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万引きと弁護活動

2019-12-11

万引きと弁護活動

万引きと弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

東京都港区に住むAさん(70歳)は、同市内のスーパーで食料品を買い物カートにかけていた手提げバックの中に入れ、レジで買い物かごの中に入れていた食料品のみを精算して店外へ出ました。
そうしたところ、Aさんは、Aさんの行動を一部終始見ていた保安員に「支払いがお済みでない商品がありますよね?」「事務所にきてもらえますか?」と言われました。
Aさんは、言われるがまま事務室へ行き、机上に万引きした食料品を出しました。
その約10分後、警視庁愛宕警察署の警察官が事務所に駆け付け、Aさんは警察官とともに警視庁愛宕警察署へ行き事情聴取を受けました。
Aさんは、窃盗罪の前科・前歴が多数あったことから、窃盗罪で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は逮捕の知らせに驚き、刑事事件専門の弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです。)

~ 万引き(窃盗)は立派な犯罪 ~

窃盗罪は刑法235条に規定されています。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

平成30年度版犯罪白書によれば、平成29年度に警察に認知された窃盗罪の事件数中、非侵入窃盗の割合は全体の53.9%(侵入窃盗は11.2%、乗り物窃盗は31.3%)で、そのうち

・万引き      16.5%
・車上・部品狙い  12.5%
・置引き       4.7%
・色情狙い      1.4%
・自動販売機狙い   1.3%

だったとのことでした。
刑法犯自体の認知件数、窃盗犯の認知件数自体は減少しているものの、窃盗犯の中でも「万引き」の認知件数は断トツで一番ということは認識しておくべきでしょう。
また、近年は、高齢者による窃盗の増加が顕著で、単に「物が欲しい」「お金がない」という動機のほか、「話し相手が欲しい」「孤独で辛い」など窃盗万引きと直接つながらない動機で犯行に及んでいる高齢者がいることも特徴のようです。

~ 窃盗罪の弁護活動 ~

窃盗罪の弁護活動もおおむね他の罪における弁護活動と同様です。

= 早期釈放に向けて =
窃盗事件を起こし逮捕された場合、その後勾留された場合は、逮捕から起算して最大23日間も拘束されることになります。
その後、起訴された場合はさらに身柄拘束は継続します。
こうして身柄拘束が継続すると、身柄拘束による肉体的・精神的に追い込まれることのみならず、社会との関係が切断され、社会活動ができなくなって、事件後の社会復帰が困難となるなど社会的不利益を被るおそれも大きくなります。
こうした事態をできるだけ回避するためにも早期釈放が望まれます。

早期釈放のためには、できる限りはやく弁護士と接見することが必要です。
接見した弁護士は、身柄を拘束された方やその関係者からお話をお聴きし、それを書類にまとめて捜査機関や裁判所に提出するといった形で釈放を目指して活動することになります。
また、場合によっては検察官、裁判官と直接もしくは電話で面談することも考えられます。

= 不起訴に向けて =
刑事処分には大きく起訴と不起訴があります。
起訴されると刑事裁判を受ける必要があります。捜査の際に、捜査機関の呼び出しに応じたのと同様、裁判所からの召喚に応じなければなりません。
また、(正式な)刑事裁判では弁護士はあなたの味方になってくれますが、検察官はもちろん、場合によっては裁判官からも厳しい質問を受けることもあります。

刑事裁判で有罪とされれば、懲役刑、罰金刑を科されます。
裁判が確定すれば前科が付きます。
他方、不起訴処分となれば、こうした不利益を受けることはありません。
精神的にもぐっと楽になるでしょう。

窃盗罪不起訴処分(起訴猶予)を受けるには、まず、何よりはじめに被害者に謝罪し、その上で示談交渉を行っていく必要があります。
そして、示談交渉の結果を刑事処分を決める検察官に提示して検察官の処分を待つしかありません(刑事処分を決めるのは検察官です)。
ただし、示談交渉は、交渉に慣れた弁護士に任せるのが無難です。
ご自身で行うにも、まず被害者とコンタクトをとることは難しいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。
24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

特殊詐欺における窃盗罪

2019-12-06

特殊詐欺における窃盗罪

特殊詐欺における窃盗罪について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Aは,福岡県筑後市において,特殊詐欺(振り込め詐欺)により,被害者がだまし取られたキャッシュカードを使用し,上記被害者の預金口座からATMより現金を複数回引き出していた。
特殊詐欺事件の被害を受けて捜査をしていた福岡県筑後警察署の警察官は,防犯カメラの映像などからAを窃盗罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は,特殊詐欺事件窃盗事件に強いと評判の刑事事件専門の弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです。)

~特殊詐欺と窃盗罪の関係~

本件Aは,いわゆる特殊詐欺(振り込め詐欺,現金受取型の詐欺などの総称)によって,だましとられたキャッシュカードを使い,被害者の口座から現金を引き出しています。
特殊詐欺事件において,こうした役割は「出し子」と呼ばれます。

まず一般の方が直感的に感じるのは,これは詐欺罪なのではないのかということではないでしょうか。
しかし,今回のAは窃盗罪で逮捕されており,詐欺罪では逮捕されていません。
これは,いかなる理由によるものなのでしょうか。

この点,刑法246条1項は「人を欺いて」「財物を交付させた者」を詐欺罪とする旨を定めており,「人」に対する行為にのみ詐欺罪の成立を認めています。
なぜならば,詐欺罪とは,人の意思に基づいて被害物が移転するという,交付罪であることに本質があるからです。
したがって,Aがキャッシュカードにより他人の口座から現金を引き出した行為自体は,振り込め詐欺の被害者の意思に基づく交付とはいえず,詐欺罪ではなく窃盗罪(刑法235条)に問疑されることになります。

刑法典は,「他人の財物を窃取した者」を窃盗罪とする規定を置いており,上記で見た詐欺罪の規定と異なり,客体を「人」に限っていません。
これは,窃盗罪が,詐欺罪とは反対に,被害者の意思に反する財物の移転を処罰する犯罪であり,被害者からの直接の交付を必要としないことによります。
したがって,ここでは,本来口座からの引出し権限を持たないAが,銀行の意思に反して現金を自らに移転させたということが問題となるため,窃盗罪の被害者は銀行だということになります。
そして,上記行為は銀行が設置したATMから「財物」たる現金を「窃取」したといえ,Aの行為には窃盗罪が成立することになります。

また,同銀行との関係では,AがATM設置店に入った行為自体が,建造物の管理者の意思に反する立ち入りとして,建造物侵入罪(130条前段)に当たり得ることにも注意が必要です。

もちろん,特殊詐欺に協力している認識を持ちながらこういった行為をしている場合には窃盗罪だけでなく詐欺罪も成立するため,今回の事例のAの認識次第では,今後詐欺罪での捜査や再逮捕も考えられます。

~出し子に対する弁護士の弁護活動~

この場合に,前提行為たる特殊詐欺(振り込め詐欺等)について,被疑者(本件A)の関与があるのかどうか等が,重要な事実なります。
前述したように,前提行為との共謀等が認められる場合には,窃盗罪のみならず詐欺罪(振り込め詐欺)の罪責も負う可能性があるからです。

起訴するかどうか,あるいはどのような罪で起訴するかどうかについては,基本的に検察官の裁量(起訴便宜主義・起訴独占主義)によるため,弁護士としては,被疑者の行為に対する処分をより軽くするために検察官に対する様々な働きかけを行っていくことが考えられます。
したがって,弁護士としては,Aは出し子として窃盗行為にのみ関与したにすぎないこと,あるいは詐欺に関与している場合には被害者との示談が成立していること等の事情があればそれを主張し,被疑者のための積極的な弁護活動を行っていくことなります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,特殊詐欺のからむ窃盗事件を含む刑事事件を専門的に取り扱う法律事務所です。
近年,特殊詐欺事件は社会問題と化しており,刑事事件としても重要性を増しています。
また,次々と最高裁判例が出されている分野でもあり,最新の刑事事件に関する知識が不可欠です。
窃盗事件で逮捕された方のご家族等は,365日24時間対応しているフリーダイヤル(0120-631-881)に お問い合わせください。
専門のスタッフが,お客様のニーズに合わせたサービスをご案内いたしますので,まずはお気軽にお電話ください。

連続自動車窃盗事件を起こし逮捕

2019-12-01

連続自動車窃盗事件を起こし逮捕

連続自動車窃盗事件を起こし逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

Aさんは、数人のメンバーで構成される、自動車窃盗集団のリーダー格です。
この自動車窃盗集団は、東京都西多摩郡の駐車場などに停められていた自動車を盗み出し、外国に売るなどして利益を得ていました。
ある日、Aさんの自宅に逮捕状を携えた警視庁青梅警察署の警察官が現れ、Aさんは窃盗罪の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんらの活動拠点にも捜索が入っています。
(フィクションです)

~自動車窃盗事件~

駐車場などに停められている自動車を盗むと、通常、窃盗罪の疑いをかけられると思います。
自動車を盗み出す動機として移動の用に供したかった、などのケースもありますが、Aさんのように、自動車窃盗を遂行するノウハウを整え、公にならないルートで自動車を売り、利益をあげる場合もあります。
高級車などのように、セキュリティが強固な自動車を盗み出すノウハウなども存在し、このような自動車窃盗集団は半ば職業的に窃盗を行っているケースも散見されます。。

このような自動車窃盗事件が管轄で起きると、警察も捜査を開始し、犯人グループの実態解明、犯人の検挙を目指して活動することになります。
ケースの場合は、警察が内偵を重ね、Aさんを逮捕できるだけの資料を集めて、Aさんの逮捕に至ったものと思われます。

~窃盗罪について~

窃盗罪とは、他人の占有する財物を窃取する犯罪であり、裁判で有罪が確定すると、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
他人が駐車場に停めている自動車は明らかに「財物」にあたります。
そして、施錠されている自動車のカギを開け、盗み出す行為は「窃取」に該当すると思われます。
したがって、Aさんに窃盗罪が成立する可能性は極めて高いと思われます。

~逮捕後どうなるか?~

自動車窃盗事件に限らず、逮捕された後は警察署に引致され、弁解を録取された後、取調べを受けることになります。
釈放されず、留置の必要があると認められると、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
Aさんが連続自動車窃盗事件の被疑者であることを考慮すると、この段階で釈放される可能性は低いと思われます。

送致後は、検察官がAさんを取調べ、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかを決めます。
Aさんの場合では、この段階においても上記と同様の理由で勾留請求がなされる可能性が高いと思われます。

勾留請求を受けた裁判官が勾留決定を出すと、10日間勾留されます。
勾留請求が却下された場合は、釈放されます。
勾留決定がなされた後、やむを得ない事由があると認められると、さらに最長10日間勾留されます。
勾留期間の満期までに検察官はAさんを起訴するか、不起訴にするか、処分保留で釈放するかを決めることになります。
もっとも、余罪がある場合、起訴したり釈放したりした後にすぐに再逮捕することもあります。

~Aさんはどうするべきか?~

Aさんが連続自動車窃盗事件の被疑者であると考えられていること、グループで犯行を行っており共犯者が存在すること、疑われ得る余罪が多数あることから、再逮捕が繰り返し行われ、Aさんの身体拘束は長期化する見込みが十分にあります。
まずは、弁護士に依頼し、なるべく早期に留置場や拘置所の外に出られるよう活動するべきでしょう。
弁護士の行う身柄解放活動として、「勾留をさせない活動」、「勾留後、釈放を目指す活動」、「再逮捕を防ぐ活動」、「早期に捜査を終えて起訴させる活動」、「保釈の実現を目指す活動」などが挙げられます。
組織的な事件で捜査中の釈放はなかなか難しいと思われますが、粘り強く、留置場の外で弁護士に活動してもらうことが大切です。

また、被害者と示談を行うことも重要です。
捜査の過程で余罪が明らかになり、多数の窃盗の公訴事実で起訴されると、実刑判決を受ける可能性もありえます。
そのため、できるだけ被害者と示談し、より軽い量刑による判決の獲得を目指すことも重要です。
まずは、接見にやってきた弁護士のアドバイスを聞いて、事件解決の見通しを立てましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、ケースの事件についてもご相談いただけます。
ご家族が連続自動車窃盗事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

京都市山科区で建造物侵入窃盗事件

2019-11-26

京都市山科区で建造物侵入窃盗事件

京都市山科区建造物侵入窃盗事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】

Aさんは仲間2人と京都市山科区内にある店舗に侵入し,店内にあった金庫を盗みました。
Aさんらの行為はお店に設置された監視カメラに捉えられており,被害届を受けた京都府山科警察署が捜査を開始しました。
現在Aさんらは窃盗罪建造物侵入罪の容疑で逮捕され取調べを受けています。
(フィクションです。)

【窃盗罪】

Aさんらは店舗内の金庫を盗み出しています。

ここで考えられるのが窃盗罪(刑法第235条)の適用です。

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪の対象となる財物とは,有体物である動産のことを意味します。
この動産の金銭的ないし経済的価値の有無は問われません。
そして「窃取」とは,占有者の意思に反して財物に対するその占有を排除し,その財物を自己の占有下に移す行為であり,「占有」とは現実に物を支配している状態を意味します。

どのような場合に占有があると認められるかは一概には言えませんが,過去の裁判例では,海中に落した物(最決昭和32・1・24・刑集11巻1号270頁)やバス待合所に一時的に置き忘れたカメラ(最判昭和32・11・8刑集11巻12号3061頁)などで所有者が意識していたり置いた場所をすぐに思い出して取りに戻ったりした場合にはその占有が認められています。
逆に,広大な湖沼に逃げ出した鯉(最決昭和56・2・20刑集35巻1号15頁)や大規模スーパー内の6階で置き忘れたが被害者が思い出して10分後に取りに戻った財布(東京高判平成3・4・1判時1400号128頁)について,その占有を否定した裁判例があります。

以上の裁判例を見ると,裁判所はその物が意識して置いてあるように見えることを重視して占有の有無を認定しているといえます。
具体的には以下のようなものを基準としていると考えられます。

①場所
自宅や自己の管理する場所内か,一般に人がその物を意識して置く場所かなど

②物自体の特性
忘れやすい物か,高価な物か,大きいか等

今回のケースについて考えると,たとえ店舗が無人であっても,店舗が誰かの管理下にある状態である場合,店舗内の物は管理者の占有下にあると判断されることになると思われます。
よって,他人の占有下にある金庫を盗み出したAさんらの行為は窃盗罪に問われる可能性が非常に高いです。

【建造物侵入罪】

窃盗罪に加え,今回のAさんらについては建造物侵入罪に問われる可能性もあります。
建造物侵入罪は住居侵入等罪として刑法第130条前段に規定されています。

刑法第130条
正当な理由がないのに,人の住居若しくは人の看守する邸宅,建造物若しくは艦船に侵入し…た者は,3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

「人の看守する」とは,管理人や監視人がいたり,鍵がかけられているなど,現実に人が支配・管理している状況にあるという意味です。
また,「侵入」とは,住居権者またはその委任を受けた看守者等の意思(推定的意思を含む)に反して,住居等の領域に立ち入ることと理解されています。
違法な目的を隠しての住居権者等の承諾を得た場合も,真意に基づく承諾ではないため建造物侵入罪の成立が認められています。

【建造物侵入窃盗事件の弁護活動】

まず,Aさんらは逮捕されてしまっているため,早期の身体拘束状態からの解放を目指すことが考えられます。
逮捕やそれに続く勾留は,逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがあることが条件となっています。
なので,これらのおそれがないことを示すことで勾留状請求や延長を阻止することが期待できます。

また,窃盗事件の場合,被害者に対して盗品を返還したり損害を賠償することなどによって示談を成立させることで,不起訴処分や執行猶予の獲得を狙える場合が多くあります。
示談についても弁護士を介して行うことでより円滑に交渉を進めることが期待でき,依頼者様の希望に沿う結果を得られる可能性を高めることができます。

窃盗事件建造物侵入事件の被疑者となってしまった方,ご家族やご友人が京都府山科警察署に逮捕されてお困りの方はお早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

神戸市垂水区の不動産侵奪事件

2019-11-21

神戸市垂水区の不動産侵奪事件

神戸市垂水区不動産侵奪事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】

Aさんは神戸市垂水区に所在する,市が所有している開発予定の空き地に簡易住宅を建設し居住を開始しました。
この簡易住宅は角材同士を釘で接合し,ベニヤ板を外壁とし,トタン屋根を釘付けしたもので,柱となる角材と土地とは固定されていませんでした。
パトロール中の兵庫県垂水警察署の警察官が簡易住宅に入ろうとしていたAさんに対し職務質問をし,Aさんは事情聴取のため兵庫県垂水警察署に同行することになりました。
(フィクションです)

【不動産侵奪罪】

他人の物を盗むと窃盗罪(刑法第235条)となりますが,それが他人の不動産であった場合は不動産侵奪罪(刑法第235条の2)という犯罪になります。

刑法第235条の2
他人の不動産を侵奪した者は,10年以下の懲役に処する。

「他人の」というのは他人の占有が及んでいるということを意味します。
もう少し具体的には,他人の事実上の支配下にあることをいいます。

そして不動産侵奪罪の対象である「不動産」とは,土地と建物(民法第86条第1項)のことをいいます。

不動産侵奪罪窃盗罪とその客体が異なるだけで,残りの成立要件は変わりません。
「侵奪」とは,窃盗罪における「窃取」と同じく他人の占有を排除して自己または第三者の占有を設定することをいいます。
この占有とはあくまで事実上の支配関係を意味しますので,例えば不動産登記を無断で行ったとしても,無断で登記をした人がその不動産を占有していなければ不動産侵奪罪にはあたりません。
ただし,登記名義を勝手に変更したことによって公正証書原本等不実記載罪(刑法第157条)などの罪に問われる可能性があります。

また,主観的要素として不法領得の意思が必要とされる点も窃盗罪と共通しています。
不法領得の意思とは,権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様に利用しまたは処分する意思ないし目的をいいます。

それでは,どのような場合に不動産の侵奪があったとされるのでしょう。

裁判所は,侵奪行為に当たるかどうかは,具体的事案に応じて,不動産の種類,占有侵害の方法,態様,占有期間の長短,原状回復の難易,占有排除及び占有設定の意思の強弱,相手方に与えた損害の有無などを総合的に判断し,社会通念に従って決定すべきとしています。
客体となった不動産が現在利用されていた場合や,占有侵害の方法・態様が重かったり,占有期間が長期に及んでいたあるいは及ぶであろうことが当然に予想される場合,原状回復が困難であった場合,占有排除意思が強かった場合などは侵奪行為に当たるとされる可能性が高くなります。

今回の事件では,Aさんは市が所有している空き地に簡易住宅を建てています。
空き地であっても市の開発予定地であることから市の占有下にある土地であることがうかがわれます。
建てられた簡易住宅にAさんが居住を始めていることから,もし不動産侵奪罪の被疑事実で捜査や起訴をされてしまった場合は,市による土地利用を妨げる占有侵害は長期に及ぶことが予想されるほか,Aさんの占有設定意思は強いものと検察や裁判所に認定される可能性は十分に考えられます。
しかし,この簡易住宅は角材とベニヤ板およびトタン板のみを素材とするとても簡素なもので,土地に接合されていない点も含めて原状回復が容易であると主張できます。
また,事案の概要からは明らかではありませんが,簡易住宅に利用された土地面積が狭ければそれも主張することでAさんの行為が不動産侵奪罪にいう侵奪といえるほどの強度がなく,また当罰性が低いと主張することもできそうです。

不動産侵奪罪の被疑者となってしまっても,被害者との示談を成立させることにより不起訴処分や執行猶予となる可能性を高めることができます。
刑事事件に強い弁護士に依頼することによって依頼者により有利な条件で示談を成立させることが期待できます。

否認される場合であっても,Aさんのケースのように侵奪の程度が低いことを主張するほか,不法領得の意思がないことを主張することによっても嫌疑不十分による不起訴や無罪判決を狙うことはできます。

被疑事実を認めるにせよ,否認するにせよ,早期から弁護活動を始めなければ依頼者の期待に応えた結果を得られる可能性は下がっていってしまいます。
不動産侵奪罪の被疑者となってしまった方,兵庫県垂水警察署で取調べを受けることになってしまった方は,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

営業秘密の書かれた書類を持ち出したら

2019-11-11

営業秘密の書かれた書類を持ち出したら

営業秘密の書かれた書類の持ち出し事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、さいたま市大宮区にある、食品Xを主力商品とする食品販売会社Bに、営業部の社員として勤務している。
食品Xは、そのレシピが公開されておらず、レシピが書かれた書類は商品開発部において管理されていた。
Aさんは、B社の競業他社に勤める友人のCさんから「食品Xのレシピの書かれた書類を持ってきてくれたら300万円を渡す」といわれた。
Aさんは、食品Xのレシピが書かれた書類を管理する業務に従事していなかったが、近いうちにB社を退職しようと考えていたことから、Cさんの要求に応じることにした。
Aさんは終業後の深夜に、食品Xのレシピが書かれた書類が保管されている商品開発部内の部屋に侵入し、同レシピを自らのカバンの中に入れて持ち去った。
その後、Aさんは、持ち去ったレシピをCさんに渡し、報酬として300万円を受け取った。
後日、B社から被害の申告を受けた埼玉県大宮警察署は、捜査の末Aさんを逮捕した。
(上記の事例はフィクションです)

今回のAさんは営業秘密の書かれた書類を持ち出し逮捕されていますが、これはいったいどういう犯罪になり得る行為なのでしょうか。
以下で検討していきましょう。

~業務上横領罪~

(業務上横領)
刑法第253条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

Aさんは、食品販売会社Bに営業部の社員にもかかわらず、B社の競業他社に勤めるCさんに対し、B社の営業秘密である食品Xのレシピを渡していることから、業務上横領罪の成立が考えられます。

業務上横領罪における「業務上」とは、社会生活上の地位に基づいて反復継続して行う業務のうち他人の物を保管することを内容とするものをいいます。
具体的に業務上横領罪が成立する例としては、会社から保管を命じられていたお金を社員が使い込んだ場合などが挙げられます。

上記の事例において、Aさんは食品Xを主力商品とするB社に勤務していますが、AさんはあくまでB社の営業部の社員であり、食品Xのレシピが書かれた書類は商品開発部において管理されています。
そのため、食品XのレシピについてAさんはB社から保管を命じられる立場にある訳ではなく、Aさんは食品Xのレシピの書かれた書類を「業務上」保管していたと評価することはできません。

また、業務上横領罪における「自己の占有」については、被害者との委託信任関係に基づく事実上又は法律上の占有をいうと考えられています。
上記の通りAさんはB社から食品Xのレシピの保管を命じられる立場に無かった以上、Aさんは、同レシピをB社との委託信任関係に基づいて占有していたとはいえず、同レシピについての「自己の占有」は認められません。
したがって、Aさんの上記行為について単純横領罪(刑法252条1項、法定刑は5年以下の懲役)が成立することもないといえます。

~窃盗罪~

(窃盗)
刑法第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

上記の通り、Aさんには食品Xのレシピの書かれた書類についての占有が認められないことから、Aさんが同レシピを持ち去った行為について窃盗罪の成立が考えられます。

食品XがB社の主力商品であり、そのレシピが他社に公開されていないことを踏まえると、食品Xのレシピの書かれた書類は財産的価値を有する書類であるといえ、「他人の財物」にあたります。
窃盗罪における「窃取」とは、占有者の意思に反して、自己又は第三者に財物の占有を移転させることをいいます。

上記の事例において、食品Xのレシピの書かれた書類を占有しているのは、B社の商品開発部の社員又はB社自身ということになります。
Aさんが同レシピを持ち去った行為は、商品開発部やB社の意思に反して、同レシピの占有を自己に移す行為といえることから「窃取」にあたります。

よって、上記事例におけるAさんの行為については、窃盗罪が成立することになるといえます。

~不正競争防止法違反の罪~

不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、詐欺等行為(人を欺き、人に暴行を加え、又は人を脅迫する行為をいう。次号において同じ。)又は管理侵害行為(財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)第2条第4項に規定する不正アクセス行為をいう。)その他の営業秘密保有者の管理を害する行為をいう。次号において同じ。)により、営業秘密を取得した者」は不正競争防止法21条1項1号違反となり、10年以下の懲役または200万円以下の罰金、またはその両方が科されます。

食品XのレシピはBの主力商品でレシピも公開されていないことから「営業秘密」にあたるといえます。
AさんはCさんに報酬300万円を提示して食品Xのレシピを要求してきたCさんに渡す目的で食品Xのレシピが書かれた書類を持ち去っていますから、不正の利益を得る目的で管理侵害行為により営業秘密を取得したといえます。
よって、Aさんには不正競争防止法違反も成立することになりそうです。

会社の秘密のレシピを売って報酬を得るという点で、不正の利益を得る目的で営業秘密を取得した面が強いこと、罰金額が大きいうえに懲役刑とともに科される可能性があり刑罰が重いことから、Aさんは不正競争防止法違反により処罰されるでしょう。

このように、営業秘密の書かれた書類を持ち出す行為には、業務上横領罪窃盗罪、さらには不正競争防止法違反が成立する可能性があり、会社との示談交渉のためにも出来る限り早期に弁護士を選任することが重要となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士初回接見サービス無料法律相談を行っています。
まずはご予約からフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

コンビニを渡り歩いて常習累犯窃盗罪

2019-11-06

コンビニを渡り歩いて常習累犯窃盗罪

コンビニを渡り歩いての常習累犯窃盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

住所不定・無職のAさんはお金に困っており、コンビニの面接を受け採用されるや、コンビニの売上金を盗んで逃走するという生活を繰り返し、16都府県、29店舗のコンビニ店から合計1000万円以上の売り上げ金を盗みました。
そして、Aさんはこれまでと同じように、今度は神奈川県川崎市内のコンビニに面接に行ったところ、「犯人とよく似た人物が面接に来ている」との通報を受けた神奈川県中原警察署の警察官により職務質問にあい、その後常習累犯窃盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~ 常習累犯窃盗罪とは ~

常習累犯窃盗罪は窃盗罪を繰り返し、さらに窃盗既遂罪あるいは窃盗未遂罪を犯した場合に問われ得る犯罪です。
盗犯等ノ防止及処分二関スル法律(以下、法律)」の3条に規定されています。

~ 常習累犯窃盗罪の要件 ~

法律3条の規定は以下のとおりです(ひらがな部分は実際はカタカナです)。

常習として前条に掲げたる刑法各条の罪又はその未遂の罪を犯したる者にしてその行為前10年内にこれらの罪又はこれらの罪と他の罪との併合罪に付き3回以上6月の懲役以上の刑の執行を受け又はその執行の免除を得たるものに対し刑を科すべきときは前条の例に依る

この規定を分解すると、

1 前条に掲げたる刑法各条の罪(刑法235条(窃盗)、236条(強盗)、238条(事後強盗)、239条(昏睡強盗))の罪又はこれらの未遂の罪を犯したこと
2 1記載の犯罪を常習として犯したこと
3 1記載の犯罪又はそれらの犯罪と他の犯罪との併合罪につき、懲役6月以上の刑の執行を受け又はその執行の免除を得たことがあること
4 3が、行為前の10年以内に3回以上あること

となります。

常習累犯窃盗罪の法定刑は3年以上の有期懲役です。

~ 「常習」とは ~

常習累犯窃盗罪では、常習性の認定がポイントとなります。

この点、上記2の「常習として」とは、反復して特定の行為を行う習癖をいいます。
常習性の有無について、裁判所は、行為者の前科・前歴はもちろん、性格、素行、犯行の動機、手口、態様、回数などを総合的に検討し、機会があれば,抑制力を働かせることなく安易に反復して窃盗を行ってしまう習癖があるといえるかどうかを基準に常習性を認定しているものと思われます。
したがって、「常習性」の認定は前科のみで判断されるわけではありません。
過去の窃盗前科の犯行態様が、ドライバーを使って古いアパートの錠を外して侵入し現金を盗んだ、という人が、本件で、スーパーマーケットの缶詰2個を万引きしたという事案で、裁判所(東京高裁:平成5年11月30日)は、「動機・態様を著しく異にしており、本件が窃盗の習癖の発現としてなされたものであるとは認められない」として常習性を否定しています。

~ 執行猶予の可能性も? ~

常習累犯窃盗罪の法定刑は3年以上の有期懲役ですから、執行猶予付き判決を受けることは極めて厳しいといえます(執行猶予付き判決を受ける要件の一つとして「3年以下の懲役又は禁錮」の言い渡しを受けることが必要です)。
また、事例のように被害額が1000万円を超える場合はなおされら厳しいといっても過言ではないでしょう。

しかし、被害額が少ない事案であっても常習累犯窃盗罪として起訴される場合があり、そうした場合は、執行猶予付き判決を獲得できる可能性も十分残されているといっていいでしょう。
法律上の減軽事由(刑法66条等)に当たる事情がある場合は、法定刑が減軽され、執行猶予付きの判決を獲得できるハードルを低めることはできます。
お困りの方は弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件専門の法律事務所です。
常習累犯窃盗事件などの刑事事件少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。
専門のスタッフが24時間体制で、初回接見サービス、無料法律相談の予約を受け付けております。

万引きで前科が付くの?

2019-10-27

万引きで前科が付くの?

東京都板橋区に住む主婦Aさん(36歳)は、近所にある大型ショッピングモールの化粧品売り場で、化粧品3点を万引きしたとして保安員に現行犯逮捕され、その後身柄を警視庁志村警察署の警察官に引き渡されました。
その後、Aさんは万引きの前歴2回を有していたことなどから窃盗罪で略式起訴され、前科1犯がつきました。
(フィクションです)

~ 万引き ~

万引き窃盗罪(刑法235条)に当たる立派な犯罪です。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

そして、窃盗罪で起訴され裁判で有罪とされれば、懲役刑、罰金刑を科されます。
では、「前科」はどのような経緯で付くのでしょうか?

~ 前科が付くまでの流れ ~

逮捕されてから「前科」が付くまでの流れは以下のとおりです。

逮捕 → 捜査 → 起訴(正式,略式) → 裁判(正式,略式) → 「有罪」 → 確定 → 前科

つまり、前科は、刑事裁判を受け、その刑事裁判で有罪とされ、被告人側、検察側の双方が不服申し立てができなくなった(つまり「確定」した)後付きます。
不服申し立てができなくなったとは、不服申し立て期間が経過した「自然確定」の場合と、不服申し立ての権利を放棄する「上訴放棄」及びいったんした不服申し立てを取り下げる「上訴取り下げ」があります。

~ 前科について ~

前科は検察庁の犯歴係(検察事務官が担当)が把握しており、決められた人にしか公開されません(一般人は知ることができません)。
前科は検察庁のシステムに記録され、取り消すことはできません。
そのため、いつでも検察事務官が作成する「前科調書」という書類に前科の記録を記載することができます。
ですから、仮に、あなたが今後犯罪を犯した場合は前科調書が発行され、捜査を担当する警察官、検察官はもちろん、裁判を担当する裁判官もその前科調書を見て、あなたが過去に窃盗前科を有していることを把握することができます。

~ 前科を回避するには? ~

上記の経過を右の方からたどりますと、まず裁判で「無罪」判決を獲得することが考えられます。
しかし、有罪率が高い日本の刑事裁判ではこのことを目指すのはあまり現実的ではないかもしれません(もっとも、冤罪事件の場合は無罪判決獲得を目指す必要があります)。

次に、考えられるのは、検察官の起訴を回避することでしょう。
検察官の起訴を回避する、すなわち、不起訴処分を獲得することができればそもそも刑事裁判を受ける必要はなく、裁判で有罪の判決を受けるおそれもないからです。
そして、不起訴処分を獲得するには、まずは被害者に精神誠意謝罪し、被害弁償、示談に向けた話し合いを進めていく必要があります。
被害者に被害弁償するなどして示談を成立させることができればあなたにとって有利な情状として考慮され、不起訴処分を獲得できる可能性が高くなると考えられるからです。

~ 被害弁償、示談は弁護士に依頼を ~

もちろん事件の当事者間でも被害弁償、示談交渉をすることはできます。
しかし、事件当事者というだけあって、感情のもつれなどから被害弁償、示談交渉がなかなかうまく進まない場合もあります。
そんなときは弁護士が力になれます。
示談交渉に関する経験、知識が豊富な弁護士であれば、適切な内容・形式での示談締結を目指して活動を行います。

逮捕の後、勾留された場合、私選の弁護士を選任していない限り国選の弁護士が選任されます。
国選の弁護士も私選同様、示談交渉に当たってくれるでしょう。
しかし、特に、当初から在宅事件の場合、逮捕から勾留までに釈放された場合は注意が必要です。
その場合は国選の弁護人は選任されませんから、ご自身で示談交渉を行っていただく必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、万引きなどの窃盗事件をはじめとする刑事事件少年事件専門の法律事務所です。
ご家族が窃盗罪などの刑事事件で逮捕され、前科が付くのを回避したいとお考えの方、その他でお困りの方は、0120-631-881までお気軽にお電話ください。
土日・祝日を問わず、専門のスタッフが24時間、無料法律相談、初回接見サービスのご予約を承っております。

福岡県田川市の万引きで逮捕

2019-10-22

福岡県田川市の万引きで逮捕

福岡県田川市万引き事件とその逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、福岡県田川市内のスーパーにおいて、生活用品を繰り返し万引きしていました。
Aさんには過去にも同じく万引きで警察に連れて行かれた経歴があります。
スーパーも、頻繁に万引きをされて困っていたので、福岡県田川警察署に被害届を出しました。
ある日、Aさんがいつものようにスーパーで万引きをし、玄関を出たところ、警備員に声をかけられ、事務室に連れて行かれました。
まもなく駆け付けた警察官により、Aさんは窃盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~万引きをするとどのような罪が成立するか?~

店舗において万引きをすると、通常、窃盗罪が成立します。
窃盗罪は、他人の占有する財物を窃取する犯罪であり、法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。

~万引きをしたAさんはどうなるか?~

Aさんには過去に、万引きで警察に連れて行かれた経験があります。
被害額が僅少な窃盗事件においては、被疑者が捕まっても、「微罪処分」になり、検察に事件を送致せず、事件を終了させる場合があります。
Aさんも、前回は微罪処分を受けたことにより、本格的な刑事事件の手続きに乗らずに済んだのかもしれません。
しかし、今回の万引き事件においては、Aさんは窃盗罪の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんはどうなってしまうのでしょうか。

~逮捕後の刑事手続~

逮捕されると、警察署に引致され、弁解を録取された後、取調べを受けることになります。
取調べを受けたあと、釈放されることもありますが、留置の必要があると認められると、留置場に入らなければならず、帰宅することができません。
この場合警察は、逮捕時から48時間以内にAさんを検察に「送致」しなければなりません。

「送致」を受けた検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するか、あるいは起訴するかを決めなければなりません。
勾留請求をされ、裁判官が勾留決定を出すと、10日間勾留されます。
やむを得ない事由があると認められると、さらに最長10日間勾留が延長されます。
検察官は、勾留の満期日までに、Aさんを起訴するか、不起訴にするか、あるいは処分を保留して釈放するかを決めます。

~勾留を防ぐ活動を弁護士に依頼~

上記の通り、一旦勾留されると身体拘束が長引きます。
勾留請求をされる前に釈放されれば、早期に帰宅することができます。
弁護士は、検察官に対し、Aさんに逃亡・罪証隠滅のおそれがないなど、勾留の要件を満たさないことを訴え、勾留請求をしないように働きかけることができます。
また、勾留決定を出す裁判官に対しても、勾留決定をしないように交渉する活動を行うことができます。

上記の活動にも関わらず勾留されてしまった場合には、準抗告などの不服申し立て制度を活用し、勾留の取消などを求めて活動することになるでしょう。

~示談交渉を弁護士に依頼~

スーパーと示談が成立すれば、逃亡・罪証隠滅のおそれがないと判断され、早期に釈放される可能性が高まります。
ただし、Aさんが留置場や拘置所の中にいる場合は自分で示談交渉することはできませんので、弁護士に示談交渉を依頼する必要があります。

また、釈放され、在宅で事件が進行している場合であっても、弁護士に示談交渉を依頼することをおすすめします。
Aさんがスーパーと直接交渉すると、不当に高額な損害賠償請求を受ける、法律的に意味のない内容の示談を成立させてしまう、そもそも担当者が面会してくれないなどの問題が生じることがあります。
Aさんとスーパーの間に弁護士を立たせることにより、妥当な金額による、法律的に意味のある示談の成立に向けた示談交渉を行うことができます。
また、スーパーの担当者がAさんとは会ってくれない場合であっても、代理人であれば会う、という方針をとる可能性もあります。

まずは、接見にやってきた弁護士に、身柄解放活動、示談交渉、取調べの対応方法についてアドバイスを受けましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、万引き(窃盗)事件についてもご相談いただけます。
ご家族が万引き(窃盗)事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

兵庫県川西市の冤罪事件で誤認逮捕

2019-10-17

兵庫県川西市の冤罪事件で誤認逮捕

兵庫県川西市冤罪事件誤認逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】
兵庫県川西市に住むAさんは,近所のスーパーで窃盗行為を行ったとして兵庫県川西警察署逮捕されました。
身に覚えのないことで逮捕されてしまったAさんは,当初は無実を主張していました。
しかし,長時間に及ぶ取調べや取調べにあたった警察官の高圧的な態度に疲弊したAさんは罪を認めてしまいました。
後日,犯人を名乗る人物が出頭し,捜査の過程でAさんが無実であったことが分かりました。
(フィクションです)

【冤罪事件と誤認逮捕】

窃盗事件などの刑事事件では,監視カメラに写っていた人物とよく似ていたり,捜査の過程で聞き込みに応じた人からの証言にたまたま合致していたなどといった理由で,さも犯罪者であるかのような扱いを受けてしまう場合があります。
そういった方の中には逮捕や起訴されたり,そのまま有罪判決を受けてしまう方もいます。

こうした冤罪の原因の1つとしては,Aさんのように長時間に及ぶ取調べや半ば脅しのような警察官の言動によって自白を強要されたりすることがまま挙げられます。
自白のみによって有罪となることはありませんが,捜査機関や裁判所は自白を有力な証拠としてみているため,冤罪にも関わらず自白してしまうことは被疑者自身にとって不利に扱われることになってしまいます。

ですが,一度してしまった自白を後になって争うことは非常に困難です。
取調べに弁護士が立ち会うことは認められておらず,また裁判の場では自白が違法な取調べによってなされたものであるということを証明する事実や証拠がほとんどないからです。

そこで,虚偽の自白をしないためにも,早期の段階から弁護士をつけてしっかりと取調べに対応していくことが必要です。
被疑者の方には「弁護人選任権」「接見交通権」「黙秘権」「署名押印拒絶権」「調書の増減変更申立権」等、様々な権利が保障されています。
これらの権利の具体的な内容や行使の方法を弁護士からアドバイスを受けることは,冤罪防止のためには非常に重要であるといえます。

【冤罪事件における弁護士の役割】

身に覚えのない冤罪であることで被疑者となってしまった場合でも,原則として取調べを受けることになります。
全ての取調べがそうであるとは言えませんが,中には昼夜を問わず長時間にわたる取調べや,テーブルなどの物を叩きつけたり威圧したり脅迫じみた言葉を混ぜながら行われる取調べもあるようです。
このような取調べはすべて違法または不当な取調べです。
以上のような取調べが行われた場合,絶対に虚偽の自白はせず,すぐに弁護士を呼んでください。
弁護士は適切なアドバイスとともに捜査側や裁判所に対して適切な対処をいたします。
例えば,抗議文の提出,身体拘束解放活動に向けて活動,検察官に取調べの全過程の録音・録画を申入れたりします(録音・録画により違法・不当な取調べが抑止されることにつながります)。

そして,違法な手段で得られた自白は証拠として採用することができません。
仮に虚偽の自白をしてしまっても,このような取調べによって得られた自白は任意にされた自白ではないため証拠として採用されない可能性があります。
違法な取調べによって得られた自白調書は任意性に疑いがある証拠として,自白調書排除への判断につながります。
ただし,冒頭でも触れたように,違法・不当な取調べであったと裁判所に認められるハードルは非常に高いです。
したがって,できるだけ早期の段階から弁護士のアドバイスを受け不利な調書を作成されないようにする必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件を専門に扱う弁護士が直接無料相談や初回接見サービスを行っております。
冤罪で被疑者となってしまった方,誤認逮捕をされてしまってお困りの方は,早急に,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談下さい。

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