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【さい銭泥棒】窃盗未遂事件で逮捕

2020-04-04

【さい銭泥棒】窃盗未遂事件で逮捕

さい銭泥棒をしようとして窃盗未遂によって逮捕されてしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例:Aは、窃盗の目的を持って寺院の敷地内に侵入し、さい銭箱から金銭を盗ろうと物色中に寺院の関係者に見つかった。
大阪府交野警察署の警察官は、Aを窃盗未遂および建造物侵入の疑いで逮捕した。
Aの家族は、刑事事件に詳しい弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです)

~さい銭泥棒をしようとして逮捕~

Aは、お寺の境内に入り、さい銭箱から金銭を盗もうとして逮捕されています。
このような場合、窃盗未遂罪が成立するでしょう。

刑法第235条(窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第243条(未遂罪)
第二百三十五条から第二百三十六条まで、第二百三十八条から第二百四十条まで及び第二百四十一条第三項の罪の未遂は、罰する。

未遂罪というのは簡単に言うと、犯罪が成功しなかったが、犯罪が成功する危険性が生じた時点で成立します。
本件では、Aは金銭を盗むには至っていないものの、さい銭箱を物色するに至っています。
そうすると間もなく、さい銭を手にすることができる段階に至っているので、この時点で窃盗罪が成功する危険性が認められます。
したがって窃盗未遂罪(刑法235条・243条)が成立すると考えられるでしょう。

次に、建造物侵入罪(刑法130条)についてもみてみましょう。
本件でAは寺の建物内には侵入しておらず、境内つまり寺の敷地内に入ったにすぎません。
しかし判例・実務は、建造物等が存在している敷地も刑法130条の「建造物」に含まれると解しています。
したがって、Aが「建造物」の一部である敷地内に窃盗目的で「侵入」した行為は、建造物侵入罪に当たると考えられることになります。

~勾留を阻止するための弁護活動~

本件でAは逮捕されてしまっていますが、逮捕に引き続いて勾留という最大20日間に及ぶ身体拘束がなされる可能性があります。
最大20日間ものあいだ留置場などに留置され、通常の社会生活が送れなくなると、社会人の場合には解雇など事実上の不利益が生じてしまう危険性が高まります。

したがって、逮捕されてしまった場合には、勾留を阻止するため弁護活動を行っていくことが重要になります。

被疑者に対する勾留が認められるためには、逃亡や証拠隠滅のおそれがあることなどの要件を満たす必要があります。
そこで例えば、比較的軽い犯罪である、前科がない、監督できる親族がいるなど、逃亡や罪証隠滅のおそれがないことを具体的に主張することが考えられます。
また被害者との示談が早期にまとまりそうであることや、勾留されれば職を失い家族も重大な不利益を被ることなども併せて主張していくことが考えられるでしょう。

国選弁護人と異なり、私選の弁護士であれば、逮捕直後から上記のよう被疑者やそのご家族の不利益を最小限にするための弁護活動を行うことができますので、ぜひ一度ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、本件のような建造物侵入・窃盗未遂事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件のみを扱っていることから、迅速・的確な刑事弁護活動を行うことが可能です。
窃盗事件などで逮捕された方のご家族は、今すぐに繋がるフリーダイヤル
0120-631-881までお問い合わせください。

【窃盗事件】ATMで他人の口座から現金を引き出し逮捕

2020-03-30

【窃盗事件】ATMで他人の口座から現金を引き出し逮捕

ATMで他人の口座から現金を引き出し逮捕されてしまった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】
Aは、他人名義のキャッシュカードを使用し、千葉市緑区内の銀行に設置されたATMから現金を引き出した。
千葉県千葉南警察署の警察官は、Aを窃盗の疑いで逮捕した。
Aの家族は、窃盗事件に詳しい弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです)

~ATMで現金を引き出す行為~

本件Aは、入手した他人のキャッシュカードを使用してATMから現金を引き出したとして逮捕されています。
このような場合に、なぜ窃盗罪が成立するのでしょうか。
ここでは、主として現金を引き出した行為に焦点をあてて解説してまいります。

まず直観的に考えてみると、本件ではいわば他人になりすまして口座から現金を引き出していることから、詐欺罪が成立するように思われるかもしれません。
しかし、刑法246条1項は、「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」と規定しており、詐欺行為は「人」に対するものでなければならないとされています。
したがって、窓口などで引き出し行為を行った場合とは異なり、ATMという機械から現金を引き出す行為には詐欺罪は成立しないことになります。

次に窃盗罪についてみてみると、刑法は235条において「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」旨を規定しています。
この点、窃盗罪とは、他人の占有している財物の占有をその意思に反して移転させたといえるときに成立します。

本件では、ATM内の現金を占有している銀行側の意思に反して現金を引き出し、その占有を移転させていることから窃盗罪が成立するものと考えられます(被害者は口座名義人ではなく銀行です)。

なお、キャッシュカードを不正に入手した行為に別途、犯罪(口座名義人への詐欺罪など)が成立する可能性があるほか、ATMが設置された銀行に窃盗目的で侵入したことが建造物侵入罪(刑法130条)に問われる可能性があることにも注意が必要です。

~起訴を回避するための弁護活動~

窃盗罪起訴を回避するために、どのような弁護活動を行っていくことになるのでしょうか。

窃盗罪は典型的な財産犯であり、なによりもまず被害弁償により被害を回復させることが重要です。
したがって、被害弁償等を行い被害者との示談の成立を目指した弁護活動が、起訴を回避するために極めて重要になります。

また、元々窃盗罪懲役刑のみが定められていましたが、上述のように現行の窃盗罪の規定は、2006年の刑法改正によって罰金刑も定めるに至りました。
これは軽い罰金刑を設けたことから、一見、窃盗罪の法定刑を軽くすることを意図した改正にもみえます。

ところが、むしろ本改正は、懲役刑にするのは重すぎるという事件で罰金刑にもできずに不起訴となる例があったことから、罰金刑を設けることによって処罰範囲の拡大を図ったものであるとされています。

このため、仮に不起訴が難しいと判断される事件では、公開の法廷での裁判ではなく簡易な手続で罰金刑にする略式手続(刑事訴訟法461条以下参照)を利用し、罰金刑で事件を終了させることも視野に入れた弁護活動を行っていくことも考えられるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件を含む刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
窃盗事件の弁護活動の経験を多数有する刑事事件専門の弁護士が、迅速に事件に対応してまいります。
窃盗事件で逮捕された方のご家族は、24時間対応可のフリーダイヤル0120-631-881まで、まずはお電話でお問い合わせください。

女性の下着を盗み逮捕

2020-03-25

女性の下着を盗み逮捕

今回は、隣室の女性宅に侵入し、下着などを盗んで逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
埼玉県鴻巣市内のアパートに住んでいるAさんは、隣室の女性Vさんの私物に興味を持っていました。
ある日、Vさんが自宅の鍵を閉めずに外出していったのを見たAさんは、Vさん宅のドアを開けて中に侵入し、室内にあったVさんの下着や衣服などを盗んでしまいました。
帰ってきたVさんは被害に気付き、警察に被害届を提出しました。
後日、Aさんが犯人であると特定した埼玉県鴻巣警察署は、逮捕状の発付を受け、Aさんを住居侵入窃盗の疑いで逮捕しました(フィクションです)。

~住居侵入罪・窃盗罪について解説~

【住居侵入罪】
住居侵入罪は、正当な理由がないのに、人の住居に侵入する犯罪です(刑法第130条前段)。

「侵入」
とは、管理権者の意思に反する立入りを意味します。
Vさん宅の管理権者はVさんです。
Vさんは、下着窃盗目的で自宅に他人が立ち入ることを容認していないでしょうから、Aさんの行為は「侵入」に該当し、住居侵入罪が成立することになるでしょう。

法定刑は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金となっています。

【窃盗罪】
他人の占有する財物を盗む犯罪です(刑法第235条)。

他人がタンスやクローゼットに入れるなどして保管している下着や衣服を、自身の性的欲求を満足させるために無断で持ち出せば、通常、窃盗罪が成立することになるでしょう。
なお、持ち出した下着などを、嫌がらせで廃棄するなどの目的であった場合は、窃盗罪ではなく、器物損壊罪の成否が検討されることになる可能性があります。

窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。

~今後の手続について~

逮捕されると警察署に連れて行かれ、①犯罪事実の要旨、②弁護人選任権について説明を受けた後、弁解録取書が作成されます。
このタイミングで指紋の採取、写真撮影も行われます。

また、Aさんの自宅が捜索される可能性が十分にあります。
捜索によって発見された物によっては(他の窃盗事件で盗んだ物など)、さらなる余罪を追及される場合もあります。

逮捕容疑となった窃盗事件の捜査が終わっても、別の事件でさらに逮捕されてしまう可能性も考えられます。

~検察への送致~

警察での取調べ後、逮捕時から48時間以内にAさんを検察へ送致します。
検察では、身柄を受け取った時から24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するか、あるいは起訴するかを決定します。

~勾留の判断~

Aさんの勾留するかどうかは、裁判官が判断します。
勾留請求を受けた裁判官が勾留決定を出すと、10日間勾留されます。
さらにやむを得ない事由があると認められると、最長10日間勾留が延長されます。

以上を合計すると、刑事裁判が始まる前の段階だけでも最長23日間留置場や拘置所の中にいなければならないことになります。
別の件でさらに逮捕された場合においては、最長で23日間×逮捕の回数分の身体拘束が続くことになる可能性があります。

~弁護士を依頼し、Vと示談をする~

今回のケースの場合は、勾留がつくことを防ぐ活動、Vさんと示談を成立させることが重要です。
残念ながら、ケースの事件では、①犯行の動機が自身の性的満足のためであること、②Vが隣室の住人であることを考慮すると、勾留が付く可能性が十分見込まれます。
②は、釈放すると被害者と接触してしまう可能性があるので、勾留しておいた方が良いという判断につながるということです。

しかし、示談が成立すれば、当事者間で事件が解決したものとして、逮捕・勾留中であっても、釈放されることがあります。
また、最終的に不起訴処分などの軽い処分や判決につながる可能性もあります。

刑事事件においては、なるべく早い段階で弁護士を付けることが重要です。
まずは、接見にやってきた弁護士からアドバイスを受け、事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が窃盗事件などを起こし、逮捕されてしまった方は、ぜひご相談ください。

窃盗罪で取調べ・犯罪不成立の主張

2020-03-15

窃盗罪で取調べ・犯罪不成立の主張

窃盗罪の容疑で取調べを受けた事案における、犯罪不成立の主張などについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】
Aは、東京都東村山市内の路上に停めてあった自転車を、無断で乗り去った。
その後、その自転車で移動していたAは偶然、警視庁東村山警察署の警察官とすれ違う形になった。
自転車を無断使用しているという意識から不自然な動きになっていたのか、警察官から職務質問をされることになった。
そして防犯登録番号から、Aの自転車ではないことが判明。
警察署まで任意同行を求められた上で取調べを受けた。
その日は帰宅を許されたAだが、刑事事件に詳しい弁護士に相談することにした
(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~窃盗罪~

刑法235条は、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と規定しています。

この条文では明確に書かれていませんが、判例・通説によれば、窃盗罪占有を侵害する罪であると考えられています。
したがって本件では、被害物である自転車に持ち主等の占有が及んでいるかが問題となります。
占有が及んでいるのであれば、Aが乗り去ったことにより持ち主等の占有を侵害したことになり、窃盗罪が成立します。

占有が及んでいたかどうかは、物に対する事実的支配があったかどうかによって定まるとされています。
具体的には、停めてあった場所が誰でも出入りすることが可能であった場所か、鍵がかかっていたか、持ち主が近くにいたか、といった諸事情をふまえて、持ち主の支配下にあったといえるかどうかにより判断されます。

~占有離脱物横領罪~

仮に自転車に持ち主等の占有及んでいないと考えられる場合、今度は占有離脱物横領罪が成立しないか問題になります。

刑法254条は、「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する」と定めています。
路上に落とされた財布を勝手に持ち帰った場合などに成立する可能性が高い犯罪です。

占有離脱物横領罪は窃盗罪とは異なり、所有権の侵害を問題にする犯罪です。
したがって、たとえば路上に無施錠でしばらく放置されていたといった理由により、自転車の持ち主等の占有が認められないと判断された場合でも、横領行為(本件では無断で自転車を乗り去る行為)によって所有権を侵害したと言えるのであれば、占有離脱物横領罪が成立することになります。

~犯罪不成立の主張~

しかし、本件のような事例では、そもそも占有離脱物横領罪すら成立しない可能性が考えられます。

上述のように、窃盗罪が認められない場合に検討される占有離脱物横領罪は、所有権を保護するための規定です。
したがって、本件自転車の所有者が、自転車を駐輪場に廃棄する意図などを持って自転車を停めていた場合には、もはや所有権は放棄されているとも考えられます。

このような場合には、所有権の侵害自体が認められませんから、窃盗罪はおろか占有離脱物横領罪すら成立しないことになるのです。

そこで弁護士としては、これらの事実を精査し、そもそも犯罪が成立しないとの主張を行うことも考えられるでしょう。
このような主張が認められれば、不起訴処分を得ることが可能となります。

このように犯罪が成立するかどうかといった判断は、非常に難しい場合も多いので、ぜひ弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
窃盗事件で警察の取調べ等を受けられた方は、24時間365日対応のフリーダイヤル
0120-631-881
まで、まずはお問い合わせください。
担当者が、刑事事件専門の弁護士による無料法律相談等のサービスをご案内させて頂きます。

窃盗症(クレプトマニア)の弁護活動

2020-03-10

窃盗症(クレプトマニア)の弁護活動

今回は、窃盗症の方が引き起こした窃盗事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
東京都台東区に住むAさんは度々近所のスーパーやコンビニエンスストアで万引きを繰り返しており、同種前科もいくつかあります。
心療内科に相談し、医師からは窃盗症の疑いがあると告げられていましたが、特に継続して心療内科に通うことはしませんでした。
ある日も、Aさんは近所のスーパーで万引きをしたところ店員に見つかり、通報を受けた警視庁上野警察署の警察官も到着しました。
これまで万引きを行った時は、身元引受人として夫に来てもらい、帰宅することができていました。
しかし、「今回はもう帰宅を許せないよ」と言われ、窃盗の疑いで逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~窃盗事件の起きる背景~

窃盗事件は、経済的な困窮を背景に発生することもありますが、なかには、お金に困っていないのに窃盗行為に走ってしまう人もいます。
このような状態を窃盗症(クレプトマニア)といいます。

窃盗行為に走るときの緊張感や、窃盗に成功した際の満足感を味わうために事件を起こしていると説明されることが多いです。
これに関連して、盗んだ物の価値には興味がないこともあり、窃盗に成功した後は、元の場所に返却するケースもあります。

もっとも、ほとんど価値のなさそうな物であっても、他人の財物を盗めば窃盗罪が成立しますし、元の場所に返したとしても、窃盗罪が成立しなくなるわけではありません。
同じような行為を重ねていれば、より重い処分・判決を受けることにもつながります。

~Aさんは今までなぜ帰宅できていたのか?~

これまでAさんが帰宅を許されていたのは、微罪処分(ビザイショブン)あるいは在宅事件扱いになっていたからでしょう。

【微罪処分】
本来、警察が事件を捜査した後は、検察による捜査に移ります。

しかし、犯罪捜査規範第198条によれば、「捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができる」とされています。
これを微罪処分(ビザイショブン)といいます。

軽微な事件について、被害者が特に処罰を求めないようなケースにおいては、警察限りで事件を終了させ、検察に事件を送致しない、ということです。
この場合、裁判にかけられることもなく、前科も付きません。

【在宅事件】
警察は、犯罪をしたと疑われる人を逮捕することが出来ますが、比較的軽い事件では逮捕しないことも多くあります。

このような事件のことを在宅事件と呼びます。

在宅事件では、自宅から警察署や検察庁に出向いて取調べを受けたり、裁判所に出向いて裁判を受ける流れになります。

【今回は逮捕】
ところがケースのAさんのように万引きを繰り返し、前科も付いている場合には、同じような万引きをした場合でも、今回は逮捕するという展開になることもあるわけです。

~Aさんに必要な弁護活動~

Aさんのように窃盗を繰り返す者の裁判は、罰金刑→執行猶予付きの懲役刑→実刑判決と重くなっていく傾向にあります。
少しでも軽い判決を得るためには、早急に被害店舗に弁償し、示談を成立させる必要があります。

また、窃盗症の疑いがある、ということであれば、専門の病院で治療を受けることにより、再犯のおそれが低いことをアピールすることが考えられます。
ところが残念ながら、窃盗症の治療を実施できる施設はあまり多くありません。
Aさんの受け入れ先を探す必要もありますし、そもそも逮捕・勾留されている状況では、このような治療を受けることができません。

したがって、早期の身柄解放を実現する必要があります。
早期の身柄解放を実現できる可能性を高めるために、より早い段階で弁護士を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
繰り返されるご家族の窃盗事件にお悩みの方は、ぜひご相談ください。

連続ひったくり事件の弁護活動

2020-03-05

連続ひったくり事件の弁護活動

今回は、連続ひったくり事件の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
Aさんは福岡県久留米市で起きている連続ひったくり事件の犯人です。
自転車のカゴに入れられたバッグを、原付で追い抜く際に持ち去る、という手口で、10件ほどひったくり事件を起こしてきました。
ある日、いつものようにひったくり事件を起こしたところを福岡県久留米警察署の警察官に目撃されてしまい、追跡された後、窃盗の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんの手口が、かねてから頻発している連続ひったくり事件と類似しているため、これらの事件との関連についても調べられています。(フィクションです)

~成立する犯罪は?~

まずは窃盗罪が成立する可能性があります。
ただし、バッグの提げ紐を握っている被害者から無理矢理バッグを奪った場合には、窃盗罪ではなく、強盗罪が成立する可能性もあります。
強盗の際に被害者がケガをしていれば、より重い強盗致傷罪が成立する可能性まであります。

窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役となります(最長20年)。
強盗致傷罪の法定刑は無期懲役または6年以上の有期懲役です。

Aさんはひったくりを繰り返していたので、複数の罪で刑事裁判にかけられる(起訴される)ことも考えられます。
その場合は窃盗罪の懲役の上限が15年となったり、強盗(致傷)罪の有期懲役の上限が30年となるなど、より重い刑を言い渡される可能性もあります。

~今後の手続はどうなるのか?~

警察署に連れて行かれて取調べを受けることになります。
当番弁護士をこのタイミングで頼むこともできます。

取調べでは、余罪の有無について尋ねられる可能性が高いと思われます。
今回のケースでは、現に連続ひったくり事件とAさんとの関連について調べられています。

さらに、Aさんの自宅の捜索がなされる可能性があります。
捜索によって差し押さえられた物件によっては(薬物や銃刀法に違反する物件など)、さらなる余罪を追及される場合もあります。

警察は取調べ後、逮捕時から48時間以内にAさんは検察へ引き渡されます(送検)。
検察では、受け取った時から24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかといった判断をします。

勾留請求がなされた場合、勾留するかどうかは裁判官が判断します。
逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして裁判官が勾留決定を出すと、まずは10日間勾留され、身体拘束が続きます。
やむを得ない事由があると認められると、さらに最長10日間勾留が延長されます。

1つの窃盗事件の捜査が終わっても、別の件再び逮捕・勾留されてしまう可能性も考えられます。
したがって連続ひったくり事件との関連が強く疑われる場合、身体拘束の期間が長引くことが予想されます。

~弁護士による身柄解放活動~

勾留・勾留延長され、さらに、再逮捕される事態になると、数か月間、警察署の留置場などで生活しなくてはならなくなります。
勾留中の生活はAさんにとって当然負担ですし、その間会社や学校に行くことはできませんから、社会復帰後の生活にも悪影響が及びます。

Aさんからの依頼を受けた弁護士は、準抗告勾留取消請求などの制度を駆使し、Aさんが早く釈放されるよう力を尽くします。

~被害者との示談交渉~

被害者が判明すれば、弁護士がAさんと被害者の間に立ち、示談交渉を試みることができます。
今回のケースの被害者は通常、Aさんの知り合いではないでしょうから、警察や検察経由で被害者の連絡先を教えてもらい、示談交渉を行います。
被害者と示談がまとまれば、判決で有利な事情として考慮されます。

このような示談の方法や、釈放に向けた活動、取調べの受け方など、わからないことが多いでしょうから、ぜひ弁護士にご相談いただき、事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が連続ひったくり事件を起こしてしまい、お困りの方は、ぜひご相談ください。

自転車の一時使用で窃盗罪?

2020-02-29

自転車の一時使用で窃盗罪?

自転車を一時的に借りて窃盗罪で取調べを受けた場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、京都市中京区内の道路上に無施錠で駐輪してあったV所有の自転車に乗り、目的地で用事を済ませた後、元の場所に5分ほどで戻ってきました。
するとVが待ち構えており、「お前が俺のチャリ盗ったのか。待っていたんだ。それじゃあ、警察行こうか」と告げ、通報されてしまいました。
Aさんは駆け付けた京都府中京警察署警察官から任意同行を求められ、警察署に行くことになりました。
取調べでは、「自分の物にするつもりはなく、一時的に借りたつもりだった。現に乗ったのは5分間ほどだし、元の場所に返そうともした」と強く訴えました。
Aさんは帰宅を許されましたが、また出頭しなければなりません。
今後はどうなるのでしょうか。(フィクションです)

~窃盗罪が成立するには~

窃盗罪が成立するには、他人の財物をひそかに持ち去るだけでなく、その際に不法領得の意思を有していることが必要です。

判例によると、不法領得の意思
とは、①権利者を排除して、他人の物を自己の所有物とし、②その経済的用法に従い、利用若しくは処分する意思をいいます(大審院大正4年5月21日判決、最高裁昭和26年7月13日判決)。

簡単に言うと、①は、ちょっと借りるくらいなら持ち主が使えなくなるわけではないから(権利者を排除まではしていないから)、犯罪とまで言わなくてもいいという話です。
②は、物を勝手に使ったのではなく壊した場合には、その物本来の使い方(経済的用法)をしておらず、窃盗罪ではなく器物損壊罪を問題とすべきということです。

今回のケースの場合、Aさんは自転車で移動するという自転車本来の使い方をしているので、②は認められます。

問題は①です。
Vの自転車を元の場所に返しているので、Vの自転車を持ち出した時点においても、返還するつもりだったのでしょう。
また、乗っていた時間も5分間と短く、もともと駐輪していた場所からそれほど遠くへ行くつもりがなかったものと思われます。
したがって①の意思がないと判断される可能性があります。

①の意思がなければ、窃盗罪は成立しないのです。

なお、①に意思が認められるか否かは、物の値段や保管方法などによっても変わってくるので、すぐに返すつもりであれば①が絶対に認められないというわけではないので注意が必要です。
たとえば高価なものであればそもそも勝手に使うことは容認されず、一瞬使った時点で①が認められる可能性があります。

~犯罪が成立しないことを捜査機関やVに訴える~

【捜査機関に対して】
窃盗罪が成立しないと判断されれば、今後捜査されることもなくなりますし、罪に問われることもありません。
弁護士を通じて、Aさんに不法領得の意思がなかった旨を主張し、捜査機関が納得すれば、事件は解決します。

事件化してしまった場合であっても、弁護士に依頼しておけば、検察官などに対して、説得的に不法領得の意思がなかった旨を主張する手助けをしてもらえます。
この主張が認められれば、嫌疑不十分または嫌疑なしとして不起訴処分となる可能性があります。

または、検察官が犯罪自体は成立するとしても、被害が軽微であるとして、起訴猶予として不起訴処分にする可能性があります。

検察官が不起訴処分を行えば、裁判にかけられず、前科も付かずに刑事手続きが終了します。
上記の活動が功を奏せず、起訴されてしまった場合においても、予め弁護士を選任しておくことにより、無罪判決の獲得に向けた弁護活動を行ってもらえます。

【被害者Vに対して】
弁護士からVに対し、窃盗罪が成立しないことを説明し、納得してもらうことも必要です。
納得してもらわなければ、何らかの嫌がらせを受けるなど、新たなトラブルの種にもなりかねません。
窃盗罪が成立しないという主張をしていても、Vに迷惑をかけたという理由で、相当な金銭を支払い示談をすることも考えられます。
示談は、不起訴処分となる可能性を上げる効果もあります。

この場合においても、弁護士を窓口として交渉することにより、Aさんの負担を減らすことができますし、不当に不利な、または意味の無い示談を成立させてしまうリスクを回避することができます。

いずれにしても、不法領得の意思の有無について争う場合は、法律の専門家である弁護士の力添えが役に立ちます。
ぜひ、弁護士と相談することをご検討ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
窃盗の疑いをかけられたが、不法領得の意思を争い無罪を主張したいといった場合には、ぜひご相談ください。

窃盗罪で逮捕・被害者は誰?

2020-02-24

窃盗罪で逮捕・被害者は誰?

窃盗罪逮捕されてしまった事案に関する占有の所在について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】
Vは兵庫県西宮市内のホテルに宿泊していたが,チェックアウト直前に共用トイレの個室に財布を置き忘れたまま,ホテルを出た。
同ホテルに宿泊していたAは,たまたま同トイレを使った際に財布が置き忘れてあることに気が付き,周りに誰もいなかったことから財布を自らのポケットに入れ,その後ホテルをチェックアウトした。
Aは,翌日になり財布を無くしたことに気が付き,ホテルに連絡したが財布は見つからなかった。
ホテルからの通報を受け,捜査を行った兵庫県西宮警察署の警察官は,Aを窃盗罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は,刑事事件に詳しい弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~窃盗罪とその被害者1(所有者Vとの関係)~

まず,本件では財布の所有者であるVを被害者とする窃盗罪が成立するかが問題となります。
Vは財布の所有者なのだから、当然Vを被害者とする窃盗罪が成立しそうですが、実はそうとは限らないのです。

刑法は235条は「他人の財物を窃取した」場合に窃盗罪とすることを定めています。
したがって,本件ではAがVの財布を「窃取」したといえるかがポイントになります。

この「窃取」とは,被害者の占有する物を,被害者の意思に反して加害者または第三者に移転させることをいうと解されています。
つまり,「窃取」行為の被害者とは,物の「占有」が認められる者のことをいうのです。

では本件では,Vの所有する財布を,Vが占有しているといえるのでしょうか。
占有とは,物に対する事実的支配のことをいい,この事実的支配は,占有の事実と占有の意思から判断されるというのが判例・実務の確立した見解です。
この占有の有無は,加害者たるAが財布をポケットに入れた時点において判断されることになります。

では,Vに財布の占有が認められるのか検討してみましょう。

Vは,Aが財布を自らのものとしようとしてポケットに入れた時点でホテルを出ており,占有の事実はもはやかなり弱くなっていると考えられます。
また,Vは意識的に財布をホテルのトイレで保管しようなどと考えていたわけはなく、完全にトイレに置き忘れてしまったのですから,財布に対する占有の意思も弱いものであったといえます。

したがって,Aが財布をポケットに入れた時点で,Vの財布に対する占有は認められず,Aの行為は「窃取」には該当しないことになりそうです。

~窃盗罪とその被害者2(ホテルとの関係)~

もっとも,Aの行為が窃盗罪に問われないのかというと,これにもまた別の検討が必要になることに注意が必要です。

それは上記のように財布にVの占有が認められないとしても,ホテル(の管理人)の占有が認められる可能性があるからです。
もしも,Vからホテル側に占有が移転していたと評価できるならば,Aの行為はホテル側の占有を侵害したものとして,刑法235条にいう「窃取」行為に当たる可能性があるといえます。

ホテル側の占有が認められるか否かに関しては,ホテル内のトイレをホテルがほぼ単独で支配しているといえるか(=排他的支配が及んでいるか)が重要です。
仮に,当該ホテルが大ホテルであり,客室・利用客も多く,共用トイレを使用する利用客等が多い場合には,不特定多数人が出入りできる場所としてホテルの排他的支配は及ばず,そのトイレの中にある財布もホテル側の占有が認められない可能性もあります。

しかし,ホテルでは一般に客室内のトイレを使う者が多いと考えられますし,またホテルの利用客や従業員以外の者が共用トイレを使うとは考えにくいことから,ホテルの排他的支配が及んでいると評価することも十分に可能であると考えられます。

したがって,Aの行為は,Vではなくホテル(の管理人)の占有を侵害するものとして窃盗罪が成立するものと考えられます。

~弁護士にご相談を~

このように,窃盗罪が成立するか否かは微妙なケースも多く,事件を解決するにあたっては専門性を有する弁護士の知識・経験が不可欠といえます。
ぜひ、刑事事件に詳しい弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,窃盗事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
釈放や軽い処分・判決に向けた弁護活動をしっかり行ってまいります。

窃盗事件で逮捕された方のご家族は,年中無休・24時間通話可能のフリーダイヤル0120-631-881まで,まずはお気軽にお電話ください。

10年前の万引き前科と執行猶予

2020-02-19

10年前の万引き前科と執行猶予

万引きの前科がある人が、再び万引きで逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
大阪府貝塚市に住むAさんは、同市内のスーパーで商品数点を万引きしたとして大阪府貝塚警察署窃盗罪逮捕されました。
Aさんは罪を認めていますが、実は10年前にも同じ万引きで逮捕されて罰金刑となったた前科を有しており、実刑判決だけは避けたいと考えています。
Aさんは接見に来た弁護士に執行猶予を獲得できるか尋ねました。
(フィクションです。)

~ 執行猶予とは ~

執行猶予とは刑の執行を猶予されることです。
刑の執行を猶予されただけですから,無実・無罪となった,許されたということではありません。
執行猶予は,あくまであなたが有罪であることを前提に,社会内での更生を期待して刑の執行を一時的に猶予しているにすぎないのです。

執行猶予にしてもらえる条件は刑法に書かれていますので見てみましょう。

刑法25条 
 次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 (略)

では、Aさんが執行猶予を獲得できるのか具体的にみていきます。
まず、Aさんは10年前に同じ万引きで逮捕されていますが、「禁錮以上の刑」すなわち懲役刑禁錮刑にはなっていません。
したがって、Aさんは「一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」に当たります。
なお、「禁錮」とは、懲役に近いものですが、刑務所の中で刑務作業をするかしないかは自由とされている刑罰のことです。

次に、Aさんは今回の万引きについての刑事裁判で、「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡し」を受けることが必要です。

この範囲内での判決を受けるためには、裁判で有利な「情状」を主張していくことが必要となります。
反省態度を示すのはもちろん、被害店舗に弁償して示談を締結したり、万引きをやめられないクレプトマニアの状態なのであれば専門の病院で治療を受け始めるなどの対応が重要です。

その結果、「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金」の範囲に収まったのであれば、執行猶予を付けることが可能となります。

もちろん、法律上は執行猶予を付けることが可能であっても、必ずしも執行猶予が付くとは限りません。
特に、犯罪を繰り返すと、だんだんと重い判決になっていくので、執行猶予が付く可能性が下がってきます。

Aさんがもし前回すでに執行猶予となっていれば、今回こそ実刑判決になる可能性も上がります。
しかし前回が罰金刑(懲役刑の執行猶予よりも軽いとされている)に収まっているのであれば、今回は執行猶予にとどまる可能性が十分考えられます。
余罪の有無や被害金額示談が締結できたかなどにもよりますが、前科が10年も前のものであることを考えると、今回も罰金刑で済む可能性もあります。

~ 執行猶予の取消しに注意 ~

執行猶予付き判決を受けたとしても注意点があります。

上記のとおり、執行猶予は刑の執行を一時的に猶予したにすぎません。
よって,何らかの事由により執行猶予が取消された場合は刑に服しなければなりません。
刑法は、26条で①必要的取消し(必ず取消される)事由を,26条の2で②裁量的取消し(取り消される場合がある)事由を定めています。

①の例を挙げると,執行猶予期間中にさらに罪を犯し,その罪につき禁錮以上の実刑に処せられた場合(刑法26条1号)です。
この場合,新たに実刑に処せられた刑(例えば,懲役1年)と執行猶予が付いた刑(例えば,懲役8月)とを併せて服役(懲役1年8月)しなければならなくなります!

②の例を挙げると,執行猶予期間中に罪を犯し,罰金に処せられた場合(刑法26条の2第1号),保護観察の遵守事項を遵守せず,情状が重いとき(刑法26条の2第2号)などがあります。

執行猶予というと,とかくメリットの方を強調されがちですが,執行猶予はあくまで社会内更生を図るための制度であり,取消されることがあるということも頭に入れておくべきでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、万引きをはじめとする窃盗罪などの刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
実刑判決とならないか不安といった方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

大阪府茨木市で車上荒らし

2020-02-14

大阪府茨木市で車上荒らし

大阪府茨木市で起きた車上荒らし事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】
Aさんは仲間であるBさんとともに大阪府茨木市のショッピングモールの駐車場に行き,駐車してあった自動車に置かれていたバッグを盗みました。
被害者が被害届を出したことから大阪府茨木警察署が窃盗事件として捜査を始めました。
(フィクションです)

【車上荒らし】

車上荒らし車上狙いは,自動車等の車両内から現金や物品を盗むことをいいます。
車両内から現金や物品を盗む行為は窃盗罪に問われます。

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

この窃盗罪の条文の中にある「窃取」とは,他人が占有する財物を、占有者の意思に反して自己の占有下に移す行為などをいいます。
特に、持ち主が近くにいない時に財物を持って逃げた場合に、「他人が占有する財物」に当てはまるのかが問題となることがあります。
すなわち、他人の占有下にあった財物を盗んだとして窃盗罪になるのか、他人の占有下にない落とし物を持ち去ったにすぎないとしてより軽い遺失物横領罪にとどまるのか、という点が問題となることがあります。

どのような場合に占有があると認められるかは一概には言えませんが,過去の裁判例では,海中に落した物(最決昭和32・1・24・刑集11巻1号270頁)やバス待合所に一時的に置き忘れたカメラ(最判昭和32・11・8刑集11巻12号3061頁)などで所有者が意識していたり置いた場所をすぐに思い出して取りに戻ったりした場合にはその占有が認められています。

逆に,広大な湖沼に逃げ出した鯉(最決昭和56・2・20刑集35巻1号15頁)や大規模スーパー内の6階で置き忘れたが被害者が思い出して10分後に取りに戻った財布(東京高判平成3・4・1判時1400号128頁)について,その占有を否定した裁判例があります。

以上の裁判例を見ると,裁判所その物が意識して置いてあるように見えることを重視して占有の有無を認定しているといえ,具体的には以下のようなものを基準としているのではないかと考えられます。

①場所
自宅や自己の管理する場所内か,一般に人がその物を意識して置く場所かなど
②物自体の特性
忘れやすい物か,高価な物か,大きいか等

今回のAさんらが盗んだバッグは自動車内にありました。
事件の概要からは明らかではありませんが,たとえ近くに持ち主はいないとしても車両内は車両の持ち主や使用者が管理する場所であり,そこに置かれている物にはその物の所有者や使用者の占有が及んでいると考えられています。
したがって,車両内の物を盗んだAさんは窃盗罪に問われることになる可能性が高いです。

ちなみに,窃盗罪は未遂も処罰されます(刑法第243条)ので,車両内の物を盗む目的で車の窓ガラスを破壊したりドアの鍵を開けようとするなど,車上荒らし行為を始めた時点で窃盗未遂罪が成立する可能性があります。

気になる窃盗罪の量刑(判決の重さ)については,主に計画性や被害額、前科の有無、被害者に謝罪賠償して示談が締結できたか、などが考慮材料となります。

【弁護の方針】

窃盗罪の被疑者が逮捕されていたり勾留中の場合は,まずは早期釈放を目指すことになるでしょう。
逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されると身体拘束が長期化しますので、これらのおそれがないことを検察官裁判官に主張していくことになります。

車上荒らし事件では,被害者との示談も重要です。
示談を成立させることにより,その内容によって不起訴処分執行猶予を得られる可能性を高めることができます。
当事者間で直接行おうとしても難航する場合が多いですが,法律の専門家である弁護士が間に入ることにより円滑に交渉を進められる可能性が高まります。

刑事事件ではスピードが命です。
対応が後手に回れば回るほど不利益な結果を招くことになり,身体拘束期間が長期化したり必要以上に重い処分を受ける可能性すらあります。

また,逮捕されると捜査機関からの連日の取調べで心身ともに疲弊してしまい,事実とは異なることが記載された調書にサインしてしまうことすら少なくありません。
さらに,現在の状況をご家族の方に伝えることもままならず,今後の見通しが全く立たず社会復帰が必要以上に遅れる可能性もあります。

車上荒らしなどで窃盗罪被疑者となってしまった方や,警察署から呼び出され取調べを受けることになってしまった方などは,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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