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窃盗事件で控訴
窃盗事件で控訴する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
侵入盗事件で兵庫県芦屋警察署に逮捕されたAさんは、その後3件の侵入盗事件で神戸地方検察庁尼崎支部に起訴されました。
その後、Aさんは、神戸地方裁判所尼崎支部に懲役1年の実刑判決が言い渡されました。
判決に納得いかないAさんは、第一審の弁護人に控訴について相談しています。
(フィクションです。)
控訴について
被告人は、裁判に対する不服を理由として当該裁判の確定を遮断し、上級裁判所に対して新たな裁判を求める不服申立を行うことができます。
このような権利を「上訴権」といいます。
「控訴」は、第一審の判決に対する上訴であり、控訴審判決に対する上訴を「上告」といいます。
上訴権は、憲法で保障されている「裁判を受ける権利」を具体化したものですが、無制限に認められるものではなく、満たすべき要件が設けられています。
◇控訴の要件◇
控訴が認められるためには、様々な要件を満たしている必要があります。
1.期限
控訴することが出来る期間は決まっており、第一審の判決正本が送達された日の翌日から起算して2週間です。
この期間内に控訴申立書を第一審の裁判所に提出する必要があります。
その後、控訴裁判所が定めた期限までに控訴趣意書を提出しなければなりません。
期限を過ぎて提出した場合には、やむを得ない事情に基づくと認められない限り、控訴棄却の決定がなされます。
2.控訴理由
控訴は、第一審の判決の誤りに対する不服申立であるため、申立てた者は、その判決に誤りがあること(控訴理由)をきちんと主張しなければなりません。
控訴理由については、刑事訴訟法に定められており、次の4つに分類されます。
①法令違反
・法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
・法令により判決に関与することができない裁判官又は裁判員が判決に関与したこと。
・審判の公開に関する規定に違反したこと。
・不法に管轄又は管轄違いを認めたこと。
・不法に、公訴を受理し、又はこれを棄却したこと。
・審判の請求を受けた事件について判決をせず、又は審判の請求を受けない事件について判決をしたこと。
・判決の理由を附せず、又は理由にくいちがいがあること。
・上記以外の訴訟手続の法令違反があり、その違反が判決に影響を及ぼすことが明らかである場合。
・法令の適用に誤りがあって、その誤りが判決に影響を及ぼすことが明らかである場合。
②量刑不当
宣告刑が具体的事案において重すぎる、あるいは軽すぎることを控訴の理由とするものです。
情状事実の誤認や評価の誤りといった裁量的加重減免、酌量減軽、刑種の選択や刑期の長短、刑の執行猶予、罰金の換刑処分、選挙権・被選挙権の停止・不停止等も量刑不当の問題となります。
③事実誤認
証拠から実体法的事実を認定するにあたって、証拠の価値判断や取捨選択を誤り、あるいは証拠から認定事実を推理判断する過程において論理法則・経験則のあてはめを誤り、その結果として事実認定を誤ることを「事実誤認」といいます。
事実認定を誤ったことにより、判決に影響を及ぼすことが明らかであることが控訴理由足り得るのです。
④再審事由・刑の廃止等
再審の請求ができる場合に当たる事由があることや、判決があった後に刑の廃止もしくは変更又は大赦があったことも控訴事由となります。
②量刑不当や、③事実の誤認を控訴理由として申し立てる場合、第一審の訴訟記録および証拠に現れている事実に加えて、一定の限度で控訴審での新証拠に基づく事実を主張することができます。
やむを得ない事由によって第一審の弁論終結前に取調を請求することができなかった証拠によって証明することのできる事実、あるいは、第一審の弁論終結後判決前に生じた事実であり、量刑不当または事実誤認の控訴理由がある場合には、訴訟記録および原裁判所において取り調べた証拠に現れている事実以外の事実であっても、控訴趣意書に援用することができます。
量刑不当を主張する場合、原判決後に被害者との示談が成立したことは、被告人の有利に働きます。
単に、第一審で主張した事情を繰り返すことでは意味がありません。
量刑相場との対比、余罪の評価が適切であるか、前提事実に誤認がないか、原審の事情で正当に評価されなかったものはないか、被告人に有利となる弁論終結後の事情はないか、など注意深く検討する必要があります。
控訴を検討されている際には、控訴理由に該当する事情がどの程度見込めるのか、刑事事件に強い弁護士にご相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
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窃盗事件で職務質問
職務質問について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪府泉北郡忠岡町を警ら中の大阪府泉大津警察署の警察官は、窃盗事件の容疑者の特徴によく似た男を発見しました。
警察官は、男に職務質問をしようと声を掛けましたが、男は隙を見てその場から逃げようとしました。
警察官は男を追跡し、背後から男の腕を掴んで停止させようとしました。
男は、警察署での取調べで警察官による職務質問は違法だと主張しています。
(フィクションです。)
警察が犯罪の発生を認知することから当該犯罪の捜査が開始されます。
刑事訴訟法189条2項は、
司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。
と規定しています。
「犯罪があると思料するとき」、つまり、捜査の端緒が得られた時には、現行犯人の発見、変死体の検視、告訴・告発、自首、被害者・第三者による被害の申告、職務質問などがあります。
職務質問を端緒として犯罪が発覚することは少なくありません。
警察官職務執行法2条1項は、
警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができる。
と規定しており、警察官は、異常な挙動をしている者等に対して質問をすることができることになっています。
職務質問が許されるための要件としては、
①異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者である。
②既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者である。
いずれかに当てはまる場合でなければなりません。
例えば、不自然な動作や季節に合わない服装をしている、深夜であるといった場合や、犯人と思われる人物と似ている場合などにおいては、警察官は職務質問を行います。
この職務質問は、行政警察活動としての手段であって、刑事訴訟法上の司法警察活動としての捜査ではありません。
以上のような要件が満たされている場合に警察官は職務質問を行うことになりますが、警察官職務執行法2条3項は、
前2項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。
としており、あくまで任意的手段によるものとされています。
そのため、相手が職務質問に応じないときは、警察官は粘り強く応じるよう説得することになるのですが、相手がその場を立ち去ろうとする場合には、相手を停止させるためにどの程度の実力行使までが適法となるのでしょうか。
これについては、次のような裁判例があります。
警ら中の警察官が、夜間道路上で被告人に職務質問をし、駐在所に任意同行して所持品等について質問中、隙を見て被告人が逃げ出したことから、更に質問を続けるために約130メートル追跡し、背後から腕に手をかけた際に被告人から暴行を受けて怪我をしたという事件について、質問を続けるために追跡して背後から腕に手をかけて停止させる行為は、正当な職務質問の範囲内であるという判断を示したものがあります。(最高裁決定昭和29年7月15日)
明らかに建造物侵入が疑われるような不審な行動に出ていた被告人に対して、巡査が再三質問を繰り返し、やがて、段ボール箱からカメラなどを入れた紙袋を左手に持って出てきた被告人と50㎝くらいの間隔で相対峙し、被告人が階段に向かい逃げようとするのをその前面に立ちふさがって2,3m移動し、質問を引き続き繰り返したという事案について、当該巡査の行為は適法な職務質問であったと判断したものもあります。(広島高裁判決昭和51年4月1日)
犯罪の嫌疑が強まっている状況においては、多少の実力行使はやむを得ないものとされ適法な職務質問の範囲内と判断されるでしょう。
しかし、実力行使の内容が任意の許容限度を超えたと判断されれば、職務質問の違法性が認められることになります。
職務質問をはじめ捜査機関による捜査の適法性に問題があると疑問をもたれていらっしゃる方は、一度弁護士にご相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
窃盗事件の被疑者・被告人となり対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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常習累犯窃盗で起訴
常習累犯窃盗について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪府東成警察署は、令和3年3月1日の置き引き事件の被疑者としてAさんを逮捕しました。
Aさんは、窃盗等の前科が多数あり、これまで窃盗等で3回にわたり刑に処せられ服役しています。
3回のうち2件は侵入盗、1件は万引きによるものでした。
大阪地方検察庁は、Aさんを常習累犯窃盗で起訴しました。
(フィクションです。)
常習累犯窃盗とは
「盗犯等の防止及び処分に関する法律」(以下、「盗犯法」といいます。)は、その3条で、いわゆる「常習累犯窃盗」等の罪について定めています。
第三条 常習トシテ前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行為前十年内ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三回以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ対シ刑ヲ科スベキトキハ前条ノ例ニ依ル
昭和5年に公布された古い法律ですので、若干読みづらいですが、常習として窃盗等を行う習癖を有する者に対して、行為前の一定の前科を考慮して、その習癖のない者より重く処罰することとしています。
常習累犯窃盗罪が成立するためには、「常習として」
①本件犯行とされる行為の前10年以内に、
②窃盗・強盗の罪若しくはその未遂罪、又は、それらの罪と他の罪との併合罪について、
③3回以上6月の懲役以上の刑の執行を受け又はその執行の免除を得た
ことが必要となります。
ここでいう「常習として」とは、機会があれば抑制力を働かせることなく容易に窃盗を反復する習癖をいうものと理解されています。
この常習性が認められるかどうかは、行為者の前科・前歴、素行、犯行動機、犯行手口、犯行態様、犯行回数、犯行間隔等を総合的に判断して検討されます。
そのため、単に今回は置き引きで今までの窃盗と手口が異なるというだけでは、常習性が否定されるわけではありません。
①行為の前10年以内に
構成要件の①である「行為の前10年以内」とは、本件犯行とされる行為が開始された前日から10年以内ということを意味します。
上の事例においては、逮捕容疑の窃盗は令和3年3月1日に行われたものであるため、令和3年2月28日から10年以内、つまり、平成23年3月1日から令和3年2月28日の間に、ということになります。
②窃盗・強盗の罪、その未遂、併合罪
窃盗罪、強盗罪、事後強盗罪、昏酔強盗罪、それらの未遂罪や、それらの罪に他の罪が併合罪として併せて処罰され、服役している場合も含まれます。
つまり、他の罪と併せて処罰されていても、窃盗や強盗が入っていれば②の要件に該当するということです。
③3回以上6月の懲役以上の刑の執行を受け又はその執行の免除を得た
この3回という回数は、執行され又は執行を免除された刑のみをカウントすればよく、その刑が言い渡された判決の数は関係ありません。
3回の刑のうち最初の刑については、その刑の執行終了日が10年以内であればよく、その執行開始日が10年以内である必要はありません。
常習累犯窃盗は、通常の窃盗とは異なり、その法定刑に罰金刑はありませんので、起訴された場合、略式手続に付すことはできず、必ず公判請求されることになります。
常習累犯窃盗に当たるのか、単なる窃盗となるのかにより、最終的な結果にも大きく影響することになります。
そのため、早期に弁護士に相談し、適切に対応することが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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他人のキャッシュカードで現金引き出し
他人のキャッシュカードで現金を引き出した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
他人のキャッシュカードで現金を引き出したとして、千葉県鴨川警察署は、Aさんを窃盗の容疑で逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、被害者の方に謝罪と被害弁償を行いたいと考えています。
(フィクションです。)
窃盗罪の構成要件
刑法235条は、
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
と規定しています。
1)客観的構成要件
窃盗罪の客観的構成要件は、
①他人が占有する
②他人所有の財物を
③窃取する
ことです。
①占有
刑法上の「占有」とは、財物に対する事実上の支配を意味するとされており、客観的要素としての財物に対する支配という事実と、主観的要素としての支配の意思から成るものと理解されています。
③窃取
「窃取」とは、財物の占有者の意思に反して、その占有を侵害し、これを奪取することをいいます。
相手方が了解しているような場合であれば、それは任意の交付に当たり「窃取」には該当しません。
また、相手方の反抗を抑圧したり、畏怖させたりして奪う行為は「窃取」には含まれず、強盗罪や恐喝罪が成立することになります。
2)主観的構成要件
窃盗罪の主観的構成要件は、
①客観的構成要件を満たす行為に及んでいるという窃盗の故意
②不法領得の意思
の2つです。
①故意
窃盗は故意犯です。
窃盗罪の成立には、自らが遂行する実行行為の認識、認容が必要です。
つまり、財物に対する他人の占有を排除して、自己又は第三者の占有に移すことについての認識、認容がなければなりません。
②不法領得の意思
条文上明記されてはいませんが、「不法領得の意思」も判例上窃盗罪の主観的構成要件とされています。
「不法領得の意思」とは、権利者を排除し、他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い、これを利用し処分する意思のことをいいます。
他人のキャッシュカードで現金を引き出した場合
他人のキャッシュカードを何らかの方法で入手し、そのキャッシュカードを使用してATMで現金を引き出した場合には、どうなるのでしょうか。
まず、他人のキャッシュカードを入手した点について、その行為自体が先に述べた窃盗罪の構成要件に該当する場合であれば、他人のキャッシュカードを窃取したとして、当該キャッシュカードの持ち主である、当該預金口座名義人を被害者とする窃盗罪が成立することになります。
次に、他人のキャッシュカードを使ってATMから現金を引き出す行為についてはどうでしょうか。
これについても当該預金口座名義人が被害者となるのでしょうか。
この点、銀行の預貯金口座に預けられている金員は、いったい誰が占有していると考えられるのかが問題となります。
銀行と預金者との間で結んだ契約は、銀行が預金者が預け入れた現金については銀行が自由に消費することができ、銀行は、預金者が預け入れた現金と同額の現金を預金の引出しという形で預金者に返還することとしています。
つまり、預金者が預け入れた現金は、銀行がすでに消費してしまっており、これについて預金者が占有しているとは言えず、預金者は預金残高に相当する金員の返還請求権を有しているだけとなります。
しかしながら、返還請求権を有する預金者は、いつでも預貯金口座から金員を引き出す権限を持っており、実際いつでも自由に金員を引き出すことができるため、口座にある金員を占有していると理解することができます。
ただ、そのように考えた場合であっても、預金口座の残高に相当する金員については、銀行が保有している資金の一部として占有していることになるので、銀行の当該金員に対する現実的な占有が認められます。
そのため、他人のキャッシュカードを使用してATMから現金を引出した場合、ATM内に現金を保管・管理している銀行の現実的な占有を侵害したものとして、銀行を被害者とする窃盗罪が成立するものと考えられます。
以上、上の事例では、使用したキャッシュカードの名義人だけでなく現金を引出したATMを管理する銀行に対する窃盗罪が成立する可能性があります。
窃盗罪は財産犯であり、被害の回復の有無が最終的な処分にも大きく影響することになります。
窃盗事件で被疑者・被告人となり対応にお困りの方は、早い段階から刑事事件に強い弁護士にご相談されるのがよいでしょう。
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窃盗と親族相盗例
窃盗と親族相盗例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aは、趣味のギャンブルのため生活費が底をついて困っていました。
Aは、息子の義父Vが会社を経営していることを思い出しました。
そこで、息子が工場長を務めるVの会社の工場に侵入し、金庫から現金50万円を盗みました。
後日、Aは窃盗と建造物侵入の容疑で埼玉県草加警察署に逮捕されました。
(フィクションです。)
親族相盗例とは
刑法は、窃盗罪における親族相盗例を認めています。
刑法244条1項は、
配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
と規定しています。
これが「親族相盗例」と呼ばれるものです。
親族間の窃盗であれば刑が免除されることになっているのですが、これは、「法律は家庭に入らない。」とする刑事政策的思想に基づくものであって、家庭内の窃盗などの一定の財産犯罪については、国の刑罰権の行使を差し控え、家庭内の自律に委ねようという考えがあってのものです。
この親族相盗例が認められる要件としては、
①配偶者
②直系血族
③同居の親族
との間で窃盗を犯したこととなります。
①配偶者には、内縁関係にある者は含まれません。
②直系血族とは、直系の関係にある血族のことをいいますが、具体的には、自分の祖父母、両親、子、孫を指します。
③同居の親族に関して、まず、「親族」とは、民法725条の規定によれば、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族を意味します。
刑法244条1項では、①配偶者、②直系血族がすでに規定されているので、③同居の親族については、6親等内の傍系血族及び3親等内の姻族を指すものといえるでしょう。
それらの親族のうち「同居している」ものに限られますが、同居しているといえるためには、同一家計の下に居を定めて日常生活を共にしていなければなりません。
そのため、同じ家で暮らしていたとしても、生計を全く別にしている場合には「同居の親族」とは言えません。
そして、窃盗犯人が所有者以外の者の占有する財物を窃取した場合においては、親族相盗例が適用されるためには、窃盗犯人と、財物の所有者及び占有者とのいずれとの間においても、刑法244条1項に規定される親族関係が存在していなければなりません。
そのため、上記事例のように、盗んだ現金の所有者である会社社長とAとの間には何ら求められる親族関係がない場合には、親族相盗例が適用されず、Aに対する窃盗罪が成立することになります。
仮に親族相盗例が適用された場合でも、窃盗罪が成立することには変わりありません。
ただ、その効果として刑が免除されるため、窃盗で起訴され有罪となっても、「被告人に対し刑を免除する。」と言い渡されることになります。
窃盗のような財産犯では、損害が回復されたかどうか、つまり、盗んだ物を返したり、金銭的に賠償したかどうかが最終的な処分に大きく影響します。
そのため、窃盗事件においては、被害者への被害弁償や示談を成立することができるよう、早期に弁護士を介して被害者対応をきちんと行うことが重要です。
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窃盗と責任能力
窃盗と責任能力について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
神奈川県平塚市のコンビニで、商品を万引きしたとして、市内に住むAさんが窃盗の容疑で現行犯逮捕されました。
Aさんは、これまでも万引きで前科前歴があり、直近では昨年平塚簡易裁判所から罰金の略式命令が言い渡されていました。
神奈川県平塚警察署から逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、精神疾患が万引きに影響しているのではないかと弁護士に相談しています。
(フィクションです。)
犯罪の成立
犯罪とは、「構成要件に該当する、違法で有責な行為」であると一般的に理解されています。
つまり、ある行為が犯罪であると言うためには、
①構成要件に該当すること、
②違法であること、
③責任があること
という3つの要件をすべて備えていなければならないのです。
①構成要件該当性
「構成要件」というのは、法律により犯罪として定められた行為の類型のことです。
窃盗罪についていえば、「他人の財物を窃取」するということが構成要件となります。
②違法性
そして、犯罪であるというためには、構成要件に該当する行為が「違法」でなければなりません。
法律に犯罪であると定められた以上、その行為は「違法」であるといえますが、法律は、その違法性を例外的に阻却する場合についても定めています。
例えば、人を殺したことは事実であるけれども、自分の身を守るためだった場合には、正当防衛として違法性が阻却され犯罪が成立しないことがあります。
③有責性
犯罪であるというためには、構成要件に該当し、違法である行為が行為者により有責に行われたのでなければなりません。
換言すれば、構成要件に該当し違法な行為であったとしても、それを行ったことについて責任が認められなければ犯罪は成立しないのです。
「責任がある」といえるためには、行為者が「ダメだと分かっているのにあえて自らの意思でやった」といえなければなりません。
つまり、行為者が「行為の是非を弁別し、かつ、これに従って行動を統制できる能力」(=責任能力)がなければ、当該行為者が構成要件に該当する違法な行為を行ったとしても、それは有責に行われたとは言えないのです。
刑法は、心神喪失者について、責任能力が欠けるため責任阻却を認めています。
「心神喪失」とは、精神の障害により、行為の違法性を弁識し、その弁識に従って行動を抑制する能力を欠く状態をいいます。
一方、「心神耗弱」とは、精神の障害により、行為の違法性を弁識し、その弁識に従って行動を抑制する能力が著しく限定されている状態をいいます。
心神耗弱者の場合については、責任能力は存在するものの、著しく限定されているため、責任減少を認め、その刑は減軽されます。
また、刑事未成年者についても、責任能力を否定しています。
窃盗と責任能力
窃盗の場合も、人の物を盗んだのであれば、通常、犯罪が成立するものと考えられますが、責任能力がないと判断されれば、犯罪の成立は肯定されないことになります。
窃盗犯が犯行時に何らかの精神病を患っていたのであれば、その精神障害がどの程度影響したのかが問題となります。
これには、医師の精神鑑定、犯行時や犯行後の言動など総合的に考慮して、犯行時に精神障害がどの程度影響していたのか、つまり、精神障害により、行為の違法性を弁識し、その弁識に従って行動を抑制する能力を欠いていたのか否かが検討されるのです。
犯行当時、精神障害により、行為の違法性を弁識し、その弁識に従って行動を抑制する能力を欠いていたのではないかという疑いを払拭することができないと裁判官が考えるのであれば、裁判では無罪が言い渡されることになります。
ただ、責任能力を欠いている、責任能力が著しく限定されていると刑事裁判で認められるのは、相当程度重度の精神疾患がある場合などであり、そう多くはありません。
そのため、責任能力を争いたい方や責任能力について疑問を呈されている方は、早期に刑事事件に強い弁護士に相談し、しっかりと裁判に向けて準備をされるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が窃盗事件を起こし対応にお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
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セルフコーヒーで窃盗
セルフコーヒーで窃盗が成立する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
東京都町田警察署は、東京都町田市のコンビニで、コーヒーのレギュラーサイズを購入したのに、カフェラテのラージサイズの量を注ぎ盗んだ疑いで、Aさんを窃盗の容疑で逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)
コンビニで手軽に本格コーヒーを飲むことができると人気があるセルフコーヒーですが、中にはそのサービスを悪用する人も少なくないようです。
コンビニのセルフコーヒーに関連した事件がニュースなどでたびたび取り上げられますが、それらのほとんどは、値段が一番安いコーヒーを注文し、実際にはより値段の高い他の種類のコーヒーや量を増やして購入したカップに注ぐといった犯行態様です。
このような場合、「窃盗罪」の罪責に問われることが多くなっています。
詐欺罪ではないの?
「安いコーヒーを買うと思わせて、実際はもっと高いコーヒーを入れてるんだから、詐欺じゃないの?」と思われる方も多いと思います。
(1)詐欺罪
詐欺罪は、
①人を欺いて財物を交付させた場合、及び
②人を欺いて、財産上不法な利益を得、又は他人にこれを得させた場合
に成立する罪です。
詐欺罪の成立で重要なのは、「人を欺いて錯誤を生じさせ、その錯誤に基づいて財物・財産上の利益を交付させる」という点です。
つまり、「欺罔行為」→「錯誤」→「交付行為」→「物・利益の移転」という因果関係がなければなりません。
上の事例について考えてみましょう。
Aさんが、「カフェラテのラージサイズを注いでやろう。」と思ってレジでコーヒーのレギュラーサイズを注文したのであれば、Aさんの欺罔行為により、店員がそれを信じてコーヒーのレギュラーサイズのカップを渡し、Aさんはそのカップにカフェラテのラージサイズ分を注ぎ込んだのであれば、詐欺罪は成立するものと考えられます。
しかしながら、実際にレジで注文する時点で店員を騙してやろうと思っていたかどうかという、人の内心について明らかにすることはそう簡単ではありません。
「最初は注文したものを注ぐつもりだったのだけど、その後に心変わりして…。」と主張するケースも少なくありません。
(2)窃盗罪
窃盗罪は、「他人の財産を窃取した」場合に成立する罪で、他人の所有する財物の占有を移転し、それを取得した場合に成立するものです。
簡単に言えば、人の物を勝手に自分のものにすることです。
ただ、この罪の成立には、条文にはありませんが、「不法領得の意思」がなければならないとされています。
「不法領得の意思」というのは、「権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的法用法に従い利用、処分する意思」のことです。
そのため、一時的に使用して後で返すつもりだった場合や嫌がらせのために隠した場合には、不法領得の意思が認められず窃盗罪は成立しないことになります。
さて、コンビニのセルフコーヒーの話に戻りましょう。
Aさんは最初から騙すつもりではなかったのであっても、途中で心変わりしてカフェラテのラージサイズが欲しくなり、実際にカフェラテのラージサイズのボタンを押したのだとしましょう。
Aさんはコーヒーのレギュラーサイズ分の料金は支払っているもののカフェラテのラージサイズ分の料金は支払っておらず、カフェラテのラージサイズの商品についてはコンビニの管理者(店長)の所有下にあるままです。
それにもかかわらず、自分の物にしようと購入したカップに商品を注ぎ入れたのであれば、他人の所有する財物の占有を移転し取得したと言えるでしょう。
また、カップに注ぎ入れたコーヒーを後で返すつもりだったとか嫌がらせのために隠すつもりだったということも普通は考えられませんから、自分で消費するつもりだったとして不法領得の意思も認められ、窃盗罪が成立することになるでしょう。
このように、事例においてどのような罪が成立するかは、レジで注文する際に行為者がどのようなことを思っていたかによって異なります。
人の心の内ですので、立証することはそう簡単ではありませんが、例えば、何度も同じ行為を繰り返しているような場合には、最初から騙すつもりだったと認められる可能性もあります。
詐欺罪と窃盗罪とは、その法定刑も異なり、成立する罪によって最終的な処分も違ってくることもありますので、弁護士に相談し、きちんと対応することが重要です。
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窃盗事件で無罪主張
窃盗事件で無罪主張を行う場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
東京都練馬区のスーパーマーケットで、千円ほどの食料品を万引きしたとしてAさんは警視庁石神井警察署に窃盗の容疑で逮捕されました。
その日は、Aさんの家族が警察署に迎えに来て、Aさんは自宅に戻ることができました。
Aさんは、精神科に通院しており、事件当時のことは記憶にありません。
過去にも万引きの前科・前歴があり、その後、東京地方検察庁はAさんを窃盗罪で起訴しました。
東京地方裁判所から、起訴状と弁護人の選任についての問い合わせの書面がAさんの元に届きました。
(フィクションです)
あなたが窃盗罪で起訴されたとしましょう。
起訴前に検察官からの取調べの際に、「起訴しますので、弁護士を探しておいてください。」と言われたり、裁判所から起訴状が郵送されて弁護人の選任についてどうするかの問い合わせがあって、弁護士を探される方も少なくありません。
弁護士は、裁判において、被告人の権利及び利益を擁護するため、被告人の防御権の十分な実現を図るため最善の弁護活動を行います。
まずは、裁判でどのような主張をするのかについて被告人と十分に相談した上で決めます。
どのような主張を行うかということを決める前提として、起訴状に記載されている事実について認めるか、認めないか、ということが問題となります。
起訴状に記載されている事実の通りに事件を起こしたことを認める場合であっても、無罪を主張する場合もあります。
起訴状に記載されている事実を認める場合、通常は犯罪が成立し、有罪となります。
しかし、犯罪が成立するためには、起訴状に記載されている事実が認められるだけではなく、他に違法性と責任能力という2つの要件が必要となります。
違法性
違法性というのは、例えば正当防衛のように、自らの身を守るような例外的な事態のために、あえて犯罪を行ったような場合に、行為が違法ではないとされて無罪となります。
違法性がなくなるとされる理由は、刑法で定められています。(正当行為、正当防衛、緊急避難)
責任
罪を犯したときに処罰されるのは、「悪いことなのに、それをした」という「非難」がなされるからです。
そのため、例えば5歳の子供が万引きをした場合、子供なので自分のやったことの意味が分かっておらず、非難することができないと考えられているため処罰されないことになります。
これと同じように、刑法は、「心神喪失者の行為は、罰しない」(刑法第39条1項)、「心身耗弱者の行為は、その刑を減軽する」(同乗2項)としています。
「心神喪失」というのは、①精神の障害により、事物の理非善悪を弁識する能力がなく、又は②この弁識に従って行動する能力のない状態、のことです。
①は、精神の障害により、物事の善悪が判断できない状態になっていることで、②は、物事の善悪が判断できてはいるけれども、行為を思いとどまることができない状態であることを指します。
この①又は②の要素を満たすかどうかの判断は、何らかの病気が診断されていたとしても、好不調の波や、犯罪の程度、実際の行為の内容や目的の一貫性等を考慮して、心神喪失に当たるかどうか判断されます。
「心神耗弱」は、心神喪失と異なり、①又は②の能力が全く失われているのではなく、これらの能力が著しく減退した状態を指します。
なお、心身耗弱者に当たる場合には、その刑を減軽すると定めているだけですので、処罰を受けることに変わりはなく、無罪判決を得られるものではありません。
上記事例のように、精神病の影響が万引き行為に大きく働いたと考えられる場合には、責任能力がない、もしくは責任能力が著しく乏しい状態であったとして、無罪あるいは情状弁護をしていくという選択肢も考えられるでしょう。
ご家族が万引きで逮捕されて対応にお困りであれば、弁護士に相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件を含む刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
侵入盗で保釈に成功
侵入盗で保釈となるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
ある夜、突然、Aさんは福岡県春日警察署から、「息子さんを住居侵入、窃盗の容疑で逮捕しました。」との連絡を受けました。
突然のことで訳が分からず頭が真っ白になったAさんでしたが、すぐに夫に相談し、刑事事件に強い弁護士に接見に行ってもらうことにしました。
Aさんは、息子がいつ釈放されるのか心配しています。
(フィクションです)
侵入盗の身体拘束
他人の住居、事務所や店舗などに侵入し、他人の財物を盗むという窃盗の一種を「侵入盗」といいます。
侵入盗の場合、盗みを働く目的で、他人の住居や建造物に正当な理由なく侵入しているため、窃盗罪に加えて、住居侵入罪あるいは建造物侵入罪に問われることになります。
万引きや置き引きといった窃盗の手口と比べて、侵入盗は悪質であることや、被害者の住居や事務所・店舗を把握しているため、被害者に直接接触することができると判断される傾向にあり、逮捕に引き続いて勾留される可能性は高いと言えるでしょう。
また、侵入盗は単独ではなく複数人で行われることが多く、共犯者がいる事件では、共犯者間の接触を防ぐためにも犯人の身柄を拘束して捜査を進める必要があると判断されるでしょう。
逮捕後に勾留となれば、逮捕から最大で13日、勾留延長が認められれば最大で23日もの間警察署の留置場に拘束されることとなります。
長期間の身体拘束は、被疑者・被告人に身体的・精神的な苦痛を強いるだけでなく、その後の社会復帰にも大きな影響を及ぼしかねません。
侵入盗の場合、捜査段階での釈放が難しいことが多いですが、起訴された後であれば、保釈という制度を利用して釈放される可能性があります。
保釈で釈放を目指すには
一定額の保釈保証金を納付することを条件に、被告人に対する勾留の執行を停止し、その身体拘束を解く裁判とその執行を「保釈」といいます。
保釈は、被告人に対してのみ認められるものですので、起訴される前の被疑者段階では保釈により釈放されることはありません。
保釈には、「権利保釈」、「裁量保釈」、義務的保釈」の3種類あります。
1.権利保釈
裁判所は、保釈の請求があったときは、原則として保釈を許可しなければなりません。
例外として、権利保釈の除外事由がある場合には、請求を却下することができます。
除外事由は、次の通りです。
①被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
②被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
③被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。
2.裁量保釈
裁判所は、権利保釈の除外事由がある場合でも、適当と認めるときは、職権で保釈を許可することができます。
3.義務的保釈
裁判所は、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求によりまたは職権で、保釈を許可しなければなりません。
裁判所が保釈を許可すると、定められた保釈保証金を納付することで、被告人は釈放されることになります。
侵入盗であっても保釈を利用して釈放される可能性がありますので、ご家族が侵入盗で逮捕・勾留されてお困りの方は、刑事事件に強い弁護士に今すぐご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
窃盗の共犯事件で逮捕
窃盗の共犯事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
京都府向日市にある会社の事務所に忍び込み、現金や電気製品などを盗んだ疑いで、京都府向日町警察署は、Aさんを窃盗の容疑で逮捕しました。
調べに対し、Aさんは、「自分は車の運転と見張りを頼まれただけで、事務所の金は一切手を付けていない。」と容疑を否認しています。
Aさんは、接見にやって来た弁護士に事件について話し、自身がどのような責任を負うことになるのか相談しています。
(フィクションです)
窃盗の共犯事件
窃盗は、単独で犯行におよぶ場合もあれば、複数人で協力して遂行する場合もあります。
複数人が、共同して犯罪を実現する場合を「共犯」といいます。
この「共犯」には、「共同正犯」、「教唆犯」、「幇助犯」とがあります。
1.共同正犯
2人以上の者が、1個の犯罪を共同して実現する意思の連絡のもとに、各人が実行行為の一部を分担して犯罪を実行した場合を「共同正犯」といいます。
「共同正犯」が成立するためには、
①共同実行の意思
②共同実行の事実
がなければなりません。
①共同実行の意思
「共同実行の意思」というのは、2人以上の者が、お互いに他人の行為を利用し、補充し合って、ある犯罪の構成要件に該当する事実を実現しようとして通じ合う意思のことです。
他の実行者と共同して行う意思、つまり、ある犯罪を行うときに各行為者が相互に依存し、協力して犯罪を実現しようとする意思の連絡がなければなりません。
この意思は、数人の間に直接的に生じたものでなければならないわけではなく、共同者のうち特定の者を介して他の者に連絡されたことで、間接的に生じた場合でも構いません。
②共同実行の事実
「共同実行の事実」とは、2人以上の者が共同して実行行為を行うことをいいます。
つまり、各人が実行行為そのものを分担し、互いに他の共同者の行為を利用し合い、協力してある犯罪を実現することです。
この「共同実行の事実」は、その態様により、次の2つの分類されます。
(a)実行共同正犯
構成要件該当事実の実行行為を分担した場合を「実行共同正犯」と呼びます。
(b)共謀共同正犯
2人以上の者が、ある犯罪を行うため、共同意思のもとに一体となって、互いに他人の行為を利用し、各自の意思を実行に移す謀議をなし、これら共謀者のうち特定の者が共同の意思に基づいて実行した場合を「共謀共同正犯」といいます。
この場合、実際に実行行為を行わなかった者も共犯者としての責任を負うことになります。
共同正犯は、共同者全員が正犯者として扱われます。
2.教唆犯
「教唆犯」とは、人を教唆して犯罪を実行させた者をいいます。
教唆犯が成立するためには、
①他人に一定の犯罪を実行する決意を生じさせること。
②被教唆者が、その決意に基づいて犯罪を実行すること。
以上2点が必要となります。
3.幇助犯
「幇助犯」は、正犯を幇助した者のことをいい、
①正犯を幇助する意思をもって、幇助行為を行うこと。
②被幇助者である正犯が、実際に実行行為に及ぶこと。
により成立します。
「幇助」というのは、実行行為以外の行為で正犯を補助し、その実行行為を容易にする行為を意味します。
その方法は、凶器を正犯者に渡すといった物理的方法もあれば、正犯者を励ましたりアドバイスをするなどの精神的方法もあります。
幇助犯は従犯とされ、その刑は正犯の刑を減軽したものとなります。
見張り役は?
さて、窃盗の見張り役について、共同正犯となるのか、それとも従犯となるのかが問題となります。
判例では、被告人が事前に共謀して、見張り行為を分担するような場合には、共同正犯としているものが多くあります。
しかしながら、事案によっては、正犯性が否定される可能性もありますので、共犯関係を争う場合には、刑事事件に強い弁護士に相談するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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