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以前逮捕された事実で任意出頭、再逮捕?

2020-02-04

以前逮捕された事実で任意出頭、再逮捕?

一度逮捕され、その後釈放されたものの、同じ事件について警察に任意出頭を求められ、再逮捕されないか心配というケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
埼玉県川口市に住むAさんは、盗み目的でVさん宅へ無施錠の玄関から立ち入ったという住居侵入罪窃盗未遂罪の疑いで埼玉県川口警察署の警察官に逮捕され、16日間勾留されました。
しかしその後、Aさんは刑事処分保留のまま釈放されました。
Aさんは、ほっとして通常の生活を取り戻しつつあったところ、突然、埼玉県川口警察署から出頭して欲しいとの連絡を受けました。
通常の日常生活を取り戻しつつあったAさんは驚き、
「このまま出頭すれば再逮捕されるかもしれない。」
と不安になりました。
そこで、Aさんは、以前逮捕された際に弁護してくれた弁護士の法律事務所に無料相談を申し込みました。
(フィクションです。)

~ 住居侵入罪 ~

まず、住居侵入罪について簡単に解説します。
住居侵入罪は刑法130条前段に規定されています。

刑法130条
 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

「住居」とは、人の日常生活に使用されている場所のことをいいます。
また、そうした場所に付属する場所(たとえば、敷地、庭など)も「住居」とされます。
「建造物」とは、学校や商業施設、駅舎など、人が出入りできる建物のうち「住居」を除いたものをいいます。

住居に侵入した場合が住居侵入罪、建造物に侵入した場合が建造物侵入罪です。
つまり、両罪は、同じ条文の中に規定されていることが分かります。

住居侵入罪と建造物侵入罪に共通する「侵入」とは、住居や建造物を管理している人(管理者)の意思に反する立ち入り、をいいます。
つまり、「侵入」に当たるかどうかは、管理者が当該立ち入りに関してどう考えるかにもよります。
したがって、たとえ、かつて同居していた人が家族から家への立ち入りを禁止されていたにもかかわらず立ち入った場合は住居侵入罪に問われる可能性もあります。

盗み目的で住居に入るという犯行もよくあることから、住居侵入罪窃盗罪とセットになることが多くあります。
Aさんも、住居侵入罪窃盗未遂罪逮捕されていたようです。

~ 任意出頭と再逮捕 ~

刑事事件の手続の流れについて、詳しくはこちらをご覧ください。
窃盗事件の流れ

事件の捜査は、被疑者逮捕して行う場合(身柄事件)と、逮捕しないで行う場合(在宅事件)があります。
逮捕
されていない事件、あるいは逮捕後に処分や判決前に釈放された事件
は、取調べ等のために捜査機関(警察検察)から出頭を求められることがあります。
これは任意出頭と呼ばれるもので、刑事訴訟法198条1項を根拠とします。

刑事訴訟法198条1項
 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。

この規定によると、逮捕勾留されて身柄拘束が続いている場合でなければ、出頭を拒むことができます。
もちろん、実際にそうしていただいてもかまいません。
しかし、出頭を拒否された捜査機関側としては「何かやましいことがあるから出頭を拒否するだろう」と考えるでしょう。
したがって、出頭を拒否した方に対する嫌疑は増す一方です。
また、出頭拒否を繰り返すと逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断され、再逮捕されるおそれもあります。

本来であれば、何もやましいことがないからこそ出頭を拒否するのであって、上記のような印象を抱くのは納得のいかないところです。
しかし、現実問題、再逮捕されることも稀にあります。
出頭すべきか、あるいは出頭した場合に取調べでどのように受け答えすべきかといった点など、一度弁護士に相談されることをお勧めいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

高齢者の万引きで前科回避

2020-01-30

高齢者の万引きで前科回避

高齢者が万引きで逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
神奈川県伊勢原市に住む高齢女性Aさん(70歳)は、普段よく買い物をするスーパーで、食料品3点を万引きしたとして保安員に現行犯逮捕され、身柄を神奈川県伊勢原警察署の警察官に引き渡されました。
その後Aさんは釈放されましたが、万引きの前歴2回を有していたことなどから窃盗罪略式起訴され、裁判所から罰金20万円の略式命令を言い渡されました。
そして正式裁判の申立期間が過ぎ、Aさんには前科1犯がつきました。
(フィクションです)

~ 万引きは立派な犯罪 ~

近年は特に、高齢者(65歳以上の男女)の犯罪が増加傾向にあり、中でも窃盗罪(万引き)の比率が多くしめています。

また、一般的に、男性に比べ女性による犯罪は少ないですが、万引きに限っては女性高齢者の数も多いことが特徴です。
その背景としては様々なものが考えられますが、高齢者の孤独も一つではないかと指摘されています。つまり、孤独感を紛らわすため万引きをするというのです。

しかし、万引きは窃盗罪(刑法235条)に当たる立派な犯罪ですから、どんな理由であれ許されるものではありません。

刑法235条
 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

そして、窃盗罪起訴され裁判で有罪とされれば、懲役刑、罰金刑を科されます。

~ 前科が付くまでの流れ ~

逮捕されてから「前科」が付くまでの流れを詳しく見ると、以下のとおりになります。

逮捕 → 捜査 → 起訴(正式,略式) → 裁判(正式,略式) → 有罪 → 確定 → 前科

正式裁判(通常の裁判)を受けた場合は、その裁判で有罪とされ、被告人側検察側の双方が控訴上告期間が過ぎて不服申し立てができなくなった(つまり「確定」した)後付きます。

一方、
略式裁判とは、公開の裁判を開かず、簡易な手続で罰金刑にするものをいいます。
比較的軽い罪で、本人が罪を認め、前科・前歴がない(少ない)場合に用いられます。

略式命令を言い渡された後(正式に略式命令謄本の交付を受けた後)、やはり正式裁判をしてほしいという不服申し立て期間(14日間)が経過した後に前科が付きます。

~ 前科が付いたらどんな不利益を受ける? ~

前科がつくと、その内容によっては一定の職業に就けなくなるなどの不利益が生じます。
ただ、高齢者にとってこの点を気にする必要はあまりないかもしれません。

しかし、一番注意しなければならないのは、再び、万引きなどの罪を犯した場合、不利な証拠として使われるおそれがある、ということです。
特に万引きは、依存症的な状態となり、繰り返すおそれもある犯罪であるため注意が必要です。
不利な証拠として使われると、裁判官に悪い印象を与えてしまうことは間違いなく、規範意識(ルールを守ろうとする意識)が乏しい、常習性が認められるなどとして前回よりも厳しい判決となるおそれが十二分にあります。

~ 前科をを回避するには? ~

現実的なのは

検察官の起訴を回避すること

ではないでしょうか?

検察官は、被疑者が本当に犯罪をした判断した場合であっても、軽い事件などでは被疑者を起訴せずに、刑事手続を終わらせる判断をすることができます。
検察官の起訴を回避する、すなわち、不起訴処分を獲得することができれば、そもそも刑事裁判を受ける必要はなく、裁判で有罪の判決を受けるおそれもないからです。

そして、不起訴処分を獲得するには、まずは被害者に誠心誠意謝罪し、被害弁償示談に向けた話し合いを進めていく必要があります。
そして、被害者に被害弁償するなどして示談を成立させることができれば、あなたにとって有利な事情として考慮され、不起訴処分を獲得できる可能性が高くなるでしょう。

~ 被害弁償・示談は弁護士に依頼を ~

もちろん事件の当事者間でも被害弁償示談交渉をすることはできる場合もあります。
しかし、事件当事者というだけあって、感情のもつれなどから被害弁償、示談交渉がなかなかうまく進まない場合もございます。

そんなときは弁護士が力になれます。

示談交渉に関する経験、知識が豊富な弁護士であれば、適切な内容・形式で示談を成立させることができる可能性が上がります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、万引きなどの窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
ご家族が窃盗罪などの刑事事件で逮捕され、前科が付くのを回避したいとお考えの方、その他でお困りの方は、0120-631-881までお気軽にお電話ください。
土日・祝日も含め、専門のスタッフが24時間、無料法律相談初回接見のご予約を承っております。

忍び込み事件で逮捕

2020-01-25

忍び込み事件で逮捕

今回は、忍び込み事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
東京都府中市に住むAさんは、生活費の足しにするために、Vさんの居住する一戸建て住宅に侵入し、引き出しを開けるなどして金目の物を物色しました。
しかし何も見つからなかったので、そのまま外に出たところ、通報を受けて駆け付けた東京都府中警察署警察官から職務質問を受けました。
窃盗目的でVさん宅に侵入したことを認めると、Aさんは住居侵入の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~住居侵入罪~

他人の家への忍び込みをしたAさんには、住居侵入罪窃盗未遂罪が成立する可能性が高いでしょう。

まず住居侵入罪は、正当な理由がないのに、人の住居に侵入する犯罪です。

「住居」とは、人の起臥寝食、すなわち日常の生活に使用される場所をいいます。
Aさんが立ち入った一戸建て住宅には、Vさんが居住しており、Vさんの日常生活に用いられていると認定することができると思われるので、住居」に該当するでしょう。

侵入」とは、管理権者の意思に反する立入りを意味します。
管理権者であるVさんは、Aさんが窃盗目的で自宅に立ち入ることを容認していないと思われるので、Aさんの立入り行為は、Vの意思に反する立入りと評価することができるでしょう。

したがって、Aさんは正当な理由がないのに、Vの意思に反して同人の自宅に侵入したということができるので、住居侵入罪が成立する可能性は極めて高いと思われます。

~窃盗未遂罪~

続いて、今回のAさんは何も盗まずに外に出ているので、窃盗未遂罪が成立するか否かが問題となります。

未遂犯は、犯罪の実行に着手し、これを遂げなかった場合に初めて成立します。
これ以前の状態(予備・陰謀)は、特別にこれを処罰する規定が存在する場合(刑法第201条は殺人の予備、刑法第78条は内乱の予備、陰謀を処罰するとしています)に限り処罰されます。

窃盗罪において実行に着手したかどうかは、対象となる物の形状、行為の態様、犯行の日時場所などの諸般の事情を考慮して決められます。
Aさんは、引き出しを開けるなどして金目の物を物色しており、遅くともこの時点で実行の着手が認められる、と判断されるでしょう。

このように窃盗の実行に着手したが、結局何も盗めず、犯罪は遂げていないので、Aさんには窃盗未遂罪が成立することになるでしょう。

~想定される弁護活動~

逮捕されるとまずは最長3日間、警察署等において身体拘束されます。
その後、証拠隠滅逃亡のおそれがあると判断されれば、さらに最長20日間、「
勾留」と呼ばれる身体拘束期間が続くことになります。
この期間は当然、外に出ることができず、会社や学校に行くことはできません。
したがって、早期に釈放されるように活動しなければなりません。

勾留されるのは、検察官勾留請求をし、これを受けた裁判官勾留決定を出す場合です。
弁護士は、検察官や裁判官に対し、勾留の要件を満たさないことを訴えかけ、勾留されないように活動することができます。
Aさんに住居がある、長く勤めている勤務先がある、信頼できる身元引受人がいる、取調べに対し、正直に供述している、などといった事情があれば、勾留されずに済む可能性が高まります。

他にも、Vさんと示談を成立させることができれば、Aさんにとって有利に事件を解決できる可能性が高まります。
示談が成立すると、当事者間で事件が解決したものと判断され、逮捕されている場合や、勾留されている場合であっても、釈放される可能性が高まります。
また、検察官が、最終的にAさんを不起訴(起訴猶予)処分とする可能性も高まります。

まずは、接見にやってきた弁護士からアドバイスを受け、上記の活動について尋ねてみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が住居侵入、窃盗事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非ご相談ください。

万引きで逮捕・窃盗既遂罪が成立?

2020-01-20

万引きで逮捕・窃盗既遂罪が成立?

万引きで逮捕されてしまった場合に窃盗既遂罪が成立するかについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】
東京都葛飾区に住むAは,自宅近くの食料品店において,人目につかないように気を付けながら,商品を持参した大き目のバッグに入れていった。
Aは,レジで精算をせずに,同店出入り口方向に向かったところ,Aの様子を不審に感じた警備員に呼び止められた。
Aは,警備員室に連れていかれ,防犯カメラとバッグの中身から上記行為が発覚した。
同店からの通報を受けた東京都葛飾警察署の警察官は,Aを窃盗罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は,窃盗事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~万引き行為における窃盗罪の既遂時期~

本件Aは,V店で商品を万引きしたことによって逮捕されていますが,万引きも刑法上の窃盗罪に当たることは常識といっていいでしょう。

もっとも,Aは同店を出る前に,警備員に呼び止められ,警備員室まで連れていかれています。
Aに窃盗未遂罪が成立することに関しては,常識的感覚からしてもあまり違和感はないかと思います。
しかし,Aは店の外までは出ていないことから,窃盗既遂罪まで成立するといえるのでしょうか。

刑法235条は,「他人の財物窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」としています。

本件では,窃盗罪の客体たるV店の商品が,「他人の財物」であることは明らかであるといえます。
したがってあとは,「窃取」行為が完遂されたか否かによって,窃盗罪の既遂罪が成立するか未遂罪にとどまるかが決まることになります。

ここでいう「窃取」とは,他人が占有する財物を,占有者の意思に反して自己または第三者に移転させることをいい,占有が移転したかどうかは,自己または第三者に事実的支配が移ったかどうかによって判断されることになります。

本件では,Aは,自ら用意していた大き目のバッグの中に,V店の食料品などの商品を入れています。
今回は偶然発見されましたが、通常は容易には発見できない場所に「他人の財物」たる商品を収めています。
したがって、すでに商品の事実的支配はAにあり、占有を移転させたと評価できるでしょう。

したがって,本件Aの行為は「窃取」に該当し,店外に出る前の段階でも窃盗既遂罪が成立するものと考えられます。

なお,未遂罪の成立にとどまる事案では,刑法43条本文により「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者」として,「その刑を減軽することができる」ことになります(刑の任意的減軽)。

~クレプトマニア(窃盗症)について~

本件Aのような万引き犯の中には,薬物中毒者のように窃盗を繰り返してしまう、いわば依存症によって罪を犯してしまう人も存在します。
このような窃盗依存者は窃盗症クレプトマニアなどと呼ばれることがあります。
したがって,弁護士としてはまず窃盗の前科余罪があるか等を,被疑者から十分に聴き取ることになります。

前科余罪の有無によって,窃盗罪のような比較的軽微な犯罪であっても,実刑判決を免れない場合もあり得ます。
しかし仮にそのような場合でも,被疑者がクレプトマニア(窃盗症)の疑いがある場合,刑罰よりも治療が必要であることを主張するなど,捜査段階の早いうちから弁護士として適切な弁護活動を行っていく準備を進めることが重要になってきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件を含む刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
窃盗事件(クレプトマニア)で逮捕された方のご家族は、まずはフリーダイヤル(0120-631―881)にお電話ください。
窃盗事件に強い弁護士による,逮捕されてしまった方への接見などの弁護活動をうけたまわっております。

スリで現行犯逮捕されたら

2020-01-15

スリで現行犯逮捕されたら

今回は、いわゆるスリを行ってしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
Aさんは福岡県北九州市の繁華街において、スリを行い、他人が持っていた現金などを遊興費として使っていました。
ある日、いつものようにスリを行うため、ほろ酔いのVの背後から近づき、Vのズボンの右後ろポケットから財布を盗んだところ、繁華街をパトロールしていた福岡県小倉北警察署警察官に見咎められ、職務質問を受けました。
Aさんの手には、そのままVの財布が握られており、窃盗現行犯として逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~スリで成立する犯罪~

今回の様なスリの場合も、店舗で商品を盗む万引きの場合も、通常、「窃盗罪」(刑法第235条)の嫌疑をかけられることになります。

窃盗罪とは、他人の占有する財物を窃取する犯罪であり、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

今回のケースの場合、Vの財布はVのズボンの右後ろポケットに入っていたのですから、明らかにVの占有が認められるでしょう。
Aさんは、その財布を自分の物として使うために、同ポケットから抜き出し、窃取したものと考えられるので、Aさんに窃盗罪が成立する可能性は極めて高いと思われます。

~逮捕後、Aさんはどうなるか?~

警察署に連れて行かれた後、犯罪事実の要旨、弁護人選任権について説明を受けた後、弁解を録取されます。
無料で利用できる当番弁護士をこのタイミングで頼み、アドバイスを受けることもできます。

取調べでは、余罪の有無について尋ねられる可能性が高いと思われます。
供述の内容によっては、後日、Aさんの自宅に捜索がなされる可能性があります。
捜索によって差し押さえられた物件によっては(薬物や銃刀法に違反する物件など)、さらなる余罪を追及される場合もあります。
ケースの窃盗事件の捜査が終わり、釈放される場合であっても、別の件で再逮捕されてしまう可能性も考えられます。

~検察への送致~

取調べ後、身柄を拘束しておく必要が認められると、警察は逮捕時から48時間以内にAさんを検察へ送致します。
検察では、身柄を受け取った時から24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかを決定します。

~勾留の判断~

Aさんの勾留の可否は裁判官が判断します。
勾留請求を受けた裁判官勾留決定を出すと、10日間勾留されます。
さらにやむを得ない事由があると認められると、さらに最長10日間勾留が延長されます。

~Aさんに必要な弁護活動~

身体拘束が長期化すると、当然、Aさんにとっても重い負担がかかります。
また、外に出ることはできないので、勤務先や学校にも出勤、登校することができなくなります。
そのため、早期に外に出られるよう活動していかなければなりません。

(勾留を阻止する活動)
勾留請求されずに、あるいは、勾留決定がなされずにすめば、逮捕時から2~3日で外にでることができます。
そのためには、検察官や裁判官に対し、Aさんに逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないことを訴えかけなければなりません。
①Aさんに安定した職がある、②被害者とは面識がないし、住居も十分離れている、③信頼できる身元引受人が用意できる、という場合には、よりAさんにとって有利になります。

(勾留されてしまった場合)
勾留されてしまった場合は、「準抗告」や「勾留取消請求」などの制度を通じ、釈放を目指していきます。

(Vと示談をする)
Vと示談をすることができれば、当事者間で事件が解決したものと判断され、釈放される場合があります。
また、検察官がAさんのスリ行為を立証できるだけの証拠を収集できた場合においても、前科が付かずに終わる起訴猶予処分(不起訴処分)が得られる可能性が高まります。

Aさんの余罪が多数あり、全てについて証拠が揃っている場合には、起訴猶予処分の獲得は難しくなるかもしれません。
その場合であっても、示談が成立していることは、有罪判決を受ける場合の量刑に、有利な影響を与えることが期待できます。

まずは、接見にやってきた弁護士と相談し、より早期に、より有利に事件を解決することができるよう活動していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が窃盗事件を起こしてお困りの方は、ぜひご相談ください。

少年に万引きをさせて逮捕

2020-01-10

少年に万引きをさせて逮捕 

少年に万引きをさせて逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
京都府長岡京市在住のAは、10歳の息子Bと共に二人で暮らしていた。
しかし、仕事で得た給料の大半をパチンコや競馬といったギャンブルにつかっていたことから生活が困窮し、食費にも困るようになった。
そこでAは、自宅近くのスーパーでお惣菜を万引きしようと思い立った。
しかしAには窃盗罪の前科があり、前回の事件の際に、裁判官から「次に窃盗事件を起こしたら刑務所に行かなければならないことになる」と言われていたことから、息子Bに命令して同スーパーで万引きをさせることにした。
Aの命令に対し当初Bは嫌がったが、Aは嫌がるBを怒鳴りつけた上、複数回Bの顔面を殴打したところ、Bは大人しくなりAの命令に従って万引きをするようになった。
その後もAはBに命令してスーパーでの万引き行為を何度かさせていたところ、スーパーの店員にBの万引き行為を発見され、Bが店員に対し父親Aに命令されて万引きを行ったことを話したことから、店員が警察に通報することにした。
その後、Aは窃盗容疑京都府向日町警察署の警察官に逮捕されてしまった。
(事実をもとにしたフィクションです)

~自ら犯行をしなくても犯罪に~

上記の事例においては、Bは10歳の少年であることから「刑事未成年」に当たり、Bの行為には犯罪は成立しないことになります(刑法41条)。

また、万引き行為そのものを行ったのはBであり、A自身は万引き行為を行っていません。
仮に万引き行為を行ったのがBである以上、Aに窃盗罪が成立しないとすると、万引き行為について責任を負う者がいなくなってしまうという不都合が生じてしまいます。

そのような不都合を生じさせないために、実際には、他人を道具として利用し、犯罪を実現させた者についても犯罪の成立が認められることがあります(「間接正犯」と呼ばれます)。

例えば、人を殺すために飲料に毒薬を入れ、郵便でその毒薬入り飲料を被害者宅に届け、被害者がそれを飲んで死亡したという場合、犯人は郵便局員を道具として利用し、殺人行為を完成させています。

~間接正犯の成立条件~

間接正犯として犯罪が成立するためには、他人を一方的に支配利用したといえる必要があると考えられています。

上述の郵便局員のケースでは、郵便局員は郵便物の中身を知った上で被害者に届けているわけではなく、預けられた荷物をそのまま宛先に送ることになることから、一方的な支配利用関係が認められます。
他方、上記のBの場合については、自らの万引き行為そのものについて認識して行っているいることから、一方的な支配利用関係があるといえるか問題となります。

そこで判例は、刑事未成年を利用したからといって常に間接正犯の成立を認めているわけではありません。
しかし日頃から強度の虐待を加えていた12歳の養女に命令して賽銭泥棒をさせたという事案において、「被告人が、自己の日頃の言動に畏怖し意思を抑圧されている同女を利用して右各窃盗を行ったと認められる」として間接正犯の成立を認めています(最高裁昭和 58年9月21日決定)。

今回の事例において、Aは万引き行為を嫌がるBに対し怒鳴りつけた上で顔面を複数回殴打するという暴行を加えています。
このような暴行によってBが畏怖し意思を抑圧された状態で万引き行為を行ったと評価されれば、AはBを道具として窃盗をしたとして間接正犯が成立することになります。

このように、他人が関与した犯罪の場合にどのような問題があるのか、その判断は難しいところがありますので、専門的な知識を持った弁護士に相談することが重要となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件や少年事件に精通した弁護士が多数在籍しております。
弊所では24時間、無料相談及び初回接見のご依頼を受け付けておりますので、
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までお気軽にお電話ください。

窃盗罪か器物損壊罪か

2020-01-05

窃盗罪か器物損壊罪か

窃盗罪器物損壊罪かの違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

兵庫県宝塚市の会社に勤める会社員のAさんは、同僚Ⅴさんに会社内での営業ノルマの競争に負けた腹いせに、Ⅴさんの机上にあった財布を手に取り持ち去りました。
Aさんはトイレの個室内で中身を確認すると5000円札が2枚入っていたことから、そのうち1枚を手に取り、財布は自身の更衣室のロッカーに入れて保管していました。
その後、Aさんの部署内ではVさんの財布がなくなったことで騒動となりましたが犯人や財布の在りかは特定されずに1か月ほど経ちました。
ところが、ある日、Aさんは部長室に呼ばれ、部長から「あなたがVさんの財布を盗ったと兵庫県宝塚警察署から疑いをかけられているようだ。」「盗んだのであれば正直にいいなさい。」と言われました。
Aさんは言い逃れはできないと思い、部長に「自分がやりました。」と認めました。
その後、Aさんは兵庫県宝塚警察署窃盗罪の被疑者として呼び出しを受け、取調べを受けました。
今後のことが不安になったAさんは弁護士に相談すると、弁護士から「それは窃盗罪ではなく刑の軽い器物損壊罪に当たるかもしれない。」と言われました。
(フィクションです。)

~ 窃盗罪と器物損壊罪 ~

窃盗罪器物損壊罪の規定から確認します。
窃盗罪は刑法235条に規定されています。

刑法235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

器物損壊罪は刑法261条に規定されています。

刑法261条(器物損壊罪)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

~ 弁護士が器物損壊罪を検討する理由 ~

まず、上の規定を見てお分かりいただけるように、両者の法定刑(刑の重さ)には大きな差があります。
窃盗罪は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」なのに対し、器物損壊罪は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」です。
また、器物損壊罪は親告罪、つまり被害者の告訴がなければ起訴されない罪です。他方で、窃盗罪は親告罪ではありません。
仮に、本件で窃盗罪ではなく器物損壊罪が成立するとなった場合、その時点で告訴状がない、あるいは告訴状が提出された場合でも示談で告訴が取り消された場合は起訴されません(不起訴)。
つまり、告訴がなければ起訴されないという点では、窃盗罪よりも器物損壊罪の方が不起訴になる可能性は高いと考えます。
この点でも窃盗罪器物損壊罪には大きな差があります。

告訴状の提出を阻止したり、被害者に告訴を取り消してもらうには、まずは被害者に謝罪し、速やかに示談交渉に移る必要があるでしょう。
しかし、当事者間での示談交渉は感情のもつれなどもあって非常に困難を伴いますから、被害者との示談交渉は弁護士に依頼することをお勧めいたします。
弁護士であれば適切な形式、内容で示談を成立させることが可能です。

~ 窃盗罪と器物損壊罪との分水嶺は不法領得の意思の有無 ~

窃盗罪器物損壊罪との適用を分ける要素は「不法領得の意思の有無」です。
不法領得の意思があると認められる場合は窃盗罪、ないと認められる場合は器物損壊罪です。
判例は、不法領得の意思を「権利者を排除して他人の物を自己の所有物をして(権利者排除意思)、その経済的用法に従ってこれを利用若しくは処分する意思(利用処分意思)」と解しています。

本件では、Aさんは嫌がらせ目的でVさんの財布を持ち去っています。
この点だけ見れば、Aさんに財布(及びその中身のお金)の「利用処分意思」がなく、不法領得の意思が認められず器物損壊罪が適用されそうです。
しかし、Aさんは持ち去った後、財布から5000円札を抜き取り、それを何らかの用途に使ったものと思われます。
そうすると「利用処分意思」があり、不法領得の意思が認められ窃盗罪が適用されるようにも思えます。
これはあくまで事例上での判断で、実際の事案ではもっと複雑な事実が絡み合い、不法領得の意思の有無の判断も難しいと思われます。
お困りの際は弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。
専門のスタッフが24時間体制で、初回接見サービス、無料法律相談の予約を受け付けております。

他人の車の無断使用と窃盗罪の成否

2019-12-31

他人の車の無断使用と窃盗罪の成否

他人の車の無断使用窃盗罪の成否について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

AとVは,顔見知り程度の関係であったが,大阪府豊中市にあるA宅で友人数人と飲食を共にした。
酒を飲んだVは,今日は電車で帰り後日車を取りに来る旨告げて,A宅の近くに自車を残していった。
Vは,車の鍵等をA宅に置き忘れており,これをいいことにAはVが車を引き上げに来るまでの間,置き忘れた鍵を使ってV車を無断で乗り回していた。
後日,車を引き上げたVは上記事実に気づき,大阪府豊中警察署に相談した。
相談を受けた大阪府豊中警察署の警察官は,Aを窃盗罪の疑いで取り調べることにした。
Aは,窃盗事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~他人の車を勝手に乗り回すのは窃盗罪?~

他人の自動車を勝手に乗り回したくらいでは,刑事事件になるとまでは思わないのが通常の感覚かもしれません。
しかし,本件のようなケースにおいては窃盗罪が十分に成立し得るのです。
以下,まずは条文に沿って解説いたします。

刑法235条は,「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪」とすることを定めています。
この点,Aが勝手にVの車を乗り回す行為は,Vの車という「他人の財物」を,占有者であるVの意思に反してその占有をAに移転させるという「窃取」行為であることは明らかでしょう。
もっとも,上記の明文の要件を満たしただけでは窃盗罪は成立しないことに注意が必要です。
本件のようなケースにおいて問題となるのは,条文に書かれていない要件である「不法領得の意思」があるかどうかなのです。

窃盗罪のような財産犯においては,犯罪にあたる行為の認識(故意)の他に,判例上も,「①権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様に②その経済的用法に従いこれを利用しまたは処分しようとする意思」が必要だとされています。
本件では②が認められることは比較的明らかですが,①の権利者排除意思が認められるかがポイントとなります。
この点Aは,後日Vが車を引き上げに来ることを認識しており,Vの車を自分のものにしようとしたわけではありませんし,VはA宅近くに自車を置いたままにしておりその利用可能性は高いとはいえません。

しかし,AがV車を数日乗り回せば,ガソリンを費消し,タイヤ等の部品も摩耗します。
また,自転車などと異なり,自動車は経済的にも価値が高いと考えられることから,Vの自動車を勝手に使用する行為にはVという権利者を排除する意思が認められ,(不可罰である使用窃盗にはならず)窃盗罪が成立する可能性が認められると考えられます。

~窃盗罪と弁護士による示談活動~

窃盗罪を定める刑法235条は,刑罰として「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処すことができる旨を規定しています。
本件で懲役刑が下されるとは考えにくいところですが,罰金でも懲役刑と同様に前科となることに注意が必要です。
特に本件のようなケースに,さらに交通法規違反などが絡む場合には事態は深刻化する可能性もあります。

まず,何よりも窃盗罪の弁護活動において重要なのが,被害者との示談を成立させることです。
被害弁償等による示談によっては,軽微な窃盗罪は十分に起訴猶予等の不起訴処分を得ることが可能です。
逮捕等を伴わない在宅捜査だからといって,事件を放置することは避けるべきであり,いち早く弁護士に相談することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,窃盗事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
窃盗事件で警察の取り調べ等を受けられた方は,年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)に まずはお電話ください。
刑事事件専門の弁護士による無料相談など,スタッフが分かりやすくご説明差し上げます。

犯人性の否認

2019-12-21

犯人性の否認

犯人性否認について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

神奈川県秦野市にあるV宅において、深夜2時頃Vの所有するカメラが何者かによって窃取されるという事件が発生した。
Vの供述によると、事件の日、Vは友人であるAと自宅で深夜まで飲酒しており、酔いつぶれたVが朝目覚めると、Aは既にいなくなっており、カメラが無くなっていたとのことだった。
神奈川県秦野警察署は、事件から3日後に令状を取得してAの自宅を捜索したところ、A宅からVの所有していたものと同じ型番のカメラが発見されたことから、後日Aを窃盗罪の容疑で逮捕した。
Aは神奈川県秦野警察署の取調べに対し一貫して犯行を否認しており、「事件の日にV宅を出たのは次の日の仕事が早かったからだ。自宅にあったカメラは友人から貰ったものでV宅から盗んだものではない。カメラをくれた友人の名前はいいたくない」と供述している。
(上記の事例はフィクションです)

~犯人性について~

被疑者が自分の犯行を認めていない場合などには、当該事件おける被疑者が実際に犯行を行ったといえるかという問題が生じます。
このような当該事件の真犯人と被疑者の同一性のことを「犯人性」といい、この犯人性が認められなければ当然ですが被疑者が処罰されることはありません。

犯人性については、被害者や目撃者の供述などの被疑者の犯人性を直接認定し得る直接証拠から認定する場合と、指紋や盗品の所持などの犯人性を間接的に認定し得る間接証拠から認定する場合とがあります。

直接証拠については、それだけで犯人性を認定することが出来る強い証拠ですが、事件によっては直接証拠の存在しないものもあり、そのような場合には間接証拠から被疑者の犯人性を推認させる事実(間接事実)を認定していく必要があります。

上記の事例においては、Aは、VとV宅で深夜まで飲酒しており、そのままVが酔いつぶれて寝てしまっていたことから、Vのカメラを窃取することが容易かつ可能な状況にあったという事実も間接事実として機能することになるといえます。

~近接所持の法理について~

窃盗罪などの財産犯における犯人性を立証する方法として、近接所持の法理があります。
近接所持の法理とは、窃盗の犯行時点と近接した時点において盗品を所持していた者については、その物の入手経路について合理的な説明が出来ない限り、窃盗犯人であると認定することができるという法理をいいます。
これは、窃盗犯人以外の者が、犯行から近接した時点で盗品を取得することは通常考えられないという経験則から導かれる法理です。

上記の事例では、A宅からVの所有していたものと同じ型番のカメラが発見されています。
仮に名前や附属品や傷跡などから、発見されたカメラがV宅から盗まれたカメラと同じものであるといえれば、Aは盗品であるVのカメラを犯行のわずか3日後に所持していたことになります。

また、Aは「自宅にあったカメラは友人から貰ったものだ」と主張していますが、その友人の名前等の具体的な事情の説明をしていない以上、入手経路についての合理的な説明があったとはいえません。
そのため、Aについて盗品の近接時所持が成立しAの犯人性を基礎づける間接事実として機能することが考えられます。
こうした場合にどういった方針で主張をしていくのかは、刑事事件に詳しい弁護士のサポートを受けながら決めることが望ましいでしょう。

もっとも、仮にAがVのカメラを所持していたのが犯行から1ヶ月後であった場合、必ずしも犯行時点と盗品の所持時点が近接しているとはいえず、近接所持の法理の適用が難しくなります。
このような場合には、Aの弁護士としては、Aが盗品であるカメラを他人から譲り受けたという事実を主張してAの無罪を主張することも考えられます。

このように窃盗事件の弁護にあたっては、刑事事件に関する専門知識が不可欠です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件に強い刑事事件専門の法律事務所です。
窃盗事件で逮捕された方のご家族は、フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。

不当・違法な取調べへの対処

2019-12-16

不当・違法な取調べへの対処

不当・違法な取調べへの対処について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

Aさんは、東京都立川市で起きた空き巣事件の被疑者として、警視庁立川警察署に逮捕されました。
しかし、Aさんとしては、弁護士が来るまで何も話したくないと考えており、黙秘を続けています。
警察官からは「黙秘を続けていると実刑は免れない」、「余罪で再逮捕は当然ある。しばらく出られないだろうが、ちゃんと話せば釈放も視野に入れる」などと告げられ、動揺しています。
また、取調室に入ってくる警察官があえてドアを強く閉めて大きな音を出すなど、威圧的な行動もみられるようです。
Aさんはどうしたらよいのでしょうか。
(フィクションです。)

~弁護士を依頼し、取調べに対処する~

刑事事件において、取調官が自白の獲得を急ぎ、恫喝的、威圧的な取調べを行うことがあります。
不当、違法な取調べの典型例としては、
・被疑者に対する物理的な暴行
・認めれば早く出られるなどと誘惑する
・黙秘するなら一生出られない、家族も逮捕することになるなどと告げる
といったものがあります。

このような取調べは、被疑者に対して大きな負担をかけることになります。
さらには、無実の罪について自白する供述調書にサインしたり、あるいは事実と異なる供述をしてしまうことによって、大変な不利益を被る可能性もあります。
このような不当な取調べを受けた場合、どうすればよいのでしょうか。

まずは弁護士に相談し、捜査機関に対して抗議を行ってもらうことが必要です。
取調官本人や、警察署、検察官に対して違法・不当な取調べを行わないよう抗議します。
直接口頭で抗議するだけでなく、書面を郵送して抗議を行う場合もあります。
抗議を行うことによって、違法・不当な取調べを抑制できることもあります。

その他の違法・不当な取調べへの対応方法として、勾留の場所を留置場から拘置所に移すよう申し立てることが挙げられます。
留置場が警察の施設であるのに対し、拘置所は法務省の施設であるため、捜査機関からは一定の距離を置くことができます。

また、取調べを録画・録音するよう求めることも考えられます。

~自白の任意性を争う~

被疑者が自白した場合、通常、その内容を記載した調書が作成されますが、やってもいない犯罪や、事実と異なる内容について書かれた調書が証拠とされることがあってはなりません。
刑事訴訟法第319条は、「強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない」としています。

「自白の任意性に疑いがある」とされた裁判例として、

・自白をすれば起訴猶予にする旨の検察官の発言を信じた被疑者が、起訴猶予になることを期待して自白した場合(最高裁昭和41年7月1日判決)
・共犯者は自白したという虚偽の情報を与えて自白させ、その自白を示して共犯者にも自白させた場合(最高裁大法廷昭和45年11月25日判決)

などがあります。

今回のケースにおいて、苛烈な取調べに対し、やむを得ず自白をしてしまった、という場合には、刑事訴訟法第319条により、自白調書の証拠能力を争い得る場合があります。
ただし、裁判所に「自白の任意性に疑いがある」と認めてもらうことは容易ではなく、一度作成されてしまった自白調書を覆すには、とても高いハードルを越えなければなりません。
苛烈な取調べが辛くて、意に反して自白してしまったが、裁判官はわかってくれるだろう、と安易に考えることは禁物です。
まずは不当・違法な取調べを止め、適正な取調べ環境が実現されるよう努めなければなりません。
弁護士は、適正な取調べがなされるよう尽力します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族に対する不当・違法な取調べでお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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