を受けて他人の物を占有・保管する事務を反復継続して行う地位のことです。

②自己の占有する他人の物

本罪の客体は、業務と関連して保管・占有する「他人の物」です。
「占有」とは、物に対して事実上または法律上支配力を有する状態をいいます。

③横領

横領」とは、委託物につき不法領得の意思を実現するすべての行為をいうものと理解されています。(最判昭28・12・25)
不法領得の意思の内容については、争いがありますが、判例によれば、他人の物の占有者が委託の任務に背いてその物について権限がないのに、所有者でなければできないような処分をする意思とされます。(最判昭24・3・8)
不法領得の意思を実現する行為には、法律上の処分・事実上の処分の一切が含まれます。
例えば、売却、贈与、入質、消費、着服、拐帯等です。

さて、事例について検討してみましょう。
Aさんが、会社のお金着服していたことは事実であるようですが、Aさんが着服したお金を誰が管理していたのかは明らかではありません。
もし、Aさんがそのお金を管理する立場にあったのであれば、「業務上自己の占有する他人の物を横領」したことになり、業務上横領罪が成立することになるでしょう。

2.窃盗罪

他方、Aさんが会社のお金を管理する立場にはなく、会社の金庫から勝手にお金をとった場合には、窃盗罪に問われることになります。

窃盗罪は、
①他人の財物を
②不法領得の意思をもって
③窃取したこと
で成立する罪です。

①他人の財物

本罪の客体は、他人の占有する他人の財物です。
この点、「自己の占有する他人の物」を客体とする業務上横領罪と異なります。

③窃取

「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいいます。

Aさんが会社の経理業務を担当している場合、Aさんは会社のお金を管理する立場にありますが、そのような立場にはない場合であれば、Aさんが会社のお金を勝手にとったということになり、他人の占有する他人の財物を自己の占有に移したため、窃盗罪が成立することになります。

会社のお金着服した場合、着服した人がお金を管理するような立場にあったかどうかで成立する罪も異なります。

いずれにせよ、会社のお金着服してしまった場合には、早期に被害者である会社に被害弁償を行い、示談を成立させることが事件を穏便に解決するために重要です。

会社のお金着服したことが会社に発覚し、刑事事件として発展することを回避したい方、刑事事件となってしまったが不起訴で終了させたいとお悩みの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。

ひったくり事件:窃盗と強盗

2020-06-25

ひったくり事件が窃盗となる場合、強盗となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、深夜、兵庫県尼崎市の路上を歩いていたVさんの背後から原動機付自転車で近付き、追い抜きざまにVさんが肘にかけていたバッグを引っ張って盗ろうとしました。
しかし、Vさんがバッグ離さず路上に転倒したため、Aさんはバッグを持ったVさんを数メートルにわたって引っ張り続けた結果、Vさんはバッグを離しました。
Aさんはバッグを奪ってその場から逃走しました。
後日、兵庫県尼崎東警察署は、ひったくり事件の被疑者としてAさんを逮捕しました。
(フィクションです。)

ひったくり事件

相手方の背後から近づき、相手方の不意をついて金品を奪う「ひったくり」は、手っ取り早く金品を奪う手段として、その認知件数は徐々に下がっているものの、現在も相当数発生しています。
ひったくりの多くは、「窃盗」に該当しますが、その行為は、多かれ少なかれ相手方に対する接触を伴うため、接触の程度や具体的な状況によっては、「窃盗」にとどまらず、「強盗」に該当する場合もあります。

まずは、窃盗罪について、どのような場合に成立し得るのかについて説明します。

(1)窃盗罪

窃盗罪は、
①他人の財物を
②不法領得の意思をもって
③窃取した
ことで成立します。

「不法領得の意思」というのは、「権利者を排除し他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従いこれを利用もしくは処分する意思」のことをいいます。(大判大4・5・21)
また、「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいいます。(最決昭31・7・3)
窃取の手段や方法は問いませんので、こっそりであっても、ひったくりのようにあからさまであっても構いません。

次に、強盗罪についてみていきましょう。

(2)強盗罪

強盗罪は、
(1項)①暴行または脅迫を用いて
    ②他人の財物を
    ③強取したこと
(2項)①暴行または脅迫を用いて
    ②財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させたこと
により成立する犯罪です。

実行行為の手段である「暴行・脅迫」は、相手方の反抗を抑圧するにたりる程度に強い暴行・脅迫であることが必要となります。(最判昭24・2・8)
反抗を抑圧する程度に強い暴行・脅迫の判断基準は、社会通念上一般に相手方の反抗を抑圧するに足りる程度か否かを客観的に判断されるものと解されます。(最判昭23・11・18)
これを判断するための具体的な要素には、次のものが挙げられます。
・犯行の時刻、場所その他の周囲の状況
・凶器使用の有無、凶器の形状性質、凶器の用い方などの犯行の手段や方法
・犯人、相手方の性別、年齢、体力など

「強取」とは、暴行・脅迫を用いて相手方の反抗を抑圧し、その意思によらずに財物を自己または第三者の占有に移す行為をいいます。
「強取」といえるためには、暴行・脅迫による反抗抑圧と財物奪取との間に因果関係が必要となります。
窃盗と同じく、不法領得の意思は判例上認められた要件です。

窃盗と強盗との線引き

ひったくり事件において、窃盗が成立するか、強盗が成立するかは、ひったくりの状況が、相手方の反抗を抑圧するに足りる暴行に至っているか否かがポイントです。
ひったくり事件は、大きく分けると、
①相手方の隙をついて、追い抜きざまやすれ違いざまに、持っているバッグなどを引っ張って奪うケース、と
②相手方が金品を奪われないように抵抗したため、金品を奪うためにさらにバッグなどを引っ張り続けるなどの暴行を加えるケース
とがあります。
①のようなケースでは、相手方に対し一定の接触はありますが、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行を加えたとは言えず、窃盗にとどまります。
他方、②では、金品を奪うために更なる暴行を加えていることから、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行を加えたと評価されることがあります。
上の事例でも、Aさんは、抵抗してバッグを離さずにいたため転倒し、抵抗できずにいた状態のVさんをバッグもろとも数メートルにわたって引っ張り続け、最終的にVさんにバッグを離させ、バッグを奪いました。
そのため、Aさんは、Vさんの反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加えて、Vさんの反抗を抑圧してバッグを奪っていると評価され、窃盗ではなく強盗罪に問われる可能性があります。

窃盗罪と強盗罪は、その法定刑も大きく異なりますので、いづれの罪が成立するかによって最終的な処分も違ってくるでしょう。
いずれにせよ、ひったくり事件では、被害に遭った方がいらっしゃいますので、被害者への被害弁償や示談の有無が最終的な処分にも影響することになります。
そのため、刑事事件に精通する被害者との示談に豊富な経験を持つ弁護士に被害者との示談交渉を含めた弁護活動を依頼するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗強盗を含めた刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族がひったくり事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

窃盗の幇助犯

2020-06-18

窃盗幇助犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、リクルーター役として特殊詐欺に加担したとして、京都府山科警察署窃盗幇助の容疑で逮捕されました。
Aさんは、先輩から「荷物を受け取るだけで稼げるバイトがあるけど、やらないか?」と言われましたが、バイトが忙しかったこともあり断ったところ、「誰か紹介して。」と言われたため、知人のBを先輩に紹介しました。
後日、Bが特殊詐欺の受け子をしたとして逮捕され、Bの供述からAの特殊詐欺への関与が疑われることとなりました。
逮捕の連絡を受けたAの家族は、警察に面会を求めましたが、しばらくは会えないと言われ困っています。
(フィクションです)

幇助犯とは

複数人が共同して犯罪を実現する場合を「共犯」といいます。
共犯は、必要的共犯と任意的共犯とに分類されます。
前者は、刑法各則の規定またはその他の刑罰法規上、複数人の共同の犯行が予定されている犯罪をいいます。
一方、後者は、法律上単独犯が予定されている犯罪を複数人が共同して行う場合を指します。更に、任意的共犯は、共同正犯、教唆犯、幇助犯の3つに分類されます。

今回は、幇助犯について説明することにしましょう。

幇助犯

幇助犯については、刑法第62条において規定されています。

第62条 正犯を幇助した者は、従犯とする。

幇助犯とは、「正犯を幇助した者」をいいます。

幇助犯が成立するためには、
(1)幇助者が正犯を幇助して、
(2)被幇助者が犯罪を実行したこと
が必要となります。

(1)正犯を幇助すること

幇助行為は、実行行為以外の行為によって正犯を補助し、その実行行為を容易にする行為をいいます。
窃盗の場合、実行行為は「窃取」となりますので、窃取以外の行為によって正犯を補助し、その実行行為を容易にする行為が「幇助行為」に当たります。
幇助の方法や手段は、物理的であると精神的であるとを問いません。
また、幇助行為は、幇助の意思に基づいて行われなければ、幇助犯は成立しません。
例えば、店側がナイフを客に販売したところ、その客が販売したナイフを用いて傷害行為を行った場合において、店側は客である正犯に実行行為(傷害行為)を容易にする道具を提供しているわけですが、そもそも店側はその者が犯罪に用いるなどと知らず、実行行為を容易にするつもりでナイフを販売したわけではありませんから、このような場合においては幇助犯は成立しません。

(2)被幇助者の実行行為

幇助者が正犯を手助けする意図で手助けしたとしても、正犯が実行しない場合は幇助犯は成立しません。
このように、幇助行為は行われたが、正犯が実行の着手に至らなかった場合を「幇助の未遂」といい、この場合は不可罰となります。
他方、被幇助者(=正犯)が実行行為に出たものの、その犯罪が未遂に終わった場合を「未遂犯の幇助」といい、この場合は処罰の対象となります。

幇助犯の成立要件として、幇助行為と正犯の実行行為または正犯結果との間に因果関係が必要となります。
そして、実行行為を物理的または心理的に促進または容易にしたと言えば足りるとされます。

幇助犯(=従犯)の刑は、正犯の刑を減軽することが刑法第63条で規定されています。
刑の減軽の方法は、刑法第68条に定められています。

①死刑を減軽する場合
無期の懲役もしくは禁錮、または10年以上の懲役もしくは禁錮とする。
②無期の懲役・禁錮を減軽する場合
7年以上の有期の懲役または禁錮とする。
③有期の懲役・禁錮を減軽する場合
その長期および短期の2分の1を減ずる。
④罰金を減軽する場合
その多額および寡額の2分の1を減ずる。
⑤拘留を減軽する場合
その長期の2分の1を減ずる。
⑥科料を減軽する場合
その多額の2分の1を減ずる。

ただし、拘留または科料にのみ処すべき罪の幇助犯(=従犯)は、特別の規定がなければ処罰されません。

特殊詐欺事件では、単独で実行行為を遂行することはほとんどなく、かけ子、受け子、出し子と呼ばれる役割を組織内外に振り分けて実行行為を行います。
実行行為を行う者(かけ子、受け子、出し子)を組織に紹介する役割(リクルーター)を担った場合、動機、主犯格との関係性、役割の重要性などが考慮され、共同正犯ではなく幇助犯であると判断される可能性があります。

しかしながら、特殊詐欺といった組織犯罪に加担していたと疑われていることから、逮捕後に勾留に付される可能性は高いです。
また、弁護士以外との接見を禁止する接見禁止が勾留と同時に付されることが多いですので、被疑者とご家族の面会が叶わない場合があります。
そのような時には、刑事事件に強い弁護士に相談・依頼し、ご家族との接見を認めてもらえるよう接見禁止一部解除に向けて動いてもらいましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が窃盗幇助犯で逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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