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(事例紹介)橋名板の窃盗事件で捜査されている事例
(事例紹介)橋名板の窃盗事件で捜査されている事例
事例
北海道白老町で橋の名前などが表記された橋名板38枚が盗まれる窃盗事件がありました。
(略)
盗まれた橋名板は青銅製で、警察は、銅を狙った窃盗事件として捜査しています。
北海道では、これ以外にも金属を狙った窃盗事件が相次いでいます。
事件の背景にあるのは、世界的な銅需要の高まりにあり、銅の平均取引価格は、この20年間で3倍以上となる1トン当たり125万円ほどまで高騰しているようです。
(2022年12月10日配信の北海道ニュースUHBの記事から引用しています。)
橋名板の窃盗事件
橋名板(きょうめいばん)とは、橋の名称などを示すために設置される銘板の一種です。
橋名板は雨風に晒されても痛みにくい銅や真鍮で造られていることが多く、報道にある通り、銅価格が高騰している近年では、転売目的での窃盗が相次いでいるようです。
今年だけでも、栃木県矢板市、静岡県浜松市などで橋名板の窃盗事件が起こっているとの報道も見かけます。
ある地域の周辺で複数の橋名板が盗まれることが多いため、同一人物又は同一グループの犯行であると考えられて捜査されることも少なくないようです。
こうした橋名板を盗む行為は、窃盗罪に当たります。
窃盗罪は、刑法235条に定められています。法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっており、軽い罪とはいえません。
窃盗罪の成立要件としては、①「他人の財物」を、②「窃取した」ことに加えて、③故意及び不法領得の意思を有することが必要です。
まず、①「他人の財物」とは、他人が占有する財物、すなわち、他人が所有・管理しているもののことをいいます。
橋の橋名板は、その橋を管理している市などに占有があるため、窃盗罪の客体である「他人の財物」に当たります。
次に、②「窃取した」とは、他人の占有する財物を、占有者の意思に反して、その占有を侵害し自己または第三者の占有に移転させることをいいます。
ボルトなどを外して橋名板を持ち去ることは、当然占有者の意志に反して占有を自己に移転させることに当たるでしょうから「窃取した」といえます。
最後に、窃盗罪が成立するには、③故意及び不法領得の意思を有することが求められます。
窃盗罪が成立するためには、行為者が窃盗の故意を有している必要があります。
故意の内容としては、他人の財物を窃取することの認識・認容が必要です。
もっとも、窃盗罪は、毀棄罪や不可罰の使用窃盗と窃盗罪を区別するため、故意に加えて不法領得の意思も必要であるとされています。
不法領得の意思とは、判例によれば「権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様に、その経済的用法に従いこれを利用し処分する意思」をいいます。
転売目的での窃盗であれば、故意も不法領得の意思も認められる可能性は高いでしょう。
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(事例紹介)住居侵入罪と窃盗未遂罪で緊急逮捕 緊急逮捕とは?
(事例紹介)住居侵入罪と窃盗未遂罪で緊急逮捕 緊急逮捕とは?
~事例~
(略)
住居侵入と窃盗未遂の疑いで緊急逮捕されたのは、(略)会社員の男です。
警察によりますと、男は12日午後1時35分から午後1時40分の間、17歳の男子高校生が住む仙台市宮城野区のアパートの部屋に侵入し、財布を盗もうとした疑いが持たれています。
(略)
男は男子高校生に見つかると車で逃走しましたが、車のナンバーや特徴を高校生が覚えていたためその後、警察に逮捕されました。
警察の調べに対し、男は「間違いありません」と容疑を認めているということです。
(※2022年12月13日0:48YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)
~緊急逮捕とは?~
今回の事例では、男性が住居侵入罪と窃盗未遂罪の容疑で緊急逮捕されたと報道されています。
一般に「逮捕」というと「犯罪をした人が警察に捕まるものだ」というイメージがあると思いますが、逮捕にもいくつか種類があり、緊急逮捕もその1つです。
よくイメージされる「逮捕」は、刑事ドラマなどで捜査官が令状をもってやってきて逮捕するもの(いわゆる「通常逮捕」)や、今まさに犯罪をした人を逮捕する「現行犯逮捕」でしょう。
では、「緊急逮捕」とはどういった逮捕なのでしょうか。
刑事訴訟法第210条第1項
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。
この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。
逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
通常、逮捕は裁判所の発布する令状をもって行われなければいけません。
先ほど例として挙げたような、令状を示して逮捕するような逮捕が「通常逮捕」と呼ばれるのも、こうした逮捕の形式が原則とされていることによります。
しかし、今まさに犯罪をしている人=現行犯については、冤罪の可能性も少なく緊急性も高いといった事情から、令状なしの逮捕=「現行犯逮捕」が認められています。
こうした中、「緊急逮捕」は刑事訴訟法第210条第1項の条文にある通り、一定の条件を満たした場合、令状なしでの逮捕が許される逮捕ですが、逮捕の後に速やかに令状を請求しなければならず、その際に令状が発布されない場合には被疑者が釈放されるという決まりになっています。
つまり、「緊急逮捕」は事後的に令状を請求する仕組みの逮捕ということです。
この緊急逮捕には、先ほど触れたように条件が定められています。
条件なしに緊急逮捕できるようになってしまえば、令状なしの逮捕が濫用されることになってしまい、権力の濫用に繋がってしまうためです。
緊急逮捕が許されるのは、「死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合」かつ、「急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないとき」でなければいけません。
今回の事例にあてはめてみましょう。
今回緊急逮捕された男性にかけられている容疑は、住居侵入罪と窃盗未遂罪です。
それぞれの法定刑は、「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」(刑法第130条、住居侵入罪)、「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(刑法第235条、窃盗罪)となっており、「長期3年以上の懲役…にあたる罪」であるといえます。
報道によると、住居侵入罪や窃盗未遂罪の被害者が車のナンバーや特徴などを覚えていたことから男性につながっており、こうした情報が男性が「罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由」であると判断されたと考えられます。
そして、状況的に「急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができない」ものであったと考えられ、緊急逮捕に至ったのでしょう。
刑事事件では、耳馴染みのある用語であっても、その中にさらに種類が分かれていたり、取り扱いが異なったりすることがあります。
刑事手続に臨むにあたって、疑問や不安を解消しておくことは重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、小さな疑問・不安であっても迅速に解消できるよう、相談者様に合わせたサービスをご用意しています。
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(事例紹介)農作物の窃盗事件
(事例紹介)農作物の窃盗事件
~事例~
27日、茨城県鉾田市の農業用ハウスでミニトマトおよそ1トンがなくなっていたことがわかり、警察が窃盗事件として捜査しています。
27日午前7時半ごろ、鉾田市の農家の男性から、農業用ハウスで育てていたミニトマトが大量になくなっていると警察に通報がありました。
警察によりますと、10棟のハウスのうち、4棟でミニトマトがもぎとられていて、被害はおよそ1トン、金額にしておよそ100万円相当だということです。
(後略)
(※2022年9月28日15:18NHK NEWS WEB配信記事より引用)
~農作物の窃盗事件~
昨今、野菜や果物などの農作物の窃盗事件が多発しており、ニュースなどでも農作物の窃盗事件が取り上げられているところを見たことのある方も少なくないのではないでしょうか。
農林水産省でも、農作物の窃盗事件について注意喚起が行われています(参考ページ(この後の統計もこちらのページ・資料を参考にしています。))。
農林水産省が平成30年度に行った聞き取り調査によると、農作物の窃盗事件の被害金額は全体のうち6割が不明とされています。
そして、把握できたもののうち9割近くが50万円未満のものであったとのことですが、中には100万円以上の被害にあったというケースもあるようです。
農作物の窃盗事件が起きた場所も、その半分近くが不明であったものの、その中でももっとも多く挙げられていたのは圃場(ほ場:田畑などの農地のことを指します。)であり、農作物の窃盗事件の半数が圃場で起きています。
田畑は屋外にあり、かつ広いため、一目が少なく、忍び込みやすく逃げやすいということから、田畑での窃盗事件が多いのではないかと考えられます。
田畑にある農作物は、屋外にあり、多くの場合24時間人がいるというわけではないため、一見その場所に放置してあるもののように思えるかもしれませんが、生産者の方が育て管理しているものです。
その農作物は、売り物として出されるわけですから、当然財産的価値もあるものといえます。
こうしたことから、たとえ屋外の田畑にあったとしても、農作物を勝手に持って行くといった行為は窃盗罪に当たることとなります。
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
今回取り上げた事例のように、大量の農作物を盗んだということであれば、被害金額も高額になりますし、さらに計画性があることなどから悪質性も高いと考えられ、有罪となった際の刑罰が重くなることが予想されます。
被害弁償などの対応も含め、一度弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕された方向けの初回接見サービス、在宅捜査を受けている方やこれから捜査を受ける予定の方向けの初回無料法律相談など、ご相談者様の状況に合わせたサービスをご用意しています。
窃盗事件にお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
(事例紹介)常習累犯窃盗罪で実刑判決となった事例
(事例紹介)常習累犯窃盗罪で実刑判決となった事例
~事例~
(略)
冒頭陳述によると、被告の男(65)は30歳頃から服役と出所を繰り返してきた。窃盗の前科は12犯。直近では岡山地裁で懲役3年6月の判決を受けた。
今年5月に出所してから神戸市内のホテルやテントで寝泊まりした。所持金がほとんど底をつき、滋賀県の知人に会おうと区役所の近くにとめられていた自転車を盗む。6日後、この自転車で大津市に入り、道の駅で米菓子やカップ酒などを万引した。
出所後わずか2週間での犯行だった。大津北署に逮捕され、常習累犯窃盗などの罪で起訴。
(中略)
検察側の求刑は懲役6年。弁護人は、支援を断られた上に生活保護の「水際作戦」を受けた末の金銭的困窮が犯行の原因と訴えた。
(中略)
9月8日、裁判官が男に言い渡した2度目の判決は懲役3年8月だった。出所後まもない再犯であり、想定していた支援を受けられなかったことが遠因にあるとしても「強い非難に値する」と量刑理由を説明した。
(後略)
(※2022年11月18日11:00YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)
~常習累犯窃盗罪と実刑判決~
前回の記事では、常習累犯窃盗罪について取り上げましたが、今回の記事では、その常習累犯窃盗罪で実刑判決を受けた事例の報道を取り上げます。
今回の事例では、被告人が常習累犯窃盗罪で起訴されるに至っていますが、それまでに窃盗罪での前科が12犯あり、直近では3年6月の実刑判決を受け、その刑を受け終わった後の事件であったという報道内容となっています。
前回の記事でも確認した通り、常習累犯窃盗罪は、窃盗罪を繰り返し犯してしまった場合で、一定の条件を満たした場合に成立する犯罪です。
盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第3条
常習トシテ前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行為前十年内ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三回以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ対シ刑ヲ科スベキトキハ前条ノ例ニ依ル
(注:「前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪」とは、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第2条の「刑法第二百三十五条…第二百三十九条ノ罪」を指し、「前条ノ例」とは、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第2条の「三年以上…ノ有期懲役ニ処ス」を指します。)
まとめると、
①窃盗罪などを常習的にしていること
②過去10年以内に窃盗罪等で3回以上6ヶ月の懲役以上の刑の執行を受けるか、その執行の免除を受けていること
といった条件を満たした場合、窃盗罪ではなく常習累犯窃盗罪が成立することになります。
今回の事例では、被告人が過去10年以内にどれほど窃盗罪などにより刑罰を受けたのかということは報道からは分かりませんが、常習累犯窃盗罪で起訴され有罪判決を受けているということは、10年以内に3回以上、6ヶ月の懲役以上の刑罰を受けていたということでしょう。
この常習累犯窃盗罪は、窃盗罪などを繰り返してしまう人に対して、より重く処罰しようという目的で定められた犯罪です。
定められている刑罰の重さも、「3年以上の有期懲役」と大変重いものとなっており、執行猶予をつけることも簡単ではありません。
今回の事例でも、被告人は3年8月の実刑判決を受けています。
常習累犯窃盗罪となるほど窃盗事件を繰り返し起こしてしまう場合には、被害弁償などの被害者対応だけではなく、そもそも窃盗行為を繰り返さないようにする再犯防止策の構築が必須であるといえます。
たとえ執行猶予を得られたり、検察官の求刑から刑罰を減軽することができたりしたとしても、その後また窃盗行為を繰り返してしまえば、ただ刑務所に入って出てくるということを繰り返すだけになってしまいます。
しかし、再犯防止のために何をするのか、どういった対応が適切なのかということがなかなか思い浮かばないということもあるでしょう。
刑事手続の流れも含めて、一度弁護士に相談されることをおすすめします。
刑事事件を多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、常習累犯窃盗事件を含めた窃盗事件についてもご相談・ご依頼を受け付けています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
(法律紹介)「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」~常習累犯窃盗罪とは
(法律紹介)「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」~常習累犯窃盗罪とは
前回の記事でも取り上げた通り、窃盗事件は比較的私達の生活の近くにある刑事事件の1つでしょう。
万引きや置引きなどは、やろうと思えば誰でもできてしまう犯罪行為でしょうし、実際に日本で起きている刑事事件の中で窃盗事件の占める割合は大変多いです。
そして、前回の記事で紹介した通り、窃盗事件では、窃盗行為を繰り返してしまうという方も多数いらっしゃいます。
そうした、何回も窃盗事件を起こしてしまうという場合について、常習累犯窃盗罪という犯罪が成立することがあります。
今回の記事では、この常習累犯窃盗罪という犯罪について紹介します。
~常習累犯窃盗罪~
常習累犯窃盗罪という犯罪は、「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」という法律に定められています。
盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第3条
常習トシテ前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行為前十年内ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三回以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ対シ刑ヲ科スベキトキハ前条ノ例ニ依ル
(注:「前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪」とは、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第2条の「刑法第二百三十五条…第二百三十九条ノ罪」を指し、「前条ノ例」とは、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第2条の「三年以上…ノ有期懲役ニ処ス」を指します。)
条文をご覧いただいて分かるように、この法律は昭和5年に作られた法律であり、かなり古い法律となっています。
読みづらいかもしれませんが、大まかにまとめると、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第3条では、「常習として刑法の窃盗罪などの罪やその未遂罪を犯し、その本件以外に、過去10年以内に窃盗罪や窃盗未遂罪などの罪で、3回以上6か月の懲役以上の刑の執行を受けるか、その執行の免除を受けた者」に常習累犯窃盗罪が成立するとしています。
例えば、窃盗事件を起こした犯人が、常習的に窃盗行為をしており、かつ、過去10年の間に窃盗罪で懲役2年、懲役1年、懲役6月という前科のある人だったとします。
その場合、この犯人に成立するのは、窃盗罪ではなく常習累犯窃盗罪となります。
なお、この「過去10年以内に窃盗罪等の罪で3回以上6か月の懲役以上の刑の執行を受ける」という条件の刑の執行の回数については、執行猶予の取消しによって刑罰を受けるときも含まれます。
つまり、窃盗罪の執行猶予判決を受け、その執行猶予期間中に再度窃盗罪を受けて執行猶予が取り消され、起こした窃盗罪についても実刑判決を受けたという場合には、2回分刑の執行を受けたというカウントになります。
窃盗罪の法定刑が「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であるのに対し、この常習累犯窃盗罪の法定刑は「3年以上の有期懲役」となっています。
罰金刑の規定がなく、かつ、懲役刑の下限(最低3年)が決まっているため、単なる窃盗罪よりも常習累犯窃盗罪の方が重く処罰されることとなります。
常習累犯窃盗罪は、窃盗行為等を繰り返す人に対し、より重く処罰しようと規定された犯罪のため、このような形となっているのです。
常習累犯窃盗罪となるほど窃盗行為を繰り返してしまう場合、単に示談等を行うだけではなく、その後再度窃盗行為をしないように再犯防止の取り組みをすることなども重要となってきます。
そうした活動によって、刑罰の減軽や執行猶予を目指していくことが考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、常習累犯窃盗事件を含めた窃盗事件についても、刑事事件を多数扱う弁護士がサポートしていきます。
お問い合わせは0120-631-881で受け付けておりますので、まずはお気軽にお電話ください。
(データ紹介)窃盗事件と再犯・前科 窃盗罪は繰り返してしまう?
(データ紹介)窃盗事件と再犯・前科 窃盗罪は繰り返してしまう?
今回は、法務省の統計(令和3年犯罪白書:参考)を基に、令和2年に検挙された窃盗事件と、再犯・前科について確認していきます。
~窃盗事件と再犯・前科~
万引きなどの窃盗事件を起こす方の中には、過去にも複数回窃盗事件を起こしている方や、窃盗罪の前科を持っているという方もいらっしゃいます。
法務省の統計(令和3年犯罪白書)によると、令和2年に検挙された窃盗犯7万9,242人のうち、前科がない者が71.9%に対し、窃盗犯以外の前科がある者が7.9%、窃盗犯による前科(同一罪名による前科)のある者が17.1%、窃盗犯による前科(同一罪名による前科)が5犯以上の者が3%となっています。
この数字を見ると、「意外と再犯率が高くない」と思われるかもしれませんが、窃盗罪は、他の刑法犯と比較して、同一罪名による前科をもつ者の再犯が多い傾向にあります。
例えば、窃盗罪と同じ財産犯である詐欺罪について確認してみると、令和2年に詐欺罪で検挙された者のうち、詐欺罪以外の前科がある者が23.2%、同一罪名による前科のある者が11.5%、同一罪名による前科が5犯以上ある者が2%となっています。
さらに、窃盗罪同様に身近な犯罪でもある傷害罪・暴行罪について確認してみると、令和2年に傷害罪・暴行罪で検挙された者のうち、傷害罪・暴行罪以外の前科がある者が14.5%、同一罪名による前科がある者は10.7%、同一罪名による前科が5犯以上ある者は0.6%となっています。
令和3年犯罪白書によると、刑法犯で検挙された人のうち、同一罪名での前科がある人の割合がそれ以外の前科のある人よりも高かったのは、窃盗罪のみとなっていました。
こうして他の犯罪と比較してみると、窃盗罪で検挙された過去に前科がある人のうち、過去に同じく窃盗罪を犯したことによる前科のある人の割合が高いということが分かります。
また、同じく令和3年犯罪白書では、令和2年に窃盗罪で起訴された者のうち、前科を有していた者が50%を超えているという統計も出ています。
このように、窃盗事件では、「以前も窃盗罪を犯したことがある」「窃盗罪で前科がある」という人が、他の犯罪を比較して多い傾向にあります。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(刑法第235条)です。
金額の低い万引きだったとしても、窃盗罪で検挙されることを何回か繰り返すごとに、当然下される刑罰は重くなっていきます。
最初はお詫びや弁償をして注意されて済んでいたとしても、回数を繰り返せば罰金刑を下されることになりますし、さらに繰り返せば起訴されて裁判を受けることや、刑務所へ行くことにもなります。
窃盗事件を起こしてしまった際には、刑事事件自体への対応も必要になってきますが、その後の再犯防止についても真摯に考え取り組んでいくことが求められます。
そのためにも、まずは刑事事件に精通した弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、万引きを含む窃盗事件についてのご相談・ご依頼も承っています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
(事例紹介)無人販売所での窃盗事件
(事例紹介)無人販売所での窃盗事件
~事例~
兵庫県尼崎市にある無人販売所で、餃子など大量の商品を盗む男の犯行を防犯カメラが捉えていました。店側は被害届を提出し、警察が窃盗事件として調べています。
無人販売所の店内にある防犯カメラの映像では、11月2日に店に訪れた男がキムチ1袋を手に取り集金箱へ向かう様子が映っています。男は小銭を入れるそぶりを見せますが…、料金を支払っていないように見えます。その後、再び冷凍庫の前に戻りレジ袋に次々と餃子や精肉など4000円相当を入れていきます。そして今度は集金箱に立ち寄ることさえせずに立ち去りました。
同じ人物と思われる男は2日間で4回店を訪れましたが、いずれも支払いをせずに商品を持ち帰ったということです。被害額は3万5000円相当だとということです。
(後略)
(※2022年11月9日12:10MBS NEWS配信記事より引用)
~無人販売所と窃盗罪~
昨今、コロナ禍の影響もあってか、今回の事例に登場するような、食品などの無人販売所が増えてきています。
無人販売所では、それぞれ物を購入するシステムや手順が異なり、事例に登場した無人販売所のように、店内にある集金箱に客が自分で料金を入れて商品を持って行くものから、店内のタブレット端末やPC端末などによってキャッシュレス決済をするというもの、商品についているQRコードやバーコードなどを客のスマホやタブレットで読み込んで事後的に決済を行うものなど様々です。
この記事を読まれている方の中にも、こういった無人販売所を利用したことのある方がいらっしゃるかもしれません。
この無人販売所は、文字通り店員がおらず、先ほど触れたような手法で客自身が料金の支払い手続きなどを全て行うことになります。
人の目がないということもあってか、今回取り上げたような窃盗事件が起こってしまうこともしばしばあるようです。
当然、店の商品を料金を支払わずに持ち出すことは刑法の窃盗罪に当たる行為です。
刑法第235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
無人販売所は店の者がいないため、そこに置いてある商品は置きっぱなしであるように思えますが、商品は店内に管理されて置いてあることに間違いはありません。
こうしたことから無人販売所に置いてある商品は店の管理下にある物=「他人の財物」であり、それを盗んだ場合には窃盗罪となります。
窃盗罪の刑罰は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という幅をもった形で設定されており、態様や被害金額などによっては、たとえ初犯であっても起訴され刑事裁判となる可能性もあります。
無人販売所では、窃盗行為防止のために防犯カメラなどを設置しているところも少なくなく、今回の事例も防犯カメラの映像から窃盗行為が発覚し、窃盗事件として警察が捜査する事態となっています。
刑事事件化した段階から早めに弁護士に相談し、見通しや可能な弁護活動について聞いてみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、すでに捜査を受けて警察から呼び出されている方だけでなく、これから刑事事件化が見込まれるという状態の方についてのご相談もお受けしています。
「窃盗行為をしてしまい被害届が出ている」「これから警察の捜査を受ける予定だが不安がある」といった方も、まずはお問い合わせください(0120-631-881)。
(データ紹介)大阪府で多い窃盗事件はどんな事件?
(データ紹介)大阪府で多い窃盗事件はどんな事件?
万引きや置引きなどを含む窃盗事件は私達の生活に近い刑事事件の類であるといえます。
今回は、特に大阪府に注目し、どういった窃盗事件が多く起きているのかといったことを取り上げていきます。
~大阪府での窃盗事件~
そもそも、大阪府ではどれほど刑法犯(刑法に定められている犯罪をした者)が認知・検挙されているのでしょうか。
大阪府警の統計(参考)によると、令和3年に大阪府警によって認知された刑法犯による刑事事件は6万2,690件、そのうち検挙された件数は1万8,547件、検挙された人数は1万3,626人です。
このうち、窃盗罪などの窃盗犯は認知件数が4万5,105件、検挙された件数は1万234件、検挙された人数は6,158人となっています。
つまり、令和3年に大阪府警が認知した刑法犯の件数の7割が窃盗犯であり、検挙されている刑法犯の件数・人員の5割以上が窃盗犯ということになります。
この数字を見ても、窃盗事件が刑事事件の中でも多く発生しているものであり、身近な刑事事件であるということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
では、その窃盗事件のうち、どのような手口のものが多く起こっているのでしょうか。
先ほど挙げた大阪府警の統計によると、令和3年に大阪府警が認知した窃盗事件のうち、侵入盗(住居や店舗などに侵入して窃盗行為をする手口)が1,498件であったのに対し、非侵入盗は4万3,607件でした。
非侵入盗の内訳は、自転車盗が1万7,078件、次いで万引きが6,351件、3番目が車上ねらいで3,509件でした。
窃盗事件としては、圧倒的に自転車盗や万引きに代表される非侵入盗事件が多いことが分かります。
自転車盗や万引きといった窃盗事件は、生活の傍にある窃盗事件でもあり、想像しやすい刑事事件の1つといえますが、数字上でもそれが表れています。
一方で、このうち検挙された件数を見てみると、侵入盗の検挙件数は858件であるのに対し、非侵入盗の検挙件数は9,376件となっています。
侵入盗事件として認知された窃盗事件のうち5割以上が検挙されている計算となりますが、非侵入盗については、検挙件数が認知された件数の2割程度にとどまります。
統計の数字でしかないため、実際の数字とはずれが生じていることは十分に考えられますが、これを見ると、侵入盗の手口による窃盗事件の方が検挙されやすい傾向にあると考えられます。
侵入盗の場合、住宅や店舗に文字通り侵入していることから、防犯カメラに写っていたり、現場に遺留物があったりすることなどが原因となっているのではないかと予想されます。
罪名としても、侵入盗事件の場合は窃盗罪だけではなく住居侵入罪・建造物侵入罪が成立することが多いですし、場合によっては器物損壊罪や建造物損壊罪も成立するため、侵入盗の窃盗事件の方が重く処罰されやすい傾向にあります。
窃盗事件と一口に言っても、手口は様々ですし、被害金額も様々です。
侵入盗による窃盗事件のように、窃盗罪以外の犯罪が成立する可能性の高い手口もあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした多種多様な窃盗事件にも、刑事事件を数多く取り扱う弁護士が対応いたします。
大阪府はもちろん、全国各地に支部がございますので、窃盗事件にお困りの際は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
(事例紹介)和歌山県 車上ねらいの窃盗事件で書類送検された事例
(事例紹介)和歌山県 車上ねらいの窃盗事件で書類送検された事例
~事例~
今年6月頃から8月頃にかけて、和歌山市や岩出市などの駐車場にとまっている車の中から現金およそ8万円のほか、鞄や靴など合わせておよそ200点、およそ51万円相当の窃盗を繰り返していたとして、和歌山東警察署は、今日までに和歌山市の会社員の男を12件の窃盗の疑いで送検し、捜査を終結しました。
(中略)被告は、今年6月頃から8月頃までの間に、和歌山市や岩出市、紀の川市、海南市の集合住宅の駐車場などにとまっていた車12台の車内から、現金およそ8万円のほか、鞄や靴など203点、およそ51万円相当を盗んだ疑いです。
(後略)
(※2022年10月19日18:00テレビ和歌山配信記事より引用)
~窃盗事件と車上ねらい~
今回取り上げた報道では、車上ねらいによる窃盗事件の容疑者が検挙され書類送検をされたと報道されています。
車上ねらいとは、文字通り、自動車等に積んである金品をねらって盗むという、窃盗行為の手口の1つです。
法務省の統計(令和3年版犯罪白書:参考)によると、令和2年に検挙された刑法犯18万2,582人のうち、窃盗犯は8万8,464人であり、検挙された刑法犯全体の5割弱を窃盗罪が占めているという結果になっています。
また、令和2年の刑法犯の認知件数が61万4,231件であるのに対し、窃盗犯の認知件数は41万7,291件となっており、認知件数については窃盗事件が7割弱を占めるという統計が出ています。
このことから、そもそも年間で起こる刑事事件のうち、窃盗事件が占める割合がかなり多いということが分かります。
その窃盗事件のうち、非侵入盗(住居や店などに侵入せずに窃盗をはたらく手口の窃盗)で代表的ものが万引きですが、非侵入盗で万引きに次いで件数が多いのがこの車上ねらいです。
令和3年版犯罪白書によると、令和2年に認知された窃盗事件のうち、20.9%が万引きであり、車上ねらい・部品ねらいが9.9%だったそうです。
そして、検挙された窃盗事件のうち、36.7%が万引き、車上ねらい・部品ねらいが7.3%となっています。
万引きに比べると聞き馴染みがないかもしれませんが、車上ねらいによる窃盗事件が1年間で認知されている窃盗事件の10%程度を占めており、検挙されている窃盗事件でも全体の7%程度が車上ねらいであることから、車上ねらいは身近な犯罪であることが分かります。
こうした車上ねらいの窃盗事件では、単に自動車の積み荷を盗むことによる窃盗罪だけでなく、自動車の中に入るために鍵やガラスを壊すことによる器物損壊罪が成立していることもあります。
こうした事情もあり、車上ねらいは悪質性が高いと考えられることも少なくありません。
早い段階から弁護士のサポートを受け、取調べや被害者への対応を行っていくことが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、車上ねらいなどの窃盗事件についても、ご相談・ご依頼を受け付けています。
0120-631-881では、専門スタッフがご相談者様のご状況に合わせたサービスをご案内しています。
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【事例紹介】公務員が窃盗罪の容疑で逮捕された事例
【事例紹介】公務員が窃盗罪の容疑で逮捕された事例
公務員の男性が窃盗罪の容疑で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
京都府警下鴨署は16日、窃盗の疑いで、宇治市六地蔵町並、京都地方税機構職員の男(28)を逮捕した。
逮捕容疑は同日午後5時40分ごろ、京都市左京区のホテルのイベント会場で、自営業男性(50)のズボンのポケットから現金4万2千円などが入った財布を盗んだ疑い。
(中略)財布を盗まれたことに気づいた男性が容疑者を取り押さえた。
容疑者は容疑を否認しているという。
(後略)
(10月17日 京都新聞 「ホテルで男性のズボンのポケットから財布盗んだ疑い 公務員の男逮捕」より引用)
窃盗罪
窃盗罪を簡単に説明すると、人が持っているものを、その人の同意を得ずに自分(もしくは他の人)のものにすると適用される罪です。
今回の事例では、容疑者が男性のズボンのポケットから現金の入った財布を盗んだと報道されています。
報道によれば、被害男性が容疑者を取り押さえており、容疑者は男性の同意を得ずにズボンから財布をとった(自分のものにした)とされているようです。
ですので、この報道が事実であった場合、容疑者は窃盗罪に問われることになります。
窃盗罪の量刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。(刑法第235条)
すなわち、窃盗罪で有罪となった場合には、懲役刑か罰金刑を受けることになります(それらに執行猶予がつく可能性もあります。)。
懲役刑ではなく罰金刑であった場合には、正式な刑事裁判を経ずに罰金を支払って刑事事件が終了となる場合もあります(略式手続)。
しかし、こうした罰金刑であっても刑事処罰であることに変わりはありませんから、特に公務員などの身分がある場合には、刑事処罰を受けるということに対して厳しく判断されることが予想され、刑罰を受けた後に何かしらの懲戒処分を受ける可能性があります。
刑事処罰を避けるためには、不起訴処分の獲得に向けた弁護活動が重要になります。
不起訴処分にむけた弁護活動の一例としては、示談交渉が挙げられます。
被害者と示談を締結することで、不起訴処分を獲得できる場合があります。
弁護士に弁護を依頼していれば、代理人として弁護士が被害者と交渉を行いますので、被害者と直接やりとりをすることはなく、無用なトラブルを避けやすいといったメリットがあります。
また、一度断られた示談であっても弁護士が改めて交渉を行うことで、示談を締結できるというケースもあります。
今回取り上げた事例では、容疑者が容疑を否認しているので、いわゆる否認事件になります。
否認事件では、逮捕されて捜査を受けることになるケースも少なくなく、、連日長時間にわたっての取調べが予想されます。
長時間の取調べにより体力や精神力が削られるなか、否認を貫き通すということは並大抵のことではないでしょう。
取調べ時において弁護士によるアドバイスがプラスに働く可能性がありますし、接見禁止が付いていたとしても弁護士は接見を行うことができます。
ですので、身に覚えないの疑いをかけられたときは弁護士を付けることが望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強い法律事務所です。
窃盗罪などで見に覚えのない容疑で逮捕・捜査された方、示談の締結や不起訴処分の獲得を目指している方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。